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「大丈夫ですよ。安心なさい。貴方は母親として立派な行いをしました。自信を持ちなさい。それに例えどのような結果になろうと決して恨むことは致しません。それよりも今はゆっくりと休んで体を大事にしなくてはなりません。わかりましたか?」
私の考えを読み取ったかのように諭してくる。
そのおかげで少しだけ気持ちが楽になった。
そして数日後に無事に生まれた。
元気な女の子で名前はマリアと名付けた。
こうして私は新たな人生を歩むことになった。
新しい人生を歩み始めて早数年が経過した。
その間にも様々な出来事があった。
まずは娘が生まれて間もなくして第二子が誕生した。
今度は男の赤ちゃんで名をアルフォンスと名付けられた。
この子はすくすくと育ってくれたのでとても嬉しい
それともう一つ嬉しいことがあった。
それは弟が出来たことだ。
つまりは王位継承権第一位を持つ者の誕生ということになる
本来であれば喜ぶべきところなのだけど残念ながら素直に喜んでばかりはいられない
というのも弟の母親は平民の出身で身分が低いので王位を継ぐ権利はないからだ。
そのため継承順位が下がらないかと危惧されている
もちろんそうなった場合は全力を持って阻止するつもりではある
だが今のところその兆候は見られないのでひとまず安堵する
そんなある日のこと。街へ出かけた際にある噂を聞いた。
なんでもこの街の近くにダンジョンが発見されたという話だ。
これまで存在が確認されていなかったのに急に現れたということで話題になっている
興味本位で行ってみたい衝動に駆られるが立場上そういう訳にはいかないのが辛いところではある
しかし諦めきれずにこっそりと抜け出して行くことにした。
ちなみにだが護衛は付けていない
理由は簡単で連れてきたところで足を引っ張るのがオチだしそもそも信用していないからである
一応は信頼のおける人間を厳選した上で選んだつもりではあるがそれでも万が一ということがあるので今回は一人だけで行くことにした。
ちなみにだが同行者は例のあの男である
最初は渋っていたがなんとか説得に成功してついてきてもらうこととなった。
さすがに一人で行かせるのは不味いと判断をしたのだろう
まぁ別にいても邪魔になるだけだから居ない方が良かったんだけど
とりあえず準備を済ませると早速出発することにした。
「本当によろしいのですか? 今ならまだ引き返せると思いますよ」
例の男が確認するように尋ねてくる
「いいえ、構いませんわ。むしろ好都合というものでしょう。あの女に思い知らせてやりましょう」
私は不敵な笑みを浮かべるとそう宣言した。
「そうですね。そう言うと思っていましたが念のための確認でしたので」
男も同意を示す
「それじゃ行きますわよ」
私は意気揚々と歩き出した。
しばらく歩いているとようやく入り口が見えて来た。
「ようやく到着いたしましたか。さっそく中に入りたいところではありますが、まだ早いようです。もう少し待ちましょう」
男がそう告げた直後だった。
突如地響きのようなものを感じた。
一体なんだと思っているとさらに地震のような揺れが起きた。
これはただ事ではないと判断した私たちは急いで外へ出ると周囲を確認する
すると遠くの方から煙が立ち昇っているのを発見した。
いったい何があったというのだろうか?
気になって仕方がなかった為様子を見に行くことにする
街の外に出るのは初めての経験だった。
いつも屋敷の中で過ごしているせいなのか外に出た途端に新鮮な空気を吸えたのが何よりも心地よかった。
私の考えを読み取ったかのように諭してくる。
そのおかげで少しだけ気持ちが楽になった。
そして数日後に無事に生まれた。
元気な女の子で名前はマリアと名付けた。
こうして私は新たな人生を歩むことになった。
新しい人生を歩み始めて早数年が経過した。
その間にも様々な出来事があった。
まずは娘が生まれて間もなくして第二子が誕生した。
今度は男の赤ちゃんで名をアルフォンスと名付けられた。
この子はすくすくと育ってくれたのでとても嬉しい
それともう一つ嬉しいことがあった。
それは弟が出来たことだ。
つまりは王位継承権第一位を持つ者の誕生ということになる
本来であれば喜ぶべきところなのだけど残念ながら素直に喜んでばかりはいられない
というのも弟の母親は平民の出身で身分が低いので王位を継ぐ権利はないからだ。
そのため継承順位が下がらないかと危惧されている
もちろんそうなった場合は全力を持って阻止するつもりではある
だが今のところその兆候は見られないのでひとまず安堵する
そんなある日のこと。街へ出かけた際にある噂を聞いた。
なんでもこの街の近くにダンジョンが発見されたという話だ。
これまで存在が確認されていなかったのに急に現れたということで話題になっている
興味本位で行ってみたい衝動に駆られるが立場上そういう訳にはいかないのが辛いところではある
しかし諦めきれずにこっそりと抜け出して行くことにした。
ちなみにだが護衛は付けていない
理由は簡単で連れてきたところで足を引っ張るのがオチだしそもそも信用していないからである
一応は信頼のおける人間を厳選した上で選んだつもりではあるがそれでも万が一ということがあるので今回は一人だけで行くことにした。
ちなみにだが同行者は例のあの男である
最初は渋っていたがなんとか説得に成功してついてきてもらうこととなった。
さすがに一人で行かせるのは不味いと判断をしたのだろう
まぁ別にいても邪魔になるだけだから居ない方が良かったんだけど
とりあえず準備を済ませると早速出発することにした。
「本当によろしいのですか? 今ならまだ引き返せると思いますよ」
例の男が確認するように尋ねてくる
「いいえ、構いませんわ。むしろ好都合というものでしょう。あの女に思い知らせてやりましょう」
私は不敵な笑みを浮かべるとそう宣言した。
「そうですね。そう言うと思っていましたが念のための確認でしたので」
男も同意を示す
「それじゃ行きますわよ」
私は意気揚々と歩き出した。
しばらく歩いているとようやく入り口が見えて来た。
「ようやく到着いたしましたか。さっそく中に入りたいところではありますが、まだ早いようです。もう少し待ちましょう」
男がそう告げた直後だった。
突如地響きのようなものを感じた。
一体なんだと思っているとさらに地震のような揺れが起きた。
これはただ事ではないと判断した私たちは急いで外へ出ると周囲を確認する
すると遠くの方から煙が立ち昇っているのを発見した。
いったい何があったというのだろうか?
気になって仕方がなかった為様子を見に行くことにする
街の外に出るのは初めての経験だった。
いつも屋敷の中で過ごしているせいなのか外に出た途端に新鮮な空気を吸えたのが何よりも心地よかった。
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