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第7話 スキルの謎
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「ひとまず色々と整理しないとな」
ホープスから離れたオレは領主の館で得た情報と、あの領主から受け取った聖皇教の教典を読みながら、この時代についての考察をする。
この教典によると『四聖皇』が魔王を倒して、この世界に平和をもたらしたのは百五十年前と記してある。
このことからオレがスキル『睡眠』で眠りに就いた時間は百五十年以上は確定だ。
そして、当時この世界を救った四人の異世界からの転移者、英雄は『四聖皇』としてこの世界にて神のような存在となり人々の生活を見守っているようだ。
この神になったというのが具体的にどういうことなのかはわからない。
文字通りの意味なのか、それともなんらかのスキル、あるいはレベルが関係しているのか?
こればかりは今の手がかりではわからない。
またオレや湊達の名前が魔王、大罪人として記されているのも謎だ。
いずれにしろ、今は聖都を目指すしかない。
幸いと言うべきか教典にはオレの名前は載っているが、具体的にどんな姿形かは一切書かれていない。
つまりオレ自身が斑鳩(いかるが)真人(まさと)を名乗らない限りは襲われる心配はなさそうだ。
となると今のうちに偽名でも考えるか……。
その時、ふとオレは自分のステータス画面を覗き、あることに気づく。
「そうだ、スキルポイント。今なら色んなスキルを入手できるじゃないか」
そのことに気づいたオレは始めてこの世界に転移してきた時のことを思い出す。
◇ ◇ ◇
「こ、ここは……?」
「城? なんでこんなところにオレ達が?」
「お、お兄ちゃん? それに真人さんに壮一さんも?」
「ここはどこでござるか?」
「おお! これは勇者様! お待ちしておりました!」
そう言ってオレ達を歓迎したのはいかにもファンタジー世界の王様のような人物。
彼はオレ達にこの世界のことを説明してくれた。
と、言ってもその説明はオレや花澄にとって、もはや定番と呼べるものであった。
この世界では魔王と呼ばれる存在が現れ、世界を混乱に陥っている。その魔王を倒すべくオレ達を異世界より召喚したという。
なぜオレ達をわざわざ召喚したのかと問うと、
「それはこの世界とは異なる次元の者を召喚した際、その者達には『固有スキル』と呼ばれるものが授けられるからです」
『固有スキル』。これがいわゆるオレが持つ『睡眠』であった。
固有スキルとはその名のとおり、その人物にしか備わらない世界で一つだけのスキル。
この世界とは異なる世界より呼び出された者にだけ、そのスキルが備わるという。
王様いわく、それはこの世界を管理する『女神』と呼ばれる存在からの祝福であり、固有スキルは既存のどんなスキルよりも強力であり、だからこそオレ達のような転移者でなければ魔王を倒せないという。
その後は王様からの懇願や周りの人達からの必死の頼みで、湊、花澄、壮一達が了承し、オレもそんな彼らの意見に同意することとなった。
思えば昔から湊達は困っている人達に手を伸ばすお人好しであった。
だからこそ、彼らは誰にでも好かれ、そして、オレもまたそんな彼らが大好きであり、誇りに思っていた。
ただ五人目として召喚された春日(かすが)俊(しゅん)だけはあまり乗り気ではなかったが、王様から「魔王を倒した際はどのような願いも女神様の権能にて叶えられます」という言葉で仕方なく頷いていた。
「それで王様。固有スキルってのはわかったんですが、それとは別にスキルってのもあるんですよね? それの違いってなんですか?」
「おお、よくぞ聞いてくれました」
王様によるとスキルというのはレベルが上昇した際に入手できる『スキルポイント』を使って様々なスキルを入手できるらしい。
たとば『剣術』などもスキルとして存在し、これを取得、さらにレベルなどを上げれば、ただの剣の一振で山を砕き、海をも割くことが可能になるとか。
無論、そこまでの力を引き出すには相当のポイントが必要らしい。
スキルの種類は数百種類以上あり、この世界の住人もその全ては把握できていないらしい。
ただ、それでもやはり『固有スキル』をポイントで取得することは不可能らしい。
「ってことはまずはどんなスキルがあって、どんな風に取得するかが重要だね……。ぱっと見た感じ、これって多分、いくつかのスキルを取得した際、別のスキルが取得可能になるパターンもありそうだよ。となると序盤はそのポイントを稼ぐことに集中して……」
「はは、また花澄のガチモードが入っちゃったよ」
「あわわ、ご、ごめんなさい~」
「にしてもステータスにレベル、それにポイントにスキルって……異世界っていうよりまるでゲームの世界みたいだなー」
「そ、そうだね、私も思ったよ。でも最近の異世界ものってそういうデータ系も多くなってきたし、ここもそういう世界なんじゃないのかな?」
「はは、だねー」
そう言ってこういう知識に秀でているオレと花澄が雑談していると、それを耳にした俊がボソリと呟いた。
「……どうだろう……多分、それ逆かも……」
「え? どういう意味だ、それ?」
思わずオレが反応すると俊がビクリとしたのを思い出した。
というよりも、オレが彼と話したのはそれが最初だった。
しかし、呼び出された当初から警戒心の強かった俊はオレのその問いかけに答えることなく「な、なんでもない……」とごまかして、結局その話題はそこでそのまま終わった。
◇ ◇ ◇
「……今にして思えば、あの時もっとあいつと話すべきだったか……」
と、オレは今や遠い過去となったその記憶を思い出す。
あの時、俊が何を思い、何を言いかけたのか。そして、彼ともっと絆を育んでいれば、今とは違う結果になったのか?
そんな考えが頭をよぎるが、オレは今はそのことはあとにしてステータス画面を開き、スキル一覧を開く。
そこには無数の未取得のスキルが並んでいる。
「花澄の提案で序盤は安易にスキルを取らずにポイントが貯まってから取ろうって話だったから、まだオレもスキルはほとんど未取得だな」
かろうじてオレが取得しているのは『剣術LV1』と『炎魔法LV1』『回復魔法LV1』だ。
一部のスキルにはこのようにレベルが存在し、最高は10という。
レベル999のおかげでスキルポイントは10000。ぶっちゃけ取れないスキルはない状態だ。
これだけポイントが余っておいて使わない手はない。しかも、これから『四聖皇』のいる聖都に乗り込むんだ。準備は万端にしておくべきだろう。
オレはいくつか悩みつつも、とりあえず手持ちのスキルのレベルを最大の10まで上げる。
問題はこのあと、何のスキルを取るかだ。
花澄がいれば、優先的に取得するべきスキルを教えてくれるんだろうが……ここはじっくり考えるしかない。
とりあえず『格闘術』もLV10まで取得しよう。
さっきの領主戦でもとっさの戦闘では格闘術が一番頼りになる。というか、格闘術がない状態でも素のパワーだけで圧倒できたしな。やはりLV999は伊達ではない。
他にはスキル『鑑定』、あとは『感知』スキルも取っておくか。
そうしてそれらのスキルを取得した瞬間、オレの耳に少女の叫び声が聞こえた。
ホープスから離れたオレは領主の館で得た情報と、あの領主から受け取った聖皇教の教典を読みながら、この時代についての考察をする。
この教典によると『四聖皇』が魔王を倒して、この世界に平和をもたらしたのは百五十年前と記してある。
このことからオレがスキル『睡眠』で眠りに就いた時間は百五十年以上は確定だ。
そして、当時この世界を救った四人の異世界からの転移者、英雄は『四聖皇』としてこの世界にて神のような存在となり人々の生活を見守っているようだ。
この神になったというのが具体的にどういうことなのかはわからない。
文字通りの意味なのか、それともなんらかのスキル、あるいはレベルが関係しているのか?
こればかりは今の手がかりではわからない。
またオレや湊達の名前が魔王、大罪人として記されているのも謎だ。
いずれにしろ、今は聖都を目指すしかない。
幸いと言うべきか教典にはオレの名前は載っているが、具体的にどんな姿形かは一切書かれていない。
つまりオレ自身が斑鳩(いかるが)真人(まさと)を名乗らない限りは襲われる心配はなさそうだ。
となると今のうちに偽名でも考えるか……。
その時、ふとオレは自分のステータス画面を覗き、あることに気づく。
「そうだ、スキルポイント。今なら色んなスキルを入手できるじゃないか」
そのことに気づいたオレは始めてこの世界に転移してきた時のことを思い出す。
◇ ◇ ◇
「こ、ここは……?」
「城? なんでこんなところにオレ達が?」
「お、お兄ちゃん? それに真人さんに壮一さんも?」
「ここはどこでござるか?」
「おお! これは勇者様! お待ちしておりました!」
そう言ってオレ達を歓迎したのはいかにもファンタジー世界の王様のような人物。
彼はオレ達にこの世界のことを説明してくれた。
と、言ってもその説明はオレや花澄にとって、もはや定番と呼べるものであった。
この世界では魔王と呼ばれる存在が現れ、世界を混乱に陥っている。その魔王を倒すべくオレ達を異世界より召喚したという。
なぜオレ達をわざわざ召喚したのかと問うと、
「それはこの世界とは異なる次元の者を召喚した際、その者達には『固有スキル』と呼ばれるものが授けられるからです」
『固有スキル』。これがいわゆるオレが持つ『睡眠』であった。
固有スキルとはその名のとおり、その人物にしか備わらない世界で一つだけのスキル。
この世界とは異なる世界より呼び出された者にだけ、そのスキルが備わるという。
王様いわく、それはこの世界を管理する『女神』と呼ばれる存在からの祝福であり、固有スキルは既存のどんなスキルよりも強力であり、だからこそオレ達のような転移者でなければ魔王を倒せないという。
その後は王様からの懇願や周りの人達からの必死の頼みで、湊、花澄、壮一達が了承し、オレもそんな彼らの意見に同意することとなった。
思えば昔から湊達は困っている人達に手を伸ばすお人好しであった。
だからこそ、彼らは誰にでも好かれ、そして、オレもまたそんな彼らが大好きであり、誇りに思っていた。
ただ五人目として召喚された春日(かすが)俊(しゅん)だけはあまり乗り気ではなかったが、王様から「魔王を倒した際はどのような願いも女神様の権能にて叶えられます」という言葉で仕方なく頷いていた。
「それで王様。固有スキルってのはわかったんですが、それとは別にスキルってのもあるんですよね? それの違いってなんですか?」
「おお、よくぞ聞いてくれました」
王様によるとスキルというのはレベルが上昇した際に入手できる『スキルポイント』を使って様々なスキルを入手できるらしい。
たとば『剣術』などもスキルとして存在し、これを取得、さらにレベルなどを上げれば、ただの剣の一振で山を砕き、海をも割くことが可能になるとか。
無論、そこまでの力を引き出すには相当のポイントが必要らしい。
スキルの種類は数百種類以上あり、この世界の住人もその全ては把握できていないらしい。
ただ、それでもやはり『固有スキル』をポイントで取得することは不可能らしい。
「ってことはまずはどんなスキルがあって、どんな風に取得するかが重要だね……。ぱっと見た感じ、これって多分、いくつかのスキルを取得した際、別のスキルが取得可能になるパターンもありそうだよ。となると序盤はそのポイントを稼ぐことに集中して……」
「はは、また花澄のガチモードが入っちゃったよ」
「あわわ、ご、ごめんなさい~」
「にしてもステータスにレベル、それにポイントにスキルって……異世界っていうよりまるでゲームの世界みたいだなー」
「そ、そうだね、私も思ったよ。でも最近の異世界ものってそういうデータ系も多くなってきたし、ここもそういう世界なんじゃないのかな?」
「はは、だねー」
そう言ってこういう知識に秀でているオレと花澄が雑談していると、それを耳にした俊がボソリと呟いた。
「……どうだろう……多分、それ逆かも……」
「え? どういう意味だ、それ?」
思わずオレが反応すると俊がビクリとしたのを思い出した。
というよりも、オレが彼と話したのはそれが最初だった。
しかし、呼び出された当初から警戒心の強かった俊はオレのその問いかけに答えることなく「な、なんでもない……」とごまかして、結局その話題はそこでそのまま終わった。
◇ ◇ ◇
「……今にして思えば、あの時もっとあいつと話すべきだったか……」
と、オレは今や遠い過去となったその記憶を思い出す。
あの時、俊が何を思い、何を言いかけたのか。そして、彼ともっと絆を育んでいれば、今とは違う結果になったのか?
そんな考えが頭をよぎるが、オレは今はそのことはあとにしてステータス画面を開き、スキル一覧を開く。
そこには無数の未取得のスキルが並んでいる。
「花澄の提案で序盤は安易にスキルを取らずにポイントが貯まってから取ろうって話だったから、まだオレもスキルはほとんど未取得だな」
かろうじてオレが取得しているのは『剣術LV1』と『炎魔法LV1』『回復魔法LV1』だ。
一部のスキルにはこのようにレベルが存在し、最高は10という。
レベル999のおかげでスキルポイントは10000。ぶっちゃけ取れないスキルはない状態だ。
これだけポイントが余っておいて使わない手はない。しかも、これから『四聖皇』のいる聖都に乗り込むんだ。準備は万端にしておくべきだろう。
オレはいくつか悩みつつも、とりあえず手持ちのスキルのレベルを最大の10まで上げる。
問題はこのあと、何のスキルを取るかだ。
花澄がいれば、優先的に取得するべきスキルを教えてくれるんだろうが……ここはじっくり考えるしかない。
とりあえず『格闘術』もLV10まで取得しよう。
さっきの領主戦でもとっさの戦闘では格闘術が一番頼りになる。というか、格闘術がない状態でも素のパワーだけで圧倒できたしな。やはりLV999は伊達ではない。
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