どっちも好き♡じゃダメですか?

藤宮りつか

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第四話 『記憶の欠片』

   7

 


 いや。別に変なことではないと思う。小学校で初めて受けた性教育の授業でも、早い子は十歳から十一歳で精通を迎えるって聞いたし、それよりも早く精通を迎える子もいるって聞いたから。
 俺のクラスメイトの男子の三分の一は、小学六年生で精通を迎えていたようだし、頼斗が精通を迎えた時期もその頃だった。
 さすがに小学四年生で精通を迎えたって奴の話は聞かなかったけれど、小学五年生になってすぐ精通を迎えた奴も一人か二人はいたような気がする。
 だから、雪音が小学四年生になってすぐに精通を迎えてもおかしくはないんだけれど、俺と同じ二月生まれの雪音は、そのぶん身体も他の連中に比べて未熟なんじゃないかと思っていた。
「まあ、僕は小学校の頃から背が高かったし、他の子に比べると体格も良かったからね。肉体的には早熟だったんだと思う」
 しかし、早生まれの人間らしく、他の連中に比べて小柄だった俺と違って、雪音はすくすく育っていたらしい。
 きっと、雪音のお父さんが背の高い人で、体格もしっかりした人だったのだろう。雪音はその遺伝子を受け継いだに違いない。顔の造りも宏美さんとはちょっと違う気がするから、雪音は多分父親似なんだと思う。
「で、そんな早熟だった雪音少年は、学校や家で性教育を教わる前に精通を迎えちゃったわけなんだけど、当時の僕は母さんに心配を掛けたくなくて、学校の先生に相談をしに行ったわけだよ」
「……………………」
 嫌な予感再び。俺、この先の話を聞いちゃっても大丈夫? この流れでいくと、雪音の初体験っていうのはまさか……。
 いやいや。いくら何でもそれは……ね? だって、小学生だよ? 小学生で童貞卒業はさすがにヤバい――っていうか、それをしたら相手は立派な犯罪者だよね?
「自分で言うのも何だけど、僕って子供の頃から顔は良くてね。クラスの女子はもちろん、学校の先生からも可愛がられる存在だったんだ」
「……………………」
 何故そこで自慢を挟んできた。そこの情報はいらないよ。どうせそんな事だろうと思っていたし。あえて説明してくれなくても、俺は最初からわかっていた気がする。
「あ、でも安心して。さすがに小学生で童貞は捨ててないから」
「あ、そうなの?」
 俺は今から、雪音の受けた性被害の話を聞かされるのかと思い、恐怖に満ちた顔になっていた。
 父親のいない児童に、学校の先生が犯罪になる性教育を施したのではないかと恐れていた俺は、そこを否定してもらってホッとした。
 もし、雪音がそんな目に遭っていたら、俺は雪音に同情せざるを得なかったし、雪音の性的行動がおかしい事も、受け入れるしかないと思っていた。
 ほんと、そんな事にならなくて良かったと思う。
「うん。ただまあ、性教育にかこつけて、多少エッチな事はされたけどね」
「はうっ⁉」
 安心したのも束の間。雪音はちゃっかりエッチな指導もしっかりとされていた。
 何て事だよ。聖職者であるはずの学校の先生が、児童に対して性的行為を? それは先生にあるまじき立派な犯罪じゃん。どこのどいつか突き止めて、警察に突き出してやりたい。
「言っても、当時の僕はそれが先生からの懇切丁寧な性教育だと思って疑わなかったんだけどね。何せその頃の僕は性に関して全くの無知で、オナニーのやり方どころか、その言葉すら知らなかったんだから。〈こういう時はこうするんだよ〉って、僕のナニを使って実演してくれる先生に、感謝したくらいだったよ」
「へ……へぇ……そうなんだぁ……」
 うぅっ! 雪音にもそんなピュアな時代がっ! 今の雪音からは考えられないほどのピュアさだよっ!
「相手が男の先生だったから、僕も安心感みたいなものがあったし。でも、今思うとあれは行き過ぎた性教育っていうか、立派な犯罪だったよね」
「そ……そうだね……」
 もし、俺が学校の先生からそんな事をされていたら、ショックのあまり学校に行けなくなっていたかもしれないのに。雪音はその事でショックを受けている感じではなかった。
 神経が図太い、とでも言うのかな? 雪音って本気で傷つくこととかあるんだろうか。
「でもまあ、ちょっとナニを触られただけだし、オナニーのやり方を教えてもらっただけで、処女を奪われたわけでもないからね。それが変だとわかった時も、〈ま、いっか〉で済ませちゃった。僕が無知だったのも悪いし」
「ふぅ~ん……」
 そういうものなんだ。そんな簡単に割り切れちゃうものなんだ。ある意味凄いよ。
 というより何よりも、子供の頃にそんな経験をした雪音だからこそ、今の雪音がこうなった可能性が充分にあるよね。
 雪音はあまり恋愛に性別の問題を考えないようだけど、それも小学生時代の体験というか……。性への関心がまだ未熟な段階で男の先生とエッチな体験をしちゃったから、〈男同士〉に違和感がなくなってしまったのかもしれない。
 だとしたら、俺はその先生に文句を言ってやりたい。
『あんたのせいで俺が二次被害に遭ってるんですけどっ!』
 って。
「だけどね、心も身体も未熟なうちにそういう体験をしちゃったものだから、僕は貞操観念の面ではちょっと意識が低くなってしまったみたい。中一の夏休みに童貞を捨てることになった時も、正直〈こんなもんか〉くらいにしか思わなかったんだよね」
 なるほど。そう続くわけか。最初に「精通いつだった?」と聞かれた時は、何の関係が? と思ってしまったけれど、ここでそう繋がってくるわけね。
 それにしても
(中一の夏休みだって⁉)
 俺がまだ精通を迎えていなかった頃に、雪音は童貞を捨てていることに驚く。
「相手は二つ年上の先輩で、生徒会長をやってる人だった。僕が入学式で新入生代表の挨拶をしちゃったら、目をつけられたみたいでさ。何かにつけて僕に話し掛けてくるようになって、夏休みが始まる頃には友達みたいになってたんだよね」
 姫中の入学式で新入生代表の挨拶か。雪音ってそんなに頭がいいんだ。あんまりそんな風には見えないけれど。
 その頃の雪音の顔は知らないけれど、本人も「昔から顔は良かった」って言うくらいだから、そんな雪音が新入生代表の挨拶なんかをしたら、さぞかし多くの女子から目をつけられたことだろう。
「夏休みが始まってすぐ、その先輩から〈一緒に映画を見に行こう〉って誘われたんだよね。僕としては、ただ親しくしている先輩と一緒に映画を見に行くだけのノリだったんだけど、その帰りに自宅に連れ込まれて、あれよあれよという間に……って感じ。身体中を触られて、ナニが勃ったところで向こうから僕を咥え込んできちゃってさ。僕の童貞は奪われることになったってわけ」
「……………………」
「多少の好意はあったけれど、異性としては好きでも何でもない相手だったから〈いきなり⁉〉って感じではあったけど。でも、美人は美人な人だったし、気持ち良くなかったわけでもないから、とりあえず最後までヤっちゃった。もちろん、セックスしたからって、その人のことを好きになることもなかったよね」
「……………………」
 ちょっと待って。既に若干ついていけなくなっている俺がいる。
(どういう体験だっ!)
 確かに、ただ一緒に映画を見に行っただけの相手――それも、恋愛的な意味では好きでも何でもない相手に身体の関係を迫られた挙げ句、本当にセックスまでしちゃったわけだから、雪音的には〈童貞を奪われた〉で間違いはないのかもしれないけれどっ!
 でも、多少なりとも好感を持っていた相手ではあるんだよね⁉ そもそも、中学一年生でそんな体験をする男子なんている⁉ 同情するよりも、羨ましいと思う気持ちの方が強いんですけどっ!
 しかも、口では〈童貞を奪われた〉と言っているわりには、ちゃんと気持ち良くなってんじゃんっ! それって本当に奪われたことになるの⁉
「その人とはそれっきり。〈付き合おう〉って言われたけど、僕にはそんな気が全く無かったからね。断ったら新学期からは話し掛けられなくなったよ」
 あっけらかんとした口調で言う雪音だったけれど、俺はもう、自分とは全く別次元の話を聞かされている気分だった。
(いやいやっ! そこはもう付き合っとけばいいじゃんっ! セックスしたんだからっ!)
 とも思った。
「あれ? でも雪音、その人とはキスしなかった……っていうか、されなかったの?」
 俺の日常では考えられない破廉恥話に唖然とするばかりの俺だったけれど、そこまでした相手と雪音がキスをしなかったという辺りが信じられない。
 多分、その生徒会長だった女の人は雪音のことが当然好きで、雪音とはキスしたいと思っていたはずだよね?
 雪音とセックスするために、雪音の身体中を触るような人が、雪音の唇を奪わなかったとは思えない。
「うん、してないよ。されそうにはなったけど、〈キスはダメ〉って言ったら、おとなしく引き下がってくれたし」
「ああ、そう。そうなんだ……」
 その人の基準がわからない。雪音の童貞は強引に奪った癖に、そこは聞き分けがいいんだ。俺には全く理解ができなくて、混乱していく一方だよ。
「だってさ、やっぱりキスは好きな相手のために取っておきたいじゃん」
 いやいやっ! キスだけじゃなく童貞も、だよね⁉ 雪音の基準も全然わからないっ!
 何⁉ 雪音にとってキスは聖域か何かなの⁉ 普通、セックスする流れでキスってしちゃわない? キスのないセックスなんて、愛情が無い証拠みたいで嫌じゃない⁉
「だから、その後も何人かの女の子とセックスした時も、キスだけは死守したんだよね」
「なっ……何人か⁉」
 待てーっ! 雪音の性体験って一人じゃないのかよっ! 何人かって何人だよっ! もっと具体的な数字を言えっ!
「具体的な数で言うと五人かな。全員一回きりの関係だけど」
「五人ーっ⁉」
 五人⁉ 五人って言った⁉ え⁉ 雪音ってその歳でもう五人の女の子とのセックス経験があるの⁉
 しかも、全員一回きりとはどういう事だっ! クソ野郎にもほどがあるだろっ!
「だから、テクニック的には僕の方が頼斗よりは上だと思うんだよね。深雪も初めての相手は童貞よりも経験者の方が安心だと思うよ」
「~……」
 雪音が何か言っているみたいだけれど、今はそんな事どうでもいい。っていうか、雪音の言葉なんて一切耳に入ってこなかった。
(ご……五人……五人って……)
 その数字に頭がくらくらする。俺、そんな奴にファーストキスを奪われちゃったの?
「五人……五人って……」
 最早口に出てしまっていた。
「びっくりした? でも、僕から望んだことじゃなかったし、既に童貞を捨てちゃってる身だからね。僕も男だから性欲はあるし。〈シよ〉って言われれば、〈ま、いっか〉ってなるよね」
「ならないよっ!」
 あー……頭が痛い。痛くなってきたような気がする。俺にとっては大事なことにも思えるのに、〈ま、いっか〉で済ませてしまう雪音にも腹が立ってくる。
 こんな事実を知らされた後では、雪音と出逢う前に頼斗から手を出されていた方がマシだとすら思う。
「信じられないっ! まさか雪音がそんなヤリチン野郎だとは思わなかったよっ! 俺のファーストキス返してっ!」
「またそういう事言う。僕にとっては大事なファーストキスだったんだから、いい加減深雪も諦めてよ」
「諦められないよっ!」
 今日、雪音の話を聞くまでは、俺も〈諦めよう〉という気持ちになりかけていた。
 でも、今の話を聞いてしまった以上、諦めるに諦められなくなった感じだよね。
「それに、今更ながら僕だって後悔していたりもするわけだよ。僕に深雪と出逢う未来が待っているとわかっていたら、深雪のために童貞を取っておけば良かったって気持ちもあるし」
「別に取っておいてもらわなくても結構だよっ! そもそも、俺は雪音とセックスするつもりなんてないからねっ! 雪音の六人目になるつもりなんて無いからっ!」
「あ、六人目じゃなくて七人目ね。僕の言った五人って、最初の一人を除いた数だから」
「どっちでもいいよっ! そんな数っ!」
 六人目でも七人目でも大差はない。要はそんなに複数の人間と経験がある雪音に、俺の初めてをあげるつもりは無いという話だ。
「もう触んないでっ! 汚らわしいっ! エロが伝染うつるっ!」
 雪音が自分の話をしている間、始終雪音の腕の中にいた俺は、両手を前に突き出して、限界まで雪音の身体を自分から遠ざけてやった。
「何だよ、それ。人を病原菌みたいに言って傷つくじゃん。僕だって好きで異性と関係を持ったわけでもないんだから、そんなに怒ることなくない?」
「でも、シたじゃんっ! 童貞を奪われたって言いながら、合計六人もの女の子とセックスしたんじゃんっ!」
「そりゃまあシたけど……。向こうが誘ってくるわけだから、僕が悪いんじゃないと思うんだよね」
「一緒のことだよっ! 誘われたら誰とでもヤるんじゃんっ!」
「そんな事ないよ。一度ヤった相手とはもうヤらないし。ちゃんと断る時だってあるし」
「それは雪音の気分でしょっ!」
「まあ、そうとも言うかな」
「ほらっ! そんな奴に触られたくないんだよっ! 俺を他の女の子と一緒にしないでよねっ! だから離してっ!」
「いやいや。僕は深雪と今までの女の子を一緒になんかしてないよ。深雪は特別」
「そんなの信じられないよっ! いいから離してったらっ!」
 全力で雪音の身体を押し返しているというのに、雪音の身体は思った以上に俺から離れてくれなかった。
 それは雪音が疲れ知らずの体力お化けだからなのか。はたまた、今は俺の体力が消耗気味で万全じゃないからなのか。
 どちらにしても、雪音の話に尋常じゃなく腹が立ってしまった俺は、一刻も早く雪音に俺から離れて欲しかった。それなのに――。
「んんっ⁉」
 雪音は俺から離れるどころか、俺の唇を強引に奪ってきて、俺を盛大に悲しませてきてくれた。
(ちくしょう……こんな奴に……)
 悔しくて今にも泣いてしまいそうな俺だったけれど、雪音は思いの外に俺の唇を早く解放してくると
「今は深雪だけだよ」
 滅多に見ることができないような真面目な顔でそう言ってくるから、俺は不覚にもドキッとしてしまった。
 さすがに女子から騒がれるだけのことはあって、間近で見る雪音の顔は物凄く整っていた。
 特に、こういう真剣な顔をされると、いつものへらへらした顔とは違った格好良さがあるっていうか……。
「今は深雪だけだから」
「っ……」
 そんな雪音にもう一度同じことを言われてしまうと、俺はどうしてだか何も言い返せなくなってしまった。
(そんな事を言われても……)
 心の中ではそうふて腐れたくなったけれど
「だから、僕のこと嫌いにならないで」
 真剣な表情の中に悲しそうな色を浮かべられると
「別に嫌いになるとか……そういう事じゃないし……」
 頼りなくではあるが、そう返すしかなかった。
 ほんと、顔のいい奴はこういう時にズルいと思う。


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