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番外編Ⅲ
怒ってないです呆れてます
しおりを挟む珍しく、谷間が出来ている。
横向きに寝る彼女が着けるネイビーの下着に包まれた小ぶりな胸は、滅多に谷間をつくらない。
ふくっと盛り上がった肌が白く滑らかな餅のようで、柊真の唇を引き寄せた。
柔らかな肌に吸い付いて、いちごを乗せるように朱を散らす。
……自分でつけといてなんだけど、エロいなこれ。
すぅすぅと寝息を立てる季衣の穏やかな顔とのアンバランスさが、より一層いやらしく見せていた。
ちなみに下は履いていない。
なぜかって?
柊真が昨日季衣の下着姿に煽られて、クロッチ部分だけずらして挿れようとしたら、腰に食い込んで痛いから止めてと季衣に怒られ、渋々脱がしたためである。
グラマスな体型に興味が無いだけで、柊真もおっぱいは人並みに好きだ。
まぁ腰周り、特に脚と比べられれば、そちらを選んでしまうが。
ブラトップ以外ほとんど身に付けない季衣が、久しぶりにレースのブラジャーを着けてくれて、やっぱりこっちの方がいい?なんて、上目遣いで聞いてくるものだから、遠慮なくがっついた結果、柊真も彼女と共に寝落ちしてしまった。
抱けば抱くほど快感に素直になっていく季衣の身体は、最近では耳を舐めながらちょっと奥を小突くだけで達するようになっており、絶え間なく与えられる収縮に柊真が出してしまわぬように耐えるのが難しくなるほどである。
俺しか知らない季衣が、俺のせいで敏感になってくの、たまんないな。
昨日だって、柊真が二回出すまでに、何度イったのか分からない。
あー、風邪引いてないかな。
ちゃんと服着せてあげれば良かった。
少し前に起きてお風呂を沸かしているのだが、季衣は一緒に入ってくれるだろうか。
ふぁさっと羽毛布団を彼女の耳あたりまで引き上げて、再び季衣の盛り上がった胸を見て、指でふにふにと押してみた。
やわらかっ。
唇より柔らかいのではないか。
「……ん。
……………………とうま?」
調子に乗って指を膨らみに埋もれさせていると、季衣が起きた。
「おはよ。」
「……んぅ~ん、おぁよ…。」
目をしょぼしょぼとしているのを見るにまだ寝ぼけている。
かぁわぁい。
季衣のこんな姿も俺しか知らないって思ったら優越感で溺れそう。
よし、寝ぼけてるうちにお風呂入っちゃおうか。
「季衣、お風呂入ろ?」
「んー……、ぅん。」
「うん、入ろ入ろ。おいで。」
魔法の言葉のように『おいで』と言うと、彼女はほぼ100%抱き着きに来る。
柊真の首に腕を回した季衣の身体を横抱きにして浴室に連れていった。
風呂に入ってからの季衣は多分ほぼ寝ているのと変わらないくらい意識がなくて、体勢は保てるものの、何と呼び掛けても『ぅん……。』と曖昧な返事しか帰って来ず、どこを洗ってもされるがままだった。
「きぃちゃん、俺先出るけど、
着替えとか持って来るからちょっと待っててね。」
「ん。」
自分だけ先に浴槽から出て、体を拭いてから季衣と自分の着替えを取りに寝室に向かう。
あっぶねぇー。
季衣の寝起きがこんなに悪い原因の一端は昨日の自分にあるのは分かっているが、罪悪感が無かったら、朝からもう一回襲うところだった。
もうほんとにかわいい。
毎日可愛いが更新されていく。
最近は寝言まで可愛いくて。
『どうしよう、あかしさんがラーメンになっちゃう。』
ならないよ、ラーメンには絶対。
『いややぁっ、お酒飲んだらあかんっ。
柊真がよったら誰が抱っこしてくれるん?
……嫌やっ、…だってきぃコアラになりたいもん。』
コアラになりたいって何?
季衣がコアラになりたいからって理由で、俺は酒を飲むなって言われてんのカオス過ぎる。
どんな夢を見ているのか分からないし、めちゃくちゃ無茶な事を言う季衣に、勘弁してくれと思うと同時に、高確率で季衣の夢に自分が登場するのが分かって嬉しくなる。
そろそろ季衣の目が覚めて、身体のダルさと今朝付けたばかりのキスマークに気づき、詰られるかもしれないなと苦笑しながら、浴室に戻った。
…………ほんまに痕付けんの好きやなぁ。
お風呂の温かさで血行が良くなったからか、意識が急に覚醒して身体のダルさを自覚した。
確かにきぃから誘ったけどっ。
確かに新しい可愛い下着買って気分上がって、ルンルンで脱いじゃったりしたけどっッ!
……体力バケもん過ぎるやろ。
二回すんのデフォなん止めてもらっていい?
さらには、何気なしに下を見ると胸の辺りに覚えのないキスマークが増えている。
なんかもういつもの事だし、何回言っても聞いてくれないから、恥ずかしいとか怒りを通り越して呆れてしまった。
この前、背中のウエストより高めの位置に吸い付かれた感覚があって、何でそんな所に付けるんだと抗議したら、
『丈、短い服着てる時、
しゃがんだりした時だけ見えるの良くない?』
と、なんでもないような顔をして、しっかり自分の性癖を暴露しやがった。
良くないわっ!
やっぱりそういう所はちゃんと変態だなと思う。
絶対見せてやるもんかと思って、痕が消えるまでミニ丈のトップスは着ないでいたら、
『うわっ、理由言わなきゃ良かった……。』
と、季衣の抵抗に気づいた柊真が漏らしていた。
「きぃちゃん起きたー?」
ガチャっと音がして浴室のドアが開く。
相変わらず寝起きでもカッコイイな。
「起きたー、おはよう。
もう出るからタオル取ってくれへん?」
浴槽の縁に寄って、扉の隙間から顔だけ覗かせた柊真に声を掛けると、なぜか少し驚いたように固まった。
「なに、どしたん。」
「………………なんか、思ってた反応と違うから、
拍子抜けっていうか、
……怒られると思ってた。」
「…………なんで?」
「だって昨日もちょっと調子乗っちゃったっていうか。」
「んーー、ちょっとじゃなかったけどな。
ていうかもう、いつもの事やし。」
「ゴメン。」
怒っているのではなく呆れているんだと伝えたら、分かりやすくシュンとした。
「謝るんやったら、
もうちょっと加減してくれてもいいんじゃないかなー
ってきぃは思うんですけど、
…………………………………………無理?」
こんな所で裸で話す内容では無いのは分かっているが、シュンとしているときが攻め時だと、この機会に言質を取りに行く。
平日しやんって、回数減らすって言ってくれっ。
「……あのね、実は一応、加減は……、して、ます。
俺だって、土日はデート行きたいし。
きぃちゃんの脚、力入るぐらいには、
抑えてるつもり……なんだけど。」
なんやと……っ!?
え?あれで加減してんの?
流石に嘘じゃない?
あの、立たれへんくなるぐらいって相当なん分かってる?
加減しやんかったら、脚力入らんぐらい毎回抱き潰されるって事……?
ホンマに精力オバケやん……泣きそう。
「で、でも、やっぱり……きぃの限界っていうか……、
回数は減らして欲しぃ……です………
………特に平日とか。」
そう、最近仕事で嫌な事でもあったのか、『明日会社行きたくない、きぃちゃん抱かないと癒されない』とか何とか言って季衣を丸め込んで平日にも関わらずベッドに連れていく事が何度かあった。
ちょっとだけと言ってちょっとで終わった試しはないし、まってと言っても待ってくれた事ももちろんない。
「それは…………ごめん。
もしかして仕事に影響出てる……?」
平日に関しては無理をさせている自覚があったのか素直に謝ってくるが、正直平日じゃなくても回数は減らして欲しい。
「ミスするまでじゃないけど、
眠くてツラい……かも。」
「……………………………………マジか。
分かった、…………平日はしない。
…………はい、タオル。」
よっっっっッしゃッ!言質ゲットッ!
自分の精気を補うために季衣の精気を奪っていた事に気づいてくれて何よりです。
しょぼんとした柊真は季衣にタオルを渡すとリビングに戻って行った。
季衣にとっては平日しないという言質だけでも進歩であるが、問題の回数を減らすことについては了承してくれなさそうである。
『平日は』って言ったぞあの人。
『は』ってなんや『は』って。
平日我慢した分、休日いっぱいするとか言い出さんやんな?
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