異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

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ハローおホモ達★ギルド入会編

いつもありがとリイサスさん

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「よし、冒険者としてやっていく分の基礎はこんな感じかな」

リイサスさんがマジックホワイトボードをパタンと伏せ、腕を伸ばしながら言った。俺もちゃんと「ありがとーございました!」って言う。お礼は大事だから。
属性にレベル……、うん、分かりやすくて面白い授業だった! 何より、そういうものが実在してるってのが超ワクワクポイントだ!

「続きはまた明日。ギルドの試験場でいいかな? ここだと草や木が多すぎて火事になりかねないし」
「しけんじょう?」
「ギルドに入会したい人たちの為のだよ。そこで試験を受けて、試験に合格すれば晴れてギルドの一員になれるんだ。他にも特例昇格の試験にも使われるよ」

へぇ~~~。入会して最初に実力試験をするってのは異世界系のラノベとかでたくさん見てきたけど…、入試があるってのは驚きだ。
でもそうだとすると、俺はどうなんだろ。改めて試験を受けるのかな。

「コージくんは特例合格で構わないよ。どのみち練習もクエストも俺たちと一緒だから、その過程で君の力は見させてもらうね」
「はわ…。なんかすみません」
「良いんだよ! 遠慮しないで、やりたいことは全部言ってほしいんだ。俺に出来ることは全部叶えるからさ!」

100点満点の爽やかパーフェクトスマイルで言ってくれたリイサスさん。あまりの眩しさに「ぐわぁぁぁ」って叫んで目を覆ったら、「えっなんで!?」って言われた。
だってイケメンの優しさと愛情100%スマイル、心臓に悪い。ノーマルの俺でもドキドキしちゃうんだもん。イケメンギルティ。

「レッスンは終わったかね? ……む? これはどういう……」

お風呂から上がって、しっとりほかほかの熊耳を携えたルークさんがひょっこり顔を覗かせた時、リビングにはイケメン攻撃を警戒して距離を取る俺と、そんな俺にハグハグちゅっちゅしようとジリジリ距離を詰めるリイサスさんがいた。

「………」

ハッ! 嫉妬深い熊さんが仲間に入りたそうにこっちを見ている!
1vs1が1vs2になってしまう…! そうならないうちに、さっさと風呂へ退散しよ。

「あっ。コージくんお風呂入っちゃうの?」
「入りまーす」
「じゃあ今日こそ俺も一緒に」
「ヤ」

プイッと顔を背ければ、リイサスさん撃沈。ソファにうつ伏せで倒れ込んだ。
え。冷たいって? 大丈夫。いつものことです。ルークさんもよく撃沈してるし。
だって二人とも、エッグいセクハラしてくるんだもの。お尻モミモミは当たり前。全身撫で回してきたり、全身舐め回してきたり、石鹸でヌメヌメの手を下半身に伸ばしてきたり…。
な? 大人が子供にするにはエグいセクハラだろ。だから俺は己の貞操のために、二人を撃沈させるしかないのだ!
しゃーない。しゃーない。完全にあの人らの自業自得だ。同情の余地なんて髪一本分もなーい!

………でも。
たくさんお世話になってるのは事実なんだよなぁ~……。

俺はわざとらしくシクシク泣くリイサスさんをチラッと振り返った。
だってだって、俺完全に居候だし。ギルド入会でも優遇してもらったし。今日も脱走事件で迷惑をかけた。何より、今の今まで騙してたわけだし……。
って考えると、どうにかお礼しなきゃって気にもなるわけで………。

……『一緒にお風呂入ってあげる』って、お礼になると思う?

「あのぅ、リイサスさん」

立ち止まって、シクシクリイサスさんに声を掛けてみる。一応聞いておこうと思ってのことだ。
するとリイサスさん、すごくわざとらしく悲しい笑顔を作りながら、「ん…?」って顔を上げた。
やっぱこの人、俺がその顔に弱いって知ってる! イケメンの確信犯とかちょいムカつくけど、これはお礼のつもりなんだから我慢がまん……。

「えっと、もし良かったらなんですけど」
「うん」
「一緒、入りますか。お風呂」
「うん。………うん? …うん!?」

俺にしては勇気を振り絞った方だ。なんか気恥ずかしい。
でもその甲斐あってか、リイサスさんもルークさんも、周りの空気も固まった。ビシッて音が聞こえたかと思った。

「…い、いい、い、いいの!?」
「え。はい……。え、そんなビビります?」
「だって!! 今まで一緒入りたいって言っても『ヤ』って言われて終わってたのに!!」
「あ、入りたくないんだったら別に良いっすけど」
「入る入る入る入る! 超入る!!!」

普通に入ってください。
てかリイサスさん、マジで動揺しすぎじゃねぇ? だってそのカップ飲み物入ってないし、上下逆さま。手が冗談みたいに震えてら。

「なぜ! 私ではなく!!」

ルークさん、あなたは声量と殺気は抑えてください。可愛がってる近所の野良猫が逃げちゃうよ。
ルークさんが脱ぎたてほかほかパンツを求めて毎日脱衣場にやって来るくらい、俺の匂いと裸体に飢えてるのは分かったから。落ち着いて、その握り締めた拳を下げよう。暴力沙汰はマズい。
ルンルン明らかに浮かれまくって下着を用意するリイサスさんに、今にも飛び掛かろうとガルガル唸るルークさん。俺はルークさんの巨木みたいな胴に抱き付き、盛り上がった背中をサスサスしてあげて、なんとか熊さんの機嫌を取った。
今夜は一緒に寝る(健全に!)という約束をさせられて、やっとだ。
仕事の話をする時は、あんなにクールでカッコいいのに。キリッと真面目で仕事人の顔付きなのに。はぁ~恋って人をダメにするんだなぁ。
…あれ。てことは俺が悪い感じかこれ。…い。いやいや、まさか……。まさかまさか。
なんで恋された俺が罪悪感を持つ必要があるんだよ。
俺は悪くない。……悪くないよね?

…しっかし、浮かれポンチのリイサスさんも、嫉妬でガルルルなルークさんも、そんなに俺と入りたいもんかねぇ。
絵面的に結構キツくない? 15の男と、大の男が二人だぜ。どうやっても肌が触れ合うし。…あ。

「変なこと、しないでくださいね!」
「エッ!? あ、うん! モチロン!」

あーー。する気だったな、この人。ビックンと大袈裟に跳ねた肩から見ても間違いない。
てゆーか、その手に持ってるのってローションですよね。100パーヤる気でしたよね。

「じとー……」
「…誓います。変なことしません」
「洗いっことか言って、変なところ触ったりもしないですか」
「…………しません」

する気だったな………。

「コージくんやはりこの男はケダモノだ。ぜひ私と」
「ヤ」
「シクシクシク……」

膝を抱え、部屋の隅っこで壁を向いて泣き出した熊さんは放っておいて、リイサスさんの手のローションを取り上げつつ、風呂場へ移動。
服を脱ぎながら「えへ、えへへ」と子供みたいに笑うリイサスさんは、俺にエロいこと出来なくても嬉しいらしくて、なんだか複雑な気分だ。
あー俺、マジで愛されてんだなぁって分かるっていうか。一緒に風呂入るだけで、こんなに喜んでくれるんだっていうか…。
やっぱ、ちょっと嬉しいよな! こんな無邪気にはしゃがれたらさ!
ガチセクハラしてくるホモだけど。虎視眈々とセックスを狙ってくるホモだけど。

「コージくん、潔(いさぎよ)いねぇ」

ニコニコ言うから何かと思えば、服の脱ぎ方についてのことらしい。
俺があまりにも平然と全裸になるから、感心したんだって。実はそんなに恥ずかしくない。だって風呂は裸になるところだし。俺、銭湯で恥ずかしがらないタイプだし。
「俺の裸、イヤ?」って答えを分かった上で聞いてみたら、「ううん! 眼福! ありがとう!」って頬を染め、心臓を押さえながら言われた。夜の闇も吹き飛ぶ素晴らしい笑顔だった。分かってはいたけど変人だ。
そんで俺に続き、いそいそとリイサスさんも下着を取って全裸になる。
うーん、流石冒険者。着痩せするタイプなのかな。スラリとしているように見えてたけど、実際はかなりのマッチョだ。筋肉の下に影が出来てる。かっちょいいぜコンチクショー。

「そんなに見詰めないで。恥ずかしくなっちゃう。それとも、ヤる気になってくれた? だったら大歓迎だよ」
「あ。違いますね。早く入りましょ」
「連れないねぇ」

いかんいかん。美しいシックスパックに見惚れてた。
視界の外からでも分かるリイサスさんの巨根を見ないように、背中側に回って風呂へ押し込む。
なんか、背後を取られたくなくって。これが被食者の本能とでも言うのだろーか。悲しい。

「あっ。石鹸が1つしかないや。コージくん、先に良いよ」
「いえいえ。お先にどーぞ。お背中、流しますよー」

そう言って俺は木の桶を手に取った。流石に一緒に風呂入るだけじゃあ、お礼とは言えないと思ったからだ。
産業革命前の文明レベルでも、リイサスさん家のお風呂は清潔で湯加減もちょうど良い。
冒険者の1日の疲れを癒すにはピッタリなこの場所で、リイサスさんいわく「ウルトラキュートなもちふわベイビー」である俺のゴシゴシサービス。うんうん、お金も持ってない立場なんだし、このくらいで良いのでは?
ついでにマッサージもしてみるかな。俺はサービス精神が旺盛なんです。もちふわベイビーだから。

「えぇっ良いの? じゃあお願いしようかな」

パァァっと溢れる喜びオーラを隠そうともせず、リイサスさんは丸い桶をひっくり返して座った。褐色の背中が、魔法で光るブラケットライトに照らされる。それを見て、俺は思わず「ほぅ、」と息を吐いた。
すごくすごく、大きな背中だ。そりゃあルークさんより面積は小さいけど、戦ってきた男の人の背中。何倍も、大きく見えた。
リイサスさんって、計算と世渡り術と顔面偏差値70で何でも思い通りにしてきましたみたいな飄々とした姿なのに、あちこちに薄く傷跡がある。大きなものから貫通痕みたいなものまで、光の下だとそれがハッキリ見えた。

途端に俺、なんか、急に気付いた。
リイサスさんって、中世の世界に生まれて、その身ひとつでここまで生き抜いてきた人なんだって。
俺と全然違う。スゲーキモいセクハラしてくるイケメン野郎って思ってたけど、てか実際そうなんだけど、改めて「何でこの人俺のこと好きなのかな」って思った。

「えっ…! え!? コージくん……!? な、なんで急にそんな大胆……」

リイサスさんの背中にピトッとくっついて、カチコチのお腹に手を回してみる。俺はなんだか感懐的な気分になっていた。
普通に生きてたら、会うこともなかった人。存在すら知らなかった。でも、偶然が重なって俺たちは出会って、リイサスさんは俺のこと好きって言ってくれてる。
そう考えると、なんだか感慨深くて。

「こっコージくん! これはもうOKってことだよね!? YESなんだねっ!?」
「違います」
「………ッッッ!! こっ…、小悪魔にも程がある…!!」

悲鳴にも近い声でリイサスさんが叫んだ。
確かに、好きな子が全裸で背中に密着してくるなんて、生殺しも良いところだと思う。なんかごめんリイサスさん。
でも、離れたら離れたで寂しそうな顔するんだもんなぁ。それでも襲ってこないあたり、ルークさんより紳士的とは思うけど。
ルークさんだったら光の速さだよ。俺が背中から抱き締めた10秒後にはもうセックスし出してるよ。手が鬼のように早いんだよ、あの熊。

もみもみもみもみもみもみもみもみ…

「えっあっ、あっ、あぁ……ッ!? な、なにそれ…あっ待っ…うわーーーなにこれ気持ちー…!!」
「肩揉みって言うんです。マッサージっすよ」
「きっ…いたことないなぁっ…! んっ」

ないんだ。意外だ。クエストで剣とか振ったら肩凝りそうなもんだけどな。実際、リイサスさんの肩鉄アレイみたいだし。
つーか、声っ! なんでそんな色気たっぷりな声出しちゃうの! ノーマルの俺でも変な気分になるし、ルークさんに聞かれたらどーすんだよぅ~!
しかしそうは言っても、結局俺は最後までやりきってしまった。だってここで放置したら、鉄アレイが鉄筋コンクリートになりそうだったから…。

「はぁっ、はぁっ、あぁすごい……っ! 肩が嘘みたいに軽いよ! なぁコージくんっ、今の、定期的にしてくれないかな…!? すごく気持ち良かった!」

あ。俺これ知ってる。俗に言う、アヘ顔ってやつだ。
うーん、イケナイ方向へ向かってる気がする……。


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