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6章 変な石とその後の話
第261話 巨大イモムシ
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「あれ?」
ヒカリが指さす、皆の目線が指先をたどる。
何かを見つけたらしい巨大怪鳥、あーさんが何かをついばんでいた。
「「「あ……」」」
揃って呆けた声が上がった。
「食べてるの、多分実の方だよ?」
イリスが冷静にツッコミを入れる。
確かに、あーさんが食べているのは実の方だった、細長く若干毛深いドドメ色の木苺のような実が沢山成っている。
葉っぱも独特の二叉だったり三つ叉だったりする不安定な造形をして、独特の光沢が遠目にも見える、こっちの世界でも桑(くわ)の変な生態は変わらないらしい。
「以外と見つからないもんだな?」
枝と葉っぱの方に居た巨大イモムシはあーさんの目に入らないらしく、目の前に居るというのに気付かれた様子はなく、あーさんは一心不乱に実をついばんでいて。イモムシの方も気にした様子もなく葉っぱを囓っている。
「鳥には見つからないみたいだよ?」
ヒカリが補足する。
「ほら、そこも……」
イリスも無造作に葉っぱが無くなった木に近づき……
「こんな感じにいっぱい居るよ?」
二人は既に虫の眼を習得しているのか、虫の擬態を見破れる様子で、遠目には何も居ないような場所から、あっさりと人の頭ほどの巨大イモムシを見つけ、無造作に掴み上げた。大きすぎるので両手で抱えるようにだ。
「大人しいから簡単に捕まえられるんですよね」
アカデさんがウンウンと肯いていた。
灯が微妙に仰け反る、大きさ的に圧が凄い。
得意気にヒカリとイリスが揃って手近に居た巨大イモムシを抱えて寄ってくる。
怖い物無しな子供特有のやりたい放題加減だった。
音もなく灯とエリスが一歩退いたので、空気を読んで二人揃って此方に持ってきた。
子供が巨大カブトムシを自慢しに持ってくるのと同じだろうという事で、覚悟を決める。
「うん、凄いな?」
よしよしと二人の頭を撫でる。
「「にししー」」
と、得意気に二人が笑みを浮かべた。
「でも、これどうするの?」
ヒカリとイリスがどっちが大きいかなー?といった感じにお互いイモムシを抱えて大きさを比べている。上だけ見る分には可愛らしいのだが、イモイモなのは誰得なのやら、いや、指示を出した自分が悪いのだが。
「繭(まゆ)に成るまで育てて、糸を採って領地の名物にする」
「儲かるの?」
イリスが首をかしげる。
「分からん、実際やって見んことにはな?」
「じゃあいっぱい捕まえるね?」
だから任せたと言う調子で、こちらの手にヒカリがイモムシを乗っける。
毛がなく、ぷにぷにひんやりとした独特の感触が手にのっかった。
「程々にな?」
呆然と呟くように返事した。
「大丈夫ですか?」
灯があっけにとられた様子で呟く。
「毒とか攻撃性は無い生き物だからな、毛皮のふわもこと比べて感触が独特なだけで、実害はないんだ」
手に乗っけられたイモムシも、あっけにとられた様子で次の動きをしていない、いや、多少もぞもぞしているが、移動できていないのだ。
「共食いもしないから、平和なもんですよ?」
アカデさんも別に気にしない様子だ、先程から此方と同じように次々と巨大イモムシが手に乗っけられていく。
「でも、このジャイアントシルクワーム、餌の量が凄いですから、育てきるの大変ですよ?」
流石に困ったな? と言う様子で聞いてくる。
「どれぐらい?」
「多分、あれぐらいです」
アカデさんが首と目線だけで方向を示す、その目線を追うと、枝だけになった丸裸な木々が目に入った。
「一匹につき木一本分ぐらいは丸裸です、幹と枝は囓りませんから枯れはしませんが、凄い食べますよ?」
「そうだな………イモムシ系が山ほど食うのは当然だったな?」
多分、本日捕獲に来たと言った時点で順番を間違えている、先に此奴らの餌の畑を作らなければ色々追いつかない。
「年単位、挿し木で植林だな?」
規模が一気に大きくなる、桑(くわ)系の植物は挿し木が容易だが、直ぐになんとかなるモノでは無い。
「この木を丸ごと掘り出して植え直します?」
エリスが脳筋な事を言う。
「一先ずその方向だな、灯とエリスは一本ずつ掘り返して持ってきてくれ」
こっちは既に両手が塞がっている、そして切り倒していない植物は生き物扱いのため、虚空の蔵に入らないのだ。力自慢の灯とエリスじゃないと運べない。
「枝で挿し木もするから、枝落とししないで運んでくれ、あんまり大きいのじゃなくて良いから」
虚空の蔵からスコップを取り出して灯とエリスに預ける。
「了解」
「まあ、しょうが無いですね……」
二人が渋々と言った様子でスコップを受け取る。
最終的に、両手に巨大クワコと桑の木を担いだ謎の集団がえっちらおっちらと移動する羽目になった。
映えないことこの上なかった。
帰った際に、屋敷の使用人達に変な目で見られたのは言うまでも無い。
追伸
この期に及んでコイツらは人を使うのが苦手です。
下手に説明するより自分でやっちゃう類い。
ヒカリが指さす、皆の目線が指先をたどる。
何かを見つけたらしい巨大怪鳥、あーさんが何かをついばんでいた。
「「「あ……」」」
揃って呆けた声が上がった。
「食べてるの、多分実の方だよ?」
イリスが冷静にツッコミを入れる。
確かに、あーさんが食べているのは実の方だった、細長く若干毛深いドドメ色の木苺のような実が沢山成っている。
葉っぱも独特の二叉だったり三つ叉だったりする不安定な造形をして、独特の光沢が遠目にも見える、こっちの世界でも桑(くわ)の変な生態は変わらないらしい。
「以外と見つからないもんだな?」
枝と葉っぱの方に居た巨大イモムシはあーさんの目に入らないらしく、目の前に居るというのに気付かれた様子はなく、あーさんは一心不乱に実をついばんでいて。イモムシの方も気にした様子もなく葉っぱを囓っている。
「鳥には見つからないみたいだよ?」
ヒカリが補足する。
「ほら、そこも……」
イリスも無造作に葉っぱが無くなった木に近づき……
「こんな感じにいっぱい居るよ?」
二人は既に虫の眼を習得しているのか、虫の擬態を見破れる様子で、遠目には何も居ないような場所から、あっさりと人の頭ほどの巨大イモムシを見つけ、無造作に掴み上げた。大きすぎるので両手で抱えるようにだ。
「大人しいから簡単に捕まえられるんですよね」
アカデさんがウンウンと肯いていた。
灯が微妙に仰け反る、大きさ的に圧が凄い。
得意気にヒカリとイリスが揃って手近に居た巨大イモムシを抱えて寄ってくる。
怖い物無しな子供特有のやりたい放題加減だった。
音もなく灯とエリスが一歩退いたので、空気を読んで二人揃って此方に持ってきた。
子供が巨大カブトムシを自慢しに持ってくるのと同じだろうという事で、覚悟を決める。
「うん、凄いな?」
よしよしと二人の頭を撫でる。
「「にししー」」
と、得意気に二人が笑みを浮かべた。
「でも、これどうするの?」
ヒカリとイリスがどっちが大きいかなー?といった感じにお互いイモムシを抱えて大きさを比べている。上だけ見る分には可愛らしいのだが、イモイモなのは誰得なのやら、いや、指示を出した自分が悪いのだが。
「繭(まゆ)に成るまで育てて、糸を採って領地の名物にする」
「儲かるの?」
イリスが首をかしげる。
「分からん、実際やって見んことにはな?」
「じゃあいっぱい捕まえるね?」
だから任せたと言う調子で、こちらの手にヒカリがイモムシを乗っける。
毛がなく、ぷにぷにひんやりとした独特の感触が手にのっかった。
「程々にな?」
呆然と呟くように返事した。
「大丈夫ですか?」
灯があっけにとられた様子で呟く。
「毒とか攻撃性は無い生き物だからな、毛皮のふわもこと比べて感触が独特なだけで、実害はないんだ」
手に乗っけられたイモムシも、あっけにとられた様子で次の動きをしていない、いや、多少もぞもぞしているが、移動できていないのだ。
「共食いもしないから、平和なもんですよ?」
アカデさんも別に気にしない様子だ、先程から此方と同じように次々と巨大イモムシが手に乗っけられていく。
「でも、このジャイアントシルクワーム、餌の量が凄いですから、育てきるの大変ですよ?」
流石に困ったな? と言う様子で聞いてくる。
「どれぐらい?」
「多分、あれぐらいです」
アカデさんが首と目線だけで方向を示す、その目線を追うと、枝だけになった丸裸な木々が目に入った。
「一匹につき木一本分ぐらいは丸裸です、幹と枝は囓りませんから枯れはしませんが、凄い食べますよ?」
「そうだな………イモムシ系が山ほど食うのは当然だったな?」
多分、本日捕獲に来たと言った時点で順番を間違えている、先に此奴らの餌の畑を作らなければ色々追いつかない。
「年単位、挿し木で植林だな?」
規模が一気に大きくなる、桑(くわ)系の植物は挿し木が容易だが、直ぐになんとかなるモノでは無い。
「この木を丸ごと掘り出して植え直します?」
エリスが脳筋な事を言う。
「一先ずその方向だな、灯とエリスは一本ずつ掘り返して持ってきてくれ」
こっちは既に両手が塞がっている、そして切り倒していない植物は生き物扱いのため、虚空の蔵に入らないのだ。力自慢の灯とエリスじゃないと運べない。
「枝で挿し木もするから、枝落とししないで運んでくれ、あんまり大きいのじゃなくて良いから」
虚空の蔵からスコップを取り出して灯とエリスに預ける。
「了解」
「まあ、しょうが無いですね……」
二人が渋々と言った様子でスコップを受け取る。
最終的に、両手に巨大クワコと桑の木を担いだ謎の集団がえっちらおっちらと移動する羽目になった。
映えないことこの上なかった。
帰った際に、屋敷の使用人達に変な目で見られたのは言うまでも無い。
追伸
この期に及んでコイツらは人を使うのが苦手です。
下手に説明するより自分でやっちゃう類い。
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