勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
70 / 236

70.

しおりを挟む
(なるほど、そういうことか……)
俺は納得すると、聞いてみることにした。
「俺に何をさせたいんだ?」
俺が尋ねると、彼女は言った。
「私は強くなりたいんです。だから貴方に稽古をつけて欲しいんです!」
その言葉に俺は驚くと同時に呆れた。
(いきなり何を言い出すかと思えば……馬鹿馬鹿しい)
そう思ったものの、俺は敢えて断ることにした。
しかし、それでも食い下がってきたので俺は仕方なく承諾することにした。
(仕方がない、少しだけ付き合ってやるか……)
そう思って了承したのだが、直後に後悔することになるとはこの時はまだ知る由もなかった……。
~数分後~
俺は溜息を付いた。
(やれやれ、とんでもない奴を引き受けてしまったな……)
今更ながら後悔する。
(しかし、どうしてこうなったのか……)
心の中で呟くと、再び回想を始めることにする。
あれは、今から一時間ほど前のこと……、
突然現れた美少女達が、俺のことを引き取りたいと言い出した。
当然、最初は何を言っているのか理解できなかった。
しかし、彼女たちの言葉を理解するにつれて、驚きを隠せなくなっていく。
(一体どういうことだ……?)
混乱する頭で必死に考えようとするが上手くいかない。
(何故こんなことになっているんだ……!?)
頭の中で自問するが答えは出ないままだった……。
その後、紆余曲折を経て、最終的に結論を出した俺達は今後の方針について話し合うことになったのである。
まず最初に切り出したのはアリアだった。
「ところでこれからどうするのかしら?」
それに対してミレイが答える。
「まずは情報収集じゃないかしら?この世界についてもまだ分からないことも多いし……」
そう言うと今度はアリシアが口を開いた。
それを聞いたアリアは頷くと立ち上がった。
「そうね、じゃあ行きましょうか」
と言って、歩き出すので俺たちも後に続くことにした。
そうして、向かった先はギルドと呼ばれる施設だった。
ここでは冒険者たちが情報交換をしたり依頼を受けたりする場所らしい。
(ちなみに受付嬢は美人揃いのようだ)
そこで、情報収集を行うことになったのだが、ここでも予想外の出来事が起こったのだ。
それは、何故かと言うと、受付にいる女性に声を掛けたところ、何故か俺を見て驚いていたからだ。
しかも、他の従業員たちも似たような反応をしていた。
その様子を見て不審に思った俺は、一体何事なのかと思い尋ねてみることにした。
返ってきた言葉は予想外なものだったのだ。
なんと、どうやら俺は有名人らしい。
いや、正確には違うかもしれないが少なくともこの町では有名みたいだ。
(何でなんだ? 意味がわからない……)
疑問に思っていると説明してくれた人がいた。
その人は俺のことを知っているようで事情を話してくれたのだ。
それによるとこういうことらしい。
なんでも先日、行われた闘技大会での出来事が原因なのだとか……。
その大会というのが武闘大会のことで、この国で一番大きなイベントであり、世界中から腕自慢が集まる祭典でもあるそうだ。
そんな大会で優勝したということもあって俺は一躍有名人となったのだという正直言って全く実感がなかった……。
(それにしても……俺がそんな大会に出場してたなんてなぁ……全然、知らなかったぞ)
そんなことを考えているうちに話は進んでいたらしく、いつのまにか次の目的地へと向かっているようだった。
そこでようやく我に返った俺は慌てて後を追いかけることにしたのだった……。
(まったく、勘弁してほしいぜ)
そう思いながらも歩き続けるしかなかった……。
こうしてようやく、目的地へと到着した俺達は早速中へと入っていった。
中に入ると早速依頼掲示板を確認することにした。
そこには様々な種類の依頼が貼り出されていた。
その中に気になるものを見つけたので確認してみると、それは行方不明になった子供の捜索依頼だった。
内容を読んでみると、最近子供が失踪する事件が相次いでおり、調査の結果、何者かに連れ去られた可能性が高いとのことだった。
報酬はそれなりに高額だったが、今の俺にとっては大した額ではなかった。
そして、戦った相手に女剣士を見つけると俺は声を掛ける事にした。
「よう、久しぶりだな」
と言いながら近づくと相手は一瞬驚いたように目を見開いた後、少し警戒した様子でこちらを睨んできたが、
すぐに冷静さを取り戻すと話しかけてきた。
「あら、誰かと思えば貴方だったのね」
続けて言う。
「それで何の用かしら?」
その問いに答えるべく口を開く。
それから、しばらく話をした後、本題に入ることにした。
「俺のハーレムに来ないか? 今は魔王しているんだ」
「え……?」
その言葉に驚くと同時に困惑する。
「俺の所に来たら、良い思いが出来るぜ」
そんな誘い文句と共に手を差し出されたことで余計に混乱してしまった。
「貴方の所に行けば幸せになれるって言うの?そんなの信じられるわけないわ!」
反射的に叫んでしまうが、内心は迷っていたのも事実だった……。
(どうしよう……どうすれば……)
そんな葛藤を繰り返しているうちに彼は畳み掛けるように言葉を続ける。
まるで逃さないとばかりに詰め寄ってくる彼に対して恐怖を感じ始めていた時だった。
不意に誰かに腕を掴まれると引っ張られるような感覚がしてよろめいてしまう。
思わず倒れそうになったところを誰かが支えてくれたようで何とか助かったようだが一体誰が
助けてくれたのだろうかと思い見上げるとそこには見覚えのある顔があった。
それは先ほど別れたばかりの人物だったからだ。
彼は心配そうな表情を浮かべていたが、特に目立った外傷はない様子だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

処理中です...