6 / 16
似たもの同士 1
しおりを挟む
周りが騒がしくなったのを感じて、私は目を開けた。
「これが……ゲーム……」
見れば見るほど信じられなくなってくる。
たくさんの人がいて、その全てがプレーヤー。
扉を開けて建物の中に入っていく人が見える。
そっか、ここでは建物を出入りする時のロードがないんだ……
現実と変わらないことがここでは出来てしまう。
感動で何かを叫びたくなるような気持ちを必死で抑える。
何度か深呼吸をして一旦自分を落ち着かせた。
今はまずあきらを探さなくては。
もう近くにいるだろうか?
探そうと思ってもよく考えれば名前も見た目も知らない。
私は見た目も名前もほとんど変わっていないから向こうが私を見つけてくれないかな──
「ユリ……ってあの、ゆり?」
不意に後ろから名前を呼ばれた。
振り向くとそこにはなんとなく見覚えのある見た目をした人が立っていた。
「あきら?」
「ああ! いやー、よかった。待ち合わせしといたはいいものの、見た目も名前も変わってたらどうしようかと」
ナイスタイミング!
あきらの方から見つけてくれたらいいなーと思っていたら本当にすぐ見つけてくれた。
男用の初期装備が気になって、あきらをじっと見てみる。
服の丈が女用よりも長くて、その代わりブーツは短めだ。
内側はスカートではなくピチッとした黒いズボンを履いている。
ベルトは同じ黒色だが、クロスされたものではなく、普通のベルトの形をしていた。
そして私が何よりも気になったことは──
「あきらもあんまり見た目変えなかったんだね」
「まぁな。少しいじってもみたけどなんかしっくりこなくて」
なるほどね、と笑って返す。
あきらの表情を見ていると、現実のものと変わらないように見えた。
そのいつも通りの表情を見ているとなんとなく安心した。
そういえば、1つ疑問に思ったことがある。
「なんで私のキャラクター名わかったの?」
私には誰の名前も見えていない。
いや、もしかして見た目で判断したとか?
1人で解決してみようと試みているうちに、その答えが返ってきた。
「ああ、メニューウィンドウ開けばキャラ名表示されるんだよ」
そうなのか。
私よりも知識があるなんて癪に触るが、仕方ない。
「ウィンドウってどうやって出すの?」
今はあきらを頼ることにしよう。
「こうやって指パッチンをすれば出るよ」
そう言ってあきらが手本を見せてくれる。
パチンと綺麗な音が鳴る。
するとあきらの目の前に白いウィンドウが出てきた。
「これが……ゲーム……」
見れば見るほど信じられなくなってくる。
たくさんの人がいて、その全てがプレーヤー。
扉を開けて建物の中に入っていく人が見える。
そっか、ここでは建物を出入りする時のロードがないんだ……
現実と変わらないことがここでは出来てしまう。
感動で何かを叫びたくなるような気持ちを必死で抑える。
何度か深呼吸をして一旦自分を落ち着かせた。
今はまずあきらを探さなくては。
もう近くにいるだろうか?
探そうと思ってもよく考えれば名前も見た目も知らない。
私は見た目も名前もほとんど変わっていないから向こうが私を見つけてくれないかな──
「ユリ……ってあの、ゆり?」
不意に後ろから名前を呼ばれた。
振り向くとそこにはなんとなく見覚えのある見た目をした人が立っていた。
「あきら?」
「ああ! いやー、よかった。待ち合わせしといたはいいものの、見た目も名前も変わってたらどうしようかと」
ナイスタイミング!
あきらの方から見つけてくれたらいいなーと思っていたら本当にすぐ見つけてくれた。
男用の初期装備が気になって、あきらをじっと見てみる。
服の丈が女用よりも長くて、その代わりブーツは短めだ。
内側はスカートではなくピチッとした黒いズボンを履いている。
ベルトは同じ黒色だが、クロスされたものではなく、普通のベルトの形をしていた。
そして私が何よりも気になったことは──
「あきらもあんまり見た目変えなかったんだね」
「まぁな。少しいじってもみたけどなんかしっくりこなくて」
なるほどね、と笑って返す。
あきらの表情を見ていると、現実のものと変わらないように見えた。
そのいつも通りの表情を見ているとなんとなく安心した。
そういえば、1つ疑問に思ったことがある。
「なんで私のキャラクター名わかったの?」
私には誰の名前も見えていない。
いや、もしかして見た目で判断したとか?
1人で解決してみようと試みているうちに、その答えが返ってきた。
「ああ、メニューウィンドウ開けばキャラ名表示されるんだよ」
そうなのか。
私よりも知識があるなんて癪に触るが、仕方ない。
「ウィンドウってどうやって出すの?」
今はあきらを頼ることにしよう。
「こうやって指パッチンをすれば出るよ」
そう言ってあきらが手本を見せてくれる。
パチンと綺麗な音が鳴る。
するとあきらの目の前に白いウィンドウが出てきた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる