人骨トンネル

yukitaka.yamada

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囁き散る私は

私の友達

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蒼と私は仲が良かった。
でも私はいやいや付き合ってあげていて、
でもそのいやいやが将来とても大事な物だと気づいた。

つまり蒼から話しかけられて私が嫌な仕草をする。
そういう毎日になっていて、周りからもそういうグループだ。という存在感を放つことができた。

女子はグループになれないだけで冷たい視線を向けてくる。
女は怖い…とても…な。

私はそういう毎日を今後は過ごさなくても良さそうだ。
だって蒼がいるから、蒼と居れば…一つのグループなんだから。私達は最高の友達なんだから。

歩「あれ?」

間違えて消したかな…?ゲームがない。
歩「昔やっていた。マッチング効率の悪いゲームが…」

一回ああゆうことが起こってからもう数年起動してなかったが、端末の問題か?勝手にアンインストールされたのか…?

歩「あれ…どんな名前だったかな…」

数年前のゲームだし、なにせマイナーだ名前が全く思い出せない。

ゲームストアを開いたまま寝そべり思い出してみてみたが、結局分からなかった。

あ…名前は思い出せなかったけど未来奏雲みらくそううんって名前…いたな。

なんとなく名前だけ調べてみた。
名前検索でもなにか当たるだろうと思った。

検索結果にはこう描いてあった。

女子高校生じょしこうこうせい未来奏雲みらくそううんさん19(才)がトンネルの中でバラバラにされて発見。遺体いたいの顔だけはなくなっており、現在、警察が捜索中。
ご遺族からは…



これ、いつのだろう。同姓同名という可能性もあるしな。
もうトンネルという響きだけで震えが止まらない。

思い出す数年前の蒼が私の描いた絵画の中に吸い込まれる映像。蒼の指先。

高校生の時から考えていた。なぜフルネームでずっとこの人としか遊べないのだろうと。

蒼が思っていた事、なんとなく分かった気がする。

そしてここ蒼の家にいる。

こんなにも蒼を求めたことはない。

様々な謎を知るために蒼の家を訪ねた。

私は大きく深呼吸をして、インターホンを押した。

するとインターホン越しから男の人の声が聞こえた。
ため息のような声と野太い声で「はい。」と声がした。

蒼は父家庭でお父さん一人で育てていたらしい。
少しだけ会っただけだけど大丈夫だろうか。

ドアを開けると蒼のお父さんが少し安堵した顔でこう言った。

「おかえり。」と。

私は不思議と戸惑うことなく「ただいま。」と言った。

すると、蒼のお父さんは嬉しそうに家に招き入れてくれた。

歩「蒼のお父さん蒼の部屋少し見せてください。」

私は久しぶりに会うお父さんに戸惑いながらも、本題だけは

蒼のお父さん「あぁ歩ちゃんならいいよ。」

蒼が亡くなってから以来だろうか、警察からは失踪事件として扱われているけど私が殺したのを知ったら…ゴクリとつばを呑んだ。

私は犯罪者だ。友達を殺した。極悪人だ。

蒼の部屋を見せてもらったが特になにもなかった。
でも…赫先生のお子さんの実乃里ちゃんは、蒼の事を知るべきだったって…
ま、適当に言った事を信じた自分も馬鹿だった。と思ったその時だった。

一つの写真に違和感を覚えた。背景がトンネルで笑顔で写っている蒼と隣に写ってる女の子、
その隣に赫先生がいたのだ。

歩「なにこれ?」

色々と情報が多すぎて追いつけないが、赫先生と蒼は会っていた?
…ってことはこの隣の女の子が実乃里ちゃん?

蒼のお父さん「いやぁ…あんまり良い茶菓子がなくてごめんね~」

そうだ。蒼のお父さんなら、なにか知ってるはず!

歩「この写真!どうしたんですか!?」

私は食い気味に聞いた。私自身ちょっと引くぐらい。

蒼のお父さん「どうしたって…トンネルの写真だよ…」

歩「なんで、蒼とか赫先生、実乃里ちゃん達がいるんですか!?」

蒼のお父さん「え?これは数年前撮った…トンネルの写真だよ…蒼なんて…」

蒼のお父さんはなにかを察したのかこれ以上は喋らなくなってしまった。

歩「この写真の人が見えないんですか…?」

頭がおかしいのは自分なのかもしれない。そう思うと自分も何も言えなくなった
お茶菓子を手にとって私はこう言った。

歩「このお茶菓子美味しいですね…」

私は写真だけ預かると蒼のお父さんに言うと、蒼の家を出た。
蒼のお父さんからは、「就活も頑張ってな。」とのことだった。
蒼のお父さんはいつもいいお父さんだ。
蒼が亡くなってからも、他人の心配もしてくれる優しい人。
私もそうなりたい。


専門学校3年作品


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