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日常編
第61話「エルフはお肉が好物」
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カラン――。
夜の店内に、扉の鈴が軽やかに鳴った。入ってきたのは、長い銀髪を後ろで束ねたスラリとした女性。尖った長い耳に透き通るような肌、まさに絵本から抜け出してきたかのようなエルフだ。
彼女は入店するなり、迷うことなく真っ直ぐにホットスナックコーナーへ向かった。
温かい照明に照らされたガラスケースの中では、骨付きフライドチキン、フランクフルト、揚げたてのコロッケが湯気を立てている。
女性エルフはじっとそれらを見つめ、その表情は宝石商が真珠を見極めるかのように真剣だった。
「……これを一つ」
指先が示したのは、骨付きフライドチキン。
レジカウンターの奥からその様子を見ていたニナは、思わず瞬きを繰り返し、小声でレンに耳打ちした。
「エルフって、野菜とか果物しか食べないんじゃないんですか?」
「まぁ、基本はそうだけど……例外もあるんだよ」
レンは意味ありげに笑いながら答えた。
チキンを受け取った女性エルフは、続けざまに肉まんを二つ、そしてレジ横のビーフジャーキーを手に取る。
ニナは思わず口をついて出る。「……完全に肉尽くしですね」
女性はくすりと笑った。「何かおかしいかしら?」
レンが「いや、珍しいなと思って」と言うと、女性は肩をすくめた。
「確かに私の種族は菜食が多いわ。でもね、私は小さい頃からお肉が大好きなの。森で暮らしていた頃も、狩りをする仲間にこっそり付いて行っては、焼きたての肉を分けてもらってたわ」
少し照れたように笑うその表情には、子供の頃の記憶を思い出すような温かみがあった。
「森を出たのも、美味しい肉をもっと食べたかったから。旅をしてると、いろんな味に出会えるのよ」
レンは感心したように頷く。「なるほど、それは立派な理由ですね。じゃあ、この店のチキンもきっと気に入ってもらえますよ」
会計の準備をしながら、レンが何気なく尋ねる。
「ちなみに、ナイポ――ミッドナイトポイントカードはお持ちですか?」
女性は首をかしげる。「ナイポ?」
レンは笑顔でカードを取り出し、「買い物額に応じてポイントが溜まって、景品と交換できます。常連さんにはけっこう好評なんですよ」と説明した。
女性は興味を示し、「じゃあ作ってみるわ」とその場で申し込み。名前を記入しながら、「こういう仕組み、旅人には嬉しいわね。肉を食べる度にポイントも貯まるなんて」
袋を受け取った女性エルフは、店を出る前に軽く手を振った。
「また来るわ、この店……肉の香りがするもの。それに、あのポイントも楽しみね」
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
夜の店内に、扉の鈴が軽やかに鳴った。入ってきたのは、長い銀髪を後ろで束ねたスラリとした女性。尖った長い耳に透き通るような肌、まさに絵本から抜け出してきたかのようなエルフだ。
彼女は入店するなり、迷うことなく真っ直ぐにホットスナックコーナーへ向かった。
温かい照明に照らされたガラスケースの中では、骨付きフライドチキン、フランクフルト、揚げたてのコロッケが湯気を立てている。
女性エルフはじっとそれらを見つめ、その表情は宝石商が真珠を見極めるかのように真剣だった。
「……これを一つ」
指先が示したのは、骨付きフライドチキン。
レジカウンターの奥からその様子を見ていたニナは、思わず瞬きを繰り返し、小声でレンに耳打ちした。
「エルフって、野菜とか果物しか食べないんじゃないんですか?」
「まぁ、基本はそうだけど……例外もあるんだよ」
レンは意味ありげに笑いながら答えた。
チキンを受け取った女性エルフは、続けざまに肉まんを二つ、そしてレジ横のビーフジャーキーを手に取る。
ニナは思わず口をついて出る。「……完全に肉尽くしですね」
女性はくすりと笑った。「何かおかしいかしら?」
レンが「いや、珍しいなと思って」と言うと、女性は肩をすくめた。
「確かに私の種族は菜食が多いわ。でもね、私は小さい頃からお肉が大好きなの。森で暮らしていた頃も、狩りをする仲間にこっそり付いて行っては、焼きたての肉を分けてもらってたわ」
少し照れたように笑うその表情には、子供の頃の記憶を思い出すような温かみがあった。
「森を出たのも、美味しい肉をもっと食べたかったから。旅をしてると、いろんな味に出会えるのよ」
レンは感心したように頷く。「なるほど、それは立派な理由ですね。じゃあ、この店のチキンもきっと気に入ってもらえますよ」
会計の準備をしながら、レンが何気なく尋ねる。
「ちなみに、ナイポ――ミッドナイトポイントカードはお持ちですか?」
女性は首をかしげる。「ナイポ?」
レンは笑顔でカードを取り出し、「買い物額に応じてポイントが溜まって、景品と交換できます。常連さんにはけっこう好評なんですよ」と説明した。
女性は興味を示し、「じゃあ作ってみるわ」とその場で申し込み。名前を記入しながら、「こういう仕組み、旅人には嬉しいわね。肉を食べる度にポイントも貯まるなんて」
袋を受け取った女性エルフは、店を出る前に軽く手を振った。
「また来るわ、この店……肉の香りがするもの。それに、あのポイントも楽しみね」
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
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