異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

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権力系ホモ★グリス王国編

支援:グリス王国【new!】

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カイルが宰相さん達に秘密結社結成のお知らせをしに行って30分くらい。
セバスさんが用意してくれたお菓子を平らげて、俺達は会議室を出た。

秘密結社なのに結成のお知らせなんてして良いのかって?
いや、俺もそれちょっと思ったわ。
でもしばらくはこの国が拠点になるだろうし、王様たちに協力して貰った方が都合も良いってカイルが言うもんだからさ。
結成に協力してくれたら、俺の力のお裾分けをするんだって。帝国とグリス王国が戦争する時が来たら、ポーションとか人員の一部とか、場合によっては俺も登場ってわけ!
ここはオーディアンギルドの本部があるし、聖騎士団の本部もあるし、死神の吐息の縄張りだ。
ルークさんとカイルとガレの大切な場所を、戦争なんかで壊させたりしないもんね!
そうなる前に帝国さんをとっちめてやりますよ!!

「…んで、これからどうするんですか? ご飯までまだ時間あるけど、午後の予定って全部キャンセルしちゃったんですよね?」
「うーむ…。コージくんの好きそうな場所だと図書室…いや、魔導師団長がいる可能性が……。…あぁそうだ。ここには立派な庭園があった筈だ。日当たりも良く、中庭にはバラ園が」
「おぉっ!」

城の庭、1度は行きたい場所だよな!!
この城の庭、裏側に大きな庭園があって、真ん中にも中庭がある造りらしい。
庭師を何十人も雇って、完璧に手入れしてるすっごく綺麗な庭。
窓からちょっと見えたんだけど、芸術でしたわー。
なんか初代の王妃様が自然大好きのお転婆さんだったらしいよ!

「庭園はこちらの廊下を真っ直ぐ進み、左手にある階段を降りて白い枠のドアから出た所になります。中庭は庭園から直接行けますので、庭園の騎士にお尋ねください」
「はい! ありがとーございます!」

丁寧に教えてくれた騎士さんに感謝を伝えて、綺麗な庭園にレッツゴー!!

ぽてぽて。てくてく。




********************



東京ドーム1.5個分くらいのでっっっけぇ庭園。
いや俺東京ドーム行った事ないんですけどね。
煉瓦の小道の脇には低木がずらーーーって生えていて、奥の丘にはおっきなりんごの木! 真っ赤で美味そうですな!
澄んだ小川の上の小さな橋を渡って、向かうは大きな噴水のある場所。
幾何学的に配置された木や生垣は見ていて気持ち良いし、色とりどりの花に集まってくる蝶々とか蜜蜂はとっても可愛い。
天気もポカポカで絶好のお散歩日和だ! ここでピクニック出来たら楽しいだろうな~。

なんて思いながらテクテク歩いていると、何かが右手を横切った。

「……? なぁセイ。今の見えた?」
「あぁ、小動物の類いだな。どうやらこの先で小動物の集会が行われているようだ」
「えぇーうっそソレ絶対見たいやつじゃん。…行って良いと思う?」
「触れ合いたいのなら、怯えさせぬようにな」

微笑むセイの許可をもらい、木と木の間を通り抜けて、舗装されている小道から芝生に足を踏み入れた。
小動物の行ったと思わしき方向に進んでみると、なんか道がある。
道と言っても舗装されてる訳じゃない。何かがそこを踏み均したような、土が剥き出しの道だった。
人が通るであろう小道からは良い感じに見えてなさそうだし、城の窓からも木がカバーしてくれて見えない、幻の道…。
………庭師さんは何故このままにしてるんだろう? 普通は見えない場所とは言え、城の庭園だし、ここまで土がハッキリ見えるのには時間がかかる筈だ。

まぁ、進めば理由が分かるかも知れないな。
道は庭園の端の、まるで隔離されているかのような、木が生い茂っている場所に続いている。
俺は新たなもふもふを探して、今日も一歩を踏み出すのだった。
てくてく。



********************




「…………結社、か…」

王は頭を抱えた。私もアルバートも『やられた』、と思った。

「グリス王国には是非とも支援の立場になって欲しいのです。帝国の事しかり、我々は協力すべきでしょう」
「……………」

ニコニコと笑顔で結成について説明するマンハット様。
こちらの考えなどお見通し、と言いたげな目だ。
アヤマ様がその組織のトップになる以上、我々は手を出せない。あの子を王、あるいは第一王子の妃として迎え入れようとの案が多く出ていた為、実行も遠くなかっただろう。
だが先手を打たれた。
寵愛のティアラを贈ろうとしていたこちらの思惑は完全に見透かされていた。

ただ、私はホッとした。
宰相として、アヤマ様が王のものになってしまえば、私も手が出せなくなっていただろうからだ。
結社だろうが何だろうが、アヤマ様が誰かのものにならなければ、私にもチャンスはある。
ここは協力するべきと王に進言し、後に結社に入れて貰おう。
アヤマ様に直談判すれば話は早いだろう。
私の恋心はアヤマ様もご存知のはず。アヤマ様は有能な者を問答無用で突っぱねたりしない。
話が出来れば、勝ったと思って良い。

「…我が国のメリットがない。支援の対価はなんだ」
「戦争時、今度はこちらが支援しましょう。状況によっては古龍殿らも参戦します。後は…魔石と、ポーションでどうでしょう。どちらもコージのお手製のものですが」
「魔石の報告は受けている。現在、生成中と」
「アレはコージがギルドの者に贈る為に作っておりますので…、そうですね、宝石を用意して頂ければ魔石にしてお返ししましょう。ただ、2年に1つが上限ですね。あまり作り過ぎても相場が崩れますので」
「……マンハット。そろそろ本音で話そう。ここには私と君と宰相と王国騎士団長の4人しかいない。…君たちは何をしたいんだ」

先に耐え切れなくなったのは王の方だった。
無理もない。何故なら、マンハット様が何を考えているかまったく分からない。
相手が『コージ・アヤマ』から『謎の結社』になった。これからは今まで以上に気を遣って話を進めなければならない。

王の言葉に、マンハット様は笑顔を削ぎ落とした。聖騎士団長としての立場を置いて、残ったのは冷酷なカイル・マンハットの表情。
アヤマ様を守る為に現れた、番犬の表情だった。


「俺も他の者共も試したさ。何とかコージを繋ぎ留めて、独り占めしてしまおうと、試行錯誤を繰り返した。しかしコージはスルリと俺達の腕から逃げ出してしまう。お前達も同じだ。ティアラだろうが何だろうが、コージを無理に繋げば繋ぐほど、コージは逃げる」
「何が言いたい」
「貴様ら何ぞにコージはやらん。俺達はコージを縛り付けずに側にいる方法を見付けた。『婚姻』などと最もあり得ぬ方法でコージを縛ろうとする貴様らに、触らせたりはしない。こちらはコージの力の一端を貸してやると言っている。欲張ってこれ以上コージを利用しようとしてみろ。聖騎士団もオーディアンギルドも、無論コージも、この国から早々に立ち去るぞ」
「………………」

そう言われてしまっては、国王としてはもう従うしかないのだ。
アヤマ様にこの国を立ち去られるのは最悪の展開だ。
更にオーディアンギルドが立ち去れば経済に大打撃が。聖騎士団が立ち去れば武力と発言力に大打撃が。
彼らが妥協案を出してくれているうちに、頷かなければ。

「…魔石の事は承知した。ただ、ポーションとは? 確かに世界中でポーション不足が深刻化してはいるが、コージ・アヤマだけで我が国を助けられる程のポーションが作れるとは思えない」
「アラウザ殿がオーディアンギルドのポーション不足に頭を悩ませ、自然属性を持つコージに依頼を持ち掛けた。コージはそれを承認し、真似で一本作った。出来上がったポーションは『初級ポーション完全体』。『最上級ポーションD』と同等の効能の持つものだ。10滴を水で薄めると『初級ポーションB』程度になり、現在オーディアンギルドに流通しているポーションは大抵、コージが作ったポーションを薄めたものだ。そして我らはその『初級ポーション完全体』を月に50本、この国に差し出そう。薄めて流通させるも良し、貴様が1人で抱え込むも良し」

見た目は初級ポーション。中身は最上級ポーションと同等。
ポーション不足は年々深刻化してきている。安定した供給は何よりも求めて止まないものである。
完全にアヤマ様に惚れてしまった私と違い、王は国民を第一に思っている。

マンハット様の言葉を聞き、王は即決した。



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