8 / 11
8話
しおりを挟むアクセルさんの力強い一言に背中を押され、私は光の中へと足を踏み出した。
一歩、舞台の中央へ。
その瞬間、何百という人々の視線が、槍のように私に突き刺さった。
眩いスポットライトが容赦なく私を照らし出し、客席の闇との境界線をくっきりと描き出す。
ざわめき。好奇の目。期待と、品定めするような空気。
そのすべてが、巨大な波となって私に押し寄せ、立っているだけで意識が遠のきそうになる。
(何を、すればいいの……?)
頭が、真っ白になった。
ギードさんに教わった滑稽な歩き方も、セラフィーナさんが教えてくれた優しい微笑み方も、練習したはずの芸の段取りも、何もかもが、思考の彼方へと消え去ってしまった。
私はただ、舞台の真ん中で、巨大なだぶだぶの衣装を着たまま、石のように固まってしまった。
客席から、くすくすと笑う声が聞こえ始める。
「なんだ、あいつ?」
「出てきたはいいけど、固まってるぞ」
まずい。何かをしなければ。
焦れば焦るほど、体は動かない。
舞台袖で、アクセルさんが「動け!」と口パクで叫んでいるのが見えた。
そうだ、まずはご挨拶だわ。
私は、練習した通り、観客に向かって丁寧で、しかし滑稽に見えるようなお辞儀をしようとした。
ぐっ、と腰を深く折った、その瞬間だった。
私の足元で、悲劇は起きた。
普段履き慣れない、つま先が丸く、やたらと大きいピエロの靴。そのつま先同士が、見事に絡み合ってしまったのだ。
「あっ……!」
短い悲鳴を上げる間もなく、私の体はバランスを失い、前のめりに倒れ込んでいく。
スローモーションのように、床が迫ってくる。
ドンッ、という鈍い音と共に、私は舞台の真ん中で、無様に体を打ち付けた。
一瞬、テントの中が、水を打ったように静まり返った。
観客も、舞台袖の仲間たちも、楽団さえも、音を失った。
痛い。
恥ずかしい。
もう、おしまいだ。
涙が、じわりと滲み出てくる。
早くこの場から消えてしまいたい。
私が顔を上げられずにいると、その静寂を破るように、楽団から「ぽよんっ」という間の抜けた音が鳴った。
それに続くように、客席のどこかから、一人の子供の甲高い笑い声が響き渡った。
「あははは! ピエロさん、ころんだー!」
その声を皮切りに、こらえきれなくなった大人たちの笑いが、あちこちで爆発した。
それは、私が夜会で浴びたような、冷たい嘲笑ではなかった。
純粋に、私のドジな失敗をおかしく思う、温かい笑い声だった。
「だ、大丈夫か、あの子……」
「派手にいったなあ」
私は、何が起こったのかわからず、ゆっくりと顔を上げた。
ピエロのメイクで、どんな表情に見えているのかはわからない。
でも、きっと、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたに違いない。
そうだ、ジャグリングをしなくちゃ。
私は、おぼつかない手つきで、ポケットから三つのボールを取り出した。
もう、観客の反応を窺う余裕もない。
ただ、練習したことを、思い出せる範囲でやるだけだ。
一つ、二つ、とボールを宙に放る。
練習では、一度だって成功しなかった。
そして、本番でも、奇跡は起きなかった。
一つ目のボールは、高く上がりすぎて、そのまま私の頭の上、カラフルなカツラの真ん中に「こつん」と命中した。
二つ目のボールは、あらぬ方向へ飛んでいき、最前列に座っていた恰幅のいいおじさんの膝の上に、ぽとりと落ちた。
三つ目のボールに至っては、焦った私の手から滑り落ち、舞台の上をころころと転がり、オーケストラの指揮者の足元で止まった。
もはや、芸とは呼べない、ただの大惨事だ。
私は、その場で立ち尽くし、頭を抱えた。
「もう、ダメだわ……」
無意識に、そう呟いていた。
その私の絶望的な姿と、舞台上に散らばったボール、そしてボールを拾って困惑しているおじさんの姿が、観客の目にはひどく滑稽に映ったらしい。
テントが、揺れた。
今までで一番の、大爆笑の渦に、私がいる舞台が、飲み込まれていった。
最初は、失笑だった。
次に、苦笑が混じり始めた。
そして今、私のしでかした大失敗は、紛れもない大爆笑となって、テントの中を支配していた。
私は、何が起きているのか、まるで理解ができなかった。
失敗したのだ。
それも、これ以上ないくらい、無様に、完璧に。
観客は、怒るか、呆れるか、あるいは無関心に黙り込むかだと思っていた。
それなのに、彼らは笑っている。
お腹を抱えて、涙を流して、心の底から笑っている。
「なんだ、あの子! めちゃくちゃじゃないか!」
「芸になってないぞ! だが、最高に面白い!」
「ボブの旦那とは、また違う味があるな!」
客席から飛んでくる声は、非難ではなく、賞賛に近いものだった。
わけがわからない。
私の混乱をよそに、楽団はノリノリで演奏を続けている。
私が頭を抱えれば、情けない効果音を鳴らし、私がうろたえて舞台を走り回れば、コミカルで慌ただしい音楽を奏でる。
舞台袖の仲間たちが、必死に私をサポートしてくれているのがわかった。
最前列でボールを拾ってくれたおじさんは、苦笑しながらも、優しい手つきでボールを私に投げ返してくれた。
私は、それすらも上手くキャッチできず、顔面で受け止めてしまう。
「ごふっ」
変な声が出た。
また、ドッと笑いが起きる。
「頑張れー! ドジなピエロさーん!」
どこかの子供が、甲高い声で叫んだ。
その声に、私の心臓が、きゅっと掴まれたようになった。
頑張れ?
私を、応援してくれているの?
その声は、魔法のようだった。
今まで、私を支配していた恐怖や羞恥心が、すうっと潮が引くように薄れていく。
私は、ゆっくりと客席を見渡した。
みんな、笑っている。
老人も、若者も、男も、女も、小さな子供たちも。
みんな、私を見て、笑ってくれている。
夜会で向けられた、あの冷たい嘲笑とはまったく違う。
それは、私の失敗を、私のダメダメなところを、丸ごと受け入れてくれるような、温かくて、優しい笑いだった。
「……あ」
私は、その時、初めて気づいたのかもしれない。
人々の「笑い」には、こんなにも温かい種類のものがあったのだ、と。
舞台袖では、最初は青ざめていた団員たちが、信じられないといった表情で舞台を見つめていた。
「おい……なんだこれ……」
「ウケてる……めちゃくちゃウケてるぞ……」
ギードさんが、呆然と呟く。
セラフィーナさんは、目に涙を浮かべて、嬉しそうに微笑んでいた。
そして、アクセルさんは。
彼は、腕を組んだまま、壁に寄りかかっていた。
その口元に、ほんのわずかな笑みが浮かんでいるのを、私は遠目に見た。
彼は、こうなることを、わかっていたのだろうか。
私のダメなところが、人の笑いを誘うことを。
私の不器用さが、人の心を和ませることを。
「ピエロさーん! こっち向いてー!」
また、子供の声がする。
私は、その声の方へ、無意識に顔を向けた。
何かしなければ、という義務感からではない。
ただ、声がしたから、そちらを見た。
それだけだった。
私のその、きょとんとした表情が、またしても観客の笑いのツボにはまったらしかった。
テントは、もはや熱狂の渦の中にあった。
私は、その熱狂の真ん中で、ただ一人、立ち尽くしていた。
何が面白いのか、さっぱりわからないまま。
でも、不思議と、もう怖いとは思わなかった。
観客たちの温かい笑い声と声援は、まるで優しい毛布のように、私の心を包み込んでくれた。
今まで私を縛り付けていた、「上手くやらなければならない」「失敗してはいけない」という強迫観念が、少しずつ溶けていくのがわかった。
(もう、どうにでもなれ、だわ……)
ある意味で、開き直りに近い心境だった。
どうせ、私には何もできないのだから。
ジャグリングのボールを拾い集め、もう一度挑戦してみる。
もちろん、結果は同じだった。
ボールはあちこちに散らばり、一つは舞台の照明に当たって、火花が散った。
客席からは、悲鳴ではなく、歓声が上がる。
まるで、それすらも計算された演出だと思っているかのようだった。
私は、失敗するたびに、観客席に向かって「えへへ」と照れ笑いを浮かべて、ぺこりとお辞儀をしてみた。
すると、観客はさらに大きな拍手と笑い声を返してくれる。
何をやっても、許される。
何をやっても、笑ってくれる。
この空間は、なんて自由で、なんて優しいのだろう。
私は、いつの間にか、心の底からこの状況を楽しんでいた。
そうだ、一輪車があったわ。
私は、舞台袖に置いてあった一輪車を、よいしょ、と引っ張り出してきた。
ギードさんが「やめとけ!」と悲鳴のような顔で首を振っているのが見えたが、もう遅い。
観客は、私が新しいことに挑戦しようとしているのを見て、期待に満ちた手拍子を始めた。
私は、サドルに跨ろうと、片足を上げる。
そして、案の定、次の瞬間にはバランスを崩し、一輪車もろとも、舞台の上で派手にひっくり返った。
「きゃっ!」
衣装がだぶだぶだったおかげで、痛みはほとんどない。
私は、仰向けに倒れたまま、手足をばたつかせてもがいてみた。
まるで、ひっくり返った亀のようだ。
その姿が、またしても大爆笑を巻き起こす。
私は、もがきながら、客席を見た。
みんなの笑顔が、キラキラと輝いて見える。
私のドジで、こんなにもたくさんの人が笑顔になっている。
その事実に、胸の奥から、今までに感じたことのない、むずがゆいような、それでいて誇らしいような、不思議な感情が湧き上がってきた。
これが、「誰かを元気づける」ということなのだろうか。
アクセルさんの言葉が、脳裏に蘇る。
『あんたが舞台の上で、ただ必死に、そこにいて、笑おうとしてくれるだけで、それはきっと誰かの心を照らす光になる』
私は、仰向けのまま、天を仰いだ。
スポットライトが、眩しい。
でも、それはもう、私を射抜くような冷たい光ではなかった。
私を照らし、輝かせてくれる、温かい光だった。
私は、笑った。
ピエロのメイクで描かれた、悲しい涙の模様。
その下で、マリアム・フォン・アイゼンとして、心の底から、笑った。
その笑顔は、きっと誰にも見えなかったかもしれない。
でも、その瞬間の私の心は、確かに喜びで満たされていた。
ようやく、自分の力で起き上がると、私は観客に向かって、満面の笑みで大きく手を振った。
「ありがとう!」
マイクもないのに、私は精一杯の声で叫んだ。
その声に、観客は割れんばかりの拍手と歓声で応えてくれる。
私と観客との間に、不思議な一体感が生まれていた。
もはや、演者と観客という垣根はない。
このテントにいる全員で、この楽しい時間を作り上げている。
そんな、幸福な感覚。
舞台袖で、アクセルさんが、満足そうに頷いているのが見えた。
彼の瞳は、私にこう語りかけているようだった。
「ほらな、言った通りだろ」と。
私は、彼に向かっても、ぺこりと頭を下げた。
あなたのおかげです。
私に、この場所を与えてくれて、ありがとう。
言葉にはしなかったけれど、私の感謝の気持ちは、きっと彼に伝わったと、そう信じている。
私のダメダメなピエロのパフォーマンスは、意外な形で観客の心を掴み、ショーは最高潮の盛り上がりを見せていた。
楽団の演奏も、私のハチャメチャな動きに合わせて、より一層、陽気で、情熱的なリズムを刻んでいる。
もう、怖いものは何もなかった。
私は、舞台の上を自由に駆け回り、観客に手を振り、時には変なステップを踏んでみたりした。
その一つ一つの動きが、爆笑を巻き起こす。
私は、生まれて初めて、自分が誰かの役に立っているという実感を得ていた。
そして、いよいよ、ショーはクライマックスを迎えようとしていた。
この演目の締めくくり。
アクセルさんが、最後の最後に付け加えてくれた、私でもできる、簡単な見せ場だ。
楽団の演奏が、ファンファーレのように、高らかに鳴り響く。
舞台の四隅から、ギードさんをはじめとする屈強な団員たちが、燃え盛る松明を手に、勇壮な音楽に合わせて登場してきた。
ゆらめく炎が、テントの中を幻想的に照らし出す。
観客から、「おおっ」というどよめきが上がった。
計画では、彼らが舞台の中央で交差し、その真ん中で、私が巨大な風船を針で割る、というものだった。
単純明快。これなら、私でも失敗しようがない。
私は、舞台の中央に用意された、自分の背丈ほどもある、巨大な風船の前に立った。
手には、針がついた短いステッキを握りしめている。
松明を持った団員たちが、私を取り囲むように、ゆっくりと円を描き始める。
炎の熱気が、私の頬を撫でる。
少しだけ、怖い。
でも、それ以上に、高揚感が勝っていた。
みんなが、私のために、この最高の舞台を用意してくれた。
その期待に、応えたい。
ギードさんたち四人が、舞台の中央で集まり、松明を高く掲げた。
今だ。
私は、風船に向かって、ステッキを振り上げた。
その時だった。
私と、すれ違ったギードさんの松明が、ほんの一瞬、私の着ているだぶだぶのピエロ衣装の袖に、触れた。
ほんの、一瞬。
チリッ、と小さな音がしたような気がした。
でも、その時の私は、目の前の風船を割ることに集中していて、それに気づくことはなかった。
観客も、団員たちも、誰も気づいていない。
私は、勢いよくステッキを振り下ろし、風船を突き刺した。
「パーン!」
耳をつんざくような大きな音と共に、風船が破裂し、中から色とりどりの紙吹雪が、キラキラと舞い上がった。
スポットライトに照らされて、紙吹雪が輝く。
なんて、綺麗なんだろう。
観客から、割れんばかりの拍手と歓声が上がる。
大成功だ。
私は、安堵と達成感で、胸がいっぱいになった。
満面の笑みで、観客にお辞儀をしようとした、その時。
私は、自分の袖から、小さな煙が上がっているのに気づいた。
そして、焦げ臭い匂い。
「……え?」
見ると、私の衣装の袖の先が、黒く焦げ、そこから小さな、赤い炎が立ち上っていた。
あの時、ギードさんの松明の火が、燃え移ったのだ。
「あ……ああ……!」
理解した瞬間、全身の血の気が引いていく。
楽しい気分は一瞬で吹き飛び、原始的な恐怖が、私の心を支配した。
熱い!
怖い!
私は、パニックになり、燃えている袖を、反対の手で必死に叩いた。
しかし、その行動が、逆に空気を送り込み、炎は勢いを増してしまう。
「きゃああああああっ!」
声にならない悲鳴が、私の喉からほとばしった。
観客の一人が、異変に気づいて叫んだ。
「あっ! 火だ!」
その声を皮切りに、テントの中は、一瞬にしてパニックに陥った。
楽しい笑い声は、恐怖の絶叫へと変わる。
「火事だ!」
「逃げろ!」
舞台袖では、アクセルさんが血相を変えて叫んでいた。
「マリアム! 動くな! すぐに行く!」
しかし、恐怖に我を忘れた私は、彼の声も耳に入らない。
ただ、燃え盛る自分の衣装を見て、その場をめちゃくちゃに走り回ることしかできなかった。
炎は、私のパニックを煽るように、だぶだぶの衣装を、あっという間に駆け上がっていく。
もう、ダメだ。
私は、ここで、焼け死ぬんだ。
絶望が、再び、私を飲み込もうとしていた。
10
あなたにおすすめの小説
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
これで、私も自由になれます
たくわん
恋愛
社交界で「地味で会話がつまらない」と評判のエリザベート・フォン・リヒテンシュタイン。婚約者である公爵家の長男アレクサンダーから、舞踏会の場で突然婚約破棄を告げられる。理由は「華やかで魅力的な」子爵令嬢ソフィアとの恋。エリザベートは静かに受け入れ、社交界の噂話の的になる。
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
「陛下、子種を要求します!」~陛下に離縁され追放される七日の間にかなえたい、わたしのたったひとつの願い事。その五年後……~
ぽんた
恋愛
「七日の後に離縁の上、実質上追放を言い渡す。そのあとは、おまえは王都から連れだされることになる。人質であるおまえを断罪したがる連中がいるのでな。信用のおける者に生活できるだけの金貨を渡し、託している。七日間だ。おまえの国を攻略し、おまえを人質に差し出した父王と母后を処分したわが軍が戻ってくる。そのあと、おまえは命以外のすべてを失うことになる」
その日、わたしは内密に告げられた。小国から人質として嫁いだ親子ほど年齢の離れた国王である夫に。
わたしは決意した。ぜったいに願いをかなえよう。たったひとつの望みを陛下にかなえてもらおう。
そう。わたしには陛下から授かりたいものがある。
陛下から与えてほしいたったひとつのものがある。
この物語は、その五年後のこと。
※ハッピーエンド確約。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる