16 / 51
聖女様はざまぁされる②(聖女視点)
しおりを挟む
「そこまでだ」
ホールに冷たい声が響く。誰よ、邪魔すんのは!?
声がした方に振り向くと、シアンのお父さんの王様が怖い顔をして立ってた。
「ち、父う「今は公式の場だ。貴様こそ無礼だぞシアン」…も、申し訳ありません、陛下」
何よ!身分を振りかざしちゃって王様だからって酷いわ!!
だから、シアンは悪くない、私が悪いの!って王様に言ったんだけど、かえって冷たい目で見られただけだった。
「聖女よ。そなた、魔法は習得出来たのか?」
な、なによ突然。当然でしょ、あたしは聖女なのよ。出来て当たり前なのよ!!
「ほう?学園からの報告では、授業や指導から逃げ回り、未だ初級の魔法が精々だとあったが?」
そ、そりゃ面倒くさい練習なんかよりも、シアン達と交流する方が大事なんだもん、仕方ないじゃない!!それに魔法なんてちょっと使えりゃいいじゃん!!だって遠征じゃ騎士団の人とかが闘えばいいんだもん。あたしが怪我でもしたらどうすんのよ!?
「その騎士達が怪我をしないように……、怪我をした時もすぐ回復出来る様に魔法の習得が必要なのだがな。どうやら口で言ってもわからぬ様だ。世界を救うべく神が遣わした存在だからと、この世界の為に無理強いするのは心苦しいと思うが故に、学園での振る舞いは見逃していたが、このままでは、世界よりも先に我が国が滅びかねん」
なんでこの国が滅びちゃうのよ。意味わかんない。一体あたしにどうしろっていうのよ。
「皆の者。明日早朝、聖女には世界樹の救済の旅に出てもらう。供は此処におる五人のみ、騎士は付けぬ。以上だ」
「へ、陛下!!どういう事ですかっ!?」
はぁぁぁぁっっ!?いきなりあしたの朝ってなによ!?しかも、騎士の人が来ないってどういうことよっ!?聖女の出発って、こう、大々的にパレードとかやって大勢の人に見送られながら行くもんでしょっ!!
「シアン。歳が近い故に聖女の影響を受け、共に切磋琢磨する事を期待したのだがな。切磋琢磨どころか一緒になって遊び呆けるとは。おまけによく精査もせずに他人の言葉を鵜呑みにし、王が認めた婚約を勝手に破棄するとは呆れて物も言えぬ。お前達には試練を与える。後ろの四人も同様だ。聖女と共に旅立ち、世界樹救済を成し遂げよ。成し得ぬ場合は、お前達全員除籍とすると心得よ」
「そ、そんな!?お待ちください陛下!!」
「これは決定事項だ。早々に出立の準備をせよ」
ど、どういうこと?王様の言葉難しくてよくわかんないわよ。だれかちゃんと説明してよ!!
突然現れた男の人達が、あたしたちを無理矢理部屋から連れ出す。それぞれバラバラに部屋に押し込まれ、あたしは着ていたドレスを引き裂くようにして脱がされた。
ワケわかんなくて暴れるあたしが無理矢理押さえつけられながら着せられた服は、地味も地味。なんの飾りも宝石も付いてない灰色のワンピースで、こんなの着れるわけない!ってメイドが離れた隙に脱いだら、『聖女様のお召し物はそれしかございません。着たくないのでしたら、下着のままでどうぞ』とか言うのよ!!
信じられない!!一体なにがどうなってんのよ!?
ホールに冷たい声が響く。誰よ、邪魔すんのは!?
声がした方に振り向くと、シアンのお父さんの王様が怖い顔をして立ってた。
「ち、父う「今は公式の場だ。貴様こそ無礼だぞシアン」…も、申し訳ありません、陛下」
何よ!身分を振りかざしちゃって王様だからって酷いわ!!
だから、シアンは悪くない、私が悪いの!って王様に言ったんだけど、かえって冷たい目で見られただけだった。
「聖女よ。そなた、魔法は習得出来たのか?」
な、なによ突然。当然でしょ、あたしは聖女なのよ。出来て当たり前なのよ!!
「ほう?学園からの報告では、授業や指導から逃げ回り、未だ初級の魔法が精々だとあったが?」
そ、そりゃ面倒くさい練習なんかよりも、シアン達と交流する方が大事なんだもん、仕方ないじゃない!!それに魔法なんてちょっと使えりゃいいじゃん!!だって遠征じゃ騎士団の人とかが闘えばいいんだもん。あたしが怪我でもしたらどうすんのよ!?
「その騎士達が怪我をしないように……、怪我をした時もすぐ回復出来る様に魔法の習得が必要なのだがな。どうやら口で言ってもわからぬ様だ。世界を救うべく神が遣わした存在だからと、この世界の為に無理強いするのは心苦しいと思うが故に、学園での振る舞いは見逃していたが、このままでは、世界よりも先に我が国が滅びかねん」
なんでこの国が滅びちゃうのよ。意味わかんない。一体あたしにどうしろっていうのよ。
「皆の者。明日早朝、聖女には世界樹の救済の旅に出てもらう。供は此処におる五人のみ、騎士は付けぬ。以上だ」
「へ、陛下!!どういう事ですかっ!?」
はぁぁぁぁっっ!?いきなりあしたの朝ってなによ!?しかも、騎士の人が来ないってどういうことよっ!?聖女の出発って、こう、大々的にパレードとかやって大勢の人に見送られながら行くもんでしょっ!!
「シアン。歳が近い故に聖女の影響を受け、共に切磋琢磨する事を期待したのだがな。切磋琢磨どころか一緒になって遊び呆けるとは。おまけによく精査もせずに他人の言葉を鵜呑みにし、王が認めた婚約を勝手に破棄するとは呆れて物も言えぬ。お前達には試練を与える。後ろの四人も同様だ。聖女と共に旅立ち、世界樹救済を成し遂げよ。成し得ぬ場合は、お前達全員除籍とすると心得よ」
「そ、そんな!?お待ちください陛下!!」
「これは決定事項だ。早々に出立の準備をせよ」
ど、どういうこと?王様の言葉難しくてよくわかんないわよ。だれかちゃんと説明してよ!!
突然現れた男の人達が、あたしたちを無理矢理部屋から連れ出す。それぞれバラバラに部屋に押し込まれ、あたしは着ていたドレスを引き裂くようにして脱がされた。
ワケわかんなくて暴れるあたしが無理矢理押さえつけられながら着せられた服は、地味も地味。なんの飾りも宝石も付いてない灰色のワンピースで、こんなの着れるわけない!ってメイドが離れた隙に脱いだら、『聖女様のお召し物はそれしかございません。着たくないのでしたら、下着のままでどうぞ』とか言うのよ!!
信じられない!!一体なにがどうなってんのよ!?
2
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。
召喚聖女の結論
こうやさい
ファンタジー
あたしは異世界に聖女として召喚された。
ある日、王子様の婚約者を見た途端――。
分かりづらい。説明しても理解される気がしない(おい)。
殿下が婚約破棄して結構なざまぁを受けてるのに描写かない。婚約破棄しなくても無事かどうかは謎だけど。
続きは冒頭の需要の少なさから判断して予約を取り消しました。今後投稿作業が出来ない時等用に待機させます。よって追加日時は未定です。詳しくは近況ボード(https://www.alphapolis.co.jp/diary/view/96929)で。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
URL of this novel:https://www.alphapolis.co.jp/novel/628331665/937590458
婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる