クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン

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第40話 情報収集

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「やっぱ帝都よりは少し落ちるな」

 見晴らしのいい丘に建っている喫茶店で王都を見渡しながら俺は一人つぶやいた。
 エスペリア王国の王都なので栄えてはいるが、世界一とも言われるライツ帝国の帝都と比べると規模はやはり小さい。
 
 聞き込みをしてみたが情報統制をしているらしく、驚くほど異世界召喚のことは一般市民には知られていなかった。
 噂程度では広まってはいたがみな確証には至らず、参考になるような情報はない。
 このままでは全く成果なしで終わる可能性もある。

 王城に務める兵士など締め上げれば何かしらの情報が出てくるだろう。
 だが、あまり悪目立ちはしたくない。
 何かいい手はないだろうかと考えていた時、冒険者ギルドで聞いてみると情報屋という存在がいることを知った。
 前金を幾らか払い、指定された喫茶店で待っている最中であった。

 少し冷めてきている紅茶を口にする。
 その時、見知らぬ女が声をかけてきた。

「あなたがユウ?」

 声をかけらせそうになった時は一瞬、逆ナンかなという希望も湧いたが、そんな訳はなかった。
 彼女が情報屋なのだろう。

「うん、そうだけど」
「ここ座らせてもらうわね」

 女性は俺に相対する席へと座り、ウェイターに注文を済ませる。

「それで聞きたいってなんのこと?」
「異世界召喚について」

 俺が単刀直入にその問いかけをすると、ポーカーフェイスの女性の眉がピクッと動いた。

「……それを知ることはあなたにもリスクが生じるけどいい?」
「構わない」

 なにせ当事者だ。

「したみたいよ。禁忌の2回目のそれを。今は召喚された異世界人たちは訓練を終えて、ヴァレンティン王国との国境付近に続々と展開されているらしいわ」
「国境付近? なんでそこに?」
「この国とヴァレンティン王国の因縁を知らないの?」

 俺は黙って頷く。すると彼女はその因縁について教えてくれた。

「じゃあ、戦争の為にそこに展開されてるっていうことか?」
「ご明答。まず間違いなくね。電撃的に展開されて、今度は全面戦争になると思うわ。人が多く死ぬわよ」
「それはいつぐらいだ?」
「うーん、おそらくこの1ヶ月以内」
「そんなにすぐ?」
「逆に長引かせる理由はないわ。情報が漏洩するリスクが増すだけだもの。ヴァレンティン王国もすでに感づいて、色々動いてるみたいだし」

 エスペリア王国とヴァレンティン王国の因縁などは知ったことではなかった。
 戦争をしたいならすればいい。だが、一部のクラスメイトたちへの復讐の機会が無くなるのは困る。
 なんとかできないか……。

「その戦争は回避できたりは?」
「……無理でしょうね。エスペリア王はヴァレンティン王国との戦争の為に、また禁忌の異世界召喚をしたのでしょうし」
「エスペリア王がいなくなれば回避はできるって訳か」
「それはそうだけど……滅多なことを言わない方がいいわよ」
「まあ、俺はあくまで可能性の話を述べただけだよ……。後、異世界人ってこの王都にまだ残ってたりしないのか?」
「まだ何人かいるみたいね。…………そのうちの一人の居場所を紹介できるけど?」

 彼女は顔を傾けながら疑問形で答える。
 
「追加って訳だな。いくらだ?」

 彼女は指1本立てる。
 金貨1枚ということだろう。
 結構高いが、俺はすぐさま金貨1枚を支払う。

「あの辺りにバーがあるんだけど」

 俺は彼女が指差す方向を記憶する。

「なんかそこで一人、働いてるみたいよ」
「バーで? なんで?」
「さあ? 名前はユウダイよ」

 ユウダイ……ユウダイ…………田中雄大か。
 確か元世界でも詳しくは知らないけど、バーとかで働いていたはずだ。
 そういうところで働くのが好きなのだろうか。

 日は沈みかけ、夕焼けは王都を赤く染めはじめていた。

「この時間だったらもうバーは開いてるはずよ。ユウダイが今日も働いてるかは不明だけど」
「早速行ってみる。情報ありがとう」
「どういたしまして」

 彼女は素敵な笑顔を浮かべる。
 こんな機会じゃなければデートにでも誘いたいものだと思った。
 が、そこでフェリシアの顔がなぜか浮かぶ。

「どうしたの?」
「いや、なんでもない。じゃあ」

 俺は喫茶店を出て、バーに向かった。
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