クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン

文字の大きさ
22 / 51

第22話 襲撃

 翌朝、ベットの中で睡魔のまどろみに浸りながら惰眠を貪っていた時、庭から何か衝撃音が聞こえた。
 俺は眠たい目をこすりながら、2階の窓から庭の様子を観察する。
 すると、そこには気絶して倒れているフェリシアの姿があった。
 傍らには笑みを浮かべ、フェリシアにとどめを刺そうとしているノラの姿がある。

 ノラは目の白目部分が真っ黒に染まっていておかしい。
 もしかして誰かに操られているのか?

「フェリシア!」

 俺は短剣を手に、2階から飛び降りる。
 くそっ、地面に降りるまでの1分1秒が惜しい。
 着地の瞬間、地を蹴り、一足でノラの元へ到着して、彼女が振り下ろそうとしている剣を防ぐ。
 
 剣同士が激しく弾き合う音が周囲に反響する。

「…………一体、なんの真似でございますか?」
「それはこっちの台詞だ、フェリシアに何をした! 昨日の殺気はやはりあんただな!?」

 ノラはその歳と体格からは信じられないような力で俺を弾き飛ばす。
 
「ふぉっふぉっふぉ。そんなにフェリシアが大切かい? こんな小娘、貴族の威を借りて偉そうにしてるだけだろう!」
「違う、そんなことはない! フェリシアはちゃんと立派に騎士として頑張ってる!」

 ノラが横薙ぎに剣を振ると、そこから剣撃波がここまで到達する。
 俺は咄嗟にかがんでそれを避ける。

「へぇ、今のよく躱したねぇ」

 気がつくとノラは俺のすぐ横まで来ている。そのスピードに俺はぎょっとする。
 なんだこの婆さん。俺が今まで対峙した人間の誰よりも早いぞ。

「じゃあこれはどうだい?」

 真理洞察トゥルースビジョンを使ってノラを調べようとするが、間に合わない。
 ノラから一気に凄まじい手数の剣撃が、上下左右あらゆる方向から俺に加えられる。

 はたから見れば目にも止まらぬ連撃――なのだろうが、俺には通用しない。
 俺は短剣をノラが持つ剣の鍔に当てて、彼女の手から剣を離れさせる。

「んなっ!?」

 驚愕するノラ。
 俺は宙に上がった剣を手に取る。
 その剣には見覚えのある紋章が刻まれてあった。

「あれ? この紋章……」
「知ってるのかい私の剣を?」
「うん? ああ」

 余裕が生まれたので、俺はノラのレベルを調べて衝撃を受ける。
 彼女はレベルが120を超えていたのだ。ランクで言えばSSからSSS級だろう。
 国でも、いや世界的に見ても数人レベルの強者だ。

 それがなんでこんな所でメイド長なんかを?
 いや、フェリシアを襲っていた所からそれは仮面だったのか?
 単に操られているだけなのか?

 様々な思考が頭の中を駆け巡るその時――

「フェリシアのことがそんなに大切かい?」

 ノラはいつの間にか手にした短剣をフェリシアの首筋に当てていた。
 しまった! もう武器はないと油断していた……。

「大切だ」
「どうして大切なんだい?」
「どうして? どうしてって……誠実に頑張ってるところを見ると応援したくなるだろ?」
「お前、それだけの理由で私に向かってきたのかい?」
「それだけって、十分な理由じゃないか!」
「どこが! こんな傲慢な貴族の娘、生きてる価値なんざないよ!!」
「フェリシアのどこが傲慢なんだ! 可愛いじゃないか!!」
「……可愛い? ふん、こんな傲慢な女の一体どこが可愛いって言うのさ!」

 そこで首筋当てられた短剣が更に強く押し付けられる。
 くそっ、フェリシアを少しでも傷つけたらタダじゃおかないぞ!

「最初はプライドが高くて生意気な女だと思ってたさ。だけど打ち解けてみると誠実だし、素直で可愛い性格をしてるじゃないか! あんたメイドとしてフェリシアにそれなりに長い間、仕えてるんだろう。そんなことも分からないのか!? 彼女みたいに性格の可愛い女の子を俺は中々みたことがないぞ! それに、顔だって可愛いし、スタイルもいい。あんたのフェリシアへの罵倒は偏見と憎悪から来る歪んだものだ!!」

 ノラは俺の返答を受けて、フェリシアの首元から短剣を引く。

「だそうです、お嬢様」
 
 彼女からはさっきまで発していた殺気が嘘のように消えていた。

「は?」

 俺はノラの言葉とフェリシアの姿を見て思わず声を上げる。
 フェリシアは依然として喋らなかったが、その顔はいつの間にか真っ赤に染まっていた。
 狸寝入りは明白だったのだ。
感想 5

あなたにおすすめの小説

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!