異世界転生してハーレム作れる能力を手に入れたのに男しかいない世界だった

藤いろ

文字の大きさ
71 / 72

第71話・旅立ち

しおりを挟む
前の世界では友達もいなくて学校にも行かなくなってずっと家にいた。 
ゲーム、漫画、アニメの世界に逃げていた。 
そんな中の異世界転生。転生なのか、元の姿のままなのかは分からない。この世界に来て俺は鏡を見ていない。怖いから。自分の姿を見るのが怖いから。前の世界の自分を見たら何も出来なくなりそうだから。前の自分になりそうだったから。 
見なくても前の世界の記憶はあるから何も変わっていないと言えば変わってないけど。 
それでも少しは変わりたい願望が自分を見ない事での願掛け。 
だから今の姿も知らないし、名前も分からない。 
名前は本当に思い出せない。魔法を得た代償なのか。俺が思い出したくないだけなのか。本当に転生して今は別の名前があるのか。 
それは分からない。 
それでも俺はこの世界で生きていくしかない。 
全てを失ったけど・・・・。 
「全てを失ったなんて言わんでやー。ワイがいるやん」 
「ジンさん。俺とキスしませんか?」 
「おぉ~素敵な申し出やなぁ~♪でもお断りや。ワイはずっとクロちゃんのそばにいたいんでな!」 
ダメか。ジンさんをこのままにしちゃうとシンドバッドさん達の願いを叶えられないんだけどなぁ。 
俺はグランドを出る事にした。ここでの役目は終わったし、皆んなが目を覚ましたら混乱するし。 
4人はまだ寝ている。 
あの後異常な魔力を感じたシンドバッドさんが飛んで来て、事の顛末を話した。 
4人は別室に寝かせてもらった。4人の記憶は改竄される。 
簡単にいうと俺への恋心を向けていた所が都合よくなくなるという感じ。 
だから4人の記憶は俺へ想いがない千夜一夜物語を巡る冒険譚になってる訳だ。 
何とも都合の良いような感じはするけど。 
だから4人が寝てる間に出てしまおうというわけ。 
元々魔法が効いたのは4人が俺の事を嫌いだったからで俺がいたらお互いメリットないからね。 
しかしまだシンドバッドさん達の願いを叶えてない。 
それについては「大丈夫だよぉ。ジンがクロちゃんのそばについてるならいつでも願いは叶えられるって事だしぃ。またクロちゃんがグランドに来てくれた時で大丈夫ぅ」と言ってくれた。 
荷物をまとめ(と言ってもシンドバッドさんに旅費をお礼と貰い、カシムさんに旅の道具を貰い、アリババさんに服など一式貰い、モルジアナさんに日持ちする食料を貰った者をまとめてるんだけど) 
何から何までお世話になって心も広いなシンドバッドさん達は。 
グランドの王宮を出る。 
盛大に見送りをしようとしてくれたけど恥ずいので止めてもらった。 
見送りに来てくれたはシンドバッドさん、カシムさん、アリババさん、モルジアナさん。 
「貴方のおかげ我が主シンドバッド様の夢が叶いました。クロちゃん様の夢もどうか叶いますように」 
「旅には気をつけて。まぁ君なら何となくこなしてしまう気がするがな、クロちゃん様」 
「じゃあな!俺の料理より美味い都市はないと思うから腹減ったら戻ってこいよ」 
「またねクロちゃん。本当にありがとうぅ、きみがいてくれて良かったぁ」 
まだ涙が出てきた。さっきとは違うこれは嬉し涙だ。こんな事言われたのは初めてでこういう言葉を素直に受け入れられたのも初めてだ。 
「あ、ありがとう・・・ございます!俺の方も皆さんには迷惑ばかりかけて・・・ホント良くしてもらって・・・!」 
「泣くなよぉクロちゃん。私も泣いちゃうぞぉ」 
「クロちゃん、ワイの胸で泣くとええで」 
「いやそれはいい」 
涙がスッと引っ込んだ。 
「ジン、クロちゃんを頼んだよぉ」 
「言われるまでもないなぁ」 
「じゃあ行きますね」 
「うん。またねぇ」 
俺は王宮の正面の門を出る。 
ありがとう。シンドバッドさん、カシムさん、アリババさん、モルジアナさん。 
・・・・ありがとうバイコさん、アーズさん、アラジンさん、バイオさん。 
最後に顔見たかったな。 
王宮を背にして俺は歩き始める。 
すると背中越しに何か聞こえる。騒がしい。誰か叫んでる? 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様は身バレに気づかない!

みわ
BL
異世界ファンタジーBL 「神様、身バレしてますよ?」 ――暇を持て余した神様、現在お忍び異世界生活中。 貴族の令息として“普通”に暮らしているつもりのようですが、 その振る舞い、力、言動、すべてが神様クオリティ。 ……気づかれていないと思っているのは、本人だけ。 けれど誰も問いただせません。 もし“正体がバレた”と気づかれたら―― 神様は天へ帰ってしまうかもしれないから。 だから今日も皆、知らないふりを続けます。 そんな神様に、突然舞い込む婚約話。 お相手は、聡明で誠実……なのにシオンにだけは甘すぎる第一王子!? 「溺愛王子×お忍び(になってない)神様」 正体バレバレの異世界転生コメディ、ここに開幕!

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

コンビニごと異世界転生したフリーター、魔法学園で今日もみんなに愛されます

ひと息
BL
コンビニで働く渚は、ある日バイト中に奇妙なめまいに襲われる。 睡眠不足か?そう思い仕事を続けていると、さらに奇妙なことに、品出しを終えたはずの唐揚げ弁当が増えているのである。 驚いた渚は慌ててコンビニの外へ駆け出すと、そこはなんと異世界の魔法学園だった! そしてコンビニごと異世界へ転生してしまった渚は、知らぬ間に魔法学園のコンビニ店員として働くことになってしまい・・・ フリーター男子は今日もイケメンたちに甘やかされ、異世界でもバイト三昧の日々です!

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

異世界で孵化したので全力で推しを守ります

のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着最強×人外美人BL

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

悪役キャラに転生したので破滅ルートを死ぬ気で回避しようと思っていたのに、何故か勇者に攻略されそうです

菫城 珪
BL
サッカーの練習試合中、雷に打たれて目が覚めたら人気ゲームに出て来る破滅確約悪役ノアの子供時代になっていた…! 苦労して生きてきた勇者に散々嫌がらせをし、魔王軍の手先となって家族を手に掛け、最後は醜い怪物に変えられ退治されるという最悪の未来だけは絶対回避したい。 付き纏う不安と闘い、いずれ魔王と対峙する為に研鑽に励みつつも同級生である勇者アーサーとは距離を置いてをなるべく避ける日々……だった筈なのになんかどんどん距離が近くなってきてない!? そんな感じのいずれ勇者となる少年と悪役になる筈だった少年によるBLです。 のんびり連載していきますのでよろしくお願いします! ※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムエブリスタ各サイトに掲載中です。

処理中です...