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第46話 基礎という名の分岐点
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簡単な顔合わせと研究の趣旨説明を終え、教室の空気はすでに「研究」のそれに変わっていた。
「じゃあ……」
ルークが一歩前に出る。
「……まず、魔力量をみるね」
ネマとサリアは同時に頷いた。
ルークは二人の前に立ち、少し迷うような素振りを見せてから言う。
「……手、繋いでいい?」
一瞬の沈黙。
ネマは一拍置いてから答えた。
「……研究のため、ですよね?」
「……うん」
「分かりました」
ネマは手袋を外し、そっと手を差し出す。
サリアも続いて、少し照れたように微笑みながら手を出した。
ルークは両手で一人ずつ手を握り、目を閉じる。
——魔力感知。
意識を内側へ、そして相手へと広げる。
まず、ネマ。
流れてくる魔力は、澱みなく、密度も高い。
(……思ったよりある)
年齢を考えれば、かなりの量だ。
主席という肩書きは、伊達ではない。
次に、サリア。
魔力量自体はネマより少ない。
しかし、流れは安定しており、無駄がない。
(……こっちは、制御がうまい)
量より質。
伸びしろは十分。
ルークは手を離し、目を開けた。
「……ネマは、魔力量が多い」
「……サリアは、少ないけど……」
「……合格点」
二人は、思わず顔を見合わせる。
「……合格点?」
「それって……」
ルークは小さく頷いた。
「……二人とも」
「……十分、無詠唱に向いてる」
その言葉に、ネマは息を呑み、サリアは目を細めた。
*
ルークは振り返り、アインを見る。
「…先生」
「……二人今の実力、どれくらい?」
アインは少し考えてから答えた。
「ネマは中級が、ようやく安定して使える程度だな」
「サリアは……上級に、もう一歩届きそうだ」
二人が驚いたようにアインを見る。
「……そこまで、ですか?」
「自覚、なかったな」
ルークは満足そうに頷いた。
「……十分素質あるよ」
「……むしろ、良い」
ネマは思わず笑ってしまった。
「一年主席として、ようやく褒められた気がします」
「……私は三年なのに」
サリアも苦笑する。
*
その時だった。
「……ねぇ」
「……ルーク」
左右から、同時に手を掴まれる。
セシリアとミアだった。
「私たちも見てよ」
「ずっと二人ばっかりじゃん」
ルークはきょとんとする。
「……?」
「……二人はもう、出来てるよ」
「……確認いらない」
その言葉に、セシリアとミアは一瞬黙り込む。
「……そういうことじゃ、ないんだけど」
「……うん」
二人はほとんど聞こえない声で呟いた。
ルークは気づかず、首を傾げるだけだった。
それを見ていたアインが、肩をすくめる。
「魔法の才は一流だが……」
「女心の理解は、まだまだだな」
「……?」
ルークは不思議そうな顔をしたが、
それ以上深く考えることはなかった。
*
「じゃあ、次に進もう」
ルークは気を取り直す。
「……まずは基本」
「……魔力感知」
全員が目を閉じる。
これは、全員問題なく出来た。
「……つぎ」
「……体内循環」
これも、滞りなく進む。
ネマもサリアも、基礎は非常に優秀だった。
そして——
「……さいご」
「……体外放出」
その言葉に、ネマとサリアは顔を見合わせる。
「……体外放出、ですか?」
「正直……」
「それ、必要ですか?」
二人の疑問は、もっともだった。
現代魔法では、
魔力感知 → 体内循環 → 魔法制御→詠唱 → 発動。
体外放出は、工程に含まれていない。
「……無詠唱には、必要」
ルークは静かに言った。
「……魔力を外に、出せないと
次に進めない」
ネマは少し考え、頷いた。
「……理屈としては、納得できます」
「やってみましょう」
サリアも同意する。
ぎこちないながらも、二人は魔力を外へと押し出す。
空気がわずかに震えた。
「……よし」
「……ここまで、順調」
ルークは小さく感心する。
(……初めてなのに)
アインも腕を組んで言った。
「まぁ、全員成績優秀だからな」
「当然の結果だ」
*
ルークは少し考え、言った。
「……じゃあ」
「……次は」
「……訓練所いこう」
「……実際に魔法使ってみよう」
ネマとサリアの表情が引き締まる。
研究は、ここからが本番だ。
——基礎は、すでに揃った。
あとは、
常識を壊すだけ。
「じゃあ……」
ルークが一歩前に出る。
「……まず、魔力量をみるね」
ネマとサリアは同時に頷いた。
ルークは二人の前に立ち、少し迷うような素振りを見せてから言う。
「……手、繋いでいい?」
一瞬の沈黙。
ネマは一拍置いてから答えた。
「……研究のため、ですよね?」
「……うん」
「分かりました」
ネマは手袋を外し、そっと手を差し出す。
サリアも続いて、少し照れたように微笑みながら手を出した。
ルークは両手で一人ずつ手を握り、目を閉じる。
——魔力感知。
意識を内側へ、そして相手へと広げる。
まず、ネマ。
流れてくる魔力は、澱みなく、密度も高い。
(……思ったよりある)
年齢を考えれば、かなりの量だ。
主席という肩書きは、伊達ではない。
次に、サリア。
魔力量自体はネマより少ない。
しかし、流れは安定しており、無駄がない。
(……こっちは、制御がうまい)
量より質。
伸びしろは十分。
ルークは手を離し、目を開けた。
「……ネマは、魔力量が多い」
「……サリアは、少ないけど……」
「……合格点」
二人は、思わず顔を見合わせる。
「……合格点?」
「それって……」
ルークは小さく頷いた。
「……二人とも」
「……十分、無詠唱に向いてる」
その言葉に、ネマは息を呑み、サリアは目を細めた。
*
ルークは振り返り、アインを見る。
「…先生」
「……二人今の実力、どれくらい?」
アインは少し考えてから答えた。
「ネマは中級が、ようやく安定して使える程度だな」
「サリアは……上級に、もう一歩届きそうだ」
二人が驚いたようにアインを見る。
「……そこまで、ですか?」
「自覚、なかったな」
ルークは満足そうに頷いた。
「……十分素質あるよ」
「……むしろ、良い」
ネマは思わず笑ってしまった。
「一年主席として、ようやく褒められた気がします」
「……私は三年なのに」
サリアも苦笑する。
*
その時だった。
「……ねぇ」
「……ルーク」
左右から、同時に手を掴まれる。
セシリアとミアだった。
「私たちも見てよ」
「ずっと二人ばっかりじゃん」
ルークはきょとんとする。
「……?」
「……二人はもう、出来てるよ」
「……確認いらない」
その言葉に、セシリアとミアは一瞬黙り込む。
「……そういうことじゃ、ないんだけど」
「……うん」
二人はほとんど聞こえない声で呟いた。
ルークは気づかず、首を傾げるだけだった。
それを見ていたアインが、肩をすくめる。
「魔法の才は一流だが……」
「女心の理解は、まだまだだな」
「……?」
ルークは不思議そうな顔をしたが、
それ以上深く考えることはなかった。
*
「じゃあ、次に進もう」
ルークは気を取り直す。
「……まずは基本」
「……魔力感知」
全員が目を閉じる。
これは、全員問題なく出来た。
「……つぎ」
「……体内循環」
これも、滞りなく進む。
ネマもサリアも、基礎は非常に優秀だった。
そして——
「……さいご」
「……体外放出」
その言葉に、ネマとサリアは顔を見合わせる。
「……体外放出、ですか?」
「正直……」
「それ、必要ですか?」
二人の疑問は、もっともだった。
現代魔法では、
魔力感知 → 体内循環 → 魔法制御→詠唱 → 発動。
体外放出は、工程に含まれていない。
「……無詠唱には、必要」
ルークは静かに言った。
「……魔力を外に、出せないと
次に進めない」
ネマは少し考え、頷いた。
「……理屈としては、納得できます」
「やってみましょう」
サリアも同意する。
ぎこちないながらも、二人は魔力を外へと押し出す。
空気がわずかに震えた。
「……よし」
「……ここまで、順調」
ルークは小さく感心する。
(……初めてなのに)
アインも腕を組んで言った。
「まぁ、全員成績優秀だからな」
「当然の結果だ」
*
ルークは少し考え、言った。
「……じゃあ」
「……次は」
「……訓練所いこう」
「……実際に魔法使ってみよう」
ネマとサリアの表情が引き締まる。
研究は、ここからが本番だ。
——基礎は、すでに揃った。
あとは、
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