異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

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死闘続発★ホモら共存編

俺はチートだからやっぱりこのぐらい余裕で

 
 
「えーっとまずこれで葉っぱをごりごり…」

なんて言うんだっけ、この道具。乳鉢だっけ? それで薬草の葉っぱの部分を優しくごりごりする。
この間に魔力を入れたらどうなるんだろう、とか思ったりするけど、最初は見本通りやります。実験はリイサスさん達が仕事に戻った後でも出来るしね。

ごりごり…ごりごり……

原型は崩れ去った。乳鉢の中にはちょっと水気を含んだ緑色の元葉っぱさん。リイサスさんがオッケーを出して、別の入れ物に元葉っぱと木の桶に入った水を適量、注ぐ。本当はもっと綺麗な水…、氷結魔法で出した氷が溶けた、不純物の入ってない水はベストっぽいけど、とりあえずは見本通りに。
元葉っぱをちょっと放置する間に、薬草の根っこの部分をトントンと小刀で優しくきざむ。だいたい、2センチごとぐらいに。
元根っこもちょっと放置して、茎の部分をギザギザになってる専用の道具ですりおろす。
それも終わったら、全部をひとまとめにして、棒切れで混ぜる。まぁ、混ぜただけで水に溶ける訳もないので、ここで魔力を注入。すると不思議なことに元葉っぱや元根っこ達が溶けて水が緑色になるので、完全に溶けたそれを手元のガラス瓶に移し替えて栓で密閉。
これで回復ポーションの完成だ。

「うん、ちゃんと出来たみたいだね。鑑定してくれるかい?」
「はーいっ」

自分で作った手作り初ポーション! 興奮しない訳がありませんっ! さっそく鑑定!!

【初級ポーション完全体
最上級ポーションDと同等の効能を示す。ある程度の致命傷や病であれば完治可能。】






…………………。


突然ですがここでみんなにクエスチョン!!
ポーションの中でも最高峰、【最上級ポーション】Dのお値段は!?



チクタクチクタク…



はいっ! 正解は途方もない金額、でしたーーーーっ!!!

ちなみに最上級ポーション自体、幻とされているよ! たまに王様とかが持ってる事もあるけれど、最上級ポーションが原因で戦争が起こった事もあるらしいよ!!
最上級ポーションA以上は欠損再生とかもあって、最早神話の世界のお話だよ!!!!
だから最低品質のE-でも、最上級ポーションであれば国際問題だよーッ!!!!!!!


俺でも分かる。これはやり過ぎた。見せられるものじゃない。己の安全を考えるのなら、今すぐ焼却処分すべき代物だ。…だけど。

「………………………コージくん?」
「………ごめんなさい」
「え? コージくん? どうしたの???」
「これ売っちゃダメなやつです。ごめんなさい。処分するか、ギルドの奥深くで必要になったら使いましょう」

ここは日々危険に立ち向かって行く人達のいる、冒険者ギルド。一本ぐらい持ってた方が良いかも知れない。それか、ガレにでもあげよう。

「………………」

青ざめて縮こまる俺を見て察したのか、ルークさんがいきなり窓を開けて何かを合図した。すると、次の瞬間には黒い布を口元に巻いた盗賊団の人が窓の縁に足を掛けていた。

「ガレ・プリストファーを呼んできなさい。コージくん関係だ」
「あい分かった」

そして瞬間的にいなくなった盗賊さん。
……え? もしかしてずっと見張られてた???

「コージくん、今ここでセキ殿を呼ぶ事は可能だろうか」
「へ? はっはい」

ぷらいばしー…、と戸惑っている俺に構わず、ルークさんがテキパキと色々進める。リイサスさんも、真面目なお顔をして部屋から出ていってしまった。
俺は開いた窓から顔を出して、大きな声で『セェーーーーーキーーーーー!!』と叫んだ。

「どうしたコージ!!」

俺の背後に現れたセキ。さすが序列入り。今日も森に鍛練に行った筈なのに、呼んでから1秒もかからずに駆け付けてくれた。

「どうしよう。俺、ヤバイもん作っちゃったんだ。今ルークさんが作戦会議を開こうとしてるっぽい」
「これか! うむ、これはヤバイな!! このレベルを作れるのはマージかハイエルフの一部ぐらいだろうな!!!」
「しぃーっ! 声量落として!」

誰が聞いてるか分からない。こんなもん作れるなんてバレたら、誰に狙われるか………。

「…ところでマージってどなた?」
「俺の友人だ! 序列77位の魔女だぞ!!」
「わぁお」

そんな人とかハイエルフの人達しか作れないもの…、作っちゃったんだな俺…。


「コージがどうしたって?」

荒々しく執務室の扉を開けたのはガレ。
盗み聞きとかされないように、ジャックさんに扉の前に待機してもらって、俺とルークさん、リイサスさん、ガレ、セキがそれぞれソファやら椅子に座って作戦会議が始まった。

「…………コージお前…なんちゅーもんを……」
「頭を抱えるのも良いが、いい加減鑑定結果を教えてくれ。コージくんが自分から教えたがらなくて……」
「こりゃあ荷が重いわ。軽々しく言うよりは口を閉じるのが正解だ」

だよね。俺の対応間違ってないよね。鑑定スキル持ちの有識者(ガレとセキ)を呼ぶのが正解だよね。

「……初級ポーション完全体」
「…………完全体なんて聞いたことないぞ」
「詳しいことは俺にも分からん。完全体なんて初めて見たからな。………まァ、恐らくS+のもう一段上…、文字通り完全体なんだろうよ」
「その通り!! 完全体がその物の最高品質だ!! 俺も見るのは七千年ぶりぐらいだな!」
「効能は?」
「…最上級ポーションD」
「…………………………………国王に売り付けるか?」
「コージの身を危険に晒す事になるぞ」
「じゃあ…………処分か?」
「「「………………」」」


4人とも、顔にでっかく『もったいない』って書いてる。作ろうと思えば作れるんだから、俺は遠慮なく処分してーって感じなんだけど……。いっそのこと、川とかに流しちゃったらどうだろう。薄まって良い感じに自然の成長を促すことが………。あれ?

「…………あの、これって、水で薄めたらどうなるんですか?」
「………あぁそうか。冴えてるなコージくん。そうだな。うん、通常は効能も薄くなるから…」
「ふむ、初級ポーションB程度にまで薄められればなんとか…」
ウチ死神の吐息にも流してくれよ。ポーション不足はどこも同じなんだ」
「…売るのは構わんが気を付けろよヒト共。見る者が見れば、製作者の情報まで探り当てられてしまうぞ。水で薄めている事もな」
「それはまた厄介な…。コージくんの匂いを嗅ぎ付けられては敵わぬ。販売はオーディアンギルドとその支部のみに限定しよう」
「輸送も輸送ギルドへの依頼ではなく、オーディアンギルドのC級以上への緊急クエストとして依頼させようよ。横流しなんてされたらまずいし」
「あー輸送ギルドのグラビデンとギックは依頼の品、横流ししてんぜ。つかしてねェ輸送ギルドなんざ無いし、自分らで運ぶ方が断然お得だな」
「ガレ・プリストファーが言うのであれば間違いないのだろう。…………薄めた分のポーションは、東の第二倉庫に置く予定だが……、ありがたい事にたくさんの数のポーションが出来そうだ。
「……………………ははっ! 話の分かる熊野郎だ!」

うぬん、なんか大人の話が広がってる…。結論としては薄めて販売ってことで、良いんだよね?
そんじゃ、俺が入ってもお邪魔虫なんで、色々話してる間に薄める作業しますかね。
水は…、木の桶の中で放置されてた水より、氷の溶けた水の方が良いよね。
はい氷結魔法! 空っぽの入れ物の中に、俺の顔ぐらいの氷をどぉーん!! 続いて指パッチンで水にバシャーンと変化!! うんうん、綺麗に澄んでるね!
右手に持った初級ポーション完全体を、左手の空のガラス瓶にちょびっと入れる。10滴ぐらい。そんで、用意した水を適量入れて鑑定!

【初級ポーションB+
中級ポーションDと同等の効能を示す。ある程度の傷や風邪などの病であれば、跡は残るが治療可能。】

うんっ、問題無し! 完全体1本で結構な数のB程度のものが作れそうだぞ!

「…どんな感じかね?」

いつの間に話が終わったのか、大人達が俺の手元を覗き込んでいた。鑑定してらしいガレとセキがニヤリとしている。

「10滴ぐらいでB+です!」
「おぉっ! それは素晴らしい!!」
「よし! コージくんはそこで作業を続けてくれるかい? 俺は仕事が残ってて………っておいルーク君は手伝っちゃダメだ。君も仕事が残っている筈だぞ! ガレ・プリストファーは…………う、うん、コージくんに手を出すなよ」

手伝おうとしてくれていたルークさんをリイサスさんが回収。ガレとセキも手伝い始めてくれて、どんどん初級ポーションの山が出来ていく。
俺としてはちゃんと役に立つ事が出来て嬉しいんだけど、セクハラ大魔人2人の、作業中に来る高度なセクハラを避けるのは大変だった…。




********************



「初級ポーションB-が248本と、Bが477本、B+が395本。調整を誤って出来たA-が31本、Aが16本、A+が2本。…合計1169本だな」
「いっぱい出来たねぇ」

いやぁあの後、なんだか楽しくなってきちゃってさ……。俺が初級ポーション完全体を作る→みんなで薄める作業ってのを結構繰り返してたら、いつの間にかこんなに…。
途中からジャックさんとロイも手伝ってくれたんだ! 作業中、雑談ばっかりだったから調整に失敗したやつもあったけど。

「ま、これでもまだまだ足りないんだろうがな」
「あ、やっぱり?」

薄々勘付いてはいた。オーディアンギルドって3万人の所属する超大規模ギルドだからさ、1人1本でも余裕で足りないってね。

「コージくん、君がいくつかポーションを作ってくれれば、あとはギルド職員が薄める作業をするのだが…、とりあえず1日に10本ほど欲しい。構わないかね?」
「全然オッケーです!!」
「うむ、感謝する。リイサス」

ポーションの山を前に関係者協力者が集まる中、リイサスさんが俺に小袋を渡してきた。
ズシッと重いその中を覗くと…。ギンギラギンにさりげなくぅ~♪さりげなく金貨。
…ごめんやっぱ訂正。さりげあるわ。金貨が存在主張しまくってるわ。

「今回の報酬の金貨100枚。大体、1本銀貨1枚で買い取ってるよ。お疲れ様でした」
「…………………………………ドウモ」

一瞬ビックリしたけど、まぁおかしくはないな。おかしいのは……、それを受け取るのが全部俺ってこと。

「はい全員、おてて出して~!」
「?」

えーっと、手伝ってくれたのはガレとセキとジャックさんとロイと…、ルークさんとリイサスさんもお仕事終わったあとに手伝ってくれたから、7等分だな!
ということは…1人約14枚!

「まずセキからね~。いちにぃさんし……じゅうよん! お疲れ様でした~。次ガレ!」
「……良いのかよコージ? お前の金だぞ?」

目を丸くして自分の手の上に置かれる金貨と俺を交互に見るガレ。ルークさんとリイサスさんも顔を見合わせて首を傾げている。

「元になるヤツは俺が作ったけど、ギルドが買い取ったポーションはみんなで作ったもの! みんな受け取る権利があります! というか拒否しても無理矢理ねじ込むからな!」
「どこに…???」

戸惑いを隠せない面々に強引に金貨を握らせると、俺は自分の分の金貨…、余った2枚も足して、16枚をアイテムボックスに入れた。
特に使い道はないけど、まぁいざという時の為に。






…実はさ、アイテムボックスに入ってるんだよね。
初級ポーション完全体。5本も。
効能は最上級ポーションDだけど、材料は初級ポーションだから、ルークさんにお願いして貰ったんだよね。
誰かがピンチになった時に、もし魔法が使えなくなってたらって考えたらさ。…見られないようにしないといけないけどさ。備えあれば憂いなし、だもんね。




********************



書き方変えました!見にくかったらごめんなさい!



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