終末から始める異世界タイムトラベル 〜世界は終わったけど、引き継ぎロードで解決します〜

時計指すU

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1−1−05 ヒロインは遅れて登場する

「なんでしょうか」

「あなた、さっきは災難だったわね」

「それを言いたかっただけですか?」

 精神的に疲れたし、冷やかしなら勘弁願いたいが。

「いえね、あなたをパーティーに誘いに来たのだけれど。もう他の所に入っちゃったかしら?」

 お、どうやらパーティーのお誘いらしい。
 集団に囲まれた時に、誰も助けてくれなかった時点で仲間がいないのは察して欲しい。

 断る理由も特にないし、それに首を横に振ることで答える。
 気になる点がない訳でもないが。

「よかった。それでどうかしら? 最初は体験ってことでもいいのだけれど、どちらにしろ最初の依頼でパーティーは必須でね」

 そう。
 この声色に、喋り方。

「誰かしらと組むことになるわよ……って、さっきの事でふてくされるのは分からなくもないけど、そろそろ顔を上げて話してもらえるとありがたいのだけど?」

 間違いなく声の主は……!
 俺は期待を込めて顔を上げる。
 そこには期待通りの、綺麗な肌をしていてチラリと胸元から見えるボインボインの……!

 胸筋をお持ちのマッチョメンがそこにいた。
 ああ、一言目の声を聞いた時点で分かってたさ。

「そうですね……」

 試しに周りを見回してみたが、他の冒険者と目が合うたびに例外なく目をそらされる。
 魔王騒動で完全に腫れ物扱いである。
 そんな中誘ってくれた、この人はいい人だと思う。

「はい、よろしくお願いしますカマさん」

「良かった! ……ってあら、あなたに名前言ったかしら?」

 なんだと……。
 それっぽく呼んでみたら、マジでそんな名前らしい。

「実は勘が鋭いんですよ」

「凄いわね、とりあえずちゃんと自己紹介ね。私はカマル、カマちゃんって呼んでくれてもいいからね。あと敬語もいらないわ」

 それなら遠慮なく。
 だが、カマちゃん呼びは断固拒否する!

「どうも、呼白だ。よろしくカマさん」

「よろしくっ。コハクちゃんっていうのね、かわいい名前」

 ちゃんづけはやめてくれ。
 だが、このマッチョにそれを言う勇気はない。

 何にせよ話せそうな相手も出来たことだし、とりあえず種族の確認でもしてみるか。
 カマさんは、パッと見た限りじゃ元の世界の人間と同じに見えるが、合っているかどうか。

「ちなみに聞くけど、カマさんの種族はヒューマで合ってる?」

「当たり前じゃない、おかしな子ね。あなたと同じヒューマよ」

 確認の結果、どうやら人間に転生したっぽい?
 人間って言ってもこっちじゃヒューマって呼ぶみたいだが。

「ちなみに出身はどこなの?」

「とうき……ごほん、トウケイだな」

「あら、お隣さんじゃない! 私はエノトよ」

 エノト……うむ、当然だが知らない場所だな。

「そうそう、他にもパーティーメンバーがいるから紹介するわね」

 カマさんが手招きをすると、その方向から髭の濃いマッチョなギリギリおっさんに見えるエルフがやって来た。

 いや、エルフだから見た目通りじゃないお兄さんの可能性もあるのか。
 ややこしいな……。
 そうして、マッチョが2人に増えた。

「おうカマル。呼んだってことは、その兄ちゃん入ってくれたのか」

「ええ、コハクちゃんって言うんですって」

「コハクか。俺はゴランだ、よろしく頼む」

 ガッシリと手を取られて握手された。
 気のせいだと思いたいけど、おっさんの接触率高くない?

「よ、よろしくゴラン……さん」

「さんはいらんぞ」

 オーケーだ。

「ああ、ゴラン」

「よし、これでうちは精霊操者が2人だな! 豪華なパーティーになったもんだ」

「そうね」

 また精霊そうしゃってワードが出たが、聞くことで実は俺は精霊そうしゃではなかったなんて事もあり得るからな。
 最悪、違っていたからパーティーの話は無なかったことに。
 そんな可能性もあるから、うかつには聞けないよな。

 リィン。

 俺の他にいる、もう1人については聞いても良さそうだよな。
 うまく行けば精霊そうしゃってワードの説明も聞けるかもだし。

「精霊そうしゃはもう1人いるのか。カマさんとゴランのどっちだ?」

「どっちでもないぞ」

 ふむ、他にももう1人いるってことか?

「実はもう1人パーティーメンバーがいるのだけど、臨時で入ってくれる子でね。都合がつくときだけ連絡をくれて、その時に一緒に依頼に行くのよ。だから次に一緒に依頼をする時に紹介するわね」

 ほう、そういうパーティーの組み方もありなんだな。

「ちなみにエルフの子で、リースちゃんって言うのだけれど」

 ん?
 どっかでその名前聞いた覚えが……。
 確か、ギルド前で話してた冒険者のおっさんの誰かが言ってたんだっけか。

 えーと……そうだ、リースの譲ちゃんって言ってたな。
 ということは、女の子か!
 ちょっとやる気が出てきたかもしれない。

「なるべく早めに頼む!」

「だから、あっちの都合次第って言ってるじゃない」

「ガハハ、コハクはせっかちだな!」

『お待たせいたしました、コハク様。冒険者登録申請の登録受理が完了いたしましたので、受付までお越しください』
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