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2話 魔王様は知識人が欲しい!

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脳筋幹部達に作戦を作る様に
頼まれてしまった。
しかしあいつら作戦作ったとしても
わかるのか?

我の想像では…

「西?西ってなんだ?」

「なんで待つの?早く攻めないと!」

「この文字なんて読むんだ?」

「え? あの紙って作戦?ってやつ
だったの?トイレに使っちゃったぜ」

容易に想像できる…
作っても意味なくね?

多分将軍や司令官よりアリエルの方が
多分理解できる気がする。

魔族に頭のいい奴は多分我だけだ。
人類の裏切り者アリエルは
魔族ではないから例外だ。

魔族は基本的に武の道を極めるが
知の道は最低限文字を読む程度しか
学ばない。
先代の魔王達も同じだ。

なら何故我は違うのかって?
およそ100年前アリエルがこの魔王領に
逃げ込んできた。

その時にアリエルが
本を持ってきていたのだ。

他の魔族達は読まなかったが、
幼かった我はアリエルに
読んでもらっていた。

それが理由だ。

「やっぱり作戦考えて渡す前に順序が
あるよな。
人類を見習って学校なる知識を
学ぶ場所が必要なのではないか?」

それを聞いたアリエルが言う。

「魔王様多分作っても意味ありません」

「えっ? なんで?」

「作ったとして誰が教えて、
誰が教科書を作るんですか?」

盲点だった。
現状 魔王軍全体の事務作業は
我とアリエルが担当している。
正直いっぱいいっぱいだ。

そんな中 教科書を作って、
教えることは魔王軍全体が崩壊する。

「うん 詰んだ」

真面目に詰んだ。
どっちに転んでも良くないが、
馬鹿のままか魔王軍が崩壊するなら
馬鹿をとってしまう。

「結局このままなのか…」

やはり知識人が2人なのが問題だ。
どうするか…選択肢は限られている。

1つ目 人間から募集する
2つ目 魔王領の魔族の中から探す
3つ目 人間を捕らえて奴隷にする。

…困ったな。

1つ目は…アリエルのように人類を
裏切る人類はほとんどいないだろう。
いたとしても多分来れないし、
紙が剥がされて終わる。
ていうか魔王軍が
馬鹿ばっかりって知られたくない。

2つ目はほとんど0に近い確率だな。
膨大な魔王軍の中にすらいないんだ。
探しても無理だろう。
一応募集の紙を魔王領に配っておくか。

3つ目は正直これが一番効率がいいな。
でもなぁ うちの魔王軍たち
人間を見ると我を忘れて
攻撃しちゃうんだよなぁ。
我が直々に行って捕えるのもあるが…

「我が人間を捕まえに行くのって
どう思う?」

「魔王様が人間をですか?
正直なところ魔王様は魔王なので
勇者が魔王城に来る時に
戦ってもらわないと…
やはり魔王の仕事は
勇者と戦う事なので全然勇者じゃない人を捕まえるために出て行くのは
ちょっと…
それに魔王様が魔王城から
出ていっている間は私が全ての事務作業するんですか?」

やはりそうだよな…
さっきも言ったが知識人は2人しか
いない。
ここから人間領までは半月はかかる。
その間1人では無理だ。

「うん 詰んだ」

こうなったら2つ目に
かけるしかないか…
絶対いない気がするが…

とりあえず結果を待とう。



1週間後

「だから!
すぐに攻撃するのやめろって!
精鋭部隊が全滅しているじゃん!」

「いっいえ これは…
人間達が我々を誘い込んで挟撃
する卑怯なことをしたので…」

「だからそれが作戦なんだって!」

「これが作戦!?
なるほど作戦とは
卑怯ということですか…」

「違うってば!」

「魔王様」

「なんだ 今忙しいのだが」

「先月の募集のことですが」

ああ多分いなかったんだな
そりゃそうだ 魔族で頭いい奴なんて…

「1人だけいました」

「……………はっ?」

思わず持っていた紙の束を
全て落としてしまった。









 


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