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「その人と、ユリナを政略婚させたら」
「……え?」
「可能でしょ、王太子命令なら彼したがいそうだし」
私の言葉に彼は、真剣に考え込んでいた。
そして答えたのだ。
「やはり無理ですか、ユリナは王家と縁組みすればいい事になりますので」
(ですよね)
私は心の中で呟きながらため息をつくのであった。
「いや、その発想は無かったな、アルスラーン、お前に頼みがある、此度の無礼は水に流すから、
ユリナを娶れ、今から城に戻るから式の手はずを整えよ、出来なければお前は公開処刑とす」
「それとユリナは対罪人である、娶り次第彼女を罰せよ」
そんな指示に私すらアルスラーンが可愛そうになりました。
サディエル様徹底しすぎ怖すぎ……。
しかも、妻に娶らせたのに夫に成りたての人に妻の罰を任せるって……。
そう、サディエルには二つの心配事があった。
一つはリリアーナ座を狙うユリナの存在……そして、何故かそれに肩入れする目の前の男である。
アルスラーンがユリナの行き別れた兄妹という設定は、開発に携わった自分しか知らない情報だ。
ゲームで2を出そうと企画した時に恋愛シュミレーションからRPGにしたさい、隠れ裏ボスに設定してしまった。
もし、2の設定がこの背化に組み込まれて居たら
彼は重要なキーキャラクターとなってしまう。
そして何よりも2が企画段階でとん挫した理由は……道徳に反する行いをユリスがし過ぎたからなのでした。
だから彼女は知らない……企画倒れになったその設定を……でも、口で説明する時間は無い。
そう思い睨み付けていると
「ああ、バレちゃった、何でこう、うまくやっていたのに、なぁ、アンタもそっち側の人間かよ」
「やはりお前もか」
そう可笑しいと思った。
ユリナを召喚したのはたしかに、リリアーナの家族だった。
しはかし、リリアーナ側のメリットがない。
彼女は巻き込まれて異世界としての認識でこの世界に転生されただけなのだ。
しかし、どうにも不可解な点があり過ぎた。
「アルスラーン、お前ゲームマスターだろう」
その言葉にリリアーナも驚く。
「え?」
「こいつ、多分、俺の会社の同僚だよ」
「な」
「何で俺の裏設定まで呼び起こした、そんな事をすれば、最後は」
「どう言う意味なの」
「知らないんだ、リリアーナちゃん、何で君が選ばれたと思う、あの日、この世界が大好きな君は。
目の前の男にマインドコントロールされて」
そこまで言われて叫んだ。
「それ以上言うな」
「彼の指示で命を絶ったんだよ、何でそんな奴の横にいるのさ」
「……うそ、彼はこのゲームに携わってないって」
「携わって無いのは、本当だけど、こいつが追加で出したソフトであの日沢山死人が出た」
思い出した。
「私はあの日、『乙女の涙シリーズ』の新作がでたから買ってプレイして……それから」
そこまで言って絶句した。
何故か無性に死にたくなった。
そして、包丁でお腹を裂いて……ぞっとする。
「思い出せたみたいだね、目の前の敵は何方かな」
その言葉と共に私は勢いよくユリスの胸倉をつかんでいた。
「……え?」
「可能でしょ、王太子命令なら彼したがいそうだし」
私の言葉に彼は、真剣に考え込んでいた。
そして答えたのだ。
「やはり無理ですか、ユリナは王家と縁組みすればいい事になりますので」
(ですよね)
私は心の中で呟きながらため息をつくのであった。
「いや、その発想は無かったな、アルスラーン、お前に頼みがある、此度の無礼は水に流すから、
ユリナを娶れ、今から城に戻るから式の手はずを整えよ、出来なければお前は公開処刑とす」
「それとユリナは対罪人である、娶り次第彼女を罰せよ」
そんな指示に私すらアルスラーンが可愛そうになりました。
サディエル様徹底しすぎ怖すぎ……。
しかも、妻に娶らせたのに夫に成りたての人に妻の罰を任せるって……。
そう、サディエルには二つの心配事があった。
一つはリリアーナ座を狙うユリナの存在……そして、何故かそれに肩入れする目の前の男である。
アルスラーンがユリナの行き別れた兄妹という設定は、開発に携わった自分しか知らない情報だ。
ゲームで2を出そうと企画した時に恋愛シュミレーションからRPGにしたさい、隠れ裏ボスに設定してしまった。
もし、2の設定がこの背化に組み込まれて居たら
彼は重要なキーキャラクターとなってしまう。
そして何よりも2が企画段階でとん挫した理由は……道徳に反する行いをユリスがし過ぎたからなのでした。
だから彼女は知らない……企画倒れになったその設定を……でも、口で説明する時間は無い。
そう思い睨み付けていると
「ああ、バレちゃった、何でこう、うまくやっていたのに、なぁ、アンタもそっち側の人間かよ」
「やはりお前もか」
そう可笑しいと思った。
ユリナを召喚したのはたしかに、リリアーナの家族だった。
しはかし、リリアーナ側のメリットがない。
彼女は巻き込まれて異世界としての認識でこの世界に転生されただけなのだ。
しかし、どうにも不可解な点があり過ぎた。
「アルスラーン、お前ゲームマスターだろう」
その言葉にリリアーナも驚く。
「え?」
「こいつ、多分、俺の会社の同僚だよ」
「な」
「何で俺の裏設定まで呼び起こした、そんな事をすれば、最後は」
「どう言う意味なの」
「知らないんだ、リリアーナちゃん、何で君が選ばれたと思う、あの日、この世界が大好きな君は。
目の前の男にマインドコントロールされて」
そこまで言われて叫んだ。
「それ以上言うな」
「彼の指示で命を絶ったんだよ、何でそんな奴の横にいるのさ」
「……うそ、彼はこのゲームに携わってないって」
「携わって無いのは、本当だけど、こいつが追加で出したソフトであの日沢山死人が出た」
思い出した。
「私はあの日、『乙女の涙シリーズ』の新作がでたから買ってプレイして……それから」
そこまで言って絶句した。
何故か無性に死にたくなった。
そして、包丁でお腹を裂いて……ぞっとする。
「思い出せたみたいだね、目の前の敵は何方かな」
その言葉と共に私は勢いよくユリスの胸倉をつかんでいた。
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