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しばらく歩くとようやく目的地に到着したようだ。
そこには大勢の人が集っていた。何やら騒いでいる様子だ。
近づいてみるとどうにも様子がおかしいことに気づく
よく見ると皆慌ただしく動き回っている
何かあったのだろうか不思議に思っていると突然悲鳴が上がった。
慌てて振り返ってみるが誰もいない
まさか幽霊とかではないよね?
そんなことを考えつつ恐る恐る周囲を見渡していくと一人の女性が倒れていることに気付いた。
しかも血を流しているではないか!
私はすぐに駆けつけることにした。
声をかけても反応がない
息をしているかどうか確かめるために首元に手を当ててみると微かに脈打っているのがわかる どうやら生きているらしい
とはいえこのまま放っておくわけにもいかなかったので止血を行い近くの病院まで運ぶことにした。
目が覚めると見覚えのある天井が広がっていた。
ここはどこだろうと疑問を抱いていると不意に声をかけられた。
「あら、起きたのね」
驚いてそちらに顔を向けると母の姿があり思わず飛び起きてしまう。
「かっかかかか母様!? どうしてここにいらっしゃいますの!」
動揺を隠しきれないまま尋ねると母は微笑みながら答えてくれた。
「どうしてと言われてもねぇ。あなたを助けに来たに決まっているじゃない。それより具合の方はどうかしら?」
母の問いに答えるため体を動かそうとする
上手く動かないどころか痛みを感じる始末だ。
仕方なく寝たままの状態で質問に対する返答を行う
「あまり良くありませんわね。正直に申し上げまして動くことも難しい状態です」
「やっぱり無理をしていたのね。まったくもう。いくら心配だからといって無茶をして良い理由にはならないのよ。わかっていて?」
どうにも見抜かれてしまっていたようである
反論の余地もない
確かに今回の件に関しては完全にこちらが悪いので大人しく叱られることにした。
説教が終わると今後のことについて話し合うことにした。
といっても大体の予想はついているのだけど
おそらくはこのまま入院することになるはずだ。
あるいは実家に戻って療養するかのどちらかだと思われる
どちらにせよしばらくは安静にしておかなければならないので仕方がないことである
それからしばらく経ったある日のことだった。
父上から呼び出されたのは用件の心当たりはいくつかあるもののどれも違うような気がした。
何しろここ最近は特にこれといったことをした記憶がないのだ。
なので恐らくは別の要件だと思う。そんな風に考えていると部屋へと案内される
扉を開けてみると中には父と見知らぬ男性がいた。
誰だろうかと首を傾げていると男性が話しかけてきた。
話を聞くとなんと父の知人だという
しかもその男性は冒険者でランクSの冒険者であるというので驚いた。
凄腕の人と父が知り合いだったことはもちろん初耳だ。
そんなことを聞いていると父は苦笑いしながら話し始める
何でも昔は一緒にパーティーを組んでいたのだという
だけどある時を境に解散してしまったのだという
それから数年後に再び再会を果たしたそうだ。
今回呼ばれた理由について話してくれた内容はなんと私が妊娠しているとのことこれには驚かされた。
だってついこの間までは生理すら来なかったというのにいきなり妊娠しているなんて言われた日には混乱するのは当たり前の話だ。
さらに詳しく聞いていくとどうにも相手の男はとんでもないクズ野郎らしく最低の極みだそうだ。
そんな奴の子供を産むなど言語道断だと言い切った。
そこには大勢の人が集っていた。何やら騒いでいる様子だ。
近づいてみるとどうにも様子がおかしいことに気づく
よく見ると皆慌ただしく動き回っている
何かあったのだろうか不思議に思っていると突然悲鳴が上がった。
慌てて振り返ってみるが誰もいない
まさか幽霊とかではないよね?
そんなことを考えつつ恐る恐る周囲を見渡していくと一人の女性が倒れていることに気付いた。
しかも血を流しているではないか!
私はすぐに駆けつけることにした。
声をかけても反応がない
息をしているかどうか確かめるために首元に手を当ててみると微かに脈打っているのがわかる どうやら生きているらしい
とはいえこのまま放っておくわけにもいかなかったので止血を行い近くの病院まで運ぶことにした。
目が覚めると見覚えのある天井が広がっていた。
ここはどこだろうと疑問を抱いていると不意に声をかけられた。
「あら、起きたのね」
驚いてそちらに顔を向けると母の姿があり思わず飛び起きてしまう。
「かっかかかか母様!? どうしてここにいらっしゃいますの!」
動揺を隠しきれないまま尋ねると母は微笑みながら答えてくれた。
「どうしてと言われてもねぇ。あなたを助けに来たに決まっているじゃない。それより具合の方はどうかしら?」
母の問いに答えるため体を動かそうとする
上手く動かないどころか痛みを感じる始末だ。
仕方なく寝たままの状態で質問に対する返答を行う
「あまり良くありませんわね。正直に申し上げまして動くことも難しい状態です」
「やっぱり無理をしていたのね。まったくもう。いくら心配だからといって無茶をして良い理由にはならないのよ。わかっていて?」
どうにも見抜かれてしまっていたようである
反論の余地もない
確かに今回の件に関しては完全にこちらが悪いので大人しく叱られることにした。
説教が終わると今後のことについて話し合うことにした。
といっても大体の予想はついているのだけど
おそらくはこのまま入院することになるはずだ。
あるいは実家に戻って療養するかのどちらかだと思われる
どちらにせよしばらくは安静にしておかなければならないので仕方がないことである
それからしばらく経ったある日のことだった。
父上から呼び出されたのは用件の心当たりはいくつかあるもののどれも違うような気がした。
何しろここ最近は特にこれといったことをした記憶がないのだ。
なので恐らくは別の要件だと思う。そんな風に考えていると部屋へと案内される
扉を開けてみると中には父と見知らぬ男性がいた。
誰だろうかと首を傾げていると男性が話しかけてきた。
話を聞くとなんと父の知人だという
しかもその男性は冒険者でランクSの冒険者であるというので驚いた。
凄腕の人と父が知り合いだったことはもちろん初耳だ。
そんなことを聞いていると父は苦笑いしながら話し始める
何でも昔は一緒にパーティーを組んでいたのだという
だけどある時を境に解散してしまったのだという
それから数年後に再び再会を果たしたそうだ。
今回呼ばれた理由について話してくれた内容はなんと私が妊娠しているとのことこれには驚かされた。
だってついこの間までは生理すら来なかったというのにいきなり妊娠しているなんて言われた日には混乱するのは当たり前の話だ。
さらに詳しく聞いていくとどうにも相手の男はとんでもないクズ野郎らしく最低の極みだそうだ。
そんな奴の子供を産むなど言語道断だと言い切った。
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