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彼は構わずに続ける。
そして、私の耳元に唇を寄せて囁いた。
「そろそろ限界、もっと現実を見ろよ逃げてんじゃねぇぞ」
そう言って、また口づけられる。今度は深く激しいものだった。
そして、私はやっと気づいた。
私はずっと前から殿下の事を好いていた、そして、殿下も同じだったのだろう。
時折態度が冷たかったのは、この世界とわたしがむきあってなかったから、そう、この世界はゲームでは無い。
家具も名前も同じだがその中でちゃんと息をしている。
だから何処か他人行儀な私は本気で恋するスタートラインにすら立てていなかった。
そのことに気づいた私は嬉しくなって、つい、涙をこぼしてしまった。
それをみた殿下は苦笑すると、優しく抱きしめてくれた。
私はその温もりを感じて、初めてこの世界はゲームではないのだと思い知ったのでした。
「お前に現実を見せてやろうか、俺の事はサディエル王太子と呼びなさい」
その言葉はサディエル・ヒリスの名前なのでした。
そして、それを呼んでいいのはゲームの主人公であるあの聖女のみなのです。
でも、今は私だけの特権なんです。
だから、私は笑顔で答えると、 私は、彼を呼ぶのでそっと微笑むと
「そう言えば、お前に分からせるために服を脱げって言った事あったな?」
と呟くと、私を裸にしてそのまま美味しく頂かれてしまうのであった。
そして、私は思ったのである。
あのとき、服を脱いでおいて良かったと。
だって、こんなに激しく求められたのは初めてのことだから。
(これからもよろしくお願いしますね、私だけの王太子様)
翌日私事リリアーナ・アウローラはバルコニーから城の景色を眺めていた。
不思議な気分なのです、あれから数か月、夢のような時間が続いているのですが
最近は残念なことがあるのでした。
あの熱く抱かれた晩以来王太子は床に来てはくれて無いのです。
王太子の提案により、私はお城のバルコニー付きの
この部屋を宛がわれてしかも、
「正式な許嫁として、お前を父上達に報告するからな」
っと言われたのにそれすら果たされておりませんのでした。
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