モノグサ彼氏とラブラブ大作戦っ!

藤宮りつか

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モノグサ彼氏とラブラブ大作戦っ!

Chapter 18

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 よくナニが大きい人のことを“馬並み”だなんて言葉で表現することがあるけれど、名前に“馬”の字が入っている天馬はまさにそうと言うか、なんとなくそんな気はしていたんだよね。
(天馬なだけに馬並み……)
 なんて、くだらないエロ親父ギャクを言っている場合でもない。
「んぁっ、んんっ……ぁっ……ぁんっ……あっ……」
 今度は天馬と一緒に気持ち良くなることになった俺は、その目的通り、天馬の大きな手に勃ち上がった俺と一緒に天馬を握り込まれ、お互いを擦り合わせるように扱かれてもう……。
「ぁっ、あっ……ゃ、あっ……んんっ……」
 喘ぎっぱなし再びである。
 本日の俺、ちょっと喘ぎ過ぎだよね。大学から家に帰って来てからというもの、普通の会話よりも喘いでいる時間の方が圧倒的に長い……気がする。
 それもそのはず。今日は天馬に予定外のバイトが入ってしまったから、大学から帰って来た俺は家の中に一人になっちゃったし。
 天馬と二人で暮らしている俺は、天馬がいなくなると話し相手がいなくなっちゃうから、自然と会話もゼロになる。
 で、おとなしく天馬の帰りを待っていようと思っていたはずの俺が、急に思い立ってアナル開発を始めちゃったものだから、その時点で俺の口から飛び出す言葉といったら、独り言か吐息や喘ぎ声。
 特に、アナル開発から普通のオナニーメインに変わってからは、ほぼほぼ喘いでしかいない。
 それが終わって部屋から出てきた俺が、まさかの帰宅をしていた天馬と顔を合わせた時は多少会話も交わしたけれど、そこからこういう流れになってしまい、天馬に気持ち良くされっぱなしの俺は喘ぎっぱなしという有り様だった。
「っ……智加っ……気持ちいいか?」
 でも、会話がままならないのは俺だけじゃないみたいで、俺よりはまだまともに話せているように見える天馬も、その声が少し途切れがちで、息も上がっていた。
(天馬ってこんな顔して感じるんだ……)
 いつも俺が想像してみようと思っても、なかなか上手く想像することができなかった感じている天馬の顔。その顔がすぐ目の前にあることに感動してしまう。
 刺激に耐える天馬の顔はちょっと辛そうで、苦しそうにも見えたけど、熱い吐息混じりの息遣いや、時々息を詰める様子は紛れもなく感じている証拠にも見えて、俺と一緒に気持ち良くなっている天馬の姿に俺の胸はキュンとなった。
(感じてる天馬って……なんか凄く可愛い……)
 こういう時、攻められている側の俺は攻める側の天馬のことを“格好いい”と思うものだと思っていたけれど、あまり余裕がなさそうな天馬の姿は“格好いい”より“可愛い”で、あまりどころが全然余裕のない俺は嬉しくもなった。
 俺が喘ぎ過ぎるせいで初々しさが薄れ気味だと感じてしまったけれど、やっぱり初めてってどこかしらに初々しさが現れるものなんだな。
 俺が今の天馬を見て“可愛い”と感じてしまうのも、天馬の姿に初々しさを感じてしまうからで、普段は大人っぽく見える天馬が年相応に見えてしまうからなのかもしれない。
「んんっ……気持ちぃ……天馬っ……」
 自分一人でスる時は自分さえ気持ち良くなれればそれでいいけれど、恋人と一緒にエッチなことをする時はそうもいかない。
 相手を思い遣りながら気持ち良くさせてあげたり、自分も気持ち良くなるわけだから、色々と我慢しなくちゃいけないこともありそうだよね。
 俺のイメージだと、特に攻める側の人間はイきたくなったからって好きなタイミングでイくわけにもいかなさそう。
 多分、天馬も何度かイきそうになったのを我慢したんじゃないかと思う。その時は俺と自分を扱く手の動きが弱くなったり、天馬の動き自体が止まったりするから。
 俺はもう充分気持ち良くしてもらっているし、一度絶頂を迎えてもいる。天馬も好きな時にイっていいんだよ、って言ってあげたいんだけど――。
「天馬っ……ぁあんっ……天馬ぁっ……」
 俺の口から出てくる言葉は自分が気持ち良くなっていることを伝える言葉――というか、喘ぎばかりで、俺の本当の気持ちがちっとも天馬に伝わらない。
 せめて
『俺は充分気持ち良くて今にもイきそうだから、天馬もイきそうになっていいよ』
 って気持ちが伝わってくれればいいんだけれど……。
 中で気持ち良くなる感覚にはまだ不慣れでも、こっちの刺激や快感には慣れきっている。しかも、天馬の手によって一度中イキを経験した俺の身体は気持ちいい感覚がずっと続いたままで、天馬と一緒に俺を手の中に握り込まれた時から、既にイきそう寸前だった。
「天馬っ……天馬は気持ちいい……?」
 自分の気持ちを上手く伝えられないのであれば、逆に天馬の気持ちを聞き出してしまおう。
 そう思った俺は、途切れ途切れになってしまう声で天馬に聞いてみると、天馬は
「んっ……凄く気持ちいいよ……智加と擦れるのが凄く気持ちいいし……興奮する……」
 って答えてくれた。
 その言葉、そっくりそのまま天馬に返したい。
 俺と天馬じゃ身長差があるから仕方がないのかもしれないけれど、同じ完勃ち状態でも俺と天馬のナニの大きさには結構な差がある。
 そんな俺と天馬のナニを一緒に握られたら、俺が感じる圧迫感はどうしても強くなっちゃうみたいで、天馬の手が俺達を一緒に扱き上げるたびに、ナニが天馬と強く擦れ合って凄く気持ちいい。
「んぁっ…んん……俺もっ……凄く気持ちぃ……おっきい天馬といっぱい擦れるの……凄く気持ちいいよぉ……」
 散々喘いで、既に恥ずかしいこともいっぱい言っているせいか、天馬の前で感じたままを口にすることに躊躇いがなくなっている。
 後で思い出した時に死ぬほど恥ずかしい思いをすることになりそうだけど、今はそんなところに気を遣っている余裕もなくて。勝手に口から思ったままの感情が言葉となって飛び出してしまうみたいだった。
「天馬っ……ぁんっ……気持ちいい……ぁあんっ……」
「智加っ……智加可愛い……可愛いよ、智加っ……」
「天馬……天馬好き……大好き……」
 天馬と初めてエッチなことをする時間は物凄く気持ちが良くて、興奮もして、それでいて物凄く恋人同士らしさを実感できる甘い時間でもあった。
 普段はあまりわかりやすい愛情表現をしてくれることが少ない天馬が、いっぱい俺のことを「可愛い」って言ってくれるし、「好きだよ」って言葉の代わりにキスもいっぱいしてくれる。
 ずっと天馬とこんな時間を過ごしてみたかった俺にとってはまさに夢のような時間だし、ようやく……って気持ちもあって嬉し泣きしてしまいそうだ。
「天馬っ……嬉しい……天馬と一緒にいっぱい気持ち良くなれて、俺……凄く嬉しいよぉ……」
 まあ、実際もう泣いちゃっているんだけどさ。
 天馬とエッチなことができて嬉しいのと、自分ではどうにもできない気持ち良さに困惑するあまり、何度も涙が零れ出ちゃっているんだけどね。
 本当にぼろ泣きしたり、半泣き状態で喘ぎ続けている俺ではあるけれど、この涙にマイナスの意味なんかない。全部天馬が好き故の嬉し涙だ。
 途中、ちょっと不安に駆られて流した涙もあるけれど、それだって天馬の言うように、身体がびっくりしたついでに涙が出てしまっただけだ。本当に恐怖を感じて泣いたわけじゃない。
 今日の俺は“悲しいから”という理由で流した涙なんて一粒もなかった。
「そっか……良かった。ずっと待たせてたみたいで悪かったな」
「んっ……ううんっ……」
 ああ……天馬って本当に優しい。恋愛事にはちょっと鈍くて疎いしで、俺をやきもきさせちゃうこともあるにはあるけれど、天馬は本当にいつだって俺に凄く優しい。
 たまに意地悪を言ってくる時でさえ、天馬からは俺に対する愛情みたいなものをひしひしと感じるし、天馬から俺に対する悪意を感じたことは一度もない。
 俺に意地悪をしてきた後の甘やかしようも凄くて、俺はいつも意地悪をされたことなんて全部なかったことにできてしまうくらい、天馬からの優しさを感じることができた。
「っ……智加っ……俺、そろそろ限界っぽいんだけど……智加はどうだ?」
 もともとぬるぬるでいっぱいだった俺と一緒に自分を擦ることで、天馬もいっぱいぬるぬるになっているけれど、このぬるぬるの全部を俺が出したわけでもなかった。
 俺と一緒に自分を擦ることで天馬もちゃんと気持ち良くなってくれているから、そのぶん天馬の先っぽからも透明な蜜が溢れ出して、擦れ合う俺と天馬のナニはお互いの出した精液が混ざり合ってぬるぬる感が大幅にアップ。ぬるぬる同士が濡れた音を立てて擦れ合う感覚に、俺も天馬ももう限界のようだった。
「そっ……そんなのっ……俺もう……とっくに限界なんて越えちゃってるよっ……さっきから俺、ずっとイきそうなの我慢してて……もう頭がおかしくなっちゃいそ……」
 本当ならとっくにイっていてもおかしくない状態の俺は、既に天馬の前で一回イっている手前、ここでも天馬より先にイってしまうことが躊躇われた。
 それに、せっかく天馬と一緒に気持ち良くなっているのであれば、イく時も天馬と一緒がいい。
 そう思ったから、さっきからイきたいのを必死になって堪え、天馬の様子を窺っていたりもするんだよね。
「そっか……っ……智加もイきそうなのか……だったら一緒にイこうな……っ」
「んんっ……ぅんっ……うんっ……」
 嬉しい。天馬の方から「一緒にイこうな」って言ってくれた。天馬もせっかくなら俺と一緒にイきたいって思ってくれているんだ。
「でもな、智加。どうせ一緒にイくなら、もっとそれっぽい感じでイきたくないか?」
「え……?」
 お互いの意見も一致したことだし、後は一緒に高みに昇り詰めていくだけだと思っていたら、天馬から更なる提案をされてわけがわからなくなってしまった。
 もっとそれっぽい感じとは?
「智加……俺の代わりにココ、握っててくれないか?」
「へ? あ、うん……えっと……こ、こう?」
 全くわけがわからなくはあるものの、俺は天馬に言われる通り、今の今まで天馬が握っていた俺のナニと天馬のナニを、天馬の代わりに手の中に包み込んでみた。
(わ……天馬のココ、初めて触っちゃった……)
 さっきからずっと触れ合ってはいるけれど、天馬のナニを触ったのは今が初めてで、なんだか物凄くドキドキしちゃう。
 一目見た時から“大きいな”って思ったけれど、実際にこうして触ってみると、天馬のって本当に大きい。大きいし太いしで本当に立派だ。こんなに大きくて立派なものをいつもズボンの下に隠していたなんて……。
 おまけに、今は気持ち良くなって爆発寸前だからか、大きくて硬くなった天馬は熱くて、ドクドク脈打っているようにも感じる。
 俺と一緒に気持ち良くなって、ココがこんなになっている天馬って……なんだか物凄く興奮しちゃう。
「んっ……」
 天馬が握ってくれていたみたいに、もっとちゃんと俺と天馬を一緒に握り込もうと思ったら一本の手じゃ足りないと思った俺が、両手を伸ばして俺と天馬を一緒に握り直してみると
「っ……ははっ……智加が俺のを握ってるとかってちょっとヤバいな。それだけでイきそうになった」
 さっきよりしっかり俺の手に握られたことに感じてくれたのか、手の中の天馬がビクンッ、って反応をした。
 そのことがちょっと恥ずかしかったのか、天馬は俺に向かって小さく笑って見せたんだけど、その天馬の笑い方が可愛いやら色っぽいやらで、俺は益々ドキドキすることになってしまった。
 ズルいよね、天馬は。決して余裕があるわけじゃないはずなのに、俺に比べるとなんか余裕があるように見えちゃうんだもん。
「いいよ、智加。そのまま握ってて」
「う……うん……」
 一体何が始まるんだろうと、ドキドキしながら待っていた俺は、天馬が自由になった手を俺の膝裏に差し込んできて、俺の両脚を開かせるようにして抱え上げてきたからギョッとした。
 一体何が始まるの? っていうか、これって……この体勢って……。
「こうすると本当にセックスしてるみたいだろ?」
 天馬はニヤッと笑ってそう言うなり、控えめに引いた腰を俺のお尻に向かって優しくぶつけるような動きをしてきた。
「んぁあっ! ぁんっ……あっ……」
 天馬にそうされると俺の手の中の天馬も動いて、俺を根元から先端にかけて擦り上げてくるから、その刺激に堪らなく感じてしまった俺は悲鳴に近い声を上げた。
「んっ……」
 天馬も今の動きが思った以上に気持ち良かったのか、引いた腰を俺に打ち付けた直後、息を詰めて身体をブルッと震わせた。
 そして、その快感をやり過ごしてから
「どうだ? 智加。これ、気持ちいいか?」
 って聞いてきた。
「き……気持ちいいっていうか……」
 気持ちいいも何も、本当に天馬とエッチしているみたいでめちゃくちゃ興奮するよ。もちろん、そんな動きで天馬のナニと擦れ合う俺のナニも物凄く気持ちいい。
「本当に天馬とエッチしてるみたいで凄く興奮しちゃうし……感じちゃう……だから……うん……凄く気持ちいい……よ」
 ただ擦り合わせるだけでも凄く気持ち良かったのに、こうして体勢を変え、動きが加わることでより興奮して、感じやすくなるから不思議。
 やっぱりエッチする時は雰囲気が大事ってことなのかな?
「なら良かった。俺も凄く気持ちいいし興奮するよ、智加」
「ぁんっ……んっ、んんっ……」
 俺もこうされるのが凄く気持ちいいとわかった天馬は、再び腰を引き、俺の手の中のナニが強く擦れ合うように腰を送ってきて、俺は天馬に腰を打ち付けられるたびに、本当に中を天馬に突き上げられているような錯覚を起こしてしまいそうだった。
「あっ、ん……ゃっ、ぁあっ、ぁ……ぁんっ……んんっ……っ」
 くちゅっ、くちゅっ、って音を立てて手の中で擦れ合う俺と天馬が恥ずかしいけど気持ちいい。
 おまけに
「智加っ……んっ……智加っ……」
 俺の名前を呼びながら腰を送る天馬にも感じちゃうしで、俺はもう……今すぐにでもイきたくて堪らなくなってきた。
 特に、天馬の先っぽが俺のくびれ部分から先っぽを強く擦る時が一番気持ち良くて、そこを擦り上げられるたびに、先端の小さな孔がパクパクして、白濁のミルクを零してくる。
「天馬っ……俺っ……イきそ……もう……イっちゃいそうだよぉ……」
 天馬の腰の動きが次第に速くなっていくにつれ、頭の中が真っ白になっていく俺は、イきたいけどまだ我慢……と思うことがかなり辛くなってきた。
 だけど
「あぁ……俺もイきそうだ……もうイく……っ」
 天馬もそんなに長くもちそうにないことがわかったから、これ以上我慢しなくていいんだと、ホッとした気持ちになった。
「天馬っ……イくっ……イくっ……イっちゃうっ……」
「んっ……いいよっ……俺もっ……」
 天馬が引いた腰を打ち付けると肌と肌がぶつかり合う音がして、ぬるぬるになった俺と天馬が擦れ合うたびに濡れた音がいっぱい立って……。
 その全部にどうしようもなく感じちゃって、気持ち良くなり過ぎた俺は――。
「ぁっ、ぁっ、あっ……あぁぁんっ!」
 天馬の前で二度目の絶頂を迎えたと同時に、天馬と強く擦れ合ったナニの先端から熱い白濁を放っていた。
「んんっ……!」
 それとほぼ一緒に俺の手の中の天馬もビクビクッて震えて、俺の手は自分と天馬の吐き出した迸りを浴びて、じんわりと温かくなった。
「ぁん……ぁっ……はぁっ……ん……」
 オナニーでは感じることができない強い快感と達成感。そして幸福感に、俺の意識は半分飛びかけていた。
(好きな人とエッチなことするのって、こんなに気持ちいいんだ……)
 呆然とする中でぼんやりとそんな感想を抱いていると、俺とほぼ同時に絶頂を迎えた天馬が、俺の上に倒れ込むようにしてのし掛かってきた。
「天馬……」
 俺がそんな天馬を受け止めるようにして抱き締めてあげると、天馬は俺の上に倒れ込んだままの状態で、俺をぎゅうぅっと抱き締めてきてくれた。
「っ……はぁっ……」
 俺のすぐ耳元で天馬の乱れた息遣いが聞こえてくる。天馬を抱き締めた両腕からは天馬の熱くなった体温も伝わってきて、それが物凄く心地いい。
「っ……智加……」
「んっ……」
 ほんの数秒間の間、天馬は俺の上で射精の余韻に浸っていたわけだけど、しばらくすると身体を少しだけ起こして、俺に愛情たっぷりのキスを落としてきてくれた。
 俺は抜けきらない射精の余韻に浸ったまま、天馬からのキスを一身に受けながら
(このまま時間が止まっちゃえばいいのに……)
 と、幸せに満たされる時間を名残惜しく感じた。
 何度も音を立てて重なる唇に俺は身も心も満たされきって、本当はただ擦り合って――というほど単純なものでもなかったけれど――イっただけのはずなのに、本当に天馬とエッチした気分にさえなってしまっていた。
「気持ち良かったか? 智加」
 天馬は俺の唇の上に数えきれないほどのキスの雨を降らせた後、ようやくいつも通りの天馬に戻った様子で聞いてきたけれど、そんなものはわざわざ聞かなくてもわかりそうなものである。
「うん……凄く気持ち良かった……」
 今になって急に気恥しさが込み上げてきた俺が、肩を竦めて恥ずかしそうに答えると、天馬は満足そうに笑って
「俺も凄く気持ち良かった。癖になりそうだ」
 なんて言った。
 癖になってくれて大いに結構。こんなに気持ちが良くて幸せな気分に浸れる経験なら、俺は毎日だってしたい。
「二人ともべたべたになっちゃったな。ご飯の前に風呂に入るか」
「え?」
「風呂入れてくるから待ってろ。一緒に入ろう」
「う……うん……」
 天馬はまるで当たり前のようにそう言い残し、ズボンを直しながらソファーを下りてお風呂場に向かったけれど、天馬の言葉を受けた俺の方はちょっと信じられない気持ちだった。
(今……一緒にお風呂って……)
 今回は冗談……とかじゃなさそうだよね? ってことは俺、天馬と初エッチなことをしたうえ、恋人同士になってから初めて天馬と一緒にお風呂まで?
(それってもう……もう……)
 ラブラブの大渋滞っ! 天馬とエッチなことをしたことによって、俺と天馬の日常が急速にラブラブなものに?
(やっぱり裸の付き合いって大事なのかも……)
 本来、人前で裸になることは恥ずかしいものだし、ましてやナニを見せ合ったり、触り合ったうえ、擦り合わせるだなんてことは恥ずかしいを通り越して破廉恥行為でしかない。
 だけど、それを恋人同士で一緒にやることで、恥ずかしながらも愛が深まっていく気がするし、お互いに恥ずかしいところを見せたり触れたりすることで、絆や情も深まっていく気がする。
 そう考えると、好きな人とエッチなことをするのも神聖なもののように思える。
 今回は実際に肉体的な繋がりを持ったわけではないけれど、それにほぼ近い経験をした。実際に肉体的な繋がりがなくても、天馬と触れ合ったまま同じ気持ちになれたことで、俺と天馬の心の距離がグッと近くなったと感じたことは、俺だけの気のせいじゃないよね?
「風呂はあと五分くらいで入れるよ。それまで智加は……」
「天馬っ! 大好きっ!」
「え?」
 天馬とファーストキスをして以来、どんどん天馬のことを好きになっていくばかりの俺は、そんな気持ちを無性に天馬に伝えたくなって、天馬がお風呂場からリビングに戻って来るなり、間髪入れずにその気持ちを天馬に伝えようとした。
 天馬はお風呂を入れて戻って来るなり、いきなり俺に「大好きっ!」なんて言われて少し驚いた顔になったけれど、未だに下半身丸出しでソファーの上にちょこんと座っている俺を見ると、「しょうがないな」って顔で笑いながらソファーに向かって歩いてきた。
 そして
「俺も大好きだよ、智加」
 と言って俺のおでこにキスをすると、俺のお尻の下でしわくちゃになっているバスタオルで、俺の剥き出しになったままの下半身を包んでくれた。
「今日は風呂に入る前に手洗いしなきゃいけないものがいっぱいだな」
 それは俺の下半身を包んでくれたバスタオルのことだけではなく、床に落ちたままになっている俺の下着や、今天馬が穿いてる下着、少しだけ精液が飛んでしまった俺のシャツのことを言っているんだろうな。
「ほんとだね」
 生々しい情事の跡というか、お互いに恥ずかしいことをしたという気持ちにならざるをえない証拠の数々に、俺と天馬は顔を見合わせてちょっと笑った。
 きっと、明日の朝にはいつもより多くの洗濯物がベランダの物干し竿の下に並ぶことになるんだろうな。
 でも大丈夫。今朝見た天気予報では明日の天気は一日中晴れ。洗濯物もよく乾くって言っていたから、いつもより洗濯物が多くても問題はないよね。
 そして、明日の朝はきっと、俺の心も洗濯日和に相応しい青空みたいに、清々しく晴れ渡っていることだろう。
 ここ数日の間に次々と自分の願望が叶っていく俺は、今がまさに人生最高の絶頂期を迎えているのかもしれない。


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