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3話 魔王だって眠りたい!

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「1人だけいました。」

「はっ?」



「魔王様? 魔王様!」

「あぁっ すっすまない」

「いえ…」

驚き過ぎてずっと
棒立ちしていたようだ。

しかし本当に?
あの魔族の中に?
知識人が??

「一旦会議を終了する、」


会議室を出て行き、
自室へ向かった。

「それで?
本当にいたのか?」

「はい
テストまでして確認しました。」

アリエルがそう言う。

「テスト?」

「はい
テストの内容は、
文字の読み書き、
今の政策についての自論、
作戦を考えるなどです。」

「なるほど…
ちゃんとしているな。」

文字の読み書きが出来る奴なら
たまにいるが政策や作戦がわかるやつは
いない。
すごい人材だ。いや魔材だ。

「それで?
そいつはどこにいる?」

「先程魔王城への登城を命じましたが、
未だ来ておりません。」

「まあそうだよな、魔王城は
城下町までかなりの距離があるからな。」 

魔王城のすぐそこに街があるのはなんか
カット悪いらしく、
かなり離して作られている。

らしい というのは
これを考えたのは先代の魔王だからだ。
全く馬鹿なくせに変なところで
こだわる。

しばらく待つことにするか。
しかし働き過ぎて眠くなってきた。
少し仮眠でもとる…か…

気がついたら寝てしまっていた。


「うーん、」

何かが近くにいる気がする。
というか膝に乗ってないか?
猫かな?

起きてみると目を開けると…

「わっ 誰?」

膝の上に少女が乗っていた。



「えーと
なんで我の膝の上にいるんだ?」

我は魔王ぞ? 
魔族は我を恐れているから
こんな事をされたのは初めてだった。

しかし喋りかけてるのに反応ないな…

「あれ? これもしかして
寝てる?」

謎の少女は寝てしまっている。
困った。 
なにか起こしてしまうのも
悪い気がする。
しかし この姿を部下に見られると
威厳がなくなってしまう。

迷った末に起こすことにした。

肩を揺らすと

「うーん…うーん?
わっ!? えっと?
あっ!? すっすみません!」

少女は慌てて膝から降りた。


「別に大丈夫だけど
なんでこんな所にいるの?」

「いっいえあの魔王城への
登城を命じられたので登城し、
そしたらエルフの人に案内されて…」

「あぁ アリエルか。
って登城? 
まさか君がテスト合格者?」

「テストの結果は知らないので
なんとも言えませんが、多分
そうです。」

驚いた。こんな少女が
合格者だとは…

人間だったとしたら彼女の
外見は7、8歳程度だ。

「で? なんで膝の上にいたの?」

「うっ それは…
眠かったのでつい…
お父さんの膝の上でよく
眠っていたので…
本当にごめんなさい!」  

「いや 別に大丈夫だよ」

部下には強く当たったりするが
こんな少女に強く当たるほど
我は冷たくない。

とりあえず
アリエルを呼ぶか。
この少女に色々と働く事を
教えてこんでもらわないと、

「アリエルー!」



「アリエル?」

いつもならすぐに来てくれるが
今日はいつまで経っても来てくれない。

「おかしいな…」

アリエルの職場である
秘書室に行くか、

「アリエル? 入るぞ」

扉を開けると…

「アリエル!?」

アリエルが地面に倒れていた。






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