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第1章
16.パーティ(※)
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休暇の二日目は、例のジュニア向けパーティである。
別邸は屋敷から五分ほど歩いたところにある。そこの庭園でやると言われた。
なんと、スーツをフェルナンドにもらった。
ルイスを迎えに来たフェルナンドがそれを渡してくれた。とてももらえないと断ったが、もう着なくなった、子供の頃のものだからと言わる。
「着方はわかるよね?ただの子供用だから。置いといて、今度はルイス君にあげたらいいからさ」
もらわれなくてもあとは捨てるだけだと言われ、ありがたく受け取ることにした。
昔のものとは思えないしっかりしたつくりで、縫製も丁寧だからどこもほつれていない。管理も良かったのだろう。
上下明るいグレイのスーツだった。きっとオーダーメイドだと思うが、幸いユリアのサイズにもぴったりだった。初めてジュニアパーティに行くときに作ったんだ、と言われたのでおそらく十三、四の頃のものだろう。ちょっと複雑だ。
「――あ、僕とヘルマン様は三時頃に行く予定だよ」
「はい。お待ちしてますね。本当にありがとうございます」
フェルナンドとルイスに別れを告げ、用意してから会場へ向かった。
会場についたのは正午を過ぎた頃だった。ヘルマンの演説を聞くだけでいいかとも思ったが、やはりちゃんと人脈を考えないといけないと思って。勇気を振り絞ってやってきてみた。
十七歳までのパーティーということだから、全員が同い年か年下と思うと、そこまで身構えることもないかとも思う。
中央の噴水を取り囲むようにテーブルが設置され、料理が置かれている。
本当に自由な感じで、走り回っている子、遊んでいる子、お茶を飲んでいる子、食べている子。それぞれがパーティを楽しんでいた。
大人は世話役のメイドと、少し離れたところに警備が立っているだけだった。
なるほど、確かに小さな社交界のようだ。
貴族の子女らしきものたちはお行儀よくテーブルを囲みお茶を飲みながら親交を深めている。家臣団の子どもたちだろう。たまに取引先の貴族の子どもも来ているらしい。
自由に走り回ったり、興味津々と料理に手を伸ばしているのが平民の子ども達。圧倒的に数が多い。もう多すぎて、学校のようになっている。この子たちはマナーも気にせず、花壇に座ったり芝生に寝転んだりしながら、食べたり遊んだり。楽しそうだ。
いつかルイスも来ると思えば、経験しておいてよかった、と思った。
いざ行っておいでというときに、自分が知らないでは説明してあげられない。
そういえば別邸のパーティ予算はなかなかの金額だった。この規模なら納得である。
とりあえず料理の方に近づいて、いくつかつまめるものはないか物色する。
歩いてきて喉が渇いたので炭酸水を手に取った。お酒は置いてない代わりに、炭酸も数多く置かれている。
そうやってしばらく食事を楽しんで、たまたま側にいた子と当たり障りのない会話をして、また食べて。
「――君。どこの家門?」
突然声をかけられ、見ると、貴族の子息風の子どもらが三人、飲み物を片手に声をかけてきた。
スーツを着ているし貴族と思われたのだろうか。スーツを着ている子どもは平民にもたくさんいるのだが。
「僕は平民です」
「またまたあ」
冗談を言われてると思われたのだろうか。
「お忍びかい?確かに、ヴェッターホーンで見かけない顔だな」
そりゃあ、毎日執務室と補佐官室の往復しかしていないから。
「いいよいいよ、今日はそういうのなしで」
「そうだな。家門のことは言いっこなしだ、楽しくやろう」
「あ、いえ、その……」
訂正したいが、三人の勢いに圧される。
貴族らしいキラキラした装いに、それぞれ人を使い慣れた態度。自信にあふれていて、どの子もかなりいいところの子息なのだろうと思う。
「今日はさ、ベネディクトのご令孫が来てるんだよ!」
ベネディクト。よく名前を見かける。鉱物から食料まで、幅広く取り扱う主な取引先じゃないだろうか。
「ベネディクト侯爵の、秘蔵っ子ってきいたよ。どんな人だった?」
「生まれながらにして人の上に立つ人って感じ。あとさ、やっぱり王都暮らしは違うよ。服もおしゃれだし、言うこともいちいち格好いい」
「へえー」
三人は盛り上がっていた。どうやらこの三人はヴェッターホーン領の家臣に連なる貴族の子息なのだろう。そういう子たちは自領で学び、やがて跡を継ぐ。勉強のために王都へ行くことはあるが、王都暮らしは憧れの対象だ。しかも相手は侯爵家である。
「確か来年成人だろ?ラッキーだな、このパーティで会えるなんて」
「だね。今ちょうど休憩室にいるから、挨拶に行こう。僕面識あるから、紹介するよ」
「いいね」
三人で話が完結して去っていくかと思いきや、ぐいっと手を引かれた。
「何してるんだよ、いくよ」
「えっ、ぼ、僕は――」
予想外の距離感に固まってしまった。幸い吐き気をもよおすことはもうないが、びっくりして体が固まる。
「早く、ついてこいって!」
焦れたように言われると、自然と足が従ってしまう。
振り払う余裕はなかった。
すぐに手は離されたので黙ってついて行くことにした。
挨拶だけして去ろう。自然に。
嫌な汗を気づかれないように拭った。
休憩室は何部屋か用意されており、そのうちの一つのドアをノックをする。すぐにドアの向こうにいた、これも貴族の子息が小さくドアを開け、ユリアたちを確認してから中に招き入れた。
その警戒の様子に少し嫌な予感がする。
だがここは公爵家主催のパーティである。下手な真似をすればどうなるかわからないもの達ではないはずだ。
「よお、久しぶりだな」
声をかけたのは、中央のソファで足を組んで座っている青年だった。
目立つ赤い髪に、挑むように見てくる赤茶色の目が印象的だ。
白いスーツを着こなし、装飾品も品よくつけられている。片手で指示して飲み物を受け取り、目線で下がらせる。部屋にはすでに五人の子ども達がいたが、みんなこの青年を取り囲むように座っていた。
「お久しぶりです、ミヒル様」
紹介すると言っていた子が貴族の礼を取る。
それぞれ三人が順番に自己紹介をするため、ユリアも仕方なく最後に頭を下げた。
ここで目立ってもいいことはない。早々に挨拶を済ませて退席したかった。
「ユリアです。よろしくお願いいたします」
「ユリア?家門は?」
ミヒルという赤毛の青年に聞かれる。
「僕は平民です。姓はありません」
へえ、といった妙な雰囲気が漂う。場違い感が半端ない。
「私は皆様の集まりには不釣り合いですので、これで失礼させていただきます」
言って出て行こうとするのに、ドアの前の男が動こうとしない。あの、と声をかけても、男の視線はミヒルに注がれていた。見ればミヒルが片手で待てと指示をしていたらしい。
「そのなりで平民ってことはないだろ。非公式な訪問か?」
「いいえ、本当です。公爵邸で働いています」
「へえ……」
ミヒルは何かを察したように唇の端を持ち上げて笑った。
同い年とは思えない貫禄だ。
「訳ありってことか?――こっちにこい」
「い、いえ……」
断ろうとして、扉の男が少し動くのを感じてびくりと反応してしまう。
ユリアは小柄な分、同年代と思ってもやはり隣に立つと圧迫感があった。密室で逃げ場がないと思うと急に恐怖を感じる。
子供の集まりだからと思っていたのに……雲行きが怪しい。
「なんだよ。お話ししようって言ってるだけだろ?ほら、そこ開けてやれよ。ユリア、そこに座れ」
聞けないのか?とミヒルが眉を寄せた。
ユリアはぎゅっと拳を握った。上着のポケットに入れてあるペンに軽く触れる。
大丈夫だ。取引先のご令孫と言っていたし、きちんと挨拶をして、退席しよう。貴族の子息が礼儀に外れたことはしないだろう。
意を決してソファに座った。
「――失礼します」
ミヒルの両脇の少年二人が、にやにやと無遠慮な視線を向けてくる。
「お前、見たことあるか?」
「いやあ、ないなあ。見たら忘れないだろ」
残りの人たちは離れたところに座りつつ、こちらを見てくる。
ミヒルはユリアから視線を外さないまま、内心ほくそえんでいた。
公爵主催のパーティとはいえ、平民と混ぜられたこんな子どもの集まりに参加しろと言われ、うんざりしていたのだ。
気の知れた仲間と、媚びを売ってくる田舎の貴族の子息らを適当にあしらって過ごそうと思っていたら。
お忍びだろうか。公爵邸にいるというから、きっと訳ありなんだろう。
王立のアカデミーでも見たことはないし、王都のパーティでも見たことはない。よっぽど高位貴族の落胤か、地方貴族の箱入り息子か、他国のものか。――いずれにしても今は関係ない。
貴族にしても珍しい金髪碧眼だ。それも本当に緑の瞳など珍しい。加えて庇護欲をそそるような、妙な雰囲気。つつけば崩れ落ちそうにか弱そうなのに、かと思うと視線を逸らさない妙に目を惹くところがある。
ミヒルは自分の中から欲が出て来るのを感じた。悪い癖だと自覚していた。だが想像するだけで笑いが止まらなかった。
「あの……?」
突然笑い出したミヒルに驚いてユリアが声をかけた。
「ああ、悪い。ちょっとな。わかったよ、ただのユリアだな」
「はい。ベネディクト侯爵家とは今後ともお取引で、お世話になると思いますが。その時には、どうぞよろしくお願いいたします」
「なるほど、その設定は続けるんだな」
「いえ、僕は本当に、補佐官を目指していて……」
「わかった、わかった。――おい、アレ持って来いよ」
ミヒルが背後の取り巻きに声をかける。
もともと部屋にいた子息の一人が、グラスとボトルをテーブルに置いていった。
コン、コン、と音を立てて迷いなく置かれるそれに、ユリアはぎょっとする。
「これ―――!」
「お近づきの印だ、飲もうぜ」
お酒である。
次々にグラスに注がれていく。
先ほど部屋に一緒に入ってきた三人も顔を見合わせてはいるが、さほど拒否感はないような反応だ。どちらかというと背徳の誘惑に酔っているような。
信じられない。外ではあんなに平和な子供のパーティがされているというのに、しかも公爵ヘルマンの邸で、こんな。
ユリアは怒りすら覚えた。今まで恐怖で固くなっていたのが嘘のようだった。ヘルマンへの忠誠心から湧き上がってくる怒りだった。
「正気とは思えません。ここをどこだとお思いですか」
「白けること言うなよ。ばれねえよ、ばれたところで、俺にどうこう言えるわけないだろ」
その台詞にその場にいた全員が力を得たようだった。
巨大取引先の侯爵家令孫が言ったのである。
ユリアは立ち上がった。一秒でも長くこの場にいたくなかった。
「では、どうぞ皆さんで。僕は失礼します」
「行かせるか」
ミヒルの言葉に、左右からユリアは取り押さえられた。そのまま力づくでソファに座らされる。
ユリアは抑えられた両肩の痛みに、怒りだったのか、恐怖だったのかわからないもので震えた。
まさか子供の集まりでこんなことになるなんて、誰が思うだろう。
「は、離して、ください」
「そんな顔すんなよ。楽しもうぜ」
言ってミヒルがグラスを掲げた。ユリア以外の全員がそれに倣い、飲み干す。
「たくさんあるから、好きに飲めよ」
ミヒルの言う通り酒の瓶はまだあるらしい。立っている青年たちを呼び集め、向こうでもお代わりをして飲んでいる。
度数が高いのにペースが速いのは、飲み方を知らないからか。
両脇の二人から酒の匂いが漂ってくる。ユリアはそれだけで酔いそうだった。
嫌な記憶が蘇りかける。ユリアは気持ちを奮い立たせた。
できるだけ冷静に、声を絞り出す。
「離してください」
「お前、俺の酒が飲めないのか?平民なんだろ?」
きっと何を言っても通じない。ユリアは唇を噛んだ。
「だめだなあ。くくく……お前、ああ、ダメだ」
ミヒルが楽しそうに気味の悪い笑い声を上げる。
酔っているのか。話の通じない気持ち悪さに背筋が寒くなる。
突然、ミヒルがユリアの髪を掴んで、上を向かせた。
声にならない悲鳴が喉を通った。
ミヒルの手が、両肩を拘束する腕が。――気持ち悪い。
しかし吐き気がせり上がってくるより早く、ミヒルが酒瓶をユリアの開いた口に注ぎ込んだ。
ユリアの見開かれた眼を、ミヒルが狂気の混じった眼で見下ろしてくる。
『――消毒だ、ほらよ』
耳元で、とうの昔に聞いて忘れたと思っていた声が聞こえた。
驚きに身体が跳ねる。しかしその動きも許されず、酒が遠慮なく口に注がれていく。下卑た笑いに囲まれ、ツンと鼻を突く臭いと、喉と胃が焼けるように熱くなり、襲ってくる急激な酩酊感。
「ひっ……ごほっ、ご、ぐっ――」
飲み込みながら、激しい動揺に息がうまくできず酒が気管に入ってしまう。
激しく咳き込めば頭は一気にくらくらと回ってしまった。
「まだまだー飲めるよなあ、ユリア」
「やめ、やっ――ぐっ……」
体に力が入らない。それを見越して、両肩の拘束は外された。ユリアは精一杯抵抗をしたが、軽く宙を手足がバタつくだけだった。
いつの間にかミヒルが馬乗りのようになって、ソファにユリアを押し付け、酒を更に飲ませようと顎を掴んだ。
「ほら、口を開けろよ」
ユリアは涙がにじんでよく前が見えなかった。ミヒルの赤い髪が視界を染めていく。
『早くやれよ』
幻聴とは思えないほどはっきりと、その声は聞こえた。
恐ろしいイーゴリの声だ。
『ああ、くそっ、吐きやがった!このガキ!』
だめだ。吐いたら切られる。ユリアは口の中に入ったものを必死で飲んだ。それは喉をさらに熱く焼いた。
ユリアは必死で逃れようと暴れた。しかしソファもミヒルもびくともしない。
「う、ああ……許して……ごめんなさい。ちゃんとします。ゆ、許して……」
ナイフで切り付けられた傷がひきつるように痛んだ。
ユリアの目が現実を映さず朦朧とし、恐怖に慄いているのを見て、ミヒルは興奮に顔をゆがめた。
「なんだこいつ……ああ、そうか」
ミヒルはユリアの正体について、何か思い当たったようだった。その表情を見るに、ろくな想像ではなさそうだが。
実はユリアの飲む酒瓶に少し薬を入れた。即座に酔いが回って前後不覚になる程度の、軽い薬だ。仲間内で使うことがあるが、せいぜい気分がよくなるくらいだった。しかし酒にも免疫のないユリアには効きすぎたようだ。明らかに錯乱状態にある。
「ユリア、何をちゃんとやるって?え?」
ミヒルが耳元で囁いた。ユリアはがくがくと震え、返事をすることもできない。ミヒルはそのままユリアの耳にかみついた。
「あ、ああっ……やっ、いた、い」
暴れようとしても離さない。ユリアは体を丸めて更にぶるぶると震えた。ミヒルの口の中に血がにじんで、その血の味を確かめるようにべろりと舐める。
「うめえ」
「ひぃっ……」
ユリアは丸くなって震えていた。口元を必死で抑えている。
吐いたらだめだ。
「おーい、ユリア。お前のその顔見てたら、こんな風になったんだけど」
ミヒルが少し体を離したかと思うと、ユリアの目の前に硬く勃ち上がったそこを押し付けてくる。
片手の酒瓶から自分でも飲みながら、ミヒルはもう片方の手でユリアの髪を掴み、ズボンの上から唇に押しつけた。
「これどうしたらいいか、知ってる?」
ユリアは逃れようと顔を背けようとした。しかしミヒルの力は強く、髪が抜けるほど抑えられるだけだった。
「――おら、早くしろよ。もっと血を見ないとできないのか?」
ミヒルの親指が無理やりユリアの口をこじ開けた。あ、と思った瞬間にはそこに一気にミヒルのものが押し入ってくる。
「うっ、ううう――――ん、あ」
はじめから一気に挿し込まれ、ユリアは訳も分からず手をばたつかせた。力の入らない手足は上げることも満足にできなかった。
「は、ははっ。すげえ。喉のしめつけ、こいつ、――っ」
頭を固定され、少しも逃れられずミヒルの腰が強引に動かされる。
『喉を開け、おらっ!』
酒に掠れた野太いあの男の声がする。
ああ、全部夢だったんだ。
僕はまだ、地獄の中にいたんだ――。
酩酊する頭の中で、ユリアは恐怖に飲み込まれ全身から血の気をなくしていった。
立っているのか横になっているのかもわからない。
ふらふらと真っ暗な中に落ちていくようだった。
別邸は屋敷から五分ほど歩いたところにある。そこの庭園でやると言われた。
なんと、スーツをフェルナンドにもらった。
ルイスを迎えに来たフェルナンドがそれを渡してくれた。とてももらえないと断ったが、もう着なくなった、子供の頃のものだからと言わる。
「着方はわかるよね?ただの子供用だから。置いといて、今度はルイス君にあげたらいいからさ」
もらわれなくてもあとは捨てるだけだと言われ、ありがたく受け取ることにした。
昔のものとは思えないしっかりしたつくりで、縫製も丁寧だからどこもほつれていない。管理も良かったのだろう。
上下明るいグレイのスーツだった。きっとオーダーメイドだと思うが、幸いユリアのサイズにもぴったりだった。初めてジュニアパーティに行くときに作ったんだ、と言われたのでおそらく十三、四の頃のものだろう。ちょっと複雑だ。
「――あ、僕とヘルマン様は三時頃に行く予定だよ」
「はい。お待ちしてますね。本当にありがとうございます」
フェルナンドとルイスに別れを告げ、用意してから会場へ向かった。
会場についたのは正午を過ぎた頃だった。ヘルマンの演説を聞くだけでいいかとも思ったが、やはりちゃんと人脈を考えないといけないと思って。勇気を振り絞ってやってきてみた。
十七歳までのパーティーということだから、全員が同い年か年下と思うと、そこまで身構えることもないかとも思う。
中央の噴水を取り囲むようにテーブルが設置され、料理が置かれている。
本当に自由な感じで、走り回っている子、遊んでいる子、お茶を飲んでいる子、食べている子。それぞれがパーティを楽しんでいた。
大人は世話役のメイドと、少し離れたところに警備が立っているだけだった。
なるほど、確かに小さな社交界のようだ。
貴族の子女らしきものたちはお行儀よくテーブルを囲みお茶を飲みながら親交を深めている。家臣団の子どもたちだろう。たまに取引先の貴族の子どもも来ているらしい。
自由に走り回ったり、興味津々と料理に手を伸ばしているのが平民の子ども達。圧倒的に数が多い。もう多すぎて、学校のようになっている。この子たちはマナーも気にせず、花壇に座ったり芝生に寝転んだりしながら、食べたり遊んだり。楽しそうだ。
いつかルイスも来ると思えば、経験しておいてよかった、と思った。
いざ行っておいでというときに、自分が知らないでは説明してあげられない。
そういえば別邸のパーティ予算はなかなかの金額だった。この規模なら納得である。
とりあえず料理の方に近づいて、いくつかつまめるものはないか物色する。
歩いてきて喉が渇いたので炭酸水を手に取った。お酒は置いてない代わりに、炭酸も数多く置かれている。
そうやってしばらく食事を楽しんで、たまたま側にいた子と当たり障りのない会話をして、また食べて。
「――君。どこの家門?」
突然声をかけられ、見ると、貴族の子息風の子どもらが三人、飲み物を片手に声をかけてきた。
スーツを着ているし貴族と思われたのだろうか。スーツを着ている子どもは平民にもたくさんいるのだが。
「僕は平民です」
「またまたあ」
冗談を言われてると思われたのだろうか。
「お忍びかい?確かに、ヴェッターホーンで見かけない顔だな」
そりゃあ、毎日執務室と補佐官室の往復しかしていないから。
「いいよいいよ、今日はそういうのなしで」
「そうだな。家門のことは言いっこなしだ、楽しくやろう」
「あ、いえ、その……」
訂正したいが、三人の勢いに圧される。
貴族らしいキラキラした装いに、それぞれ人を使い慣れた態度。自信にあふれていて、どの子もかなりいいところの子息なのだろうと思う。
「今日はさ、ベネディクトのご令孫が来てるんだよ!」
ベネディクト。よく名前を見かける。鉱物から食料まで、幅広く取り扱う主な取引先じゃないだろうか。
「ベネディクト侯爵の、秘蔵っ子ってきいたよ。どんな人だった?」
「生まれながらにして人の上に立つ人って感じ。あとさ、やっぱり王都暮らしは違うよ。服もおしゃれだし、言うこともいちいち格好いい」
「へえー」
三人は盛り上がっていた。どうやらこの三人はヴェッターホーン領の家臣に連なる貴族の子息なのだろう。そういう子たちは自領で学び、やがて跡を継ぐ。勉強のために王都へ行くことはあるが、王都暮らしは憧れの対象だ。しかも相手は侯爵家である。
「確か来年成人だろ?ラッキーだな、このパーティで会えるなんて」
「だね。今ちょうど休憩室にいるから、挨拶に行こう。僕面識あるから、紹介するよ」
「いいね」
三人で話が完結して去っていくかと思いきや、ぐいっと手を引かれた。
「何してるんだよ、いくよ」
「えっ、ぼ、僕は――」
予想外の距離感に固まってしまった。幸い吐き気をもよおすことはもうないが、びっくりして体が固まる。
「早く、ついてこいって!」
焦れたように言われると、自然と足が従ってしまう。
振り払う余裕はなかった。
すぐに手は離されたので黙ってついて行くことにした。
挨拶だけして去ろう。自然に。
嫌な汗を気づかれないように拭った。
休憩室は何部屋か用意されており、そのうちの一つのドアをノックをする。すぐにドアの向こうにいた、これも貴族の子息が小さくドアを開け、ユリアたちを確認してから中に招き入れた。
その警戒の様子に少し嫌な予感がする。
だがここは公爵家主催のパーティである。下手な真似をすればどうなるかわからないもの達ではないはずだ。
「よお、久しぶりだな」
声をかけたのは、中央のソファで足を組んで座っている青年だった。
目立つ赤い髪に、挑むように見てくる赤茶色の目が印象的だ。
白いスーツを着こなし、装飾品も品よくつけられている。片手で指示して飲み物を受け取り、目線で下がらせる。部屋にはすでに五人の子ども達がいたが、みんなこの青年を取り囲むように座っていた。
「お久しぶりです、ミヒル様」
紹介すると言っていた子が貴族の礼を取る。
それぞれ三人が順番に自己紹介をするため、ユリアも仕方なく最後に頭を下げた。
ここで目立ってもいいことはない。早々に挨拶を済ませて退席したかった。
「ユリアです。よろしくお願いいたします」
「ユリア?家門は?」
ミヒルという赤毛の青年に聞かれる。
「僕は平民です。姓はありません」
へえ、といった妙な雰囲気が漂う。場違い感が半端ない。
「私は皆様の集まりには不釣り合いですので、これで失礼させていただきます」
言って出て行こうとするのに、ドアの前の男が動こうとしない。あの、と声をかけても、男の視線はミヒルに注がれていた。見ればミヒルが片手で待てと指示をしていたらしい。
「そのなりで平民ってことはないだろ。非公式な訪問か?」
「いいえ、本当です。公爵邸で働いています」
「へえ……」
ミヒルは何かを察したように唇の端を持ち上げて笑った。
同い年とは思えない貫禄だ。
「訳ありってことか?――こっちにこい」
「い、いえ……」
断ろうとして、扉の男が少し動くのを感じてびくりと反応してしまう。
ユリアは小柄な分、同年代と思ってもやはり隣に立つと圧迫感があった。密室で逃げ場がないと思うと急に恐怖を感じる。
子供の集まりだからと思っていたのに……雲行きが怪しい。
「なんだよ。お話ししようって言ってるだけだろ?ほら、そこ開けてやれよ。ユリア、そこに座れ」
聞けないのか?とミヒルが眉を寄せた。
ユリアはぎゅっと拳を握った。上着のポケットに入れてあるペンに軽く触れる。
大丈夫だ。取引先のご令孫と言っていたし、きちんと挨拶をして、退席しよう。貴族の子息が礼儀に外れたことはしないだろう。
意を決してソファに座った。
「――失礼します」
ミヒルの両脇の少年二人が、にやにやと無遠慮な視線を向けてくる。
「お前、見たことあるか?」
「いやあ、ないなあ。見たら忘れないだろ」
残りの人たちは離れたところに座りつつ、こちらを見てくる。
ミヒルはユリアから視線を外さないまま、内心ほくそえんでいた。
公爵主催のパーティとはいえ、平民と混ぜられたこんな子どもの集まりに参加しろと言われ、うんざりしていたのだ。
気の知れた仲間と、媚びを売ってくる田舎の貴族の子息らを適当にあしらって過ごそうと思っていたら。
お忍びだろうか。公爵邸にいるというから、きっと訳ありなんだろう。
王立のアカデミーでも見たことはないし、王都のパーティでも見たことはない。よっぽど高位貴族の落胤か、地方貴族の箱入り息子か、他国のものか。――いずれにしても今は関係ない。
貴族にしても珍しい金髪碧眼だ。それも本当に緑の瞳など珍しい。加えて庇護欲をそそるような、妙な雰囲気。つつけば崩れ落ちそうにか弱そうなのに、かと思うと視線を逸らさない妙に目を惹くところがある。
ミヒルは自分の中から欲が出て来るのを感じた。悪い癖だと自覚していた。だが想像するだけで笑いが止まらなかった。
「あの……?」
突然笑い出したミヒルに驚いてユリアが声をかけた。
「ああ、悪い。ちょっとな。わかったよ、ただのユリアだな」
「はい。ベネディクト侯爵家とは今後ともお取引で、お世話になると思いますが。その時には、どうぞよろしくお願いいたします」
「なるほど、その設定は続けるんだな」
「いえ、僕は本当に、補佐官を目指していて……」
「わかった、わかった。――おい、アレ持って来いよ」
ミヒルが背後の取り巻きに声をかける。
もともと部屋にいた子息の一人が、グラスとボトルをテーブルに置いていった。
コン、コン、と音を立てて迷いなく置かれるそれに、ユリアはぎょっとする。
「これ―――!」
「お近づきの印だ、飲もうぜ」
お酒である。
次々にグラスに注がれていく。
先ほど部屋に一緒に入ってきた三人も顔を見合わせてはいるが、さほど拒否感はないような反応だ。どちらかというと背徳の誘惑に酔っているような。
信じられない。外ではあんなに平和な子供のパーティがされているというのに、しかも公爵ヘルマンの邸で、こんな。
ユリアは怒りすら覚えた。今まで恐怖で固くなっていたのが嘘のようだった。ヘルマンへの忠誠心から湧き上がってくる怒りだった。
「正気とは思えません。ここをどこだとお思いですか」
「白けること言うなよ。ばれねえよ、ばれたところで、俺にどうこう言えるわけないだろ」
その台詞にその場にいた全員が力を得たようだった。
巨大取引先の侯爵家令孫が言ったのである。
ユリアは立ち上がった。一秒でも長くこの場にいたくなかった。
「では、どうぞ皆さんで。僕は失礼します」
「行かせるか」
ミヒルの言葉に、左右からユリアは取り押さえられた。そのまま力づくでソファに座らされる。
ユリアは抑えられた両肩の痛みに、怒りだったのか、恐怖だったのかわからないもので震えた。
まさか子供の集まりでこんなことになるなんて、誰が思うだろう。
「は、離して、ください」
「そんな顔すんなよ。楽しもうぜ」
言ってミヒルがグラスを掲げた。ユリア以外の全員がそれに倣い、飲み干す。
「たくさんあるから、好きに飲めよ」
ミヒルの言う通り酒の瓶はまだあるらしい。立っている青年たちを呼び集め、向こうでもお代わりをして飲んでいる。
度数が高いのにペースが速いのは、飲み方を知らないからか。
両脇の二人から酒の匂いが漂ってくる。ユリアはそれだけで酔いそうだった。
嫌な記憶が蘇りかける。ユリアは気持ちを奮い立たせた。
できるだけ冷静に、声を絞り出す。
「離してください」
「お前、俺の酒が飲めないのか?平民なんだろ?」
きっと何を言っても通じない。ユリアは唇を噛んだ。
「だめだなあ。くくく……お前、ああ、ダメだ」
ミヒルが楽しそうに気味の悪い笑い声を上げる。
酔っているのか。話の通じない気持ち悪さに背筋が寒くなる。
突然、ミヒルがユリアの髪を掴んで、上を向かせた。
声にならない悲鳴が喉を通った。
ミヒルの手が、両肩を拘束する腕が。――気持ち悪い。
しかし吐き気がせり上がってくるより早く、ミヒルが酒瓶をユリアの開いた口に注ぎ込んだ。
ユリアの見開かれた眼を、ミヒルが狂気の混じった眼で見下ろしてくる。
『――消毒だ、ほらよ』
耳元で、とうの昔に聞いて忘れたと思っていた声が聞こえた。
驚きに身体が跳ねる。しかしその動きも許されず、酒が遠慮なく口に注がれていく。下卑た笑いに囲まれ、ツンと鼻を突く臭いと、喉と胃が焼けるように熱くなり、襲ってくる急激な酩酊感。
「ひっ……ごほっ、ご、ぐっ――」
飲み込みながら、激しい動揺に息がうまくできず酒が気管に入ってしまう。
激しく咳き込めば頭は一気にくらくらと回ってしまった。
「まだまだー飲めるよなあ、ユリア」
「やめ、やっ――ぐっ……」
体に力が入らない。それを見越して、両肩の拘束は外された。ユリアは精一杯抵抗をしたが、軽く宙を手足がバタつくだけだった。
いつの間にかミヒルが馬乗りのようになって、ソファにユリアを押し付け、酒を更に飲ませようと顎を掴んだ。
「ほら、口を開けろよ」
ユリアは涙がにじんでよく前が見えなかった。ミヒルの赤い髪が視界を染めていく。
『早くやれよ』
幻聴とは思えないほどはっきりと、その声は聞こえた。
恐ろしいイーゴリの声だ。
『ああ、くそっ、吐きやがった!このガキ!』
だめだ。吐いたら切られる。ユリアは口の中に入ったものを必死で飲んだ。それは喉をさらに熱く焼いた。
ユリアは必死で逃れようと暴れた。しかしソファもミヒルもびくともしない。
「う、ああ……許して……ごめんなさい。ちゃんとします。ゆ、許して……」
ナイフで切り付けられた傷がひきつるように痛んだ。
ユリアの目が現実を映さず朦朧とし、恐怖に慄いているのを見て、ミヒルは興奮に顔をゆがめた。
「なんだこいつ……ああ、そうか」
ミヒルはユリアの正体について、何か思い当たったようだった。その表情を見るに、ろくな想像ではなさそうだが。
実はユリアの飲む酒瓶に少し薬を入れた。即座に酔いが回って前後不覚になる程度の、軽い薬だ。仲間内で使うことがあるが、せいぜい気分がよくなるくらいだった。しかし酒にも免疫のないユリアには効きすぎたようだ。明らかに錯乱状態にある。
「ユリア、何をちゃんとやるって?え?」
ミヒルが耳元で囁いた。ユリアはがくがくと震え、返事をすることもできない。ミヒルはそのままユリアの耳にかみついた。
「あ、ああっ……やっ、いた、い」
暴れようとしても離さない。ユリアは体を丸めて更にぶるぶると震えた。ミヒルの口の中に血がにじんで、その血の味を確かめるようにべろりと舐める。
「うめえ」
「ひぃっ……」
ユリアは丸くなって震えていた。口元を必死で抑えている。
吐いたらだめだ。
「おーい、ユリア。お前のその顔見てたら、こんな風になったんだけど」
ミヒルが少し体を離したかと思うと、ユリアの目の前に硬く勃ち上がったそこを押し付けてくる。
片手の酒瓶から自分でも飲みながら、ミヒルはもう片方の手でユリアの髪を掴み、ズボンの上から唇に押しつけた。
「これどうしたらいいか、知ってる?」
ユリアは逃れようと顔を背けようとした。しかしミヒルの力は強く、髪が抜けるほど抑えられるだけだった。
「――おら、早くしろよ。もっと血を見ないとできないのか?」
ミヒルの親指が無理やりユリアの口をこじ開けた。あ、と思った瞬間にはそこに一気にミヒルのものが押し入ってくる。
「うっ、ううう――――ん、あ」
はじめから一気に挿し込まれ、ユリアは訳も分からず手をばたつかせた。力の入らない手足は上げることも満足にできなかった。
「は、ははっ。すげえ。喉のしめつけ、こいつ、――っ」
頭を固定され、少しも逃れられずミヒルの腰が強引に動かされる。
『喉を開け、おらっ!』
酒に掠れた野太いあの男の声がする。
ああ、全部夢だったんだ。
僕はまだ、地獄の中にいたんだ――。
酩酊する頭の中で、ユリアは恐怖に飲み込まれ全身から血の気をなくしていった。
立っているのか横になっているのかもわからない。
ふらふらと真っ暗な中に落ちていくようだった。
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