1 / 1
部屋を出る春
しおりを挟む
図書室の本棚通り過ぎ去りし影に追い付き部屋を出る春
甘栗が弾けるような恋だから爪は立てずに実を口にする
CDの銀盤映る海の色 青・碧・蒼・藍・紺・瑠璃でした
傘を手にメリー・ポピンズ真似てみる くるくる回る二人は踊る
キーキーと悲鳴をあげる自転車と親友になる初恋の夏
ひと夏の恋にみんなが掛けるから教室の摂氏38℃
ハチマキに赤い糸で刺繍をし小指の腹で彼の名なぞる
学ランの袖に初めて触れた夜は眠れず指が震え惚ける
コスモスを千切って指をふと止めて花粉の付いたスカート払う
果てしなく続く茜の空の下 君に焦がれてまた待ちぼうけ
すすき野を飛び交うつがいの鳩に似た二人がよいね そうなりたいね
二個同じラベルの缶から漂いし知らない国のココアの香り
鉛筆で左手三回つついては「嫌い」「好きよ」の二律背反
白き湯気立つ缶コーヒー頬に付けはしゃぐ二月の紺碧の空
透明な窓のガラスを白く染め二人近づく魔法唱える
ジーンズでワンサイズ下狙う時する目だね。うん、ライバルだしね。
今はもう顔も分からぬ女をまだ敵対視する ミニーのように
木漏れ日の色した日々にキスをして未来の二人はきっとハグする
私だけ呼んでいた名を他の娘が囁くだけで逃げ出したくなる
ヒーローは間違いでなく君なのに二次元推しの言葉響かず?
萎んでく風船のよう項垂れし彼に渡せず握るハンカチ
夕凪を蹴散らすように駆けていた自転車二台 今は止まって
ペアショット待ち受けにして離れてる時間を埋めるお守りにする
本でしか聴いてなかった潮騒を聞いて見送るレトロ門司港
ポケットにしまったままのチョコ どろりどろりどろりと蕩ける本音
バラードのように綺麗な恋ならば良かった……なぁんて、ついひとりごと
泣く場所が風呂場になった夜だから排水口に幼さ流す
傘の柄がポキンと折れて今はまだ直しもせずに雨風凌ぐ
「食感がイマイチだから嫌い」だと呟く彼によく似たトマト
何となく五月病になる時はトクンと跳ねる血管を見る
火傷した彼のふやけた指を舐めまるで二人のようだと思う
プロポーズ受けるだなんて急すぎてカレーの味も分からなくなる
家族とか友達だとか知人とかそんなしがらみ超えたい恋です
ジージーと蛍光灯が鳴る夜は電話を掛ける手が止まらない
着信が鳴らぬ電話と普段なら気にも留めない赤いささくれ
青痣がうっすらうっすら消えていく まるで二人の関係のよう
時が経ち熟れて朽ちてくオレンジのような言葉は吐き出さないで
朝食のメニューは無関心なのに別れ話は敏感な彼
想い出は二人が見てた幻ね 約束は二人が言った戯れ言ね
「さよなら」を手紙で告げた真夜中にパキンと折れた親指の爪
もう恋はしないと決めた日にそっと優しく肩に落つ蝉時雨
アルバムは水曜・燃えるゴミの日で鍵は火曜の不燃ゴミの日
メーカーも名前も知らぬ香水に紛れて香る女の匂い
利き腕で一番好きなぬいぐるみ殴り理解す失いし恋
花魁の誓いに似せて小指ではなく髪を切る深夜二時半
黒髪を朱に染め化粧する朝はアイライナーが上へと跳ねる
彼が乗る車で聞いたCDはTSUTAYAで現価百円也
男ならとっくの昔に捨てたのに未だに飲んでいるピル一錠
雪の日に産まれ決まりし名前だと呟く君を想う一月
二年前彼が似合うと言っていたコートを脱いで部屋を出る春
甘栗が弾けるような恋だから爪は立てずに実を口にする
CDの銀盤映る海の色 青・碧・蒼・藍・紺・瑠璃でした
傘を手にメリー・ポピンズ真似てみる くるくる回る二人は踊る
キーキーと悲鳴をあげる自転車と親友になる初恋の夏
ひと夏の恋にみんなが掛けるから教室の摂氏38℃
ハチマキに赤い糸で刺繍をし小指の腹で彼の名なぞる
学ランの袖に初めて触れた夜は眠れず指が震え惚ける
コスモスを千切って指をふと止めて花粉の付いたスカート払う
果てしなく続く茜の空の下 君に焦がれてまた待ちぼうけ
すすき野を飛び交うつがいの鳩に似た二人がよいね そうなりたいね
二個同じラベルの缶から漂いし知らない国のココアの香り
鉛筆で左手三回つついては「嫌い」「好きよ」の二律背反
白き湯気立つ缶コーヒー頬に付けはしゃぐ二月の紺碧の空
透明な窓のガラスを白く染め二人近づく魔法唱える
ジーンズでワンサイズ下狙う時する目だね。うん、ライバルだしね。
今はもう顔も分からぬ女をまだ敵対視する ミニーのように
木漏れ日の色した日々にキスをして未来の二人はきっとハグする
私だけ呼んでいた名を他の娘が囁くだけで逃げ出したくなる
ヒーローは間違いでなく君なのに二次元推しの言葉響かず?
萎んでく風船のよう項垂れし彼に渡せず握るハンカチ
夕凪を蹴散らすように駆けていた自転車二台 今は止まって
ペアショット待ち受けにして離れてる時間を埋めるお守りにする
本でしか聴いてなかった潮騒を聞いて見送るレトロ門司港
ポケットにしまったままのチョコ どろりどろりどろりと蕩ける本音
バラードのように綺麗な恋ならば良かった……なぁんて、ついひとりごと
泣く場所が風呂場になった夜だから排水口に幼さ流す
傘の柄がポキンと折れて今はまだ直しもせずに雨風凌ぐ
「食感がイマイチだから嫌い」だと呟く彼によく似たトマト
何となく五月病になる時はトクンと跳ねる血管を見る
火傷した彼のふやけた指を舐めまるで二人のようだと思う
プロポーズ受けるだなんて急すぎてカレーの味も分からなくなる
家族とか友達だとか知人とかそんなしがらみ超えたい恋です
ジージーと蛍光灯が鳴る夜は電話を掛ける手が止まらない
着信が鳴らぬ電話と普段なら気にも留めない赤いささくれ
青痣がうっすらうっすら消えていく まるで二人の関係のよう
時が経ち熟れて朽ちてくオレンジのような言葉は吐き出さないで
朝食のメニューは無関心なのに別れ話は敏感な彼
想い出は二人が見てた幻ね 約束は二人が言った戯れ言ね
「さよなら」を手紙で告げた真夜中にパキンと折れた親指の爪
もう恋はしないと決めた日にそっと優しく肩に落つ蝉時雨
アルバムは水曜・燃えるゴミの日で鍵は火曜の不燃ゴミの日
メーカーも名前も知らぬ香水に紛れて香る女の匂い
利き腕で一番好きなぬいぐるみ殴り理解す失いし恋
花魁の誓いに似せて小指ではなく髪を切る深夜二時半
黒髪を朱に染め化粧する朝はアイライナーが上へと跳ねる
彼が乗る車で聞いたCDはTSUTAYAで現価百円也
男ならとっくの昔に捨てたのに未だに飲んでいるピル一錠
雪の日に産まれ決まりし名前だと呟く君を想う一月
二年前彼が似合うと言っていたコートを脱いで部屋を出る春
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
【完結】結婚式の隣の席
山田森湖
恋愛
親友の結婚式、隣の席に座ったのは——かつて同じ人を想っていた男性だった。
ふとした共感から始まった、ふたりの一夜とその先の関係。
「幸せになってやろう」
過去の想いを超えて、新たな恋に踏み出すラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる