少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ

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イヴ視点25

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ユーリの腕に魔騎士の紋様があった事に驚いた。
ユーリは魔騎士だったのか…でも、俺が今まで見てきた魔騎士の気配とは違った。
ユーリはどんなユーリでも、俺の知っている愛しい人には変わりがない。

そう思っていたのに、なんでこんな事になったんだ。

俺はただユーリが心配で、失いたくなくて…それだけだった。
なのに今のユーリは真っ赤な血を体から流して気絶している。
まるで死んでいるような、その姿を見ると気が狂いそうだ。

傷口はすぐに止血した、ここは体に悪い…別の場所に移動しよう。

裸のままのユーリをシーツで身を包み抱き上げて、血で汚れた部屋を出た。

ユーリの部屋はまだ汚れていて、仕方ないからランドリー室に向かった。
ユーリが起きる前には部屋を掃除して、寝れるようにするから少し辛抱してくれ。

ランドリー室にあるシーツや毛布を引っ張り出してユーリを寝かせる。
布を濡らして丁寧に血を拭う。

「ごめんね、ごめん…」

ユーリは聞いていないのは分かっているが、それでも俺は謝り続けた。
服を着せて、毛布を掛けた。

ユーリの性格からして、俺の死を望むわけがないのは分かっていたのに俺はユーリに求められてると思って舞い上がっていた。
興奮していたのもあったが、冷静に考えていたら分かったのに…

俺の死を望んだ一瞬…ユーリではないなにかの気配を感じた。
俺の命を喰らい、新たな魔騎士になろうとする出来損ないの気配だ。

まさか、呪いに混じってユーリの中に入ってしまったのか?

ユーリの中に俺以外が入る事は絶対に許さない。
ユーリに触れていいのは俺だけだ。

頬を優しく撫でて唇に触れるだけのキスをした。

ユーリの中から追い出すには、俺でユーリを満たせばいい。
誰も入る隙を与えさせないくらい、俺で…

「ユーリ、もし…いつか俺の死を望むなら…俺は」

ユーリを結果的に傷付ける自分が嫌いだ。
でも、ユーリの腕に魔騎士の紋様があった…そうなれば話は違ってくる。

何故ユーリが俺が消した人物の記憶があるのか分かった。
魔騎士の力で存在を消したんだ、紋様だけとはいえユーリに何も影響がないのは少しでもユーリに魔騎士の力があるからだ。
ユーリが消したいと思う記憶を消してあげたいと思っているのに、消してあげられない。
ユーリの記憶に汚物が残るなんて、耐えられない。

それにユーリの紋様はそれだけではない。

俺が自分を殺したらユーリが危険な目に遭う。
今まで俺が魔騎士になりたい奴に命を狙われた時のようにきっとユーリも狙われる。
今まで狙われてきたのもそういう理由だろう。

安全な場所がないわけではない、俺の傍が一番安全だ。
ずっとユーリの傍から離れたくない、ユーリを失うくらいなら騎士団なんてやめたっていい。

でも、ユーリのために続けているこの仕事を辞めたらユーリに幻滅されてしまう。
そんな事ない、ユーリはそんな人じゃない…本当に?そう言い切れる?

心が読めるわけじゃない、ユーリを信じている自分と自分すら信じていない自分がいる。
俺は毎日ユーリに嫌われないように必死なんだ。

かっこ悪くても必死にしがみついて、ユーリを離さないようにしている。

それが、聖騎士だと言われている俺の本当の顔だ。

ユーリはそんな俺を見て、どう思うのかな。

いっぱいかっこ悪いところ見られたから今更なのかな。
さすがに嫌かな…ユーリだってかっこいい男がいいよな。

ユーリから離れて、ランドリー室を出て見渡した。
エントランスは綺麗にしてくれたんだな、天井までは手が届かなかったみたいだ。

黒いシミは一滴一滴に意思がある。
だから表面はきれいにしても、まだそこに沢山いる。
周りを張っていて俺に集まってきた。

「そもそもユーリに逆恨みして呪いなんて掛けなければ、ユーリがこうなる事はなかったんだ…俺達は幸せだったんだ」

ユーリを傷付けた銀の短剣を手にして、自分の手首を傷付けた。
赤い線が一本出来た、ユーリが見たらきっとびっくりする…だからユーリが眠っていて良かった。
手首から大量の血が溢れてきた。

通常ならそんなに血が出る場所ではない、でも呪いには呪いで消さなくては…

こんな薄汚いものじゃなくて、俺の血でユーリを守りたい。

血は黒くなり、壁や天井…床に伸びていき真っ暗な空間にする。

これで最後だ、呪いを掛けた者ももう居ない…ユーリになにかするなら俺が最も苦しい方法で存在全て消してあげる。

しばらくしたら、ランドリー室のドアが開いて俺を呼ぶ声が聞こえた。
俺は寝起きでボーッとしているユーリに微笑んだ。

ユーリ、君は何も知らなくていいからね…俺が全部してあげるから…

だから俺から離れようなんて考えないでね。
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