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第23話 巫女と海水浴とハプニングと
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「わ~~い! 海だ~! すご~い! 青い~! 綺麗~! 冷たい~!」
馬車に乗り、聖都を出てからしばらく。
オレとシュリ、そしてアリアを乗せた馬車は港町ルーブスへと到着した。
そこは海に面した街であり、船の出港の他に浜辺では観光客などが泳げるように施設を整えているという。いわゆるリゾート地っぽい場所だ。
当然のことながら、海に入るなら店で売っている水着が必要となり、オレ達は観光客用の水着店にて、各々気に入った水着を選び、そのまま海へと駆り出した。
「見てください、ブレイブさん! 貝殻! それにこれ、タコに海藻に、あとよくわかんないネバネバです~!」
「し、シュリ……それ多分海水スライム……ま、まあ無害だからいいと思うけど……」
「はは、シュリは本当に海に来たかったんだな~」
「はい! 私、ずっと山奥の村に住んでましたから、海に来るのも見るのも初めてなんです! 本当にお話に聞く以上にすごい場所で私、感激しています!」
と言ってすごく興奮した様子で砂浜を駆け回っている。
時折、砂や波打に足元を取られて『どべちゃ!』と転んだりしているが、本人はそれはもう大層嬉しそうに笑い転げている。
そんなシュリの様子を見ていると、オレはかつて花澄や湊達と共に海に来た日のことを思い出していた。
『すっげー! これが日本の海なんだー! すっげー! 綺麗ー!』
『お、お兄ちゃん! お、お魚さん! いま、お魚さんが足元で泳いだー!』
『うわ、すげー! 魚って逃げないんだー!』
『二人ともはしゃぎすぎだろう。っていうか海に来たことないのかー?』
『あるわけないじゃん! 初めてだよ!』
『うん! だから、すっごく楽しいよ! 真人さん、一緒に来てくれてありがとう!』
そう言って笑顔のまま海で泳ぐ二人の兄妹と共にオレも夕暮れまで遊び続けたのを思い出した。
シュリを見ていると、そんな花澄達の記憶を思い出す。
顔が似ているだけで別人だとはわかっているんだが、ああして無邪気にはしゃぐ姿がオレの知る花澄とよりダブって見えてしまう。
「と、それはそうと……お前は入らなくていいの? アリア」
「ふえっ!?」
「というか、さっきから気になってたんだが、なんでお前全身にバスタオル巻いてるの?」
「うっ、それは、その……」
そうなのだ。先程、三人で水着を買って、更衣室で着替えたあと、なぜかアリアだけは全身にバスタオルを巻いて現れた。
なるべく突っ込まないようにしようと思っていたのだが、未だにそれを脱ごうとしたのはさすがに不自然に思えてきた。
そんなアリアに追い打ちをかけるべく、波打ち際でバシャバシャと遊んでいたシュリが声をかける。
「アリアちゃんー! そんなところにいないで一緒に遊ぼうよー! 海だよ、海ー! しょっぱいよー! こんなすっごい水たまりなんて、ここでしか遊べないんだから、恥ずかしがらずに入ろうよー!」
「う、ううううっ……」
さすがに幼馴染の頼みとあっては拒絶しづらいものがあるのか、アリアは観念したように顔を俯かせると、そのまま体に巻いていたバスタオルを外す。
すると、その下から現れたのか滅茶苦茶きわどい紐ビキニとも言える過激な水着だった。
「ちょ、お前!? なんだよ、その水着!?」
「あ”っ!?」
思わず条件反射で突っ込んでしまったが、彼女が今すぐにでも噛み付くような勢いでオレを睨んだ。
「か、勘違いしないでよね! 別にアタシの趣味ってわけじゃないわよ! ただ! アタシのサイズにあう水着がこ、これしかなかったのよ! 特に、む、胸とか!!」
「胸……」
見るとシュリの胸は花澄と同様、とても平らだ。そのため、シュリが着ている水着はいわゆるワンピース柄の可愛らしいものであり、幼さが残るものの、それが実に魅力的な水着姿となっている。
一方のアリアは服の上からだとよくわからなかったが、かなりの巨乳であった。
そんな彼女の胸を収めきれる水着がどうやらなかったようであり、かなりギリギリのきわどい水着となり、それがかえって彼女の巨乳を強調するような形となり、周りにいた観光客もそんなアリアの巨乳水着に目を奪われ息を飲んでいる姿が――
「ちょっとアンタ……今、アタシの胸ガン見しなかった……?」
と、気づくと殺意マシマシの表情でアリアがオレの首を絞める勢いで掴みかかってくる。
「い、いえ、見てません……た、多分……いや、ちょっとは見たかもだけど……」
「……はあー、まあいいわ」
少し落ち着いたのかアリアはオレから離れると胸や下半身を両手で隠すようにシュリのもとへ近づく。
が、それがかえっていやらしいというか色っぽい感じになっているのに本人は気づかないのだろうか。
そうこう思っていると波打ち際で遊んでいる二人がオレを呼ぶ。
「ブレイブさーん! ブレイブさんも一緒に遊びましょうー!」
「あ、ああ、そうだな。じゃあ、何をしようか?」
「そうですね。それじゃあ、水かけっこ!」
「それならアタシは浜辺で砂を使った何かを作りたいな」
「えー、そんなの砂のあるところからどこでもできるじゃんー。水のかけあいしようよー」
「いいえ、海といえば砂で何かを作るでしょう!」
「なあ、二人共。泳ぐって選択肢はないのか?」
思わずオレがそう呟くと二人が気まずそうに目を逸した。
「えーと、そのー、あのー、実は私達……」
「……泳げないの」
「は?」
思わぬ答えに一瞬間抜けな声を出すオレ。
だが、それにすぐさま顔を赤くしたアリアが反論する。
「な、なに!? 悪い!? アタシもシュリも森の奥の村出身なのよ!? 泳げるわけないでしょう!?」
あー、まあ、確かにそうか。だから、さっきからシュリも浜辺で遊んで、波に揺られたり、打ち上げられたりしていたのか。
まあ、本人はすごく楽しそうだったが。
「それならオレが教えようか?」
「え、ブレイブさん、泳げるんですか!?」
「まあな。実家の近くに海があったし」
と言ってもこれはこの世界に転移する前のことだが。
オレがそう答えるとシュリは「ぜひお願いします!」と答え、アリアも「ま、まあ、少しだけなら」と頷いた。
「それじゃあ、まずは海に顔をつけるところから。それができたら、その場でバタ足やってみようか」
「はーい! ぶくぶくぶくぶく……できましたー! 先生ー!」
「おー! シュリは飲み込みが早いなー!」
「はい! 伊達にさっきから何度も波打ち際で打ち上げられていません!」
「うむ。よくできた。……で、アリアは?」
思いのほか、シュリがスムーズに覚えていくのに対して、アリアの方を見ると彼女はまず海に顔をつけるところからして顔面蒼白であり、足のつかない場所に行こうものなら「む、無理ー無理ー!」と喚き散らしていた。
「だ、だって、お、泳げる訳無いじゃん……。に、人間の体がこんな水の上に浮くわけがないわよ……。あ、アタシの体重が○○キロもあるのにどうやって海に浮かぶのよ……無理、絶対に無理……」
と、ブツブツとなにやら現実逃避している。
「落ち着けよ、アリア。まあ、気持ちは分かる。けど、一歩を進めないとお前はこの先ずっと金づちだぞ? それでいいのか」
「いい。アタシは一緒に波打ち際で遊ぶ……」
と即答。いやいや、少しは頑張れよ。
「分かった分かった。それじゃあ、オレが両手を握っててやるから、お前はその場で浮かんでバタ足しろよ」
「へっ?」
「あー! ずるいー! 私もブレイブさんに手を握られてバタ足したいー!!」
オレがそう提案するとアリアは顔を真っ赤にして硬直し、シュナはぶーぶー言いながらも、すでに一人でバタ足しながら泳げるようになっていた。本当に上達が早いな、この巫女様は。
「ほら、シュリはすでに一人で泳げるようになってるんだし、お前もどうせなら友達と泳いでみたいだろう」
「……わ、わかった……け、けど、絶対に手を離さないでよ……は、離したら殺すから……」
と、なにやら物騒なことを言いオレの手を握る。
その後はすぐにその場で体を浮かばせて、両足でバタバタで器用に泳げるようになった。
「お、いいぞ。やれば出来るじゃないか。というか、お前案外運動神経いいな」
「ぶくぶくぶく……ぷはぁ! よ、余計な、お世話……ぶくぶく……よっ!」
その後は彼女の手を引っ張りながら、近くを泳がせて見たがすぐにコツを掴んだのか、手を握った状態ならスイスイと泳いでくれた。
これなら手を離しても平気そうだなと手を離そうとした瞬間、
「ぶくぶく……ぶはぁ!? ちょ、あ、アンタ!? なに手を離そうとしてるのよ!? 離したらぶっ殺すって言ったでしょう!? ぶっ殺されたいの!?」
「いや、でもお前、もうすでに結構泳げてたし、こういうのは自転車と同じで自然に泳げるようになったら、あとはこっそり手を離してだな……」
「はあー!? わけわかんないこと言ってんじゃないわよ! 離したら殺すって言ったでしょう!! つーか殺す! つーか溺れる……! おぼ、ごぽぽぽぽぽっ!!」
と、先程までスイスイ泳げていたのが嘘のようにオレが手を話した瞬間、アリアの体が沈んでいく。
ちょっ!? どういうこと!? お前、さっきまで普通に泳げていたじゃん! つーか、ここはまだ足がつく浅瀬なのに溺れるなよ!?
「おい、アリア! 大丈夫か!? おい!」
「ごぽぽぽぽぽっ! ごぽぉ!」
水中でもがき苦しみながら沈んでいくアリアを見て、これはさすがにいかんとオレは慌てた彼女の体を抱えて抱き上げる。
当然のことながら、足が付く高さなのですぐさま救出はできた。
「ぷはぁ! ぜーはー……ぜーはー……あ、アンタ……こ、殺すって言ったでしょう……! な、なんで手を離して――!」
「いやだから……というか、足がつくのに溺れるなよ」
「う、ううううっさい! 殺す! アンタ、絶対殺してやるー!」
「ちょ、暴れるな……! あっ」
「なによー! ……あっ」
その場でぽかぽかとオレを殴り始めるアリアだったが、その時、彼女の胸に巻かれていた水着がはらりと落ちる。
ただでさえ、きわどい水着だったのに、そりゃこれほど暴れれば取れるわなー。と冷静な部分でそう思いながら、目の前でたわわに実った胸が晒され、それに一瞬硬直するアリア。だが、
「~~~~~~っ! き、きゃああああああああああああ~~~!! こ、こここの変態いいいいいいいいッ!!」
「へぶしっ!」
と、すぐさま顔を真っ赤にすると大絶叫をし、心地よいビンタをオレの頬にかますのだった。
馬車に乗り、聖都を出てからしばらく。
オレとシュリ、そしてアリアを乗せた馬車は港町ルーブスへと到着した。
そこは海に面した街であり、船の出港の他に浜辺では観光客などが泳げるように施設を整えているという。いわゆるリゾート地っぽい場所だ。
当然のことながら、海に入るなら店で売っている水着が必要となり、オレ達は観光客用の水着店にて、各々気に入った水着を選び、そのまま海へと駆り出した。
「見てください、ブレイブさん! 貝殻! それにこれ、タコに海藻に、あとよくわかんないネバネバです~!」
「し、シュリ……それ多分海水スライム……ま、まあ無害だからいいと思うけど……」
「はは、シュリは本当に海に来たかったんだな~」
「はい! 私、ずっと山奥の村に住んでましたから、海に来るのも見るのも初めてなんです! 本当にお話に聞く以上にすごい場所で私、感激しています!」
と言ってすごく興奮した様子で砂浜を駆け回っている。
時折、砂や波打に足元を取られて『どべちゃ!』と転んだりしているが、本人はそれはもう大層嬉しそうに笑い転げている。
そんなシュリの様子を見ていると、オレはかつて花澄や湊達と共に海に来た日のことを思い出していた。
『すっげー! これが日本の海なんだー! すっげー! 綺麗ー!』
『お、お兄ちゃん! お、お魚さん! いま、お魚さんが足元で泳いだー!』
『うわ、すげー! 魚って逃げないんだー!』
『二人ともはしゃぎすぎだろう。っていうか海に来たことないのかー?』
『あるわけないじゃん! 初めてだよ!』
『うん! だから、すっごく楽しいよ! 真人さん、一緒に来てくれてありがとう!』
そう言って笑顔のまま海で泳ぐ二人の兄妹と共にオレも夕暮れまで遊び続けたのを思い出した。
シュリを見ていると、そんな花澄達の記憶を思い出す。
顔が似ているだけで別人だとはわかっているんだが、ああして無邪気にはしゃぐ姿がオレの知る花澄とよりダブって見えてしまう。
「と、それはそうと……お前は入らなくていいの? アリア」
「ふえっ!?」
「というか、さっきから気になってたんだが、なんでお前全身にバスタオル巻いてるの?」
「うっ、それは、その……」
そうなのだ。先程、三人で水着を買って、更衣室で着替えたあと、なぜかアリアだけは全身にバスタオルを巻いて現れた。
なるべく突っ込まないようにしようと思っていたのだが、未だにそれを脱ごうとしたのはさすがに不自然に思えてきた。
そんなアリアに追い打ちをかけるべく、波打ち際でバシャバシャと遊んでいたシュリが声をかける。
「アリアちゃんー! そんなところにいないで一緒に遊ぼうよー! 海だよ、海ー! しょっぱいよー! こんなすっごい水たまりなんて、ここでしか遊べないんだから、恥ずかしがらずに入ろうよー!」
「う、ううううっ……」
さすがに幼馴染の頼みとあっては拒絶しづらいものがあるのか、アリアは観念したように顔を俯かせると、そのまま体に巻いていたバスタオルを外す。
すると、その下から現れたのか滅茶苦茶きわどい紐ビキニとも言える過激な水着だった。
「ちょ、お前!? なんだよ、その水着!?」
「あ”っ!?」
思わず条件反射で突っ込んでしまったが、彼女が今すぐにでも噛み付くような勢いでオレを睨んだ。
「か、勘違いしないでよね! 別にアタシの趣味ってわけじゃないわよ! ただ! アタシのサイズにあう水着がこ、これしかなかったのよ! 特に、む、胸とか!!」
「胸……」
見るとシュリの胸は花澄と同様、とても平らだ。そのため、シュリが着ている水着はいわゆるワンピース柄の可愛らしいものであり、幼さが残るものの、それが実に魅力的な水着姿となっている。
一方のアリアは服の上からだとよくわからなかったが、かなりの巨乳であった。
そんな彼女の胸を収めきれる水着がどうやらなかったようであり、かなりギリギリのきわどい水着となり、それがかえって彼女の巨乳を強調するような形となり、周りにいた観光客もそんなアリアの巨乳水着に目を奪われ息を飲んでいる姿が――
「ちょっとアンタ……今、アタシの胸ガン見しなかった……?」
と、気づくと殺意マシマシの表情でアリアがオレの首を絞める勢いで掴みかかってくる。
「い、いえ、見てません……た、多分……いや、ちょっとは見たかもだけど……」
「……はあー、まあいいわ」
少し落ち着いたのかアリアはオレから離れると胸や下半身を両手で隠すようにシュリのもとへ近づく。
が、それがかえっていやらしいというか色っぽい感じになっているのに本人は気づかないのだろうか。
そうこう思っていると波打ち際で遊んでいる二人がオレを呼ぶ。
「ブレイブさーん! ブレイブさんも一緒に遊びましょうー!」
「あ、ああ、そうだな。じゃあ、何をしようか?」
「そうですね。それじゃあ、水かけっこ!」
「それならアタシは浜辺で砂を使った何かを作りたいな」
「えー、そんなの砂のあるところからどこでもできるじゃんー。水のかけあいしようよー」
「いいえ、海といえば砂で何かを作るでしょう!」
「なあ、二人共。泳ぐって選択肢はないのか?」
思わずオレがそう呟くと二人が気まずそうに目を逸した。
「えーと、そのー、あのー、実は私達……」
「……泳げないの」
「は?」
思わぬ答えに一瞬間抜けな声を出すオレ。
だが、それにすぐさま顔を赤くしたアリアが反論する。
「な、なに!? 悪い!? アタシもシュリも森の奥の村出身なのよ!? 泳げるわけないでしょう!?」
あー、まあ、確かにそうか。だから、さっきからシュリも浜辺で遊んで、波に揺られたり、打ち上げられたりしていたのか。
まあ、本人はすごく楽しそうだったが。
「それならオレが教えようか?」
「え、ブレイブさん、泳げるんですか!?」
「まあな。実家の近くに海があったし」
と言ってもこれはこの世界に転移する前のことだが。
オレがそう答えるとシュリは「ぜひお願いします!」と答え、アリアも「ま、まあ、少しだけなら」と頷いた。
「それじゃあ、まずは海に顔をつけるところから。それができたら、その場でバタ足やってみようか」
「はーい! ぶくぶくぶくぶく……できましたー! 先生ー!」
「おー! シュリは飲み込みが早いなー!」
「はい! 伊達にさっきから何度も波打ち際で打ち上げられていません!」
「うむ。よくできた。……で、アリアは?」
思いのほか、シュリがスムーズに覚えていくのに対して、アリアの方を見ると彼女はまず海に顔をつけるところからして顔面蒼白であり、足のつかない場所に行こうものなら「む、無理ー無理ー!」と喚き散らしていた。
「だ、だって、お、泳げる訳無いじゃん……。に、人間の体がこんな水の上に浮くわけがないわよ……。あ、アタシの体重が○○キロもあるのにどうやって海に浮かぶのよ……無理、絶対に無理……」
と、ブツブツとなにやら現実逃避している。
「落ち着けよ、アリア。まあ、気持ちは分かる。けど、一歩を進めないとお前はこの先ずっと金づちだぞ? それでいいのか」
「いい。アタシは一緒に波打ち際で遊ぶ……」
と即答。いやいや、少しは頑張れよ。
「分かった分かった。それじゃあ、オレが両手を握っててやるから、お前はその場で浮かんでバタ足しろよ」
「へっ?」
「あー! ずるいー! 私もブレイブさんに手を握られてバタ足したいー!!」
オレがそう提案するとアリアは顔を真っ赤にして硬直し、シュナはぶーぶー言いながらも、すでに一人でバタ足しながら泳げるようになっていた。本当に上達が早いな、この巫女様は。
「ほら、シュリはすでに一人で泳げるようになってるんだし、お前もどうせなら友達と泳いでみたいだろう」
「……わ、わかった……け、けど、絶対に手を離さないでよ……は、離したら殺すから……」
と、なにやら物騒なことを言いオレの手を握る。
その後はすぐにその場で体を浮かばせて、両足でバタバタで器用に泳げるようになった。
「お、いいぞ。やれば出来るじゃないか。というか、お前案外運動神経いいな」
「ぶくぶくぶく……ぷはぁ! よ、余計な、お世話……ぶくぶく……よっ!」
その後は彼女の手を引っ張りながら、近くを泳がせて見たがすぐにコツを掴んだのか、手を握った状態ならスイスイと泳いでくれた。
これなら手を離しても平気そうだなと手を離そうとした瞬間、
「ぶくぶく……ぶはぁ!? ちょ、あ、アンタ!? なに手を離そうとしてるのよ!? 離したらぶっ殺すって言ったでしょう!? ぶっ殺されたいの!?」
「いや、でもお前、もうすでに結構泳げてたし、こういうのは自転車と同じで自然に泳げるようになったら、あとはこっそり手を離してだな……」
「はあー!? わけわかんないこと言ってんじゃないわよ! 離したら殺すって言ったでしょう!! つーか殺す! つーか溺れる……! おぼ、ごぽぽぽぽぽっ!!」
と、先程までスイスイ泳げていたのが嘘のようにオレが手を話した瞬間、アリアの体が沈んでいく。
ちょっ!? どういうこと!? お前、さっきまで普通に泳げていたじゃん! つーか、ここはまだ足がつく浅瀬なのに溺れるなよ!?
「おい、アリア! 大丈夫か!? おい!」
「ごぽぽぽぽぽっ! ごぽぉ!」
水中でもがき苦しみながら沈んでいくアリアを見て、これはさすがにいかんとオレは慌てた彼女の体を抱えて抱き上げる。
当然のことながら、足が付く高さなのですぐさま救出はできた。
「ぷはぁ! ぜーはー……ぜーはー……あ、アンタ……こ、殺すって言ったでしょう……! な、なんで手を離して――!」
「いやだから……というか、足がつくのに溺れるなよ」
「う、ううううっさい! 殺す! アンタ、絶対殺してやるー!」
「ちょ、暴れるな……! あっ」
「なによー! ……あっ」
その場でぽかぽかとオレを殴り始めるアリアだったが、その時、彼女の胸に巻かれていた水着がはらりと落ちる。
ただでさえ、きわどい水着だったのに、そりゃこれほど暴れれば取れるわなー。と冷静な部分でそう思いながら、目の前でたわわに実った胸が晒され、それに一瞬硬直するアリア。だが、
「~~~~~~っ! き、きゃああああああああああああ~~~!! こ、こここの変態いいいいいいいいッ!!」
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