浮気する人とはもう恋愛出来ないので婚約破棄します~その後、義父に愛されて可愛がられて、蜜愛な住処~

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
41 / 52

41.

しおりを挟む
しかし、相手も素早く動くと、攻撃を回避しました。
私はそのまま魔法で追撃をします。
「くっ、なんでこんなことをするんですか!」
「決まってるじゃないか、あの女が悪いんだよ。私を捨てたあの女がね。
だから私はあいつを殺すことにしたんだ。
だけど、邪魔が入ったせいで失敗したよ。まさかあんたがここにいるとは思わなかった」
どうも話を聞けば聞くほど、アルルさんは被害者のような気がしてきました。
でも今は彼女を捕らえて、真相を聞き出す必要があります。
そのためにはまずは戦わないことには何も始まりません。
私は杖を構え直すと、相手の出方を窺います。
向こうは余裕があるようで、ゆっくりと歩いてきました。
私はそれをチャンスだと思い、魔法を唱えます。
「氷結の檻」
辺り一面に白い冷気が漂います。
これで動きは封じられたはずです。
私はそのまま近づこうとした時、背後に気配を感じました。
私は振り返ると、そこには黒いフードを被った人物がいました。
その手にはナイフが握られていて、私に向けて振り下ろされました。
私はそれを回避すると、すぐに距離を取ります。
そして私はその人物が何者かを理解しました。
「あなたは……、もしかて、アンダレシュ様の部下の方ですか?」
「…………」
「答えて下さい!もしそうならば何故このような真似をするのですか!」
気づいたら私はそう叫ばずにはいられないのでした。
そして、氷結魔法で凍らせると
、そのまま砕け散ってしまいました。
一体何が起こっているのでしょう。
私は呆然としながら、その場に立ち尽くしていました。
すると、今度は私の背後に人の気配が現れます。
私はすぐさま後ろを振り向きますが、そこにいたのはアンダレシュ様でした。
私は安心して彼に駆け寄ると、彼の腕に抱きつきました。
アンダレシュは私を抱きしめながら、私に話しかけてきます。
その顔はとても真剣で、私は自然と背筋を伸ばします。
アンダレシュは私の肩を掴むと、顔を近づけてきます。
「愛している、俺の部下が酷い事をしたようで」
私はアンダレシュの言葉を聞いて、首を横に振ると、
アンダレシュは優しく微笑むと、私の額にキスをしてきました。
その後、私達はその場を離れると、アンダレシュは部下の女性に事情を聞くために、
その人物を探し始めました。
しばらくして、アンダレシュは見つけ出したようです。
その人物はアンダレシュの前に来ると、深々と頭を下げていました。
アンダレシュはそれを見て、怒りを抑えながら話を始めます。
「どうしてこんなことをしたのか教えてくれるか」
すると、彼女は恐縮したように、震えながら口を開きました。
それを聞いたアンダレシュは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていました。
私達はその後会場に戻ると、アルルさんの死体が発見されました。
そして私達はその場で事情聴取を受けることになりました。
アンダレシュは私を庇うようにして前に立ってくれています。
私はそんな彼を見て、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
それから暫くして、ようやく解放される頃には、すっかり日が落ちかけていました。
私達は城に戻ることなく宿に向かうと、夕食を食べてから部屋に戻りました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...