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とうとう出発したよ!①
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門の前でごちゃごちゃしてるのも悪目立ちするし、外へ向かう人達の邪魔になるので、侯爵家の馬車には帰って貰う。どうせ私が来るな!って思っても聞きやしないだろうしね。
取り敢えずブランシュお嬢様達の荷物はアリスト様の馬車に載せて貰う。なんせ私達の馬車には殿下のでっかいチェストがあるんで。荷物置く場が減ったんでアリスト様はちょっと不満そう。それくらい我慢してくださいよ、こっちの馬車には要警護な同乗者が増えたんですから。
まあそのせいで王都と外を隔てる門では多少揉めた。なにせ正体不明の王子様と明らかに浮いた格好の侯爵令嬢が荷馬車に乗ってるからね。怪しさ満点だ! 散々疑われたけど、一緒に行く騎士様達が一生懸命説明してくれたお陰でなんとかなったけど。こういう時は全く役にたたないのね忘却のオウジサマ。そもそも王宮から通達が行ってないのは何故だ。職務怠慢じゃね?
そういう訳で王都からは出ることが出来たけど、予定から大分遅れてしまった。多分今日は次の宿場町に到着するのは無理だと思うので、野宿か途中小さな村でもあったらそこで一晩納屋でも借りるか、って事になった。……なんていうか、幸先が悪いなあ。
パカパカと馬ののんびりした足音が超眠気を誘うので、急いでする事も無いし、気を紛らわす為にお嬢様の事情を聞いてみる。
「第三王子との婚約破棄問題が結構尾を引いててね。うちは筆頭侯爵家で、王家としては臣籍降婿によって縁を強化したかったのに、あの色ボケ王子のせいでパーになったんで、じゃあ代わりにそこにいる第二王子でどうだ?とか言い出したらしくて」
そこに、でランクス殿下を指差すお嬢様。指差しちゃ駄目じゃないですかー。行儀悪いですよ。……ていうか、地が出てません?
「いいのよ一年間羽根を伸ばすんだから! ……話を戻すわよ。えと、お父様が大魔神化しちゃってねー。あっちがだめならこっちで、なんて馬鹿にするのも大概にしろ!……って激おこな訳。で、王家との婚姻に関しては、うちはもう関わりたくない、って意思表示の為に、私に領地で引きこもりしてろ、って言われたんだけど。そんな時にランクス殿下から貴女の旅の事聞いたのよ。で、面白そう!って」
面白そう、で付いてこられた日にゃ私はいいけど護衛の騎士様達が泣きそう……
「お父様に旅の事話して、ランクス殿下に付いてくって言えば王家に『え、もしかしたらラブい展開!?』って期待持たせといて、帰ってきてから『ざーんねーんでーしたーなんともなってませーん』ってざまぁ出来るよ、って言ったら、即OKされたわよ」
軽っ。そして何気に酷い。王様心労祟ったりしてないかな。……まあ、王太子が居るからいいか。口にしたら『よくないわ!』ってツッコミ入りそうだけど。主にアリスト様から。
取り敢えずブランシュお嬢様達の荷物はアリスト様の馬車に載せて貰う。なんせ私達の馬車には殿下のでっかいチェストがあるんで。荷物置く場が減ったんでアリスト様はちょっと不満そう。それくらい我慢してくださいよ、こっちの馬車には要警護な同乗者が増えたんですから。
まあそのせいで王都と外を隔てる門では多少揉めた。なにせ正体不明の王子様と明らかに浮いた格好の侯爵令嬢が荷馬車に乗ってるからね。怪しさ満点だ! 散々疑われたけど、一緒に行く騎士様達が一生懸命説明してくれたお陰でなんとかなったけど。こういう時は全く役にたたないのね忘却のオウジサマ。そもそも王宮から通達が行ってないのは何故だ。職務怠慢じゃね?
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パカパカと馬ののんびりした足音が超眠気を誘うので、急いでする事も無いし、気を紛らわす為にお嬢様の事情を聞いてみる。
「第三王子との婚約破棄問題が結構尾を引いててね。うちは筆頭侯爵家で、王家としては臣籍降婿によって縁を強化したかったのに、あの色ボケ王子のせいでパーになったんで、じゃあ代わりにそこにいる第二王子でどうだ?とか言い出したらしくて」
そこに、でランクス殿下を指差すお嬢様。指差しちゃ駄目じゃないですかー。行儀悪いですよ。……ていうか、地が出てません?
「いいのよ一年間羽根を伸ばすんだから! ……話を戻すわよ。えと、お父様が大魔神化しちゃってねー。あっちがだめならこっちで、なんて馬鹿にするのも大概にしろ!……って激おこな訳。で、王家との婚姻に関しては、うちはもう関わりたくない、って意思表示の為に、私に領地で引きこもりしてろ、って言われたんだけど。そんな時にランクス殿下から貴女の旅の事聞いたのよ。で、面白そう!って」
面白そう、で付いてこられた日にゃ私はいいけど護衛の騎士様達が泣きそう……
「お父様に旅の事話して、ランクス殿下に付いてくって言えば王家に『え、もしかしたらラブい展開!?』って期待持たせといて、帰ってきてから『ざーんねーんでーしたーなんともなってませーん』ってざまぁ出来るよ、って言ったら、即OKされたわよ」
軽っ。そして何気に酷い。王様心労祟ったりしてないかな。……まあ、王太子が居るからいいか。口にしたら『よくないわ!』ってツッコミ入りそうだけど。主にアリスト様から。
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