世界樹の下で

瀬織董李

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とうとう出発したよ!④

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「な、なんで土下座!?」

「あー、ごめんなさい、わたくしが教えたの。最上級の謝罪の仕方だって」

 あんたのせいかーい。びっくりしたよ実はこの世界では土下座が一般的なのかと思っちゃった。お嬢様はヴァルターさんがなにかやらかしたときにこうやって謝るのが一番誠意を見せられる、と教えたらしい。

「よもや伝説の賢者にも等しい才能に溢れた方とは露知らずご無礼致しました!! かくなるうえは腹を切ってお詫びを……!!」

「わああああああっ!! なんでいきなり切腹っ!?」

「あ、ごめーん。それもわたくしが」

 ろくなこと教えないな悪役令嬢!!

「大丈夫よ。パフォーマンスとしてそう言っとけ、って教えてあるから本気じゃないわよ」

「なんじゃそりゃあああ」

 ……なんかどっと疲れた。

「にしても伝説の賢者ってなんですか。私はただの農婦ですよお」

「ヴァルターは魔法鑑賞フェチなのよ」

 魔法鑑賞フェチ。……どっかで似た属性が。もしかして混ぜるな危険?

「魔法を使ってるところを見るのが大好きなんですって。だからあの・・聖女にも興味示して時々見に行ってたのよね。ただあの娘、学園の授業サボってばっかりだったから、ヴァルターったら早々に興味なくしたみたい。聖女だからきっと凄い魔法を使える様になるかも!って期待したのにいつまで経っても初級のショボいのしか使えなかったらしいから」

「なるほど……」

 ある意味ヒドインの被害者が此処にも居たとは。その反動で私の魔法に食いついたのなら私も被害者と言えるかもしれないけど。

 いつまでも土下座してられても気持ち悪いので普通に座ってもらう。すっごい渋々だったけど。……まさかえむな属性も併せ持つ戦士じゃ無いよね?そして恥じらいながら乙女のようにチラチラ盗み見るのヤメテクダサイ。お尻がむず痒くなるわ。

「ええと……貴女はどんな魔法をお使いになられるのですか?」

「いや、普通の態度でいいですってば。敬語も無くていいです、私も平民なんだし。使える魔法は水、聖、光。んでも初級レベルしか使えないよ?」

 水は水鉄砲とかシャワー、聖は傷口塞ぐのとちょっと疲れをとる、光は光るだけ。そうやって改めて考えると我ながらショボいな。まああと炎とか風いろいろ使えるけど、それ言ったら伝説の賢者どころか神扱いされそうだな。

「素晴らしい!! ということは訓練次第で大賢者にもなれるということですね!!」

「いや、それは無理でしょ……」

 伝説の賢者の次は大賢者かい。

「以前中級レベルの魔法も使えるかなと思って図書館に置いてある魔法の本を見たですけど、理解出来なかったので。そもそも私、魔導士になるつもりないんで訓練もするつもりはかけらも無いですし」

 初級レベルの魔法は魔法属性を持つものは誰でも使えるそうだ。なんとなく自分がこういう事が出来る、というのがわかるのだ。少なくとも私はそうだったので。

 だが、中級以降となるとそうはいかない。きちんと魔法の理論を理解し、魔力を使用する魔法に構築しなければならないそうだ。その為には、魔導士の育成を目的とした学校に入学し、そこで学ぶのが一般的だと聞いた。ちなみに魔法の属性持ちは圧倒的に貴族が多い事もあって、学校で学ぶのは有料である。だからそれを聞いた私の頭には『金払ってまで覚えなくていいや』しか無かった。
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