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最終章
真相
しおりを挟む「⋯⋯うっ⋯⋯こ⋯⋯ここは??」
何かがオレの額に落ちて目が覚める。
慌てて辺りを見渡すと、じっとりとした苔が覆い、ひび割れ黒ずんだ緑のタイルに囲まれた一室。
部屋全体が ”濃い” 緑一色だ。
(⋯⋯なぜ、またここに??
オレはさっき奴等に囲まれて⋯⋯その後どうなったんだ??
どうやって、ここに戻ってきた??)
タイルから若干黄色がかった液体が、隙間から染み出て垂れ落ちてくる。
「⋯⋯またか」
顔に付いた液体を右腕の袖で拭う。
今度は、記憶がはっきりしていた。
(もう、勘弁してくれぇ。
頭がおかしくなりそうだっ!!)
オレは、頭を抱えてしゃがみ込んだ。
しかし、いつまでもこんな所にいても仕方がない。
「⋯⋯行こう。
この先の道は知っているんだ。
今度こそ。
さっさとこんな所から出るんだ。
帰るんだ!!」
決意を新たに、立ち上がる。
--
「⋯⋯また⋯⋯り
⋯⋯なお⋯⋯しだ。
⋯⋯た、⋯⋯かって
⋯⋯ご⋯⋯いた
ぞ」
--
(またか。
⋯⋯うるさい。
うるさい。
⋯⋯うるさい。
うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。)
オレは、聞こえる声を無視し真っ直ぐに通路へ向かう。
カツーーン
カツーーーン
足音が響き渡る。
しばらく進んでいくと、奥の方から ”ペタッ ペタッ” と音をさせながら、何かが近づいてくる。
(⋯⋯あいつか。)
このあたりも記憶がはっきり残っている。
その記憶の通り両腕を伸ばし左右に揺れながら ”やつは” 近づいて来る。
オレは、なんなくかわすと更に進む。
(あいつ、ここの場所以外でも会ってた気がするんだが⋯⋯)
疑問の残るまましばらく進むと、急に少し開けた場所にでた。
辺りを見渡すと両脇に店のような所がある。
(ここは、無視でいいはず。)
構わず更に進むことにする。
歩きながら、フッとまた疑問を感じる。
(この先に出口はあるんだろうか??)
疑問があるからといって、足を止めていても仕方がない。
相変わらず辺りは濃い緑一色に覆われ薄暗い。
更に進むと、
⋯⋯。
「ッ!!
やっ⋯⋯」
オレは、慌てて口を押さえる。
(やっぱり、出やがったか!!声を出すなよ。やつらに、囲まれる)
そう自分に言い聞かせる。
⋯⋯オレは⋯⋯ここから先の記憶が曖昧だった。
⋯⋯。
(⋯⋯行くか。この先を行けば、きっと⋯⋯きっと、ここから出られる。なんとしても⋯⋯)
壁に沿い、しゃがみながら進む。
(なんとか触れないように行けるか?)
触れてしまっただけでオレのすべてが終わってしまう。
そんな気がしてならない。
やつらより、そっちのほうに恐怖感が向く。
(この後、たしか⋯⋯)
なにかが、一瞬脳裏を通り過ぎる。
狭い一本の通路。
ちょうど集団の中央あたりまで来た時⋯⋯
(うっ!)
突然、見えない力に動きを奪われなかなか動けなくなる。
(んぐっ!!
身体が⋯⋯重い⋯⋯)
回りを見ると、どうもオレだけじゃない。
(そうだ。なぜか、ここからすべての動きがスローに⋯⋯まずいっ!)
--
「あぁ⋯⋯⋯⋯うっ⋯⋯⋯⋯とう⋯⋯⋯⋯⋯⋯しい
いっぱ⋯⋯いで⋯⋯⋯⋯てく⋯⋯⋯⋯⋯⋯お⋯⋯もく⋯⋯な⋯⋯っ⋯⋯
ここ⋯⋯は
こせる⋯⋯ん⋯⋯
だよ
第2⋯⋯ス⋯⋯テージ
⋯⋯紫の⋯⋯⋯⋯間
よ⋯⋯り
む⋯⋯⋯⋯ず⋯⋯
さすが
第3⋯⋯⋯⋯緑の⋯⋯」
--
(⋯⋯こせる??。どうゆう事だ??紫??緑??)
振り回される手が、オレの鼻先数ミリの所を通り過ぎる。
(はぁ。はぁ。はぁ。間一髪かっ!
しかし、さっきの言葉はいったい⋯⋯。
いったい何を言って⋯⋯
いや⋯⋯今はそれどころじゃない!!)
回りを、まだ何十人と囲まれている。
ズキッ!!
(っぐ!!頭が⋯⋯)
急に電気が走った様に頭が痛む。
走馬灯のように頭の中を何かが駆け巡る。
・
・
・
__________________
⋯⋯ここは?
⋯⋯紫⋯⋯色の土⋯⋯壁
⋯⋯走れっ!
⋯⋯早くっ!!
⋯⋯どこだ?
やめろ やめてくれっ
ぅわわわわわぁぁ!!
__________________
・
・
・
(オレの⋯⋯記憶??)
記憶の断片が頭の中を過ぎる。
(⋯⋯紫色?さっきの声も⋯⋯そうだ。
たしか、こんな所に来る前に⋯⋯オレは、そこに⋯⋯)
奴らを避けながら、少ない記憶を探る。
(いつだ??たしか⋯⋯そう、一週間程前⋯⋯。
紫色の場所から、緑色のこの場所へ⋯⋯。
そうだ。オレは、ついさっきもこの場所に居た。こいつらから逃げて⋯⋯)
記憶の断片が、まるでパズルのように組み合わさっていく。
気がつくと、随分と進んでいた。
目の前にはこの通路の出口らしき開けた部屋が見える。
(この部屋へ飛び込んで⋯⋯その後、その後、たしか⋯⋯)
オレは、動きにくい体を無理矢理動かし、その部屋へと飛び込む。
すると、身体中にかかる負荷が強まり、ついにすべての自由が奪われ動けなくなった。
ペタッ
聞き覚えのある音が近付く。
ペタッ
(⋯⋯そうだ。)
ペタッ⋯⋯ペタッ
(⋯⋯オレは、)
ペタッ
ペタッ
ペタッ
ペタッ
ペタッ
ペタッペタッペタッペタッ
(⋯⋯こいつに)
その足音はだんだん早くなりオレの周りをグルグル回り出す。
ペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタ ペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペッタン
(⋯⋯うっ)
何十周しただろうか⋯⋯。
その音は、オレの頭の先で止まった。
オレの顔に大きく影が被る。
目だけをそっと横にづらすと、そこには裸足の足が2本見えた。
オレは、なんとか逃げようと動こうとするが⋯⋯
(あぁ⋯⋯そうだ。
無理なんだ。逃げられない)
そいつは片腕を振り上げどこからか声を出しこう言った。
『今から、手術を施す』
そいつの腕には、剥き出しになった骨が見える。
先端は、鋭利に削られていた。
「⋯⋯殺せ。
もう⋯⋯終わりにしてくれ。
頼む」
その腕は一気に心臓に振り下ろされる。
鋭い風きり音が耳を裂く。
それでも、目で追えるほどゆっくりで。
しばらくすると、
グジュッ
と、いう感触と共に心臓が串刺しになったのがわかった。
顎を痙攣させながら、オレは最後まで見続けさせられ⋯⋯
⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
--
「⋯⋯また、おんなじ所でミスった。
むずっ!!
あっ!そうだ、思い出した。先週、お兄ちゃんにここまでやってもらったんだった。」
「⋯⋯ご飯よ!もうやめて、また来週にしなさい。」
「は~い! ママ!!
あと、一回だけっ!!
CONTINUEボタンを
”ポチッ”
っと⋯⋯」
--
⋯⋯目が覚めた。
「⋯⋯うっ⋯⋯こ⋯⋯ここは??」
・
・
・
終
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