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6章 変な石とその後の話
第240話 姉妹の会話(カナデ視点)
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いざという時は義姉(ねえ)さんが居るしと言う安心感も有って、ついついハイペースで呑み過ぎてしまった。言い訳させてもらうと、こうして義姉さんが居るとき以外は潰れないように注意して居るので、こう言うのは珍しいのだ。
何というか、変な話をされて居たのは聞こえていたし、覚えている、余計な情報を吐いたかも知れないが。そもそもあの人が連れてきたのだから、今更名前を伏せるまでもないハズだ。
でも、私に手を出すか出さないかの話をされて、一瞬ビックリしたが、結局手を出されず、無事である事に、安心と、女として見られなかったのだろうかと言う、謎のモヤモヤが残っている。
惚れたのかって?
いや、違う、女としてのプライド的な問題だ、私ももう30を超えて、人間年齢としては立派な大人なのだ、対象外と言われては、それはそれで傷付く。
見た目は未だ人間としては小さいので、子供扱いされがちだが、お酒も呑める立派な大人なのだ。
「まったく、義姉さんが今更自慢したくなったのは分かりましたけど、いきなり何言ってるんですか」
寝台の上で寝転がったままボヤく。
「大丈夫だったでしょう?」
姉が楽しそうに、悪気無く笑っているのが目に浮かぶ。
先程潰れてしまい、呑み過ぎて怠くて動けない、目も開かないが、意識ははっきりしているし、記憶も飛んではいない。
因みに、この寝室迄は例の新領主にして、この義姉の旦那である和尚さんに運ばれて来た。
妙にしっかりと、優しい手付きで抱き上げられてだ、何故か義姉の背中より居心地良く感じたのは謎だが、確かに害意は一切感じなかった。
「第一、私の身体で欲情する筈無いじゃないですか」
断わられたし、と、続けて言いかけ、咄嗟に口を閉じ、その一言を飲み込む。
「あら? そう見られたなら大丈夫?」
妙に楽しそうに姉が続けてくる。
「無いもしもの話しても意味無いので答えません」
変な誘導で逃げ道を塞いできそうな質問を、答えずに切り捨てる。
「カナデも良い歳なのに結婚も恋人も居ないんでしょう?」
「最近まで相手がいなかった姉さんに言われたくないです」
拗ねてみせる。
「そんな訳で、あの人を逃がすと次はなさそうだからお裾分け?」
これ以上無い楽しそうな声をしていた。
「そりゃあ、結婚してたらこんな仕事していませんけどね」
大抵結婚したら相手の家に取り込まれるので、こうしてあっちこっち行ったり来たりは先ず無い。
学園関係者、教授やら何やらとか、それなりに仲が良いが、なんと言うか子供扱いで孫を見る様な目なので、恋愛感情とかそんな物では無い、御父様の爵位は引き継ぎ出来ない名誉爵位だったので、父が亡くなった現在、私単体に政治的な価値も無い、事故見たいな特殊な血筋であるハーフエルフは子供や孫も期待出来ない、そんな訳で余り価値は無い。
仕事としての上司であるダモクレスからは評価されている様だが、あの人物は純粋に能力だけで見ているだけなので、そうした対象では無い。
寂しく無いと言ったら嘘に成るが、私も人間としては良い大人なのでそんなことも言っていられない。今は無き父様の様に、研究費と生活費を国から支給される研究者貴族では無いので、其れなりに働かなければ、美味しい、高くて良いお酒は飲めないのだ。
最後は可笑しい気もするが、研究対象のためなら根無し草みたいにあっちこっちにコロコロ転がって行って、連絡がまともに繋がらない姉さんを頼るのも無茶ぶりだと理解しているので、ちゃんと自立しているのだ。
「でも、本当にちゃんとした人なんですか? 姉さんも騙されてませんか?」
恋は盲目と言うし、姉さんも美人ではあるが研究一辺倒で男慣れはしていない類いだ、ダモクレスが前任者より優秀とみて連れて来た事を考えれば有望株ではあるはずだが、あくまで他人が外から見ての評価だ、私が至近距離から観察するとボロが出る可能性もある。
「騙されるというか、下手すると私が騙してる方? 寧ろたかってる方? 私が最近発表してる研究成果と手柄は、あの人からの借り物よ?」
今度は一寸困った調子だった。
「は?」
「で、諸々の研究費用も、あの人が出してるのよ?」
「え?」
「まあ、そんな訳で、疑うのは構わないし、しばらく観察してるのも構わないから、そういう対象としても見てみなさい?」
コレで終わりと言う感じの言葉で、よっこいしょと言う感じに声の位置が移動した。
「あ・・・・・・」
思わず声を追いかけて手が伸びた。目的のモノを掴みきれずに手が空を切る。
「あら?」
その動き自体は認識されたのか、反応があって、動きを止めた気配がある。
「・・・・・・久しぶりに・・・・・・一緒に寝ませんか?」
おずおずと消え入りそうな声で願いを伝えた。
「・・・・・・全く、まだまだ子供ね?」
お姉がクスリと笑って手を握ってくれた。
追伸
カナデからアカデを直接呼ぶ場合、文章上漢字的には義が付きますが、発音的には『おねえ』もしくは『ねえさん』と呼びます、意外と安定していません。でも対外的には『先輩』呼び、学生時代は馴染み切れていなかったので癖みたいなモノです、時々混じりますが、深い意味は無いので流してください。
対外的に、立場はカナデが上だけど、精神年齢的にはアカデが上なので、割とちぐはぐ、疲れた時や、お酒を飲んだ時にグダグダに成ってボロが出ます、今回は何だかんだクリティカル。
何というか、変な話をされて居たのは聞こえていたし、覚えている、余計な情報を吐いたかも知れないが。そもそもあの人が連れてきたのだから、今更名前を伏せるまでもないハズだ。
でも、私に手を出すか出さないかの話をされて、一瞬ビックリしたが、結局手を出されず、無事である事に、安心と、女として見られなかったのだろうかと言う、謎のモヤモヤが残っている。
惚れたのかって?
いや、違う、女としてのプライド的な問題だ、私ももう30を超えて、人間年齢としては立派な大人なのだ、対象外と言われては、それはそれで傷付く。
見た目は未だ人間としては小さいので、子供扱いされがちだが、お酒も呑める立派な大人なのだ。
「まったく、義姉さんが今更自慢したくなったのは分かりましたけど、いきなり何言ってるんですか」
寝台の上で寝転がったままボヤく。
「大丈夫だったでしょう?」
姉が楽しそうに、悪気無く笑っているのが目に浮かぶ。
先程潰れてしまい、呑み過ぎて怠くて動けない、目も開かないが、意識ははっきりしているし、記憶も飛んではいない。
因みに、この寝室迄は例の新領主にして、この義姉の旦那である和尚さんに運ばれて来た。
妙にしっかりと、優しい手付きで抱き上げられてだ、何故か義姉の背中より居心地良く感じたのは謎だが、確かに害意は一切感じなかった。
「第一、私の身体で欲情する筈無いじゃないですか」
断わられたし、と、続けて言いかけ、咄嗟に口を閉じ、その一言を飲み込む。
「あら? そう見られたなら大丈夫?」
妙に楽しそうに姉が続けてくる。
「無いもしもの話しても意味無いので答えません」
変な誘導で逃げ道を塞いできそうな質問を、答えずに切り捨てる。
「カナデも良い歳なのに結婚も恋人も居ないんでしょう?」
「最近まで相手がいなかった姉さんに言われたくないです」
拗ねてみせる。
「そんな訳で、あの人を逃がすと次はなさそうだからお裾分け?」
これ以上無い楽しそうな声をしていた。
「そりゃあ、結婚してたらこんな仕事していませんけどね」
大抵結婚したら相手の家に取り込まれるので、こうしてあっちこっち行ったり来たりは先ず無い。
学園関係者、教授やら何やらとか、それなりに仲が良いが、なんと言うか子供扱いで孫を見る様な目なので、恋愛感情とかそんな物では無い、御父様の爵位は引き継ぎ出来ない名誉爵位だったので、父が亡くなった現在、私単体に政治的な価値も無い、事故見たいな特殊な血筋であるハーフエルフは子供や孫も期待出来ない、そんな訳で余り価値は無い。
仕事としての上司であるダモクレスからは評価されている様だが、あの人物は純粋に能力だけで見ているだけなので、そうした対象では無い。
寂しく無いと言ったら嘘に成るが、私も人間としては良い大人なのでそんなことも言っていられない。今は無き父様の様に、研究費と生活費を国から支給される研究者貴族では無いので、其れなりに働かなければ、美味しい、高くて良いお酒は飲めないのだ。
最後は可笑しい気もするが、研究対象のためなら根無し草みたいにあっちこっちにコロコロ転がって行って、連絡がまともに繋がらない姉さんを頼るのも無茶ぶりだと理解しているので、ちゃんと自立しているのだ。
「でも、本当にちゃんとした人なんですか? 姉さんも騙されてませんか?」
恋は盲目と言うし、姉さんも美人ではあるが研究一辺倒で男慣れはしていない類いだ、ダモクレスが前任者より優秀とみて連れて来た事を考えれば有望株ではあるはずだが、あくまで他人が外から見ての評価だ、私が至近距離から観察するとボロが出る可能性もある。
「騙されるというか、下手すると私が騙してる方? 寧ろたかってる方? 私が最近発表してる研究成果と手柄は、あの人からの借り物よ?」
今度は一寸困った調子だった。
「は?」
「で、諸々の研究費用も、あの人が出してるのよ?」
「え?」
「まあ、そんな訳で、疑うのは構わないし、しばらく観察してるのも構わないから、そういう対象としても見てみなさい?」
コレで終わりと言う感じの言葉で、よっこいしょと言う感じに声の位置が移動した。
「あ・・・・・・」
思わず声を追いかけて手が伸びた。目的のモノを掴みきれずに手が空を切る。
「あら?」
その動き自体は認識されたのか、反応があって、動きを止めた気配がある。
「・・・・・・久しぶりに・・・・・・一緒に寝ませんか?」
おずおずと消え入りそうな声で願いを伝えた。
「・・・・・・全く、まだまだ子供ね?」
お姉がクスリと笑って手を握ってくれた。
追伸
カナデからアカデを直接呼ぶ場合、文章上漢字的には義が付きますが、発音的には『おねえ』もしくは『ねえさん』と呼びます、意外と安定していません。でも対外的には『先輩』呼び、学生時代は馴染み切れていなかったので癖みたいなモノです、時々混じりますが、深い意味は無いので流してください。
対外的に、立場はカナデが上だけど、精神年齢的にはアカデが上なので、割とちぐはぐ、疲れた時や、お酒を飲んだ時にグダグダに成ってボロが出ます、今回は何だかんだクリティカル。
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