婚約を破棄されたので、王子とその恋人の聖女に嫌がらせをして破滅させてやりました。

一ノ瀬 彩音

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もちろん治療法を施せば回復の兆しを見せる可能性はある。
しかしその場合完治するかはわからない上に莫大な費用がかかることが容易に考えられたためである。
まぁ今のままでは絶対に無理だと思うけどね。
私はとりあえず現状を報告するために母のもとへ行こうと考えた。
そのために寝室へ向かう。
するとそこにはすでに父が待ち構えており険しい表情を見せていたがすぐに安堵すると泣き崩れる。
目の当たりにしたことでどれだけ父にとって辛い決断をしたのかを痛感させられることになった。
そのせいで私は思わずもらい泣きしてしまいしばらくの間二人で涙を流し続ける。
落ち着きを取り戻したらしい父はあることを口にし始めるので黙り込んだ。
話題というのが例の婚約者のことだったのだが彼はその人物が嫌いであるらしく婚約解消したいと以前から相談を受けていたのだということが判明する。
今回、正式にその旨を伝えるため呼び出したものの、突然現れた男に妨害されてしまう。
どうにかして逃げ出したものの今度は刺客に襲われてしまい窮地に立たされる事になる。
彼は自分を犠牲にして娘を守ろうとする。しかし彼は死ぬことはなかった。
どころか今まで以上の力を解放させたことで襲撃者達を撃退してしまう。
目の当たりにすることで改めて彼は凄まじいと認識させられ、さらに惚れ込んでいく。
それだけではなく彼からの提案によりとある取引きを持ちかけられたので応じる事にした。
その条件というのは婚約破棄をするというもので私は了承することに決める。
としては彼は別の女性に一目惚れをしてしまったからというもので当然ながら納得できるはずもなく問い詰めようとするが上手く言いくるめられてしまったので反論できずにそのまま受け入れた。
腹を立てながらも仕方ないと思う反面で悔しさを滲ませる。
ちなみに婚約者についてはその場で切り捨てられて死んでしまい私は悲しみに打ちひしがれそうになるが必死に耐え抜いた。
私は決意を固める。
彼に捨てられてしまったからといって諦めるなどあり得なかったのだから、ここで退くことなど出来る筈もなかった。
その後、私はすぐに行動を起こすべく準備を始めた。
まずは信頼できる相手を集めて話し合いを行う。
目的は二つあった 第一の目的は相手の居場所を探る事ともう一つ、それは邪魔者を始末することであるが、その点に関してはあまり難しくないと考えている 何故ならば彼ら二人は揃って街を離れ別の場所に滞在しているようだった。
つまり狙いを定めるのはどちらか一方だけである 仮に両方を狙おうとしても失敗する恐れもあった。
何故ならば彼らは常に行動を共にするので一人を狙うことは至難の業だった。
なのでまずは片割れを狙った方が無難なのでありそれを実行した結果見事に成功したのであった。
私は歓喜した。
だがまだ終わってはいない彼らの幸せを引き裂くためにある提案を行った。
それは私が新たな伴侶となり彼と結ばれるというものである。
その方法とは私と彼の子を作り育てていくというものであった。
当然二人には反対されると思っていたが案外すんなり認めてくれたのが驚きであった。
きっと自分の子供が出来れば愛情が注げるだろうと期待してのことかもしれないが私は気にせず実行に移す事に決めている。
なぜなら既に覚悟は出来ているからどんな事になろうとも私は後悔しないつもりである。
もちろんこれはあくまでも表向きであって本音は違う。
できることなら二人の仲は引き裂ければいいのだが現実は難しいと思われる。
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