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第21話 邂逅
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「……う、ううん……こ、ここは……?」
「お、目が覚めたか」
「君は……? ここはどこだ?」
オレはベッドの上で目を覚ましたその男性の顔を一緒にいたケルちゃん、アメジストと共に見つめる。
「ここはオレの館です。すぐ近くには街と村があります」
「館? 街と村? だが、ここは何もない無平原のはずだが……? それに確かオレは平原をわたっていたはずだが……」
男性は困惑した様子を見せる。
そんな彼にオレは事情を説明する。
「確かにあなたは平原を移動していました。ですが、途中で力尽きて気を失ったのです。そこを通りかかったオレ達がたまたま見つけて、ここに運んだのです」
「なるほど、そういうことだったのか……。それならば礼を言わなければな。感謝する」
男性はオレの話に納得し頭を下げる。
しかし、その後、ベッドから立ち上がるとなにやら慌てた様子で自分の腰をまさぐる。
「!? すまない、君! 私の腰にあったバッグを知らないか!? その中に重要なものが入っているのだが……!」
「バッグならそちらにありますよ」
慌てる男性にアメジストが冷静に答える。
少し離れた机の上に男性が持っていた荷物を置いており、それを見るやいなやすぐさま男性はそれを手に取り、中身を確認し安心した様子を見せる。
「……よかった。すまない、慌ただしい姿を見せて」
「いえ、それよりもその中身、よっぽど重要なものなんですね」
何気ないオレの質問に対し、男性は深刻な表情を浮かべて頷く。
「……ああ。これは我が国を救うための道しるべなんだ」
「道しるべ?」
思わぬセリフにオレもケルちゃんもアメジストも思わず首をかしげるが、それを見て男性が慌てた様子で否定する。
「いや、今のはもののたとえだ。気にしないでくれ!」
「はあ?」
まあ、気にするなというのなら追求はやめておこう。
とりあえず、男性の体が無事なようで安心した。とは言え、まだ弱った様子に変わりはないため、オレはアメジストにに用意させた食事を男性に運ぶよう指示する。
すぐさまアメジストがキッチンへと移動し、そこからワゴンに乗せた料理をこの部屋へと運んでくる。
「ずっと気を失っていてお腹が空いているでしょう。よければ、こちらをお食事ください」
「いや、しかし、見ず知らずの君達にそこまでしてもらうわけには……」
と、断る男性であったが、料理を隠していた蓋を取ると、そこからは香ばしい匂いが漂い、そこに用意された豪華絢爛な料理を見ると男性の表情が変わった。
「こ、これは……!? こ、こんな豪勢な料理を本当にいいのかね!?」
「ええ、遠慮せずにどうぞ」
笑顔で勧めるオレに対し、男性は僅かに躊躇するが、目の前に並んだ料理を前にゴクリと唾を飲み込むと、そのままフォークを片手に目の前の分厚いステーキを口に入れていく。
「!? う、美味い! なんだ、この肉は!? いや、調理法も並みの者によるものではない!? い、一体どのようなコックを雇っているのですか!?」
「いやー、うちはコックは雇っていなくて。ここにいるメイドのアメジストとあとはケルちゃんに家事を任せています」
「そ、そちらの少女二人がこれを料理したのかね……!?」
「正確にはこっちのアメジストですが」
オレの紹介にアメジストはちょっと照れた様子で頷く。
あと少女じゃなく少年です。と心の中で付け足す。
しかし、そんなオレの心の声が聞こえるわけはなく、男性は信じられないといった表情でオレとアメジスト、更にはケルちゃんを見比べる。
「驚いた……。こんな何もない平原に君達のような人がいるとは……そういえば先ほど街や村があると言っていたが、それは本当なのかい?」
「ええ、どちらもまだ発展途上ですけど」
オレ返答に男性は考え込むような仕草をする。
「……よければでいいのだが、あとでその村や街を見せてもらってもいいかな?」
男性からの問いにオレはアメジストやケルちゃんを見るが、二人共オレに任せるといった表情をし、それを受けてオレは男性の方を振り向く。
「構いませんよ。その料理を食べた後にでも案内しますよ」
「本当か? 助かる。それではぜひお願いするよ」
そう言って男性は目の前の料理を美味しそうに平らげるのであった。
「お、目が覚めたか」
「君は……? ここはどこだ?」
オレはベッドの上で目を覚ましたその男性の顔を一緒にいたケルちゃん、アメジストと共に見つめる。
「ここはオレの館です。すぐ近くには街と村があります」
「館? 街と村? だが、ここは何もない無平原のはずだが……? それに確かオレは平原をわたっていたはずだが……」
男性は困惑した様子を見せる。
そんな彼にオレは事情を説明する。
「確かにあなたは平原を移動していました。ですが、途中で力尽きて気を失ったのです。そこを通りかかったオレ達がたまたま見つけて、ここに運んだのです」
「なるほど、そういうことだったのか……。それならば礼を言わなければな。感謝する」
男性はオレの話に納得し頭を下げる。
しかし、その後、ベッドから立ち上がるとなにやら慌てた様子で自分の腰をまさぐる。
「!? すまない、君! 私の腰にあったバッグを知らないか!? その中に重要なものが入っているのだが……!」
「バッグならそちらにありますよ」
慌てる男性にアメジストが冷静に答える。
少し離れた机の上に男性が持っていた荷物を置いており、それを見るやいなやすぐさま男性はそれを手に取り、中身を確認し安心した様子を見せる。
「……よかった。すまない、慌ただしい姿を見せて」
「いえ、それよりもその中身、よっぽど重要なものなんですね」
何気ないオレの質問に対し、男性は深刻な表情を浮かべて頷く。
「……ああ。これは我が国を救うための道しるべなんだ」
「道しるべ?」
思わぬセリフにオレもケルちゃんもアメジストも思わず首をかしげるが、それを見て男性が慌てた様子で否定する。
「いや、今のはもののたとえだ。気にしないでくれ!」
「はあ?」
まあ、気にするなというのなら追求はやめておこう。
とりあえず、男性の体が無事なようで安心した。とは言え、まだ弱った様子に変わりはないため、オレはアメジストにに用意させた食事を男性に運ぶよう指示する。
すぐさまアメジストがキッチンへと移動し、そこからワゴンに乗せた料理をこの部屋へと運んでくる。
「ずっと気を失っていてお腹が空いているでしょう。よければ、こちらをお食事ください」
「いや、しかし、見ず知らずの君達にそこまでしてもらうわけには……」
と、断る男性であったが、料理を隠していた蓋を取ると、そこからは香ばしい匂いが漂い、そこに用意された豪華絢爛な料理を見ると男性の表情が変わった。
「こ、これは……!? こ、こんな豪勢な料理を本当にいいのかね!?」
「ええ、遠慮せずにどうぞ」
笑顔で勧めるオレに対し、男性は僅かに躊躇するが、目の前に並んだ料理を前にゴクリと唾を飲み込むと、そのままフォークを片手に目の前の分厚いステーキを口に入れていく。
「!? う、美味い! なんだ、この肉は!? いや、調理法も並みの者によるものではない!? い、一体どのようなコックを雇っているのですか!?」
「いやー、うちはコックは雇っていなくて。ここにいるメイドのアメジストとあとはケルちゃんに家事を任せています」
「そ、そちらの少女二人がこれを料理したのかね……!?」
「正確にはこっちのアメジストですが」
オレの紹介にアメジストはちょっと照れた様子で頷く。
あと少女じゃなく少年です。と心の中で付け足す。
しかし、そんなオレの心の声が聞こえるわけはなく、男性は信じられないといった表情でオレとアメジスト、更にはケルちゃんを見比べる。
「驚いた……。こんな何もない平原に君達のような人がいるとは……そういえば先ほど街や村があると言っていたが、それは本当なのかい?」
「ええ、どちらもまだ発展途上ですけど」
オレ返答に男性は考え込むような仕草をする。
「……よければでいいのだが、あとでその村や街を見せてもらってもいいかな?」
男性からの問いにオレはアメジストやケルちゃんを見るが、二人共オレに任せるといった表情をし、それを受けてオレは男性の方を振り向く。
「構いませんよ。その料理を食べた後にでも案内しますよ」
「本当か? 助かる。それではぜひお願いするよ」
そう言って男性は目の前の料理を美味しそうに平らげるのであった。
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