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01 金髪ギャルのアイデンティティ
冷え性なんですー
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06
その日はとても冷える日だった。
それこそ、午後になり、下校時間となっても凍えそうなほどに。
この地域では非常に珍しいことだった。
「あー寒い。外出たくないなー」
帰宅時間なのに、寒くて教室から出られないらしい椿姫がぼやく。
「んなこと言ったってどうするよ。
日が傾いたらよけいに寒くなるぜ」
「むー。
男はいいよねー。
体あったかくてさー。
あたしは冷え性なんですー」
治明の言葉に、ぶー、と唇を尖らせながら、椿姫がだだをこねる。
(本当に寒いのが苦手なんだな)
治明は苦笑する。
椿姫は温かそうなタイツをはいているが、それでも寒いのかわずかに震えている。
教室にはエアコンが入っているが、床暖房まではないので足下が確かに冷える。
(待てよ…)
その時、治明は頭の中に電球が灯ったように感じた。
「しょうがないな。
じゃあ、冷え性に効くマッサージしてやろうか?」
「え?そんなマッサージあるの?」
椿姫は一瞬興味を惹かれたようだが、すぐにいぶかしげな笑みを浮かべる。
「でも、治明のマッサージか-。
そんなこと言って、変な所触ろうってんじゃないのー?」
いやんいやんというゼスチャーをしながら、椿姫がおどける。
治明は少しむっとした。
「嫌なら別にいいけどさ。
俺は先に帰ろうかな」
「あ、ごめんごめん。
冗談だって。
悪かった。
その…してもらっていいかな?マッサージ…」
さすがに椿姫は恐縮して謝罪する。
ギャルっぽい見た目に比して、育ちは良くしつけは行き届いているらしい。
人の善意を疑うのは良くないとわかっているのだ。
「うわ…。椿姫ちゃん、まじで脚冷たいな…。
こりゃ、かなり念を入れてマッサージしないと」
「だから冷え性だっていったじゃん。
とにかくよろよろー」
椿姫の真摯な謝罪に機嫌を直した治明は、さっそくマッサージにかかる。
タイツを脱いでもらい、椅子の上に脚を投げ出す姿勢を取らせる。
触れてみると、白くきれいな脚は本当に冷たかった。
「じゃあ、痛かったら遠慮せず言ってくれ」
「うん…わかった…」
椿姫は処女ビッチだ。
脚とは言え、男に体を触らせるのは恥ずかしいらしいが、これだけの冷え性ならわらにもすがる思いになるのもむべなるかな。
治明はそう思った。
温湿布の代わりに携帯カイロを足首に当て、まず足の裏のツボから刺激していく。
「どうかな。痛くない?」
「うん、大丈夫。けっこう効きそうだね…。いい感じ…」
治明の指の刺激は悪くないらしい。
足の裏から足首、そしてすねや膝周りのへとマッサージは遷移する。
「すごい…。なんかほんとに脚が温かくなってきたよ…。
治明、上手なんだねー…」
「おふくろも含めて、うちの親戚冷え性が多くてさ。
昔から本見てマッサージやらされてたのよ」
そんな受け答えをしながらも、治明は慎重に、的確に血流を活性化させるツボを刺激していく。
冷水のように冷たかった椿姫の脚が、しだいに温かくなっていくのを感じた。
その日はとても冷える日だった。
それこそ、午後になり、下校時間となっても凍えそうなほどに。
この地域では非常に珍しいことだった。
「あー寒い。外出たくないなー」
帰宅時間なのに、寒くて教室から出られないらしい椿姫がぼやく。
「んなこと言ったってどうするよ。
日が傾いたらよけいに寒くなるぜ」
「むー。
男はいいよねー。
体あったかくてさー。
あたしは冷え性なんですー」
治明の言葉に、ぶー、と唇を尖らせながら、椿姫がだだをこねる。
(本当に寒いのが苦手なんだな)
治明は苦笑する。
椿姫は温かそうなタイツをはいているが、それでも寒いのかわずかに震えている。
教室にはエアコンが入っているが、床暖房まではないので足下が確かに冷える。
(待てよ…)
その時、治明は頭の中に電球が灯ったように感じた。
「しょうがないな。
じゃあ、冷え性に効くマッサージしてやろうか?」
「え?そんなマッサージあるの?」
椿姫は一瞬興味を惹かれたようだが、すぐにいぶかしげな笑みを浮かべる。
「でも、治明のマッサージか-。
そんなこと言って、変な所触ろうってんじゃないのー?」
いやんいやんというゼスチャーをしながら、椿姫がおどける。
治明は少しむっとした。
「嫌なら別にいいけどさ。
俺は先に帰ろうかな」
「あ、ごめんごめん。
冗談だって。
悪かった。
その…してもらっていいかな?マッサージ…」
さすがに椿姫は恐縮して謝罪する。
ギャルっぽい見た目に比して、育ちは良くしつけは行き届いているらしい。
人の善意を疑うのは良くないとわかっているのだ。
「うわ…。椿姫ちゃん、まじで脚冷たいな…。
こりゃ、かなり念を入れてマッサージしないと」
「だから冷え性だっていったじゃん。
とにかくよろよろー」
椿姫の真摯な謝罪に機嫌を直した治明は、さっそくマッサージにかかる。
タイツを脱いでもらい、椅子の上に脚を投げ出す姿勢を取らせる。
触れてみると、白くきれいな脚は本当に冷たかった。
「じゃあ、痛かったら遠慮せず言ってくれ」
「うん…わかった…」
椿姫は処女ビッチだ。
脚とは言え、男に体を触らせるのは恥ずかしいらしいが、これだけの冷え性ならわらにもすがる思いになるのもむべなるかな。
治明はそう思った。
温湿布の代わりに携帯カイロを足首に当て、まず足の裏のツボから刺激していく。
「どうかな。痛くない?」
「うん、大丈夫。けっこう効きそうだね…。いい感じ…」
治明の指の刺激は悪くないらしい。
足の裏から足首、そしてすねや膝周りのへとマッサージは遷移する。
「すごい…。なんかほんとに脚が温かくなってきたよ…。
治明、上手なんだねー…」
「おふくろも含めて、うちの親戚冷え性が多くてさ。
昔から本見てマッサージやらされてたのよ」
そんな受け答えをしながらも、治明は慎重に、的確に血流を活性化させるツボを刺激していく。
冷水のように冷たかった椿姫の脚が、しだいに温かくなっていくのを感じた。
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