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第一部 スプリングシリーズ
第10話 Exh.1 Phase.Ⅱ part.4
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ただ一人フェーズⅢから出撃する夏灯は、その様子を控室でぼうっと眺めていた。
控室からは、各チームメンバーの視点カメラの映像と全体音声通信の受信しかできない。出番を待っている間は、試合の流れや状況を把握することしかできず、夏灯の方から何か働きかけることはできないのだった。
そんな彼女の元へ、討伐されたアイが転送されてくる。討伐されたメンバーは控室に強制転送され、次のフェーズも試合に参加することはできない。こうして出番を待つ夏灯のように、受動的に情報を受け取ることしかできなくなるのだ。
戻ってくるなりふてくされたようにソファに寝転がるアイ。
ぶつぶつと一人で何かをぼやく彼は、見るからに機嫌が悪そうではあったが、夏灯は恐れ知らずにもそんな彼に声をかける。
「おかえりー。早かったね」
「っるせぇな、オレだってこんな早く戻ってくるつもりだったわけじゃねぇよ。鬱陶しいからどっかいけ」
普段通り明るく接してくる夏灯を、アイは荒々しく追い返す。それでもなお、夏灯は強気に、寝転がる彼の足をどかして隣に座る。
「もう、ヤツハラやめてよ」
「はぁ? ヤツハラって何だよ……」
「八つ当たりハラスメント。一番遅く出ていったのに真っ先にやられちゃいました! っていうのできなくなっちゃったじゃん! どうしてくれるの!」
アイはマイペースな夏灯の勢いに呑まれて、よくわからないまま言い返されてしまう。
「いや知らねぇよ……」
「えへへ、ヤツハラしてみたの。虎野くんがやったのと同じことだよ?」
「あー……悪かったよ」
やり返されて自分の言動を顧みたアイは、身体を起こして素直に謝罪する。
夏灯はそれほど気にしていなかったが、アイの悪いところはちゃんと叱って徹底的に直させるよう、美瑚からも言われていた。これでちゃんと叱れているかはわからなかったが、アイ自身が自身の言動を反省して謝罪してくれたのだろうから、上手くできたのだろうと思った。
「まあでも、自爆体質なんてツイてなかったねー」
「結果として相手の主力をほとんど巻き添えにできたんだ。プラマイで言えばプラスだろ」
実際のところ、手数の多さで勝負するアイにとって、自爆体質は最も厄介なアビリティだった。
残りの核が10%に達した時点で自爆してしまうので、自爆を回避するには残り11%の時点で、一撃でその11%分を削り切る必要がある。それには愛が放ったような強力な攻撃や、複数のアビリティを同時使用して一撃の威力を高めた攻撃が必要になる。
アイにはそれができないからこそ、愛の砲撃を防げていたとしても、今回はあのドラゴンを討伐することは叶わなかったのだ。
「結果的にはねー。でもまた部長の指示無視したから怒られるよ? コメントでも叩かれてないといいけど……」
試合中、出場選手は配信動画を確認できず、動画に付いたコメントも確認できない。アイの独断行動は賛否両論あることが多いが、否定的な意見がやや多く、コメント欄が荒れることも珍しくなかった。
「ちゃんと討伐二つ取っただろ。何でだよ」
アイとしては、自分の行動は正しかったと思っていたし、何度か“竜殺し”のポジションを経験したこともある夏灯ならそれをわかってくれると思っていた。しかしそれが正しい行動だったと夏灯は思っていないような口ぶりで、アイは少しの動揺を見せた。
「わかってないなー、虎野くん。一撃の火力がある愛ちゃんだけどうにかしておいて、あのままウェルさんに自爆するまで攻撃させて、自分はさっさと逃げておけば良かったのに。そしたらみんな勝手にドラゴンの爆発で討伐されて、自分だけ助かるじゃん」
「いや、それこそ結果論だろ。自爆体質だってわかってたらそうしたっつーの」
「あの時点ならわかるでしょ……。他のアビリティっぽい行動してなかったじゃん」
それに気付けるのは恐らく夏灯くらいで、誰にでもできることではないとは思ったが、それでも他に最適解があったとわかり、アイは今さらになって悔しさが湧き上がってくる。
「クソ、だからお前を“竜殺し”にしとけって言ったのに」
「でも虎野くん、美瑚ちゃんか雪葵くんがいないともっと言うこと聞かないから、しょうがないよ」
実際、今の布陣に落ち着いたのは、景も夏灯と同じように考えたからだ。
フェーズⅢからアイを投入するのでは、万が一フェーズⅡまでに美瑚と雪葵が討伐されていたら、アイを制御できなくなってしまう。アイの監視を優先すると、どうしても今の布陣になってしまうのだ。
「うるせぇ。オレにはオレの考えがあんだよ」
やれやれ、と夏灯はため息を吐いて、再び試合に集中することにした。
もうフェーズⅡの残り時間も少なくなってきた。自分の出番が来たら何をするべきなのか、その判断を迷わないようにしたい。夏灯はアイと違い、指示の中で最適な判断ができるようにしなければと思っていた。
一方で、雪葵はドラゴン戦が終了したこともあり、景らの援護に戻ろうと急ぐ。
『珊野さん、そっちはどんな状況?』
『部長と冠原先輩が、生徒会とスタンプラリー同好会と交戦中です。雪葵くんが戻るなら、私が出ましょうか?』
雪葵が援護に向かうより、陣地で待機している美瑚が向かった方が早く現地に着くだろう。景たちが今どれくらい危機的状況なのかによっては、それも選択肢の一つとなってくる。
『ごめん、今回持ち込んでる“祈祷”って、何だったっけ?』
『えっと、“脱兎”と“夢蝶”です』
美瑚のポジションは“祈祷師”。フェーズ開始前に二種類の祈祷を選択し、そのフェーズの中で決まった回数だけ、選択した祈祷のうちどちらかを使用することができる。
ただし使用には代償があり、自らの核の耐久値を1層消費し、チームの士気も下げてしまう。
美瑚が今回選択した“脱兎”は三分間AGI――すなわち敏捷性を上昇させ、“夢蝶”は一分間燃料の消費をせずにアビリティを使用できる。アビリティも使い放題ではなく、個人のステータスによって決まった燃料を消費している。この消費がないということは、実質的にほぼ無制限でアビリティを使えることに等しい。
『ありがとう。じゃあ、珊野さんが向かってくれる? 離れたところから援護する形がいいかな。残り時間を考えると、祈祷はもう発動させても良いと思う。使用するのは、“脱兎”の方で』
『わかりました~。じゃあ、行ってきますね』
『うん、気を付けて』
この通信の直後、美瑚が祈祷を発動したらしく、雪葵の身体が軽くなる。視界の隅にもしっかり発動中のバフ効果として“祈祷:脱兎”の文字が見える。
“脱兎”を指示したのは、美瑚が現地に到着するまでの時間が早くなること、その援護として雪葵がバックアップ地点に到着する時間が早くなること、そして景と粕久の戦術を考えれば、アビリティを使い放題になるよりも敏捷性が上がった方がメリットがあると考えたからだ。
(どうにか間に合うといいけど……)
雪葵はこの時、スタンプラリー同好会の他のメンバーの動向を考慮していなかった。
景のいる戦場に主力メンバーがいること、リラが既に討伐されていることを考えれば、戦力としてはほとんど無視できると判断したため、無意識に思考から除外していたのだ。
控室からは、各チームメンバーの視点カメラの映像と全体音声通信の受信しかできない。出番を待っている間は、試合の流れや状況を把握することしかできず、夏灯の方から何か働きかけることはできないのだった。
そんな彼女の元へ、討伐されたアイが転送されてくる。討伐されたメンバーは控室に強制転送され、次のフェーズも試合に参加することはできない。こうして出番を待つ夏灯のように、受動的に情報を受け取ることしかできなくなるのだ。
戻ってくるなりふてくされたようにソファに寝転がるアイ。
ぶつぶつと一人で何かをぼやく彼は、見るからに機嫌が悪そうではあったが、夏灯は恐れ知らずにもそんな彼に声をかける。
「おかえりー。早かったね」
「っるせぇな、オレだってこんな早く戻ってくるつもりだったわけじゃねぇよ。鬱陶しいからどっかいけ」
普段通り明るく接してくる夏灯を、アイは荒々しく追い返す。それでもなお、夏灯は強気に、寝転がる彼の足をどかして隣に座る。
「もう、ヤツハラやめてよ」
「はぁ? ヤツハラって何だよ……」
「八つ当たりハラスメント。一番遅く出ていったのに真っ先にやられちゃいました! っていうのできなくなっちゃったじゃん! どうしてくれるの!」
アイはマイペースな夏灯の勢いに呑まれて、よくわからないまま言い返されてしまう。
「いや知らねぇよ……」
「えへへ、ヤツハラしてみたの。虎野くんがやったのと同じことだよ?」
「あー……悪かったよ」
やり返されて自分の言動を顧みたアイは、身体を起こして素直に謝罪する。
夏灯はそれほど気にしていなかったが、アイの悪いところはちゃんと叱って徹底的に直させるよう、美瑚からも言われていた。これでちゃんと叱れているかはわからなかったが、アイ自身が自身の言動を反省して謝罪してくれたのだろうから、上手くできたのだろうと思った。
「まあでも、自爆体質なんてツイてなかったねー」
「結果として相手の主力をほとんど巻き添えにできたんだ。プラマイで言えばプラスだろ」
実際のところ、手数の多さで勝負するアイにとって、自爆体質は最も厄介なアビリティだった。
残りの核が10%に達した時点で自爆してしまうので、自爆を回避するには残り11%の時点で、一撃でその11%分を削り切る必要がある。それには愛が放ったような強力な攻撃や、複数のアビリティを同時使用して一撃の威力を高めた攻撃が必要になる。
アイにはそれができないからこそ、愛の砲撃を防げていたとしても、今回はあのドラゴンを討伐することは叶わなかったのだ。
「結果的にはねー。でもまた部長の指示無視したから怒られるよ? コメントでも叩かれてないといいけど……」
試合中、出場選手は配信動画を確認できず、動画に付いたコメントも確認できない。アイの独断行動は賛否両論あることが多いが、否定的な意見がやや多く、コメント欄が荒れることも珍しくなかった。
「ちゃんと討伐二つ取っただろ。何でだよ」
アイとしては、自分の行動は正しかったと思っていたし、何度か“竜殺し”のポジションを経験したこともある夏灯ならそれをわかってくれると思っていた。しかしそれが正しい行動だったと夏灯は思っていないような口ぶりで、アイは少しの動揺を見せた。
「わかってないなー、虎野くん。一撃の火力がある愛ちゃんだけどうにかしておいて、あのままウェルさんに自爆するまで攻撃させて、自分はさっさと逃げておけば良かったのに。そしたらみんな勝手にドラゴンの爆発で討伐されて、自分だけ助かるじゃん」
「いや、それこそ結果論だろ。自爆体質だってわかってたらそうしたっつーの」
「あの時点ならわかるでしょ……。他のアビリティっぽい行動してなかったじゃん」
それに気付けるのは恐らく夏灯くらいで、誰にでもできることではないとは思ったが、それでも他に最適解があったとわかり、アイは今さらになって悔しさが湧き上がってくる。
「クソ、だからお前を“竜殺し”にしとけって言ったのに」
「でも虎野くん、美瑚ちゃんか雪葵くんがいないともっと言うこと聞かないから、しょうがないよ」
実際、今の布陣に落ち着いたのは、景も夏灯と同じように考えたからだ。
フェーズⅢからアイを投入するのでは、万が一フェーズⅡまでに美瑚と雪葵が討伐されていたら、アイを制御できなくなってしまう。アイの監視を優先すると、どうしても今の布陣になってしまうのだ。
「うるせぇ。オレにはオレの考えがあんだよ」
やれやれ、と夏灯はため息を吐いて、再び試合に集中することにした。
もうフェーズⅡの残り時間も少なくなってきた。自分の出番が来たら何をするべきなのか、その判断を迷わないようにしたい。夏灯はアイと違い、指示の中で最適な判断ができるようにしなければと思っていた。
一方で、雪葵はドラゴン戦が終了したこともあり、景らの援護に戻ろうと急ぐ。
『珊野さん、そっちはどんな状況?』
『部長と冠原先輩が、生徒会とスタンプラリー同好会と交戦中です。雪葵くんが戻るなら、私が出ましょうか?』
雪葵が援護に向かうより、陣地で待機している美瑚が向かった方が早く現地に着くだろう。景たちが今どれくらい危機的状況なのかによっては、それも選択肢の一つとなってくる。
『ごめん、今回持ち込んでる“祈祷”って、何だったっけ?』
『えっと、“脱兎”と“夢蝶”です』
美瑚のポジションは“祈祷師”。フェーズ開始前に二種類の祈祷を選択し、そのフェーズの中で決まった回数だけ、選択した祈祷のうちどちらかを使用することができる。
ただし使用には代償があり、自らの核の耐久値を1層消費し、チームの士気も下げてしまう。
美瑚が今回選択した“脱兎”は三分間AGI――すなわち敏捷性を上昇させ、“夢蝶”は一分間燃料の消費をせずにアビリティを使用できる。アビリティも使い放題ではなく、個人のステータスによって決まった燃料を消費している。この消費がないということは、実質的にほぼ無制限でアビリティを使えることに等しい。
『ありがとう。じゃあ、珊野さんが向かってくれる? 離れたところから援護する形がいいかな。残り時間を考えると、祈祷はもう発動させても良いと思う。使用するのは、“脱兎”の方で』
『わかりました~。じゃあ、行ってきますね』
『うん、気を付けて』
この通信の直後、美瑚が祈祷を発動したらしく、雪葵の身体が軽くなる。視界の隅にもしっかり発動中のバフ効果として“祈祷:脱兎”の文字が見える。
“脱兎”を指示したのは、美瑚が現地に到着するまでの時間が早くなること、その援護として雪葵がバックアップ地点に到着する時間が早くなること、そして景と粕久の戦術を考えれば、アビリティを使い放題になるよりも敏捷性が上がった方がメリットがあると考えたからだ。
(どうにか間に合うといいけど……)
雪葵はこの時、スタンプラリー同好会の他のメンバーの動向を考慮していなかった。
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