30 / 63
学園生活! 4章
5話 帰省!
しおりを挟む
俺がこの学校にすっかり慣れてきたころ、長期休暇。
つまり、夏休みが始まった。
俺と兄ちゃんは、終業式が終わると同時に馬車に乗り込んで、家へと向かった。
昨日買った、お土産とともに!
ん?…何か忘れてるよーな…。
あ!
「ジル!」
「ソーリ!」
兄ちゃんと俺は同時に側近の名前を呼んだ。
「お、おじさん!止めて!今すぐ戻って!」
「ん?分かった」
馬車のおじさんに戻ってもらい、ジルと兄ちゃんの側近のソーリを拾って、今度こそ家へと向かった。
家へ帰ると、
「「お帰り~!」」
「おかかい~!」
母さんと父さんとマサトが出迎えてくれた。
「「ただいま~!」」
「元気でよかったわ…」
「もう学園には慣れたか?ハルク」
「うん!剣術も勉強も頑張ってるし、友達もできたよ!」
「そうか、ならよかった。続きは昼ご飯を食べながらにしよう。早く戻ろう」
「やった~!お腹空いてたんだよ~」
と兄ちゃんが言ったとたん、
『きゅるるるる~』
兄ちゃんのお腹がなった 。
「「「「はははは!」」」」
「もお~~!」
「早く行こうか」
「「うん!」」
ご飯を食べながら話をした。
俺の剣術のすごさや、カリーナやリューのこと。
思い返してみると、とても楽しかった。
そういや、カリーナに何度も決闘を申し込まれたんだよな~。
そのたびに返り討ちにして、どんどんカリーナも強くなって…
まさに切磋琢磨だな!
「そういえば、妙な噂がここら辺に流れてきてるんだよな」
「なあに?」
「まあ、気を付けて、っていうだけなんだけどな。なんか、最近貴族を狙った殺人が増えているらしくて、しかもその遺体がバラバラになっていて…それが、すべて合わせてみても少し足りないんだよ。それがな、足りないのは、心臓なんだよ。それで、犯人の目撃証言が、バケモンだってみんな口そろえて言うんだ。なんでも、角が生えてて、肌が真っ赤なんだと。殺した奴の血…」
言い終わるか終わらないかでとまったなぜなら、兄ちゃんが…
「ぎゃ~~~~~!やめてやめて!」
と叫んだのだ。涙目で。
「なんだよ~~まだこういう話が苦手なのか?カイル?」
「だ、だってよ~…」
後から聞いたところによると、小さい頃に読んだ絵本が原因らしい。
それが、きっちりとしたグロイ絵がついたお化けの話らしい。
そりゃトラウマにもなるだろう。
俺と雅人は微笑ましく思いながら眺めていた。
「それで?その話で何で気を付けるの?噂なんでしょ?」
「いや、根も葉もないということではないらしい。なんせほんとに増え始めてるしな。貴族の殺害。
しかも、被害者は貴族という以外共通点がないんだ」
「ええぇぇ!ほ、ほんとだったの!!バケモノ…」
そう言って、兄ちゃんが卒倒してご飯は終わった。
「…本当だと思う?雅人。さっきの話」
ここは、雅人の部屋だ。
鍵もかかるし、話にはうってつけだ。
「う~ん…どうだろ?ていうかなんでそんなこと聞くんだ?」
「いや、なんか嫌な予感がして…」
「いやな予感?気のせーじゃねの?」
「分らん。まあ、気を付けとこ?じゃあそれに備えて、ジャンジャカジャ~ン!」
「何?それ」
俺が出したのは、魔石だ。
魔石は、下町に売っていて、リューに教えてもらった。
なんせ、いろいろな魔法を詰め込んで詠唱もなしに使うことが出来る。
「へえぇ~!凄いな!それ!」
「市場で上等な奴買ってきた!それにこれから魔法を詰める!」
「おおぉ~~!で、何詰めるんだ?」
「まずは、テレパシーの魔法と大量の魔力。それを2つだ」
「なんで?」
「おいおい~自分で考えろよな。なんかあった時、雅人が一つ持って、なくなったら雅人の魔力をつめこみながら、もう一つは俺が持って、俺にテレパシーで連絡するんだよ」
「なるほど!」
「魔法で加工して、俺はピアスにでもして、お前はネックレスにでもしておくぞ!」
「オッケー!」
そう言って、魔法を詰めて、それを作った魔法でパパッと加工した。
「いっぱい作ってみよーよ!」
「そうだなぁ。まだたくさん残ってるし」
=============================================
それと同時刻。
森の中で、一つの命が消えた。
また、一つ。また一つ。
「もっと強く…もっと…」
それは、人の形をしていて、獣や魔物たちのちで真っ赤に染まった服。
そして、最も奇妙なのは、頭から生えるツノ。
その姿は、少年のようにも見える。
命が消えてゆくたびに少年は異様さを増してゆく。
「早く、殺したい…。みんな…」
_____________________________________________
最後までお読みいただきありがとうございます。
前回同様、誤字・脱字などがあれば感想を通じてお知らせください。
これからもよろしくお願いします。
つまり、夏休みが始まった。
俺と兄ちゃんは、終業式が終わると同時に馬車に乗り込んで、家へと向かった。
昨日買った、お土産とともに!
ん?…何か忘れてるよーな…。
あ!
「ジル!」
「ソーリ!」
兄ちゃんと俺は同時に側近の名前を呼んだ。
「お、おじさん!止めて!今すぐ戻って!」
「ん?分かった」
馬車のおじさんに戻ってもらい、ジルと兄ちゃんの側近のソーリを拾って、今度こそ家へと向かった。
家へ帰ると、
「「お帰り~!」」
「おかかい~!」
母さんと父さんとマサトが出迎えてくれた。
「「ただいま~!」」
「元気でよかったわ…」
「もう学園には慣れたか?ハルク」
「うん!剣術も勉強も頑張ってるし、友達もできたよ!」
「そうか、ならよかった。続きは昼ご飯を食べながらにしよう。早く戻ろう」
「やった~!お腹空いてたんだよ~」
と兄ちゃんが言ったとたん、
『きゅるるるる~』
兄ちゃんのお腹がなった 。
「「「「はははは!」」」」
「もお~~!」
「早く行こうか」
「「うん!」」
ご飯を食べながら話をした。
俺の剣術のすごさや、カリーナやリューのこと。
思い返してみると、とても楽しかった。
そういや、カリーナに何度も決闘を申し込まれたんだよな~。
そのたびに返り討ちにして、どんどんカリーナも強くなって…
まさに切磋琢磨だな!
「そういえば、妙な噂がここら辺に流れてきてるんだよな」
「なあに?」
「まあ、気を付けて、っていうだけなんだけどな。なんか、最近貴族を狙った殺人が増えているらしくて、しかもその遺体がバラバラになっていて…それが、すべて合わせてみても少し足りないんだよ。それがな、足りないのは、心臓なんだよ。それで、犯人の目撃証言が、バケモンだってみんな口そろえて言うんだ。なんでも、角が生えてて、肌が真っ赤なんだと。殺した奴の血…」
言い終わるか終わらないかでとまったなぜなら、兄ちゃんが…
「ぎゃ~~~~~!やめてやめて!」
と叫んだのだ。涙目で。
「なんだよ~~まだこういう話が苦手なのか?カイル?」
「だ、だってよ~…」
後から聞いたところによると、小さい頃に読んだ絵本が原因らしい。
それが、きっちりとしたグロイ絵がついたお化けの話らしい。
そりゃトラウマにもなるだろう。
俺と雅人は微笑ましく思いながら眺めていた。
「それで?その話で何で気を付けるの?噂なんでしょ?」
「いや、根も葉もないということではないらしい。なんせほんとに増え始めてるしな。貴族の殺害。
しかも、被害者は貴族という以外共通点がないんだ」
「ええぇぇ!ほ、ほんとだったの!!バケモノ…」
そう言って、兄ちゃんが卒倒してご飯は終わった。
「…本当だと思う?雅人。さっきの話」
ここは、雅人の部屋だ。
鍵もかかるし、話にはうってつけだ。
「う~ん…どうだろ?ていうかなんでそんなこと聞くんだ?」
「いや、なんか嫌な予感がして…」
「いやな予感?気のせーじゃねの?」
「分らん。まあ、気を付けとこ?じゃあそれに備えて、ジャンジャカジャ~ン!」
「何?それ」
俺が出したのは、魔石だ。
魔石は、下町に売っていて、リューに教えてもらった。
なんせ、いろいろな魔法を詰め込んで詠唱もなしに使うことが出来る。
「へえぇ~!凄いな!それ!」
「市場で上等な奴買ってきた!それにこれから魔法を詰める!」
「おおぉ~~!で、何詰めるんだ?」
「まずは、テレパシーの魔法と大量の魔力。それを2つだ」
「なんで?」
「おいおい~自分で考えろよな。なんかあった時、雅人が一つ持って、なくなったら雅人の魔力をつめこみながら、もう一つは俺が持って、俺にテレパシーで連絡するんだよ」
「なるほど!」
「魔法で加工して、俺はピアスにでもして、お前はネックレスにでもしておくぞ!」
「オッケー!」
そう言って、魔法を詰めて、それを作った魔法でパパッと加工した。
「いっぱい作ってみよーよ!」
「そうだなぁ。まだたくさん残ってるし」
=============================================
それと同時刻。
森の中で、一つの命が消えた。
また、一つ。また一つ。
「もっと強く…もっと…」
それは、人の形をしていて、獣や魔物たちのちで真っ赤に染まった服。
そして、最も奇妙なのは、頭から生えるツノ。
その姿は、少年のようにも見える。
命が消えてゆくたびに少年は異様さを増してゆく。
「早く、殺したい…。みんな…」
_____________________________________________
最後までお読みいただきありがとうございます。
前回同様、誤字・脱字などがあれば感想を通じてお知らせください。
これからもよろしくお願いします。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる