悪役令嬢は隣国へ嫁ぐようですよ!?~私は旦那様に愛されてそして生まれるRhapsody~

一ノ瀬 彩音

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まぁ、今の私には関係のない事ですし、どうでもいいかなって感じなので今は
目の前にいるバレッド様とのデートに集中致しましょう。
「あの男さえ現れなければ君を独占できると言うものだ。俺だけのマリアベル=レアード、
ふ、君を見てるとつい意地悪をせずにはいられないくらいだな?」
今日は街へ繰り出し買い物に来ていたのです。
その際に私は様々な服を着ては彼と比較した挙げ句に着ては試食を繰り返す等を繰り返していた。
そのお陰で沢山購入してしまいそうなのもあって少々気がかりではありますけれど、
それも彼の為なら頑張ろう。
そう思っていたら彼ったらいきなり腕を組み始めると身を寄せてくるので
ちょっとだけ嬉しい気持ちになっていたら、
「何があったのか聞いていいかいマリアベル。何か不安があるのではないか、俺に聞かせてくれないだろうか。
ほら、君の頬に触れるだけに留めておくぞ。大丈夫怖くなったらすぐに解放させるぞ。
だがそうなっても構わないぞ。
これはあくまでも自己満足のためにするものであって君の弱味に漬け込んだやり方に
なってしまうものだが問題ないか、
答えを聞く権利はある。嫌なら素直にそう言っていいぞ」
などと優しい事を言われたら誰であっても断ったりなんかできないはずですわと
自信満持でおりながらこう答えることにする。
「実は……私ストーカーに追われておりますわ、ですがこのバレッタで対処できていまして、それが証拠ですよ」
それを見せた後は何故か無言になっていた彼であったがしばらくすると納得したという反応を
示した後に微笑んでいるではないか。
何故そんな顔をされているのかさっぱりなわけでしたので理由を尋ねる為に聞けば返ってきた内容は
私が心配する必要など微塵もなかったという話であったりするのだが果たしてそう言われてみて確かに
私を執拗に追い回してくる人間は一人しか存在しないと思い当たっているので驚きを隠し切ることができません。
「マリアベル、ストーカー何て気にするな、それよりも俺と行為をして忘れろ」
「貴方の性欲発散用玩具じゃないから別に構いませんわ」
「それは違うだろうが」
バレッド様の言葉に対し即座に否定をしたものの、事実、私の心を支配しつつある人はバレッド様のみであり、
彼が居なくなった場合において自分がどんな目で見られることになるかを自覚すればそれは恐ろしいものであり、
下手をすると生きていけない。
だが依存心を高めるだけでは飽き足りなくなるものでいつしか自分だけで生きていたいと望むように
なって行くはずだったものの、バレッド様になら、たとえ道具のような扱いをされたところで耐えられる。
むしろ喜べるとまで思い始めているほど惚れてしまったのもあり、
「私も存じ上げていますの。バレッド様以外の男性に興味がありませんもの。
もちろんバレッド様以上に素敵な方が現れるまでは独り身を謳歌しても許されるのかと考えておりませんが
いかがかしらと聞きたかったのは確かかもしれません。それを聞いてどうお考えなさるつもりなのでしょうか。
是非とも教えてほしいところだと私思ってしま」
と言い終わる前に私はバレッド様の腕の中に包み込まれるようになって拘束されて身動きすら取れない状態だった。
それには驚いてしまい私は固まったままの状態で動けなくなっていた。
まさかこういう事をされるとは全く思っていなかったからであるから当然であろう。
「は、離して欲しいんですの。お店の外だったならばいつでもウェルカム。
それに私の初めてを受け入入れてくれるのはバレッド様ただ一人だけですから
他の方からは受けることはないからノーカウントにしておきますわ」
彼はそれに対しては何も言葉にはしない。
それでも抱きしめてくれている力は強くなる一方であったからどういう意味でなのか
察することぐらいは私だってできた筈なの。
どうして突然そのような行動に出られたかも理解していたからだ。
そうしている内にいつの間にかすっかり日が沈んで辺りも真っ暗になる。
「暗いですね、早く戻りませんと見失ってしまうから一緒に帰りましょう」
そのまま抱き合うような形のままで移動していたせいもあるのだろけど、
人気がない場所に近かったとはいえ外でバレッド様に押し倒されただけでなく
無理やりキスされたり体をまさぐり続けられていたので誰かに見られたのじゃないかという
羞恥心で胸の中を埋め尽くすと同時に、こんな姿を人に見られることだけは絶対に避ける必要がある。
だからこそ人目が無いからって油断する事は決して出来ない訳なのだがようやく自宅に戻ると既に
屋敷の使用人達の手によって門が開いてくれていて敷地内に入って来れるようになった。
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