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第71話・旅立ち
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前の世界では友達もいなくて学校にも行かなくなってずっと家にいた。
ゲーム、漫画、アニメの世界に逃げていた。
そんな中の異世界転生。転生なのか、元の姿のままなのかは分からない。この世界に来て俺は鏡を見ていない。怖いから。自分の姿を見るのが怖いから。前の世界の自分を見たら何も出来なくなりそうだから。前の自分になりそうだったから。
見なくても前の世界の記憶はあるから何も変わっていないと言えば変わってないけど。
それでも少しは変わりたい願望が自分を見ない事での願掛け。
だから今の姿も知らないし、名前も分からない。
名前は本当に思い出せない。魔法を得た代償なのか。俺が思い出したくないだけなのか。本当に転生して今は別の名前があるのか。
それは分からない。
それでも俺はこの世界で生きていくしかない。
全てを失ったけど・・・・。
「全てを失ったなんて言わんでやー。ワイがいるやん」
「ジンさん。俺とキスしませんか?」
「おぉ~素敵な申し出やなぁ~♪でもお断りや。ワイはずっとクロちゃんのそばにいたいんでな!」
ダメか。ジンさんをこのままにしちゃうとシンドバッドさん達の願いを叶えられないんだけどなぁ。
俺はグランドを出る事にした。ここでの役目は終わったし、皆んなが目を覚ましたら混乱するし。
4人はまだ寝ている。
あの後異常な魔力を感じたシンドバッドさんが飛んで来て、事の顛末を話した。
4人は別室に寝かせてもらった。4人の記憶は改竄される。
簡単にいうと俺への恋心を向けていた所が都合よくなくなるという感じ。
だから4人の記憶は俺へ想いがない千夜一夜物語を巡る冒険譚になってる訳だ。
何とも都合の良いような感じはするけど。
だから4人が寝てる間に出てしまおうというわけ。
元々魔法が効いたのは4人が俺の事を嫌いだったからで俺がいたらお互いメリットないからね。
しかしまだシンドバッドさん達の願いを叶えてない。
それについては「大丈夫だよぉ。ジンがクロちゃんのそばについてるならいつでも願いは叶えられるって事だしぃ。またクロちゃんがグランドに来てくれた時で大丈夫ぅ」と言ってくれた。
荷物をまとめ(と言ってもシンドバッドさんに旅費をお礼と貰い、カシムさんに旅の道具を貰い、アリババさんに服など一式貰い、モルジアナさんに日持ちする食料を貰った者をまとめてるんだけど)
何から何までお世話になって心も広いなシンドバッドさん達は。
グランドの王宮を出る。
盛大に見送りをしようとしてくれたけど恥ずいので止めてもらった。
見送りに来てくれたはシンドバッドさん、カシムさん、アリババさん、モルジアナさん。
「貴方のおかげ我が主シンドバッド様の夢が叶いました。クロちゃん様の夢もどうか叶いますように」
「旅には気をつけて。まぁ君なら何となくこなしてしまう気がするがな、クロちゃん様」
「じゃあな!俺の料理より美味い都市はないと思うから腹減ったら戻ってこいよ」
「またねクロちゃん。本当にありがとうぅ、きみがいてくれて良かったぁ」
まだ涙が出てきた。さっきとは違うこれは嬉し涙だ。こんな事言われたのは初めてでこういう言葉を素直に受け入れられたのも初めてだ。
「あ、ありがとう・・・ございます!俺の方も皆さんには迷惑ばかりかけて・・・ホント良くしてもらって・・・!」
「泣くなよぉクロちゃん。私も泣いちゃうぞぉ」
「クロちゃん、ワイの胸で泣くとええで」
「いやそれはいい」
涙がスッと引っ込んだ。
「ジン、クロちゃんを頼んだよぉ」
「言われるまでもないなぁ」
「じゃあ行きますね」
「うん。またねぇ」
俺は王宮の正面の門を出る。
ありがとう。シンドバッドさん、カシムさん、アリババさん、モルジアナさん。
・・・・ありがとうバイコさん、アーズさん、アラジンさん、バイオさん。
最後に顔見たかったな。
王宮を背にして俺は歩き始める。
すると背中越しに何か聞こえる。騒がしい。誰か叫んでる?
ゲーム、漫画、アニメの世界に逃げていた。
そんな中の異世界転生。転生なのか、元の姿のままなのかは分からない。この世界に来て俺は鏡を見ていない。怖いから。自分の姿を見るのが怖いから。前の世界の自分を見たら何も出来なくなりそうだから。前の自分になりそうだったから。
見なくても前の世界の記憶はあるから何も変わっていないと言えば変わってないけど。
それでも少しは変わりたい願望が自分を見ない事での願掛け。
だから今の姿も知らないし、名前も分からない。
名前は本当に思い出せない。魔法を得た代償なのか。俺が思い出したくないだけなのか。本当に転生して今は別の名前があるのか。
それは分からない。
それでも俺はこの世界で生きていくしかない。
全てを失ったけど・・・・。
「全てを失ったなんて言わんでやー。ワイがいるやん」
「ジンさん。俺とキスしませんか?」
「おぉ~素敵な申し出やなぁ~♪でもお断りや。ワイはずっとクロちゃんのそばにいたいんでな!」
ダメか。ジンさんをこのままにしちゃうとシンドバッドさん達の願いを叶えられないんだけどなぁ。
俺はグランドを出る事にした。ここでの役目は終わったし、皆んなが目を覚ましたら混乱するし。
4人はまだ寝ている。
あの後異常な魔力を感じたシンドバッドさんが飛んで来て、事の顛末を話した。
4人は別室に寝かせてもらった。4人の記憶は改竄される。
簡単にいうと俺への恋心を向けていた所が都合よくなくなるという感じ。
だから4人の記憶は俺へ想いがない千夜一夜物語を巡る冒険譚になってる訳だ。
何とも都合の良いような感じはするけど。
だから4人が寝てる間に出てしまおうというわけ。
元々魔法が効いたのは4人が俺の事を嫌いだったからで俺がいたらお互いメリットないからね。
しかしまだシンドバッドさん達の願いを叶えてない。
それについては「大丈夫だよぉ。ジンがクロちゃんのそばについてるならいつでも願いは叶えられるって事だしぃ。またクロちゃんがグランドに来てくれた時で大丈夫ぅ」と言ってくれた。
荷物をまとめ(と言ってもシンドバッドさんに旅費をお礼と貰い、カシムさんに旅の道具を貰い、アリババさんに服など一式貰い、モルジアナさんに日持ちする食料を貰った者をまとめてるんだけど)
何から何までお世話になって心も広いなシンドバッドさん達は。
グランドの王宮を出る。
盛大に見送りをしようとしてくれたけど恥ずいので止めてもらった。
見送りに来てくれたはシンドバッドさん、カシムさん、アリババさん、モルジアナさん。
「貴方のおかげ我が主シンドバッド様の夢が叶いました。クロちゃん様の夢もどうか叶いますように」
「旅には気をつけて。まぁ君なら何となくこなしてしまう気がするがな、クロちゃん様」
「じゃあな!俺の料理より美味い都市はないと思うから腹減ったら戻ってこいよ」
「またねクロちゃん。本当にありがとうぅ、きみがいてくれて良かったぁ」
まだ涙が出てきた。さっきとは違うこれは嬉し涙だ。こんな事言われたのは初めてでこういう言葉を素直に受け入れられたのも初めてだ。
「あ、ありがとう・・・ございます!俺の方も皆さんには迷惑ばかりかけて・・・ホント良くしてもらって・・・!」
「泣くなよぉクロちゃん。私も泣いちゃうぞぉ」
「クロちゃん、ワイの胸で泣くとええで」
「いやそれはいい」
涙がスッと引っ込んだ。
「ジン、クロちゃんを頼んだよぉ」
「言われるまでもないなぁ」
「じゃあ行きますね」
「うん。またねぇ」
俺は王宮の正面の門を出る。
ありがとう。シンドバッドさん、カシムさん、アリババさん、モルジアナさん。
・・・・ありがとうバイコさん、アーズさん、アラジンさん、バイオさん。
最後に顔見たかったな。
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