世界樹の下で

瀬織董李

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とうとう出発したよ!②

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 ……という事で初日は野宿と相成りました。いやあ……テキパキ動く騎士様+アリスト様のお陰で着実に夕飯の支度が出来つつあります。あ、ちゃんと私は手伝ったわよ! 野菜の皮剥きは大得意です。

「…………」

 いや、別に睨まなくてもそれなりには役に立ってましたよヴァルターさん……

 ブランシュお嬢様が連れてきていた執事服の侍従さんの名はヴァルター。頭の片隅でどっかで聞いたことあるよーな無いようなー? と思っていたら、ブランシュ嬢がこっそり教えてくれた。なんと彼は『セカシタ』の隠しキャラらしい。

 あのゲームにそんなに思い入れの無かった私が知らなかったのも無理はない。なぜなら彼は攻略キャラ全員のバッドエンド・・・・・・を見ると攻略出来るようになる隠しなのだそうだ。ハッピーじゃないのかい!

 なんでもヤンデレで、超がつくくらい重いタイプなので、彼のハッピーエンドは『これホントはバッドじゃね?』って思うくらいの監禁エンドだそうだ。いや、それがハッピーならバッドはどんなんやねん!と思ったけど、ブランシュ嬢の顔が微妙だったので、聞かないでおいた。……あのゲーム、R指定無かった筈なのに……

 ゲームでのヴァルターさんは、元孤児で悪役令嬢ブランシュに幼い頃拾われたという侍従として登場し、攻略できる様になるまでは悪役令嬢の手足としてあれやこれやと暗躍する役回りだそうだ。なるほどだからなんとなくだけど名前聞いたことがあるのか。

 攻略可能になると、テンプレ展開で『あなたは本当は優しい人なのに、そんなことさせるなんて酷い!』とか裏街道人生舐めプな甘っちょろい事言われて、それにコロッと絆されてお嬢様裏切ってヒロインに傾倒していくらしい。

 私がこのゲームに嵌まらなかった理由はそこなんだよね。フィクションだとしてもリアリティ無さすぎというか。

 で、現実のヴァルターさんといえば、今のところゲームにあったような病的なヤンデレ気質もそこまで酷くはないようで、今はブランシュ嬢のお世話に燃えているらしく、私がブランシュ嬢とこそこそ話してたせいでどうやら敵認定された様だ。ちょっとお嬢様に話しかけようとするだけで睨まれるし、さっきは私が料理の手伝いしてるとやってきて、勝手に人参切り刻んでアリスト様に叱られてた。

 侯爵家では身の回りの世話は全てメイドさんがやっていたから、ヴァルターさんは侍従というよりは戦闘特化の護衛が本来の役目の様だ。

 もしかしたら、私=平民の農民で今回の旅に皆の世話役として付いてきた、と思われてるのかな。一応みんな私が行くのに付いてきてるんだけど。聞いてなさそうだなー。
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