137 / 236
137.
しおりを挟む
「それに……なんだか雰囲気が変わってないか?」
その言葉を聞いてドキッとしたが、平静を装って聞き返した。
「えっ? そうかな? そんなことないと思うけど……」
(ヤバい、バレた?)
内心焦りながらも必死に誤魔化そうとすると、今度は逆に質問されてしまった。
「じゃあ聞くけど、君って人なのかい? それとも魔族なのかい? どっちなんだい?」
そう聞かれて言葉に詰まってしまったが、正直に答えることにした。
俺は日とてもあり魔族でもあるのだと答えると、彼女は首を傾げながら言った。
「本当かなぁ……?」
疑いの眼差しを向けてくる彼女に冷や汗を流していると、突然後ろから声をかけられた。
振り返るとそこにはアリアが立っていた。
彼女はニッコリと笑って言った。
「大丈夫、あなたは私が守ります」
と言ってくれたのだ。
俺はその言葉を嬉しく思いながら頷いた。
そして、三人で話しながら歩いていると、あっという間に目的の場所に到着したようだ。
そこで目にしたのは大きな建物だった。
どうやらここが冒険者ギルドらしい。
中に入ると、中は多くの冒険者達で賑わっていた。
掲示板のようなものがあって、そこにたくさんの紙が貼られているのが見えた。
おそらくあれが依頼書なのだろう。
その中から自分に合ったものを選んで受付に持っていくことで依頼を受けることができるみたいだ。
なるほど、分かりやすいシステムだなと思いながら周囲を見回していると、ルミナスさんが声をかけてきた。
「さあ、着いたよ。ここが目的地さ」
そういって立ち止まった彼女の前にはカウンターがあり、その上には一枚の紙が置かれていた。
恐らくあそこに行けばいいのだろうと思って近づいてみると、案の定そうだったらしく手招きされたので近づいていくことにする。
近づくと、カウンターの向こう側にいた女性が笑顔で迎えてくれたので、こちらも会釈して挨拶しておくことにする。
女性は笑顔で頷くと話しかけてきた。
「こんにちは、本日はどういったご用件でしょうか?」
そう言われて少し迷ったが、素直に話すことにした。
というのも、どうせ隠していてもすぐにバレるだろうと思ったからである。
それならば最初から全部話した方が早いだろうと判断した結果だった。
(さて、どこから話せばいいものか)
と考え込んでいると、女性の方から助け舟を出してくれた。
「あの、もしよろしければ私から説明しましょうか?」
その申し出をありがたく受け入れることにした俺は、彼女の言葉に耳を傾けることにした。
話を聞く限り、どうやらこのギルドでは新人の教育も行っているようだ。
そこで、ちょうど今日が初めての研修を行う予定だったため、タイミングよく来てくれたことに感謝しているらしい。
しかも、いきなりAランクの冒険者が担当すると聞いて驚いていたようだ。
だが、実際に会ってみて納得がいったと言っていた。
それほどまでにルミナスは信頼されているということなのだろう。
実際、彼女は面倒見の良い性格のようだし、後輩からも慕われているようだからな。
俺も彼女には世話になっているので感謝の気持ちでいっぱいである。
そんなことを考えているうちに話がまとまったようで、
いよいよ実技試験が行われることになった。
「それでは早速、模擬戦を始めたいと思います」
と審判役の少女が宣言すると、目の前の少女は腰に差していた剣を抜き放った。
そして、両手で構えると鋭い視線を向けてくる。
対するこちらは無手で構えすら取っていない状態だ。それを見た対戦相手が苛立ったように声を上げる。
「ちょっと! どういうつもり!? 武器くらい出しなさいよ!」
そう言われて初めて気付いたとばかりに頷くと、右手を前に突き出し魔法を唱える。
――パチン!
指を鳴らす音と共に虚空から一振りの剣が現れた。
それを掴み取ると、目の前に掲げて見せる。
「これでいいか?」
そう言って笑みを浮かべると、相手の顔色が変わったのが分かった。
「なっ……!?」
驚愕のあまり言葉が出ないといった様子だ。
無理もないだろう、何せ今の彼女の姿はどこからどう見ても少女にしか見えないのだから。
そんな様子を見て、俺は内心ほくそ笑んでいた。
(ふふ、驚いてるみたいだな。ざまあみろってんだ)
内心で勝ち誇ると同時に更なる追い討ちをかけるべく口を開く。
「それじゃ、始めようか」
そう言って一歩踏み出すと、向こうは慌てて距離を取ろうとしたようだが間に合わず正面からぶつかってしまう形になってしまった。
そのまま組み伏せようとしたが、さすがにそう簡単にはいかなかったようだ。
素早い動きで身をかわすと、そのまま斬りかかってきたので、それを受け止める形で応戦する。
「やるな……!」
一瞬驚いたような表情を浮かべたものの、すぐにニヤリと笑うとそのまま連続で攻撃を繰り出してきた。
それらを捌いていくが徐々に押され気味になっていくのがわかる。
(くっ……! こいつ強いな……!)
そう思いながらもなんとか食らいついていく。
しばらく打ち合いが続いた後、不意に相手が動きを止めたかと思うと後ろに飛び退いた。
その言葉を聞いてドキッとしたが、平静を装って聞き返した。
「えっ? そうかな? そんなことないと思うけど……」
(ヤバい、バレた?)
内心焦りながらも必死に誤魔化そうとすると、今度は逆に質問されてしまった。
「じゃあ聞くけど、君って人なのかい? それとも魔族なのかい? どっちなんだい?」
そう聞かれて言葉に詰まってしまったが、正直に答えることにした。
俺は日とてもあり魔族でもあるのだと答えると、彼女は首を傾げながら言った。
「本当かなぁ……?」
疑いの眼差しを向けてくる彼女に冷や汗を流していると、突然後ろから声をかけられた。
振り返るとそこにはアリアが立っていた。
彼女はニッコリと笑って言った。
「大丈夫、あなたは私が守ります」
と言ってくれたのだ。
俺はその言葉を嬉しく思いながら頷いた。
そして、三人で話しながら歩いていると、あっという間に目的の場所に到着したようだ。
そこで目にしたのは大きな建物だった。
どうやらここが冒険者ギルドらしい。
中に入ると、中は多くの冒険者達で賑わっていた。
掲示板のようなものがあって、そこにたくさんの紙が貼られているのが見えた。
おそらくあれが依頼書なのだろう。
その中から自分に合ったものを選んで受付に持っていくことで依頼を受けることができるみたいだ。
なるほど、分かりやすいシステムだなと思いながら周囲を見回していると、ルミナスさんが声をかけてきた。
「さあ、着いたよ。ここが目的地さ」
そういって立ち止まった彼女の前にはカウンターがあり、その上には一枚の紙が置かれていた。
恐らくあそこに行けばいいのだろうと思って近づいてみると、案の定そうだったらしく手招きされたので近づいていくことにする。
近づくと、カウンターの向こう側にいた女性が笑顔で迎えてくれたので、こちらも会釈して挨拶しておくことにする。
女性は笑顔で頷くと話しかけてきた。
「こんにちは、本日はどういったご用件でしょうか?」
そう言われて少し迷ったが、素直に話すことにした。
というのも、どうせ隠していてもすぐにバレるだろうと思ったからである。
それならば最初から全部話した方が早いだろうと判断した結果だった。
(さて、どこから話せばいいものか)
と考え込んでいると、女性の方から助け舟を出してくれた。
「あの、もしよろしければ私から説明しましょうか?」
その申し出をありがたく受け入れることにした俺は、彼女の言葉に耳を傾けることにした。
話を聞く限り、どうやらこのギルドでは新人の教育も行っているようだ。
そこで、ちょうど今日が初めての研修を行う予定だったため、タイミングよく来てくれたことに感謝しているらしい。
しかも、いきなりAランクの冒険者が担当すると聞いて驚いていたようだ。
だが、実際に会ってみて納得がいったと言っていた。
それほどまでにルミナスは信頼されているということなのだろう。
実際、彼女は面倒見の良い性格のようだし、後輩からも慕われているようだからな。
俺も彼女には世話になっているので感謝の気持ちでいっぱいである。
そんなことを考えているうちに話がまとまったようで、
いよいよ実技試験が行われることになった。
「それでは早速、模擬戦を始めたいと思います」
と審判役の少女が宣言すると、目の前の少女は腰に差していた剣を抜き放った。
そして、両手で構えると鋭い視線を向けてくる。
対するこちらは無手で構えすら取っていない状態だ。それを見た対戦相手が苛立ったように声を上げる。
「ちょっと! どういうつもり!? 武器くらい出しなさいよ!」
そう言われて初めて気付いたとばかりに頷くと、右手を前に突き出し魔法を唱える。
――パチン!
指を鳴らす音と共に虚空から一振りの剣が現れた。
それを掴み取ると、目の前に掲げて見せる。
「これでいいか?」
そう言って笑みを浮かべると、相手の顔色が変わったのが分かった。
「なっ……!?」
驚愕のあまり言葉が出ないといった様子だ。
無理もないだろう、何せ今の彼女の姿はどこからどう見ても少女にしか見えないのだから。
そんな様子を見て、俺は内心ほくそ笑んでいた。
(ふふ、驚いてるみたいだな。ざまあみろってんだ)
内心で勝ち誇ると同時に更なる追い討ちをかけるべく口を開く。
「それじゃ、始めようか」
そう言って一歩踏み出すと、向こうは慌てて距離を取ろうとしたようだが間に合わず正面からぶつかってしまう形になってしまった。
そのまま組み伏せようとしたが、さすがにそう簡単にはいかなかったようだ。
素早い動きで身をかわすと、そのまま斬りかかってきたので、それを受け止める形で応戦する。
「やるな……!」
一瞬驚いたような表情を浮かべたものの、すぐにニヤリと笑うとそのまま連続で攻撃を繰り出してきた。
それらを捌いていくが徐々に押され気味になっていくのがわかる。
(くっ……! こいつ強いな……!)
そう思いながらもなんとか食らいついていく。
しばらく打ち合いが続いた後、不意に相手が動きを止めたかと思うと後ろに飛び退いた。
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる