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そのご
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王様へ謁見し、元の世界へ帰る事になったので許可を頂きたいと告げると、見事に上っ面だけの惜別の念を頂いた。その上で私だけ残らないかと引き留められたが、丁重にお断りを申し上げた。私がこちらに来て最初に帰る方法を聞いてからは、いつか帰る前提で過ごしていたのはご存じだったようで、一応、という感じだったが。私はヒャッハーするなんて全く考えず、勿論逆ハーなんて論外で、ずっと魔法の修業していたから(私の命の素ともいえる本が全く読めなかったので興味がもてそうなのが魔法修業しかなかった)、チートでかなりレベルは上がってたので、『微妙』な勇者様と違って『それなりに有益』くらいの認識はしてもらえてたからだとと思う。
あの後黒澤は部屋に籠って出てこなくなったらしい。勇者としての責務を、なんて言って小煩神官長が外から説教したらしいけど、そりゃ逆効果よねー。心が折れた理由のひとつに言われてもね。
そして、最大の理由だと思われる私は、保管してもらっていた制服に着替え黒澤の部屋を訪れ、ノックをしたあとおもむろに蹴り破った。勿論保護の魔法かけてからなのでドアは壊れたりはしていない。流石に居候の身で器物破損は不味いよね。勿論後ろにあわあわ言いながらへたり込む黒澤の世話役さんなんてイナイヨー?
え?ロックの魔法がかけられてた筈?
えぇ?なんちゃって勇者様の魔法なんて簡単に破れるでしょ?王都に居る間は剣の修行はしてても魔法はほとんど習ってなかったの知ってるし。討伐中もゆっくり修行出来る暇無かったと思うし。
私がそんな荒っぽい事をするなんて微塵も思ってなかっただろう黒澤が部屋の一番奥の隅っこで真ん丸な目をしてこちらを見ている。
「はーい、帰る準備したした。出来ないとあと五分で一人で帰っちゃうわよー」
パンパンと両手を打ち鳴らし、黒澤を促すと、一瞬唖然とした後大慌てで着替えだした。勿論私は淑女なのでドタバタしている間後ろを向いている。野郎の着替えなんて見てても楽しくないしね。
「お、おまたせ!」
数分後着替え終わった黒澤は、この半年でちょっと筋肉が付いたからか、制服が窮屈そうに見える。ま、その辺は帰ったらどうなるかわからないしね。あの図書室で召喚された瞬間に果たして戻れるのか、その時記憶はあるのか、得た能力は消えるのか·····
スカートのポケットから御籤を取り出し、『帰りたい』と願った瞬間あの時と同じ様に溢れだした光の中でそんな事を思った。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
結果からいうと、私達は無事元の世界に帰ってきた。時間を確認していた訳じゃないからはっきりしないが、多分召喚された時間から然程経っていないと思う。記憶もバッチリある。チートは流石にここでは試せないので後程で。女神は性格悪そうだが、仕事は出来る人·····いや、神だった様だ。気がつくと床にまた倒れていた。こちらは学校なのでしょうがないけど、あんまり床に直接寝そべりたくはないなあ。
立ち上がってパンパンと制服のスカートを払い、伸びをする。元の世界に戻ってきたのならやることはひとつ!
蔵書登録の続きをするために、愛しの本たちをそっと手に取った。
ちなみに、黒澤はまだそこに伸びている。相変わらずな勇者様(笑)だわ。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
その後。
結構な時間がたってから黒澤は気が付き、回りを見渡し、私の姿を見た途端、変な意味のわからない叫び声を上げながら図書室から走り去った。むう、図書室で静かに出来ない人は出禁にしたい。
などと思っていたら、黒澤は登校拒否となり、そのまま自主退学となった。苛めが原因か!?と噂になったが、失礼な。私は苛めてませんよ。まあ、二度と会うことはないと思うので、そっと心の中であでぃおーすと呟いておいた。
そんなこんなで私の日常から黒澤という存在が消え、私と本達とのめくるめく愛の日々が戻ってきたのだった。
あの後黒澤は部屋に籠って出てこなくなったらしい。勇者としての責務を、なんて言って小煩神官長が外から説教したらしいけど、そりゃ逆効果よねー。心が折れた理由のひとつに言われてもね。
そして、最大の理由だと思われる私は、保管してもらっていた制服に着替え黒澤の部屋を訪れ、ノックをしたあとおもむろに蹴り破った。勿論保護の魔法かけてからなのでドアは壊れたりはしていない。流石に居候の身で器物破損は不味いよね。勿論後ろにあわあわ言いながらへたり込む黒澤の世話役さんなんてイナイヨー?
え?ロックの魔法がかけられてた筈?
えぇ?なんちゃって勇者様の魔法なんて簡単に破れるでしょ?王都に居る間は剣の修行はしてても魔法はほとんど習ってなかったの知ってるし。討伐中もゆっくり修行出来る暇無かったと思うし。
私がそんな荒っぽい事をするなんて微塵も思ってなかっただろう黒澤が部屋の一番奥の隅っこで真ん丸な目をしてこちらを見ている。
「はーい、帰る準備したした。出来ないとあと五分で一人で帰っちゃうわよー」
パンパンと両手を打ち鳴らし、黒澤を促すと、一瞬唖然とした後大慌てで着替えだした。勿論私は淑女なのでドタバタしている間後ろを向いている。野郎の着替えなんて見てても楽しくないしね。
「お、おまたせ!」
数分後着替え終わった黒澤は、この半年でちょっと筋肉が付いたからか、制服が窮屈そうに見える。ま、その辺は帰ったらどうなるかわからないしね。あの図書室で召喚された瞬間に果たして戻れるのか、その時記憶はあるのか、得た能力は消えるのか·····
スカートのポケットから御籤を取り出し、『帰りたい』と願った瞬間あの時と同じ様に溢れだした光の中でそんな事を思った。
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結果からいうと、私達は無事元の世界に帰ってきた。時間を確認していた訳じゃないからはっきりしないが、多分召喚された時間から然程経っていないと思う。記憶もバッチリある。チートは流石にここでは試せないので後程で。女神は性格悪そうだが、仕事は出来る人·····いや、神だった様だ。気がつくと床にまた倒れていた。こちらは学校なのでしょうがないけど、あんまり床に直接寝そべりたくはないなあ。
立ち上がってパンパンと制服のスカートを払い、伸びをする。元の世界に戻ってきたのならやることはひとつ!
蔵書登録の続きをするために、愛しの本たちをそっと手に取った。
ちなみに、黒澤はまだそこに伸びている。相変わらずな勇者様(笑)だわ。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
その後。
結構な時間がたってから黒澤は気が付き、回りを見渡し、私の姿を見た途端、変な意味のわからない叫び声を上げながら図書室から走り去った。むう、図書室で静かに出来ない人は出禁にしたい。
などと思っていたら、黒澤は登校拒否となり、そのまま自主退学となった。苛めが原因か!?と噂になったが、失礼な。私は苛めてませんよ。まあ、二度と会うことはないと思うので、そっと心の中であでぃおーすと呟いておいた。
そんなこんなで私の日常から黒澤という存在が消え、私と本達とのめくるめく愛の日々が戻ってきたのだった。
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