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6章 変な石とその後の話
230話 EX打ち上げ
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シュゥゥゥゥゥ
パキパキ
冷却の為に吹き付けられるガスの音と、冷却によって霜が発生する音が小さく響く。
集積回路とコンデンサーに溜まった電気による発熱を、圧縮したガスを減圧して吹き付ける事による吸熱反応で冷却する、過冷却状態によって絶対零度に近い状態にしないと発生する熱によってレールガンの銃身(バレル)が歪んでしまうのだ。
現在地は魔の森近接の辺境領、其処にほど近い、何時もは人も寄り付かない小高い山の上だ、この世界では怪しい魔導技術が存在するが、結局薪や木材の需要が無くなる訳では無い、其の為に、少々伐り過ぎて禿山に成ってしまうこのような土地も珍しくはない、植林の必要性も説明しているが、直ぐに生える訳でも無いし、植えても直ぐ育つ訳でも無いので、其れなりに開けた状態の土地と成って居る。
この星の重力圏を振り切り、衛星軌道上に乗せる為には星の自転やコリオリ力、その他色々な変数を計算し、既定の方向に飛ばさなければならないので、諸々の条件を満たした場所で打ち上げなくてはいけない。
そもそもかなりの大きさの設備を展開する事に成る為、開けている場所じゃ無いと設置すらできない。具体的には数十メートル四方欲しいのだ。
因みに、弾体と成る物は我が子機の内の一つで、宇宙での観測用の特殊仕様、宇宙空間で衛星軌道から、最終目標地点である太陽系第三惑星、地球と、現在いるこの星の位置確認して、この先の計画を立てなくては、最終目標のサンプルリターンは無理としても、データリターン位は果たしたい。
冷却によって収縮したバレルのゆがみを含めて微調整を行う。
「射出時に衝撃波が発生する、耳を塞げ」
息をのんで見物している面々に警告を発する。
其々が大慌てで耳を塞ぎ、先に耳を塞いだ者を見て、其れに倣って意味が解らなかった者も耳を塞ぐ。全員が耳を塞いだのを確認して、カウントダウンを始める。
「射出前カウント・・・・・3・・・・2・・・・1・・・・発射」
射出用の最後の電力をかける。
シュ
バン!!!!!
バレル内でプラズマ状の尾を引きつつ弾体が加速し、バレルを飛び出す瞬間に超音速に達する、音の壁を貫通する事により爆発する様な音が響く。
最終速度はマッハ20程、ロケット燃料を使用する方法よりも電力だけで済む分だけ低コストだ。
弾道が低い部分では衝撃波が射線上の木々をなぎ倒し、高空では木々の葉を揺らす、ハイスピードカメラで弾道を追いかける、次の瞬間、弾体の行く先に何かが出現した。
「え?」
「あ……」
誰かが声を発するかどうかと言った一瞬に、出現した何かに弾体が衝突して。
粉々に砕け散った。
陽光に反射して一瞬煌めいて見えた。
「あーあ……」
失望の声が響き渡る。
「失敗?」
「見ての通りだ」
間違いなく失敗である、こう言ったイレギュラーは付き物では有るが。
「あれって落ちた場所どの辺?」
「多分ですけど、魔の森近接領の辺りですね、義父様の領地とはまた別の場所ですけど‥‥‥」
何だかんだで地理に詳しいアカデが場所を割り出す。
「割と人里?」
和尚が困り顔で情報の確認をする。
「ギリギリ森側だと思うけど、実際見て見ない事には……」
かなり遠いと言うか、此処からでは人里がほぼ山と森、岩に埋もれて肉眼では確認できない。
「アレだけ遠ければ私達が犯人だって事は判らない筈なんで、そう言う意味では安心ですけど?」
「其れは安心って言わない……」
若干酷い事を言うエリスに灯がツッコミを入れる。
「人の足で行くと、直通ルート無しで。かなり大回りに成るから1ヶ月はかかるわね?」
かなり遠いと言う事は良く分かった。
「被害状況を早文、オウルの手紙で確認するなら3日位の筈なんで、其れで確認してからですね?」
エリスが結論を出す。
「義父上に頼るしかないか」
和尚が、まあ、しょうがないかと言った様子で結論を出す。
「そう言えば、もう一回撃てないんですか?」
灯がそもそもの疑問を口に出す。
「見ての通りだ、今は無理」
電熱が限界を突破してプラズマ化した影響でバレルがほぼ蒸発した上でバナナの皮のように裂けてしまって居るので。もう一度作成して組み直すにも丸一日かかる。
「いや、子機をあの辺に落ちる速度で?」
「ああ、其の手が有ったか……」
「子機のパーツも回収したいんですよね?」
確かにあの子機にはかなりのリソースを使って居るので、回収しないのは勿体ない。
「そうだな。山なり弾道でそれならバレルの長さもある程度短くて済む……」
そんな合槌を打ちつつ、半ば蒸発したバレルを廃棄して、最低限のバレルと、探索用子機をでっち上げる。
「耳を塞いで、3・・・2・・・1・・・・発射」
バン!!
先程よりは大分大人しい音を発して飛んで行った。
丁度向こうの領地ではゴブリンの大発生が有り、砕けて散った破片は都合良くその群れに突き刺さり、群れの後ろ半分以上を仕留めて居たらしい。
知らない所で何が有ったのかと、仕留めた功労者を探して居ると言われたが、そんな事を名乗り出ても誰も信じないだろうと言う事で沈黙する事にした。
破片で怪我をした者が居ないかと調べて見たが、現場では全てゴブリンの襲撃による死傷者と言う事で決着が付いて居る為、今更調べる事は出来なかった。
しかし、蛇が医療シンボルに成って居るのか、世界の神話と言うか、異世界でも人のイメージは共通する物なのだな?
そんな的外れな感想を抱きつつ、子機の破片を回収して行ったが、子機のメインコアの一部が破損して無くなって居て、結局見つける事は出来なかった。
追伸
お察しの通りだと思われます。色々間が悪かったダケで、こやつに悪気はなかったんです。
コレで和尚の時代の話が終わり、あっちの話に移り変わるのですが、まあ和尚サイドで進みましょう。
ファンタジー大賞、応援ありがとうございました、最高順位200位ほど、後の100位の差が中々に遠いですが、未だ書けますのであまり気にせずのんびり行くとします。
パキパキ
冷却の為に吹き付けられるガスの音と、冷却によって霜が発生する音が小さく響く。
集積回路とコンデンサーに溜まった電気による発熱を、圧縮したガスを減圧して吹き付ける事による吸熱反応で冷却する、過冷却状態によって絶対零度に近い状態にしないと発生する熱によってレールガンの銃身(バレル)が歪んでしまうのだ。
現在地は魔の森近接の辺境領、其処にほど近い、何時もは人も寄り付かない小高い山の上だ、この世界では怪しい魔導技術が存在するが、結局薪や木材の需要が無くなる訳では無い、其の為に、少々伐り過ぎて禿山に成ってしまうこのような土地も珍しくはない、植林の必要性も説明しているが、直ぐに生える訳でも無いし、植えても直ぐ育つ訳でも無いので、其れなりに開けた状態の土地と成って居る。
この星の重力圏を振り切り、衛星軌道上に乗せる為には星の自転やコリオリ力、その他色々な変数を計算し、既定の方向に飛ばさなければならないので、諸々の条件を満たした場所で打ち上げなくてはいけない。
そもそもかなりの大きさの設備を展開する事に成る為、開けている場所じゃ無いと設置すらできない。具体的には数十メートル四方欲しいのだ。
因みに、弾体と成る物は我が子機の内の一つで、宇宙での観測用の特殊仕様、宇宙空間で衛星軌道から、最終目標地点である太陽系第三惑星、地球と、現在いるこの星の位置確認して、この先の計画を立てなくては、最終目標のサンプルリターンは無理としても、データリターン位は果たしたい。
冷却によって収縮したバレルのゆがみを含めて微調整を行う。
「射出時に衝撃波が発生する、耳を塞げ」
息をのんで見物している面々に警告を発する。
其々が大慌てで耳を塞ぎ、先に耳を塞いだ者を見て、其れに倣って意味が解らなかった者も耳を塞ぐ。全員が耳を塞いだのを確認して、カウントダウンを始める。
「射出前カウント・・・・・3・・・・2・・・・1・・・・発射」
射出用の最後の電力をかける。
シュ
バン!!!!!
バレル内でプラズマ状の尾を引きつつ弾体が加速し、バレルを飛び出す瞬間に超音速に達する、音の壁を貫通する事により爆発する様な音が響く。
最終速度はマッハ20程、ロケット燃料を使用する方法よりも電力だけで済む分だけ低コストだ。
弾道が低い部分では衝撃波が射線上の木々をなぎ倒し、高空では木々の葉を揺らす、ハイスピードカメラで弾道を追いかける、次の瞬間、弾体の行く先に何かが出現した。
「え?」
「あ……」
誰かが声を発するかどうかと言った一瞬に、出現した何かに弾体が衝突して。
粉々に砕け散った。
陽光に反射して一瞬煌めいて見えた。
「あーあ……」
失望の声が響き渡る。
「失敗?」
「見ての通りだ」
間違いなく失敗である、こう言ったイレギュラーは付き物では有るが。
「あれって落ちた場所どの辺?」
「多分ですけど、魔の森近接領の辺りですね、義父様の領地とはまた別の場所ですけど‥‥‥」
何だかんだで地理に詳しいアカデが場所を割り出す。
「割と人里?」
和尚が困り顔で情報の確認をする。
「ギリギリ森側だと思うけど、実際見て見ない事には……」
かなり遠いと言うか、此処からでは人里がほぼ山と森、岩に埋もれて肉眼では確認できない。
「アレだけ遠ければ私達が犯人だって事は判らない筈なんで、そう言う意味では安心ですけど?」
「其れは安心って言わない……」
若干酷い事を言うエリスに灯がツッコミを入れる。
「人の足で行くと、直通ルート無しで。かなり大回りに成るから1ヶ月はかかるわね?」
かなり遠いと言う事は良く分かった。
「被害状況を早文、オウルの手紙で確認するなら3日位の筈なんで、其れで確認してからですね?」
エリスが結論を出す。
「義父上に頼るしかないか」
和尚が、まあ、しょうがないかと言った様子で結論を出す。
「そう言えば、もう一回撃てないんですか?」
灯がそもそもの疑問を口に出す。
「見ての通りだ、今は無理」
電熱が限界を突破してプラズマ化した影響でバレルがほぼ蒸発した上でバナナの皮のように裂けてしまって居るので。もう一度作成して組み直すにも丸一日かかる。
「いや、子機をあの辺に落ちる速度で?」
「ああ、其の手が有ったか……」
「子機のパーツも回収したいんですよね?」
確かにあの子機にはかなりのリソースを使って居るので、回収しないのは勿体ない。
「そうだな。山なり弾道でそれならバレルの長さもある程度短くて済む……」
そんな合槌を打ちつつ、半ば蒸発したバレルを廃棄して、最低限のバレルと、探索用子機をでっち上げる。
「耳を塞いで、3・・・2・・・1・・・・発射」
バン!!
先程よりは大分大人しい音を発して飛んで行った。
丁度向こうの領地ではゴブリンの大発生が有り、砕けて散った破片は都合良くその群れに突き刺さり、群れの後ろ半分以上を仕留めて居たらしい。
知らない所で何が有ったのかと、仕留めた功労者を探して居ると言われたが、そんな事を名乗り出ても誰も信じないだろうと言う事で沈黙する事にした。
破片で怪我をした者が居ないかと調べて見たが、現場では全てゴブリンの襲撃による死傷者と言う事で決着が付いて居る為、今更調べる事は出来なかった。
しかし、蛇が医療シンボルに成って居るのか、世界の神話と言うか、異世界でも人のイメージは共通する物なのだな?
そんな的外れな感想を抱きつつ、子機の破片を回収して行ったが、子機のメインコアの一部が破損して無くなって居て、結局見つける事は出来なかった。
追伸
お察しの通りだと思われます。色々間が悪かったダケで、こやつに悪気はなかったんです。
コレで和尚の時代の話が終わり、あっちの話に移り変わるのですが、まあ和尚サイドで進みましょう。
ファンタジー大賞、応援ありがとうございました、最高順位200位ほど、後の100位の差が中々に遠いですが、未だ書けますのであまり気にせずのんびり行くとします。
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