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「なっ、待って」
「ダメ、待たない」
そう言ったサディエルは、私の口を塞いでくる。
私は思わず悲鳴を上げてしまいました。
サディエルは、私の口を塞いだまま、私の身体に覆い被さってくる。
私は、思わずサディエルの服の裾をギューと握ってしまいました。
サディエルは、私の口から手を離すと、私の目から視線を逸らす。
私は、サディエルの服の裾を離すと、サディエルに謝りました。
「ごめんなさい、言うこと聞かなかったからおこって婚約破棄したんだよね」
「違う」
「ちがいません」
「違う」
「だって」
「俺は、婚約破棄なんてする気は無かった」
「うそよ」
そう悲しそうに言うのでした。
私は、思わずサディエルに抱きついていました。
サディエルは、私の頭を撫でてくれる。
私は、思わずサディエルに甘えてしましました。
サディエルは、私の背中をポンポンと叩いてくれました。
私は、思わずサディエルに謝ってしまいました。
サディエルは、私の頭を抱き寄せて、私の頭にキスをしてくれました。
私は、思わずサディエルの服をぎゅっと握ってしまいました。
サディエルは、私の髪を優しく手ですいてくれました。
私は、思わずサディエルに謝ってしまいました。
サディエルは、私の頬を両手で挟むと、
「嘘じゃねぇよ、じゃあ言うよ、あの日何であんな事を言ったのか」
そう言われてドキッとする。
「嫉妬したですよね」
「何だよ知っていたのか」
と、王太子は私に言います。
「リリアーナ、すまなかった、あの時は頭に血が上って」
「言い訳は良いので、早く王位について私を甘やかしてくださいまし」
「こ、心得た」
そう言って王太子は、私の額に軽く触れるだけの優しいキスをしてくださいます。
私は、恥ずかしくて俯いてしまうのです。
でも、私は、王太子の事が大好きです。私は、王太子の婚約者です。
でも、私はその事に不満を持っていました。
何故なら、私は王太子の婚約者なのに、王太子は私との約束を破ってしまったからです!
でも、王太子は、私との約束を守ってくれたのです。
でも、私は、王太子の事が大好きなんです。
私は、王太子の婚約破棄宣言に納得出来ませんでした。
私は思わず叫んでいた。
すると、サディエルが私を抱きしめて、 私に言い聞かせるように言います。
私は思わずサディエルの胸の中で泣いてしまう。
サディエルは、私の涙を拭ってくれる。
私は、思わずサディエルの袖を握りしめてしまったようだった。
サディエルが私に話し掛けると、思わずびくっとして声が裏返ってしまった。
(もう嫌だ、こんな醜態晒して)
「大丈夫か? 少し虐めすぎたな、おいで」
そう言ってサディエルは、私に手を差し伸べてきた。
私は、その手に自分の手を重ねると、サディエルは私を引き起こそうとする。
私は、その勢いでサディエルに倒れ込むと、サディエルにそのまま抱っこされてしまった。
私は、びっくりしてしまい、慌てて降りようとすると、サディエルは私を抱いた腕に力を込めてきた。
私は、サディエルの胸に顔を埋めてしまう。
私は、その状況に頭が真っ白になってしまう。
私は、サディエルの胸に顔を埋める。
(わぁ、男の人なんだな~、やっぱり大きいな~って私何を考えてるの!? これじゃまるで痴女じゃない!)
私は、その事に気づくと、慌てて見上げるとサディエルが笑っていたので
「酷い、サディエル様笑うなんて」
と私は言うと、
「ごめんごめん」
と言いながらサディエルは、私の髪に触れてきた。
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