【本編完結】運命の番が糞なので殺すことにした

雷尾

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童貞αのインモラルすぎる家族ごっこ

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※続きではありますが、マルチエンディング的なあれなので分岐の一つに過ぎない感じです。
 今更ですがオメガバースについては独自設定あり。

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「やったか!?」

 前回のあらすじ。
上位αで将来有望の見目だけは非常に麗しい三峰凛成(みつみねりんせい)と、恋人を実の弟に寝取られたΩの速水透(はやみとおる)の二人。
透にとっては実の弟でもあり憎きΩ、そして凛成にとってはトラウマ製造機かつ認めたくはないが運命の番である速水杏璃(はやみあんり)を、紆余曲折を経て社会的に抹殺したのであった。
物理的にも杏璃を殺したかった彼らにとって、きっと満足いく結果ではなかったけれど。

また、凛成にとってもはや憎悪の念しかない杏璃を討伐した際の一番の立役者は、透の恋人兼幼馴染の田上幸人(たがみゆきひと)だった。
彼は、杏璃のフェロモンと運命という言葉に惑わされて彼と身体の関係を持ってしまったが、心が伴わず失ってはじめて気づいたとでもいうべきか。愛する透への贖罪のために、そして復讐のために彼は動いた。

タイミングを見計らい杏璃の項に噛みついて番になった幸人は、その直後に番解除をおこない杏璃を地獄に叩き落とした。Ωにとって番の強制解除は極刑にも近い行為だ。
そして自身も言葉通り屋上から飛び降り、そのまま地面に叩きつけられた。まさに壮絶の一言に尽きるだろう。

低位のαとはいえαはα、幸人の身体は非常に頑丈だったのだろう。運よくというべきか悪くというべきか、植え込みに身体をバウンドさせてやわらかい花壇の土に落ちた彼は、全身を粉々に打ち砕かれながらも一命をとりとめたのだった。
けれども砕けたのは身体だけではなくどうやら心も同様のようで、幸人の精神状態は非常に幼く幼児退行してしまった。

なお、冒頭の台詞はいわゆる「振り」というやつだ。

 生粋のオナニスト、三峰凛成の朝は早い。美形はパジャマがよろけ寝起きの髪が乱れている姿すら美しいが、彼は気だるげに身を起こすとそのままスマホを手に取る。
 現代人なのでSNSや今日のスケジュールなどをチェックするのかと思えば、凛成は写真を指でタップし高校の学祭で撮影した、透がフランクフルトを口いっぱいに頬張る瞬間の画像を開き、それをオカズに朝っぱらから自慰行為に耽る。

 外は爽やかな青空だ。カーテンの隙間から零れる日の光もきらきらと煌めており、小鳥たちのさえずりも聞こえてくる。しかし自身の肉棒を上下に動かし性的快感を得ることに情熱を注いでいる糞上位αにとって、そんな心地の良い朝などどうでもよい。
 程なくしてびゅるると吐き出した白濁をティッシュに包み、外気に触れた瞬間死に絶える無駄射ちした精子たちをゴミ箱にぽいと捨てると、彼は満足げに「今日も良い朝だ」とズボンをずり上げた。

 友人を性の捌け口として遠慮なく抜いた彼には、どこかのアニメの主人公のように「最低だ、俺って……」と自己嫌悪のひとつでもしてもらいたいところだが、友人を最愛のオナペットとして見ている彼に、そんな殊勝な感情は欠片もないのであった。実に最低である。

「おはようマイオナペット、マイサン」

「おはよう滝行してこい」

「顔洗ってこいじゃないんだ」

 常人には理解できないかもしれないが、社会人となった凛成と彼の友人兼オナペットの透、そしてなんと透の元恋人、現在はどう形容すればいいか少しだけ悩ましいところである幸人は3人で暮らしていた。一応はルームシェアというやつだ。

 凛成と透は高校も大学も無難にやり過ごして、それぞれ生きるために社会人として働いている。少しばかり大変だったのは幸人で、飛び降り自殺未遂後、複雑骨折とあわせてすっかり心が幼くなった彼は通常の学校へ通うことができなかった。
 不幸中の幸いと言うべきか幸人の学力は衰えておらず、彼は学び舎を通信制の学校へ切り替えて現在は完全在宅の仕事をしている。

「とおる、おれ捨てられちゃうんだ」

 番の強制解除と自殺未遂をし、心が壊れた幸人を彼の家族は持て余し、劣悪な環境の施設に預けようとしていた。「ばいばい」と寂し気に手を振る幸人をほっとけなかった透は、幸人を連れ出し二人暮らしを始めようとした。

「私が助けてしんぜよう」

 そこに颯爽と現れたのが、二人の救世主であり生粋のオナニスト、凛成だ。

「でかめの部屋借りたから、3人で暮らそ?」

「ありがたい申し出だけど。でも、お前に迷惑が……」

「何言ってんの、大切なメシアでオナペットと、その幼馴染を俺が見捨てるわけないじゃん」

「見捨ててくれいっそ」

 凛成は杏璃によって勃起不全まで追い詰められたところを、透によって救われた過去があり、それ以降ことあるごとに透の事をメシア(救世主)と呼び崇め奉っている。
救われたといっても透は特に何もしておらず、凛成が勝手にオナニー中の妄想に出てきた透に欲情し、立派に息子を勃たせることができただけという話ではあるが。

「今日から俺達は家族だ」

「凛成」

「幸人、お前は俺の息子だ。透は俺のメシアで最愛のオナペット。NTRも好物だから二人がヤるところも録画させてもらえたら嬉しい」

「死んでくれ」

「え、ナマで見せてくれるの?」

「変態を上塗りするな」

「幸人」

「……なあに?」

「俺のことは遠慮なく『パパりん(凛)』って呼んでくれ」

 突然父性に目覚めた凛成の姿に、透も「お前が父親を名乗るのはおこがましすぎる」と大絶賛であった。
 オナニストであり生粋のエリート童貞イケメンαは、性癖だけが最大の短所ではあるがそれ以外は完璧であった。容姿も良く稼ぎも良いし家事もする、家族サービスもバッチリだ。それはもう、何故童貞を捨てずオナニストとして自慰に固着するのかはわからないレベルで。

「……で、3人はどういうご関係で」

「それを言われると俺も困る」

 透は今、暴露系動画配信者として活躍し、時に命を狙われたりもしながら活動をやめないK君と近所の落ち着いたカフェでお茶をしている。K君は杏璃を抹殺する際に情報戦で強力をしてくれた心強い男だが、きっと敵に回すと恐ろしい男でもあるのだろう。

「まあ、俺はお前たちが幸せならどうでもいいんだけど」

「幸せかぁ」

 少なくとも不幸ではない。異様な空間ではあるが変に落ち着くあの場所。おかしな3人で暮らす居心地の良さは言葉で説明しようにも、真っ先に道徳心と倫理が先に前に出てきてしまい、無理やり紡ぎ出そうとした言葉は即座に飲み込まれてしまう。

「ところでK君よ」

「ん」

「なんでそんな壁際にいるの」

 K君は壁側のソファに背中をつけて、部屋の角に身を寄せている。

「無防備に背中を見せて、一度刺されかけたことがあるからね」

「そう」

 誰に、とは言わないし聞かない。暴露系動画配信者は感謝もされるが反面、敵も多いようだ。そんなに人に恨まれる職業の人間とのんびりカフェでお茶などして大丈夫なのだろうかと透はボンヤリ考えるが、彼もまた修羅場慣れをしていたので感覚がどこか麻痺しているのだろう。

「速水杏璃が戻って来たらしい」

 K君は用もなく透たちを呼び出すような男ではない。少年院を出た杏璃のその後は、透も知らないし知らされることもなかった。「遠い所へ行った」と、透の祖父祖母には聞かされていたが、ただそれだけだった。父と母も透の前から姿を消したので、もしかしたら杏璃についていったのかもしれない。
 透の父方と母方双方の祖母は、彼の耳に入れないように気を使ってくれたのだろう。透にとって弟は、すっかり遠いセピアがかった記憶になりかけていた。

「……そうか」

「ん。んで、凛成から伝言がある」

「なんだよ」

「Xデーは来週金曜日だって」

 傍目から見れば、速水杏璃の人生は屈辱と苦痛に満ちたものに見えるだろう。高校時代に番と番解除を同時に行われてしまいΩとしてすっかりケチをつけられてしまった彼は、もう誰とも番うことができない。定期的にやって来る重苦しい快楽地獄のような発情期を散らす方法は、不特定多数のαやβとの性行為のみとなってしまった。
 また、彼が中心として行っていたΩいじめは実名入りでネット上に拡散され、未だにその勢いが衰えることはない。

「うちは怪しいお薬なんか使わない、健康的な店ですから」

「やっぱり天然由来が一番ですわ」

 彼は半ば人間ヒート誘発剤として、非合法すれすれの風俗店で働くことを余儀なくされていた。源氏名は与えられているものの、杏璃の顔を見れば「いじめの主犯格」とわかる者もいる。人の正義感は時に歪んでおり、お仕置きと称してわざわざ高い金を出しては彼を手酷く抱く者も少なからずいた。

「くそっ馬鹿にしやがって」

 屈服させられて蹂躙されるぐらいなら、まだヒート誘発剤扱いのほうがマシだ。杏璃の目の前で名も知らぬ男女、或いは男と男、時には女と女たちは情交に狂っている。杏璃は冷めた目でそれを見るが、身体が休めるのでありがたい。けれども。

「ね、あっあぁあっあん♡ 僕、あの子よりもかわいい?」

「あたりまえでしょ♡あんな顔だけ性悪よりも君の方が何倍も可愛くて、天使だ♡」

「やぁあん♡恥ずかしい、やっあっあぁあ♡」

 顔だけは美しい内面が悪魔のように醜い悪役、それが今の杏璃の立ち位置だ。
そこに感情はないが誘発剤ではなく当て馬代わりにされていると、すっかり人間としての気持ちが抜け落ちたはずの杏璃にも、どす黒い感情が波のように戻ってくる。
杏璃は脇役やモブ扱いが何よりも嫌いだったので、ヒート誘発剤扱い兼当て馬役は彼にとって刑務所に入るよりも最も効率的な懲罰になるのかもしれない。

高校時代が人生で一番楽しかったと杏璃は思う。実の兄の恋人を奪い去った時の、兄の苦痛に歪む顔は最高だった。『運命』などという陳腐な言葉に踊らされてあっさり最愛を手離そうとした幼馴染が滑稽で仕方が無かった。

屈強なαやβ達に蹂躙されて、泣きじゃくり地面にはいつくばって許しを請うΩ達の姿は愉快でしかたがなかった。彼の心には慈しみという感情はなかった。良心が欠落している彼はいつだって退屈を紛らわすためだけに生きていた。
そんな彼の心に異様なまでの執着、そして恋心を抱かせた人物が三峰凛成だった。

恋は身勝手で独りよがりなものだ。凛成にすがりつき執着し付きまとった結果、ストレスから凛成は見事にインポテンツになり彼にとって杏璃は憎きΩでしかないのだが、杏璃は自分の運命の番なのだからと、感情が伴わなくても彼なら自分を愛するし自分も凛成を愛していると信じて疑わなかった。

「会いに行かなくちゃ」

 幸人に番解除されたことを、杏璃は特に恨んでいなかった。むしろ「自分の事があれほどまでも大好き」で番ってしまったけれど、その後「自分の為を思って身を引くために」解除してくれたのでフリーになれて助かったと非常にポジティブな解釈までしている。
 彼の中では彼は一番のヒロインで透はその当て馬役、幸人と凛成は今でも自分を愛しており杏璃を取り合っている最中だと思い込んでいた。

「来週の金曜日、お前南赤坂に出張な」

 南赤坂の某高級ホテルに、人間ヒート誘発剤としての出張要請が入った。

「南、赤坂……」

 そこは杏璃と透、それから幸人と凛成が過ごしていた街の名前だ。きっと凛成に会える。自分の事が恋しくなってしまった幸人が会いに来てしまうかもしれないな、それから透にも会ってしまうかもしれないと、久しぶりに杏璃の心は色めきだった。
 
「こんにちはぁ~」

 金曜、外面の良さをふんだんに活かして客に愛想よく挨拶をしつつも、杏璃はちらりと客を観察する。黒いマスクにサングラスまで付けて不審者一歩手前といったところだ。存外若くてラフな服装だが、さりげなくブランド物を身に着けており金回りは悪くないと推察する。

「素敵なホテルですねぇ、えへへ僕こんな所初めてきました!」

 杏璃の言葉に偽りはなく、一晩限りのセックスをするために南赤坂でも一~二を争う超高級ホテルのスイートルームへ呼び出すとは、相当の金持ちか暇人、或いはその両方かと心の裏でだけ口元を歪めて嗤う。

 男は寡黙だが、透き通るような淡い色合いのスパークリングワインを杏璃に勧める。杏璃もグラスをくいと傾けてそれを味わうように飲んで見せた。

「美味しい」

 目尻をほんのり赤く染めたのは、酒のせいだけではない。ヒート誘発剤として呼び出される場合、多くはカップルの当て馬として使われることが多く1対1での呼び出しが少ないからだ。この男は僕「だけ」を抱くのだろうと、自分だけを見てくれる黒マスクとサングラスの男に微量な好感を抱いたからだ。顔を隠しているのは何か立場のある役職についているからかもしれないし、Ω慣れしていない童貞ならそれはそれでよい。

 そんなことを考えているうちに、ぐんと地面に身体を引っ張られるように、或いは天井がぐるんと一周するかのように、杏璃は意識を飛ばしホテルの柔らかい絨毯に倒れた。

「……嫌な役回りだぜ」

 ようやく効いたかと黒マスクとサングラスと外した男は、K君であった。

「……もしもし、凛成?うん。後はよろしく」

 犯罪の片棒を担がせやがってという風に不機嫌な面を作っては見せるが、彼の好奇心と地面に転がっている杏璃に向ける眼差しは、どこまでも加虐心に富んでいた。

「とおる、いやなら言ってね?俺がまんできる。大好き」

「うん、幸人はいい子だな」

「二人ともいいね、可愛い可愛い」

「捥げろ」

 倦怠感をはねのけて身を起こしてみると、杏璃は拘束されていた。後ろに手を回されて縛られており、両脚も同様だが彼は椅子に縛り上げられていた。背もたれもクッションも上質のものであることがわかるが、それよりも杏璃の耳には懐かしい声たちが聞こえる。

「あ、起きた?おはよう」

「……久しぶりだな、杏璃」

「……こわい」

「大丈夫だ幸人」

 よしよしと幸人の背中を擦ってやる透も、ぎゅうと甘えるように透に抱き付く幸人も、それから二人の様子を微笑ましそうに、スマホではなくより上質なビデオカメラで録画している凛成も皆全裸であった。なお、そのうちの1名は勃起している。

「は?」

 流石に杏璃じゃなくとも、この状況に対して出てくる言葉は「は?」以外にはあまりないだろう。高級ホテルのスイートルームの特大ベッドで、全裸で身を寄せ合うαとΩとそれを興奮を隠そうともせず、ぶるんぶるんとペニスをおっ勃てながら動画撮影に興じる上位の変態イケメンαの姿がそこにあった。

 今の杏璃は、彼らの痴態を超特等席で見物できる悪趣味すぎるチケットをゲットした、非常に不幸な観客といったところだろうか。
 
全裸と記述したが一つだけ訂正させてもらいたい。Ωである透の首には無駄がなく、けれども頑丈そうでたとえαの牙が何千本かかってきても噛み千切られることがなさそうなチョーカーが巻かれている。
果たしてそれはもう、チョーカーなんて華奢そうなネーミングにふさわしいものなのだろうか。

「これ、凛成に貰ったんだ。いいだろう」

 杏璃に自慢してみせるが「いいわけねえだろ」と透は自身に内心ツッコミを入れた。最新式の武装コルセットか軍事用の首プロテクターかというレベルで物々しいそれは、これから戦にでも行くのかと見るものすべての背を伸ばさせ、思わず敬礼させてしまうような逸品だ。

「……お兄ちゃん、それから凛成に幸人……何をしているの?」

「ああ、お兄ちゃんたち、これから家族になろうとしてて。血を分けた弟であるお前に見せてあげようと思ったんだ」

「は?」

 婚姻届けなり番届なり養子縁組なり、家族になる方法はいくらでもあるが、彼らが執り行おうとしているそれは、どれにも属さないらしい。全裸、スイートルーム、ベッドに寝そべるαとΩとαの三人の男たち、無論内一人のペニスは既に臨戦態勢だ。これから何が行われようというのか。

「杏璃君、俺はこの透と幸人を愛している。透の事は最愛のオナペットで俺のチンポを救ってくれたメシアとして、幸人のことは透の最愛であり俺にとっては息子だ。俺の囲い込み範疇は広いから、最愛の最愛までが対象だ」

「範囲全体攻撃魔法か。あとお前が父性を主張するな」

 補足だが、合間合間に挟まる辛辣な突っ込みはほぼ透のものと思っていただいて問題はない。

「けれども俺は生粋のオナニスト。少なくとも俺なりのオナニーを極めるまでは童貞でいたいし、ひょっとしたら生涯童貞という道もあるかもしれない。だから俺達はこの3人で完璧なんだ。この3体系が崩れた瞬間、恐らく世界は崩壊する」

「どこの新興宗教に属したらそんな信仰に至るっていうんだ……」

「とおる、りんせい」

 へくちっとガワが成人男性にしては存外可愛らしいくしゃみをあげる幸人は、身を縮こませては震えている。少し肌寒さを感じたのだろう、けれども全裸なのだからしかたがない。人間には頭脳と引き換えに退化した、寒さから身を守る毛皮がないのだから。

「あ、室内温度上げる?」

「それより服を着ていいか?」

「駄目」

 チッと舌打ちも隠さずに、透はとりあえずベッドの足元にあった布(フットスロー)を幸人に巻き付けてやると、幸人は「とおるも入る?」と後ろから透に抱き付いて一緒に布に包まれていた。

「お前子供体温だからか、温かいな」

コテンと首を傾ける幸人と大人しく包まれてやっている透の姿を、凛成はローアングルから動画撮影をし「うちのメシアと息子が可愛い」と若干興奮気味だ。無論下半身のエモノもそそり勃ったままで。最悪である。

「……僕は何を見せつけられているんだ」

 人間のクズこと杏璃が、この空間では一番まともな言葉を述べる。家族になるとは一体どのようなことなのか、そして嫌な予感しかしない。

「今日お前をレンタルしたのは、客人として招いただけだから。お前は何もしなくていいよ」

 レンタルという言葉に杏璃はサッと顔色を青くする。最初に出会ったサングラスに黒マスクの男は単なる協力者であったのだろう。杏璃を風俗店から呼び出したのは他でもない凛成だ。すくなくともこの状況に若干引いている透と、何もわからない様子のすっかり幼児退行した幸人の考えではないはずだ。

「幸人」

「なあに、りんせい」

「透に挿れるのは駄目、守れるか?」

「うー……わかった。我慢する」

「いい子。俺も童貞を守るから安心しろ」

 凛成はわしわしと幸人の頭を撫でてやると「ではスタンバイよろしくお願いします!」とアシスタントのように透に向き直り、非常に礼儀正しく頭を下げる。

「お前の幸人と俺に対する態度の違いはなんなんだ……」

 なんで俺だけ大物セクシー女優に対するそれなんだよと何とも形容しがたい複雑な表情を浮かべる透に、凛成は「メシア(オナペット)に失礼な態度は取れない」と騎士のようにきっぱりと答える。無論勃起はしたままで。

「あっ♡あっ♡はっ♡あぁあっ♡だめ、幸人そこだめぇっ!」

「とおる、ここきもちい?」

 赤ん坊のように胸の突起を吸われてしまい、透は身を撓らせる。じゅーと美味そうに唇で強く吸われてもう片方の突起は指で玩具のように弄られて、時折ピンと指ではじかれる。

「あぁあっ!どこで覚えた♡こんなことぉ♡」

「いっぱい、頭の中でべんきょうしたの」

「えっ……?あぁあ♡」

 耳たぶや頬や鎖骨、乳輪のぐるりと舐められて緩やかに舌は降りて行き、腹やへそにも舌を這わせている。幸人の舌使いにびくりびくりと電流を流されたかのように身を震わせあられもなく足を開く姿を、凛成は「かわいい、二人ともかわいい」とカメラ越しに、時折カメラを外して自身の眼にも焼き付けている。まるで最悪な参観日のようだ。

「幸人、勉強って?」

「えへへぇ」

 精神が幼いながらもはぐらかす幸人の心には、椅子に縛り付けられている杏璃との黒い記憶がちらと脳裏をよぎった。
フェロモンに中てられた杏璃との性行為は動物のまぐわいのようなそれで、前戯はなかった。挿れたら後は精を吐き出すまでひたすら腰を振るだけ。
それでも自分がわからなくなるほどに行為に没頭できるのだから、発情期のフェロモンというものは恐ろしい。あれはきっと人間を獣に変えてしまうのだろう。

全身に舌を這わせ舐め犬のように徹した幸人は、ちらりとカメラに目線を向ける。ぐずぐずになった透の目尻には涙が浮かんでいる。全身を上気させた姿はとても色っぽく発情期でもないというのに、良からぬ衝動が走ってしまいそうなほどだ。

「凛成、は?」

 力が入らない手を縋るように、凛成に突き出す透の姿はとても健気でいじらしい。しかし生粋のオナニストである凛成は、そうやすやすと透に触れることは許されないと心の鉄壁を外そうとはしなかった。見ているだけでいいのだ、脳裏に焼き付けて生涯のオカズにできればそれでいい。

「なあ、凛成もさわって」

「りんせい、とおる寂しがってる。りんせいも一緒」

 メシアと息子に両手を差し出され、瞬間凛成の鉄壁は粉砕した。先ほどの決意は一体なんだったのか、実に脆いものである。カメラもその辺に投げだして、凛成は自分を焦らすかのようにゆらゆら二人の元へやってくる。
 そのまま、幸人の額に唇を落とし頭を撫でてやると、透の唇を荒々しく貪った。舌を絡め合い唇を唇で食み、唾液の交換をして呼吸が止まりそうなほどに行為に没頭する。

 透と凛成が唇を貪り合っているところを眺めながら、幸人は透の首筋に顔を埋めてすんすん匂いを嗅ぎ抱き付いている。
 透と凛成はかちりと目線を合わせると、一瞬キスを止めて唇を介抱する。つうと互いの口をつたう銀糸もそのままで、透は幸人の額や頬、顔中にキスの嵐を降らせてやった。ぎゅうと透の首筋に抱き付く幸人の姿に顔を緩めると、凛成も幸人と透の頭に唇を落としてやる。

「なに、これ……」

 当て馬どころかすっかり蚊帳の外扱いされている杏璃は怒りと困惑に顔を歪ませる。この狂った光景は一体なんなのだ。かつて杏璃が奪ったと思っていたαの男と、杏璃が恋い焦がれた上位αの男が、実の兄を愛している姿をありありと見せつけられている。
 それどころか、裏切らせて駄目にしたはずの幸人と透の中には確かに何らかの愛があり、そのうえ自身の最愛も二人を確実に愛しているようだ。

 歪で世間からは糾弾されてしまうような狂った3人の関係に、名前を付けることは野暮なのだろう。けれども杏璃はその3人に激しく嫉妬し、そして絶望した。
 自分など当て馬にもなれなかったのだと、彼らの心の爪痕にすらなれなかったのだと
理解させられたのだから。

「幸人、凛成、きもちい?」

 何かのゾーンに入った透は、ヤケクソ気味にAVの真似事をする。二人のペニスを握りしめて、ちゅこちゅこ扱いてやると片方からはか細い喘ぎ声が、もう片方からは鼻血がつうと流れ出ていた。

「や、あぁあっ!だめ、今は俺が攻める番だって♡」

 手コキのお返しだろうか、幸人と凛成は透の胸に吸い付いて舌でつんつん突起を突く。図らずもダブル授乳手コキ状態となっている透は、身悶えしながらも半ば意地と気力だけで両手のペニスを扱き続けた。絵面も文字面も凄まじすぎるダブル授乳手コキは、どうやら凛成の性癖に革命を起こしたようだ。

「か、カメラ」

 もしもこの世に凛成が二人いれば、片方はこの情事を動画に収めることができたというのに。いや、できただろうか。我ながら両方の凛成が透の乳首を貪りながら手コキを乞う姿しか想像ができないと、凛成は思う。

「りんへい(凛成)」

「ん」

「あきらめて、目にでも焼き付けて」

 それより透を気持ちよくしてあげて。息子に諭された凛成はむうと少しばかり拗ね、幸人の頬を軽く撫でてから透の胸を愛撫することに集中した。

「……」

 何故この変態上位αは、俺の元カレに対しては息子として慈愛を向けるのに、俺に対する態度はベテランセクシー女優への尊敬の念のようなものなのだろうと、透は一瞬頭が冷静になる。けれども乳首を抓られこねられているうちに冷静さはどこかに飛んで行き「あっやぁ」と初々しい喘ぎを上げた。

「幸人は透のちんこ可愛がってあげて」

「うん」

「あ、あぁあっや、あっあぁん♡ だめ、あぁあ♡そこやぁ、俺のはいいのにぃ♡」

「駄目、三人で気持ちよくなろ?」

 ガクガクと内腿を震わせて、それでも透は二人の滾りを両手で包み込んで扱いてやる行為はやめない。
 幸人は透の鈴口を指の先でくりくり弄り、朝露のような先走りがぷくりと浮かび上がるのを見ると、それを潤滑液のようにしてくちゅ、くちゅくちゅと色素の薄い肉棒をゆっくり上下させるように手の筒を動かす。

「やっやっやぁあ♡」

「透の初手マン、貰うね」

 透の耳元で重低音イケボで囁く言葉は最低そのものだが、熱は籠っている。ぞくりと身を震わせた透に凛成は「かわいい」と囁いて、耳に舌を這わせながら弧を描くように後孔をほぐし、とうとうぷつりと指を1本挿入させた。

「ぅんんっん」

 少しだけ苦しそうな声をあげる透に「ごめんね、怖くないよ」と囁いてやりながらくりくりいいところを探し出してやる。ある個所に指が掠めた瞬間「やぁあっ!」と苦しみだけではない声があがり「みつけた、指マンしてあげる」と凛成はそこを集中的に苛めてやる。

「や♡そこやだ、そこやぁ♡ ちんこ、ちんこさわってやぁあ♡」

「さわってるよ?とおるきもちい?」

 阿吽の呼吸というべきか、幸人は焦らすようにペニスを弄るのを少し緩やかにゆっくりめにして、凛成が弄っている後孔に集中させようとしている。涙を浮かべて身悶えている透が少し気の毒になったのか「なかないで?」と目尻の涙を舐め取り、代わりに乳首に吸い付いてやる。

「いっ!? あぁああっ♡」

「透、もう指3本入っちゃったよ?ね、お尻でイケそう?」

 前立腺をとんとんされて、生理的な涙と身を跳ね上げることを止めることができない。

「あ、あっあっ♡だめ、だめぇ、お尻いく、ちんこも、駄目両方来るぅ♡」

「あぁ、最高っ!いいね♡かわいい、俺のメシア可愛い!」

 いつのまに拾い上げたのかカメラを構え直すと、凛成は乳首を吸われながらくちゅくちゅペニスとすっかり雌穴となったそこを弄られている透のあられもない姿がカメラ越しに見えている。へこへこと無意識に腰を動かして快楽から逃れようとしているが、逆効果でしかなかった。

「ああ透♡授乳手コキしながら、自分もちんことまんこ弄られてあんあん言ってるの最高♡」

 動画の永久保存は確定として、死ぬ間際にもこの光景は脳裏に蘇るだろうとすでに走馬燈への放送も予約済みである。実に最低だ。

「あ♡あっ♡あぁあっ♡もうイっていい?もうや、でる、でる、出したいよぉ♡」

「いいよ♡出して?イっていいよ♡ちんこもまんこも気持ちいーね♡ほら出せよ♡」

「あぁあああっやぁ!!あっあぁ……ぁああっあ……♡」

 鈴口からどろりと白濁を吐き出して、透は絶頂に達した。ほどなくして凛成と幸人も苦しそうな声と共に射精をし、透の身体にはもう誰のものかわからない液がべったりといやらしくかかっている。

「とおる、いいこいいこ。白いの出せたね」

 頭を撫でてくれた幸人の手に顔を摺り寄せて、無意識に透はキスを強請る。「うん」と優し気な眼差しを浮かべると、幸人は透の額や頬など顔全体にキスを降らせた。
 とろんとした表情を見せる透のあごをくいと持ち上げて、唇にキスを落とすのは凛成の役目だ。

「とおる、疲れた?」

「そうだな、ちょっと寝かせてあげよう」

 意識を手離した透の身を清めて、手早く自身たちもシャワーを浴び服を着たところでようやく「あ、忘れてた」と、二人は椅子に縛り付けられているΩの存在を思い出した。

「よかったぁ、まだレンタル時間過ぎてないや」

「そうじゃねえだろ!」

 放せよと身を捩る杏璃に対して「ヤダ」とつれなく返してやった凛成は、透や幸人に向ける柔らかい眼差しを取っ払って、瞬時に残酷で冷たい目線を杏璃にくれてやる。

「こういうわけだから、金輪際俺達に近づくなよ」

「どういうわけだよ!」

 杏璃の突っ込み自体は適切であり正しい。が、この二人にそれを説いても伝わることはないのだ。

「りんせい。でりへるの人来たら、どうする?」

「んーそうだな。プレイ中に途中で暴れたからやむなく拘束したって言うか」

「なっ!?」

 俺アイツにさわりたくないし。杏璃を椅子に縛り付けてくれたのはK君だった。杏璃の働く店では彼の過去についても熟知されている。
過去の過ちはなかなかに払拭できないもので、店側では彼を体の良いヒート誘発剤として扱っていながらも、一方で人格的に問題があることは見越しており要注意人物扱いもされている。劇薬と良薬は紙一重といったところなのだろう。

「……店にも透にも余計なことは言うな。今は見逃してやるけど、今後透に近寄ったら」

 目が「殺す」と語っていた。この男たちならきっとやるのだろう。自分が好きだった男たちは杏璃の事を全く愛してはおらず、むしろ憎悪の対象でしかなかったことに今更ながら杏璃は気づき、そして涙した。

「なあ幸人」

 透が目を覚ましデリヘルの迎えが来るまでの間は雑談タイムといったところだろうか。何でもないことのように、凛成は昔話をする。

「俺、実はお前のことも憎かったよ」

 それを聞かされた幸人は驚きもせず、知性のある眼差しを凛成に向け「知ってた」と静かに答えた。

「お前があの糞Ωに噛みついて番解除して、それから飛び降り自殺するまでは、お前も殺そうと思ったよ」

「うん」

 あの行為と覚悟を目の当たりにした時、凛成の心にまた一つ歪んだ感情が芽生えた。

「そもそもさ、学力や業務に問題がない幼児退行って」

 都合よすぎると思わない?凛成の言葉に、一瞬だけ幸人はずる賢い大人の顔を向けた。

「でもまあ運命共同体よ。俺はそんなお前のことも今は息子として愛しているわけで、これは本当だよ」

「うん」

 自身の男性器のことを息子、と呼ぶ男たちをどこかで見たことはないだろうか。凛成は幸人を息子、つまりはもし再度自身が勃起不全になった時のペニスのスペアとして、幸人を囲うことにしたのだ。
 スペア扱いだけしていくうちに、自分が舐め犬でも当て馬でもよいという幸人の思いに少しだけ同情心が芽生え、いつしかそれが凛成の中で情や何らかの愛とでもなったのだろうか。

「俺は、透の傍にいられたらなんでもいい。ペットでもペニスでもさ。いよいよ離れなくちゃならなくなったら」

 今度はちゃんと死ねばいいだけだから。何でもないことのようにそう返す幸人に「そんな寂しい事言うなよ」と凛成は幸人を抱きしめてやる。ぱちりと目を瞬かせた幸人は、数秒凛成の胸にその身を預ける。まるで服従の証のように。

「可愛い可愛い俺の息子、これからも末永くよろしく。俺のこともメシアのことも」

「うん、パパ凛」

 チュッと額に親愛のキスを送る凛成と、それに応じる幸人の姿に、杏璃は肌を粟立てた。こいつらは異常だ、狂っている。そして透をこんな奴らの所に置いて行けないと彼の心に初めて兄への憐憫が芽生えた。身勝手なことも取り返しのつかないことも分かっているが、兄だけは何とかしなければと杏璃の心に最後の良心が芽生える。

 兄は、兄だけは番を作って幸せになってもらわなければならない。きっと彼らは透を愛するが故に、彼とは番わない。そしてどす黒い執着のまま兄を手放しはしないし誰にも渡さないのだろう。この3人の歪んだバランスが崩れた時に訪れるものは、きっと死かそれ以上のものだ。

「凛成、幸人……杏璃の迎えがそろそろ来ているかも、ちょっとフロアまで見てきてくれないか?」

「メシア、貴方と奴を二人きりにさせるわけにはいきません」

「何キャラなんだよお前は」

「とおる、だめ。あぶないよ」

「大丈夫だよ幸人、お願い。数分でいいから外の様子をパパ凛と二人で見てきてほしいな」

「オナペット……」

「うるせえさっさといけ」

 二人を追い出すと、透は杏璃の元へ近寄り、こちらをただ見つめている。早く言わなくては。杏璃の喉は渇きで張り付いてしまったかのように、声を絞り出すことすら難しい。例え聞き入れてくれなくとも、罵詈雑言浴びせられても自分は「愛する兄」が真っ当な人生を送ることができるようにしなければならない。

「お兄ちゃん」

「杏璃」

 知ってるよ。
透の口から発せられた言葉は絶望だった。彼は幸人のことも凛成の考えもわかっていた。そして、自分は誰とも番わずに死ぬまで3人で暮らしてゆこうとしていることを、耳打ちするように弟に伝える。

「だから。いいチョーカーだろう、これは」

 兄の目は真っ暗で、光すら吸収してしまうぐらいに無だった。ああもう駄目なのだ、杏璃は自ら兄と彼の幼馴染と、そして自身の運命の番も全てを壊してしまった。

「俺は何も手離してはやらないよ」

 杏璃、お前ですらも。これから彼は発情期の度に、幸人と凛成と身体を絡ませて生きてゆくのだろう。お前の元番も運命も全部俺だけのものだと絶えず見せつけながら。
 地獄の底は案外快適だ、透の表情は不自然なほど穏やかで慈愛に満ちていた。
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hiroe
2026.01.21 hiroe
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解除

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