75 / 100
第75話 月より団子
しおりを挟む
玄関のチャイムが鳴ってドアを開けると、
彼女が手にススキの束とパックに入った団子を抱えて立っていた。
「今日は十五夜だから」
そう言ってにっこり笑う彼女の横で、シバがすでに団子にロックオンしている。
ベランダに小さな台を出し、ススキを飾って団子を並べる。
空は雲一つなく、澄んだ夜空にまん丸の月がぽっかり浮かんでいた。
シバはススキを興味津々で鼻先でつついてみたり、
団子の匂いを嗅いでペロリと舌を出したり。
「お前のはちゃんとあるって」
彼女がそう言って取り出したのは犬用の芋団子。
それを見た瞬間、シバのしっぽがぶんぶん揺れた。
月を見上げながら団子を頬張る。
風が涼しくて気持ちよく、会話はなくても心が満たされる。
彼女が小声で「いい夜だね」とつぶやいた。
その言葉に返す代わりに、シバの頭をなでる。
穏やかな時間が、月明かりの中でゆっくりと流れていた。
彼女が手にススキの束とパックに入った団子を抱えて立っていた。
「今日は十五夜だから」
そう言ってにっこり笑う彼女の横で、シバがすでに団子にロックオンしている。
ベランダに小さな台を出し、ススキを飾って団子を並べる。
空は雲一つなく、澄んだ夜空にまん丸の月がぽっかり浮かんでいた。
シバはススキを興味津々で鼻先でつついてみたり、
団子の匂いを嗅いでペロリと舌を出したり。
「お前のはちゃんとあるって」
彼女がそう言って取り出したのは犬用の芋団子。
それを見た瞬間、シバのしっぽがぶんぶん揺れた。
月を見上げながら団子を頬張る。
風が涼しくて気持ちよく、会話はなくても心が満たされる。
彼女が小声で「いい夜だね」とつぶやいた。
その言葉に返す代わりに、シバの頭をなでる。
穏やかな時間が、月明かりの中でゆっくりと流れていた。
20
あなたにおすすめの小説
野良犬ぽちの冒険
KAORUwithAI
児童書・童話
――ぼくの名前、まだおぼえてる?
ぽちは、むかし だれかに かわいがられていた犬。
だけど、ひっこしの日に うっかり わすれられてしまって、
気がついたら、ひとりぼっちの「のらいぬ」に なっていた。
やさしい人もいれば、こわい人もいる。
あめの日も、さむい夜も、ぽちは がんばって生きていく。
それでも、ぽちは 思っている。
──また だれかが「ぽち」ってよんでくれる日が、くるんじゃないかって。
すこし さみしくて、すこし あたたかい、
のらいぬ・ぽちの ぼうけんが はじまります。
ボクはスライム
バナナ男さん
絵本
こんな感じだったら楽しいなと書いてみたので載せてみましたઽ( ´ω`)ઽ
凄く簡単に読める仕様でサクッと読めますのでよかったら暇つぶしに読んでみて下さいませ〜・:*。・:*三( ⊃'ω')⊃
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
おっとりドンの童歌
花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。
意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。
「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。
なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。
「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。
その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。
道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。
その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。
みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。
ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。
ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。
ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる