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錬金術の是非
容易に来るものは容易になくなる
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01
王国郊外。
財務省地下資源局出張所。
「で、これですか?」
「面目次第もございません」
抜き打ちの視察に自ら訪れた女王、イレーヌの前には、地下資源局の職員たちが消沈した顔で並んでいる。
みな、包帯を身体のあちこちに巻いたり、三角巾で腕を固定したり、ギプスをはめたりしている。
窓の外を見れば、いつの間にか建造されていた金属精錬装置が見事に破裂して、まだ黒煙を吹いている。
一見すると漫画的な光景だが、これは笑い事ではない。
「錬金術の類いは基本的に禁止と申し上げたはずですが?」
「陛下…言い訳がましいのを承知で弁解させて頂けませんか?」
足にギプスをして、松葉杖をついた若い職員が挙手をする。
イレーヌは嘆息して「どうぞ」と促す。
「今回の実験は、根拠のない錬金術ではありません。
新しい合金の精錬だったのです。
実際、後一歩で成功するところでした。
施設と機械の強度計算を間違えだけで、やり方そのものは間違っていなかったのです」
若い職員は熱弁を振るうが、イレーヌの目は冷ややかだった。
「だからって、この有様はどうなのかしら?
今回は死人が出なかったからいいようなものの。
勝手なことをされたら財務省の信用にも関わってくるのですよ」
「それは…」
職員たちは小さくなる。
必要性と許容性は別の次元の話だ。
できるかどうかとやっていいかどうかは別問題である、と言い換えてもいい。
知的好奇心に任せて勝手に実験を行ったあげく事故を起こしたなど、容認できる話ではない。
「まあまあ、陛下。
今回は彼らの熱意に免じて大目に見てさし上げて下さい。
今後は勝手なことをさせないよう、重々監督しますので」
イレーヌの湧きで話を聞いていたアレクサンダーが口を挟む。
イレーヌはアレクサンダーとズタボロの職員たちを交互に見やって、考える顔になる。
「わかりました。
今回だけは不問とします。今回だけですよ?
それと、以後は実験を行う場合、事前に財務省の許可を取ること。
いいですね?」
「は…はい!ありがたき幸せです」
地下資源局の諸君たちは安堵の表情になる。
(熱意はいいのですけどねえ)
イレーヌはこっそりため息をついていた。
地下資源の開発を推進したのは他ならぬ財務卿補佐時代の自分だ。
金銀を効率的に抽出する灰吹き法を、前世の記憶を頼りに実用化したのも同じ。
だが、灰吹き法に触れた地下資源局の職員たちが、「もっと面白いものができないか」と錬金術まがいのことに夢中になり始めたのは誤算だった。
(生兵法は怪我の元とあれほど言っておいたのに)
金属の精錬は、素人が半端な知識と設備で行ってうまくいくものではない。
特に、イレーヌが女王に即位して以来、基本的に公共の施設での錬金術は禁止としている。
が、禁止されると隠れてやりたくなるのが人情というもので、今回の様な事が起きたわけだ。
(なら、許可制として認められるものは認めるのが得策か)
イレーヌにしてみれば、金銀と銅さえ所期の量を確保できればよし。それ以上危ない橋は渡りたくないのだ。
だが、知的好奇心に突き動かされる者たちがそれでは納得しない。
しぶしぶでも、条件付きで実験を認めるほかなかったのである。
「アレクサンダー。部下の指導がなってないわよ」
「申し訳ありません。反省はしております。
なれど、彼らの知的好奇心と向上心は決して悪しき感情ではないと思っています」
財務省特別顧問兼地下資源局長補佐であるアレクサンダーは、イレーヌの叱責に恐縮した顔で応じる。
地下資源局の職員たちを返した後、イレーヌはアレクサンダーの執務室でお説教を行っていた。
まあ、自分よりはるかに長く生きている相手にどれだけ通じるかはわからない。が、今回はアレクサンダーが監督責任を追及される立場であることは間違いない。
「あなたの一族はエルフの中でも、鉱山の採掘や金属の精錬に熱心だったわね?
それ故に彼らの気持ちもわかると」
アレクサンダーは「おっしゃる通りです」と応じる。
「わたくしとて、今日より良い明日をという考えは否定しません。
知的好奇心おおいにけっこう。
ただ、危険なことは認められないと言っているの」
イレーヌの真剣な眼に、アレクサンダーもさすがに背筋が伸びる。
「陛下のお心は充分理解しております。
今後は、無許可の実験は厳罰に処します。ご容赦のほどを」
アレクサンダーは深々と頭を下げる。
(本当にわかっているのかしら?)
イレーヌは案じていた。
数日後。地下資源局出張所、産業廃棄物処理施設。
「あの、陛下。
なにも御自ら視察なさらなくとも…」
灰吹き法を行うに際してどうしても出る産業廃棄物。鉛の処理をイレーヌは自ら視察していた。
アレクサンダーの補佐としてついている若い魔道士が、心配そうに意見する。
「今日は特に急ぎの仕事もないから視察させて頂こうというのよ。
あなたがたを信用してはいるけど、なにが起きるかわからないのが産廃の処理というものです」
魔道士は「そういうことでしたら…」と引き下がる。
見られたくないものがあるのではない。
純粋に、女王になにかあってはと心配しているのだ。
(その気持ちはありがたい)
イレーヌは胸の奥で素直に感謝する。
そして、目を痛めないためのサングラスをかける。
「では、始めます」
アレクサンダーがそう言って、強力な魔法の詠唱を始める。
強力なエネルギーが収束するのがわかる。
「今です!」
太陽の光が一瞬遮られ、次いでまばゆい閃光が空から降り注ぐ。
積み上げられた鉛を吹くんだ産業廃棄物が、ものすごい勢いで化学反応を起こしていくのがわかるようだった。
(いつみてもすごい迫力)
イレーヌは思う。
周囲にオゾンのにおいが充満している。
どれだけすさまじいエネルギーが化学反応を起こしたか、わかろうというものだった。
「まだです。温度が下がって物質が安定するまでは近づかないように」
アレクサンダーが、早く作業を終わらせようと気が急いている職員たちを制止する。
この産業廃棄物処理施設は、強力な魔法を用いたものだった。
すなわち、強力な魔法による化学反応で瞬時に中性子をたたき込むことによって、有毒な鉛を比較的無毒なビスマスに変化させる。
鉛の処理に困らなくていい反面、非常に危険を伴うものだった。
アレクサンダーを中心とするエルフや魔道士たちの腕は確かだ。が、万一彼らが魔法の操作ミスをしたら、巨大な爆発が周囲に被害を及ぼす危険もある。
また、化学反応のタイミングが合わなかった場合、鉛の奮迅が周囲に拡散してしまう危険もある。
(安全第一ね)
この処理法を考案したイレーヌをして、100%の安全は期しがたいといまだに思っている。
今までこの方法で事故が起こらなかったのは、たゆまぬ努力の結果であって、決して必然ではないのだ。
「陛下、前回地下資源局から献策された錬金術の案は却下されましたが、なにとぞご再考を。
魔法を用いた錬金術の許可をお願いします!」
先ほどの若い魔道士が、視察を終えたイレーヌに直談判してくる。
「おい、女王陛下に無礼だぞ」
魔道士を追い払おうとする廃棄物処理主任を、イレーヌは「いい」と制する。
「あなた、お名前をもう一度うかがえる?」
「は、ケリー・バレンチノと申します」
魔道士ケリーは、うやうやしくこうべをたれる。
たしか、前回献策して来た書類に彼の名前が書いてあったはずだ。
「ケリー、いいですか?
容易に来るものは容易になくなる、ということわざがあります。
なにより金銀は今のやり方で充分確保できています。
土を掘って鉛を沸騰させて、金銀が手に入るまでの苦労も、また重要なのです。
簡単に金銀が手に入る方法に、必要性を感じません。
欲をかいて危ない橋を渡る必要はない、とわたくしは認識しています」
イレーヌの言葉に、ケリーは必死な顔になる。
「なれど!金銀はいくらあっても邪魔にはならないはずです。
なにとぞお考え下さい。二束三文の有毒物質が貴金属に変わるのです!
素晴らしいことではないですか!」
イレーヌは、ケリーの目が純粋で透き通っているのを見た。
(でも、それ故に危うい)
そう思える。
ケリーは欲をかいているのでもなければ、名声が欲しいわけでもない。
ただ純粋に、魔道士として錬金術を成功させたいだけだ。
だが、それ故に危険と思える。
(原爆を完成させた人たちの根っこにあったのは、悪意や欲ではない。
どちらかと言えば純粋な好奇心、あるいは善意だった)
自分が前世で生きていた世界のことを思い出す。
核兵器を最初に開発した者たちに悪意はなかったろう。
だが、彼らの純粋さが、人類に自分たちの文明を何度も滅ぼしてあまりあるだけの危険な力をもたらしてしまった。
ケリーも、その危うい境界線に立っているように思えた。
「ケリー。あなたは賢いし、その純粋さには敬服します。
しかし、あなたの献策は危険すぎます。
多くの民たちのために、なによりあなた自身のためになりません。
この国の君主として、あなたの最高の上司として、許可はできかねます」
イレーヌは、精一杯ケリーを否定しない言い回しをしたつもりだった。
だが、ケリーは無言でおじぎをしただけだった。
(説得は失敗か)
イレーヌは思う。
この後のケリーの行動を運命が漠然とだが予測できる。
イレーヌはどうにも悲しい気分だった。
ケリーが事務所の机に辞表を残して姿を消したのは、それから3日後のことだった。
王国郊外。
財務省地下資源局出張所。
「で、これですか?」
「面目次第もございません」
抜き打ちの視察に自ら訪れた女王、イレーヌの前には、地下資源局の職員たちが消沈した顔で並んでいる。
みな、包帯を身体のあちこちに巻いたり、三角巾で腕を固定したり、ギプスをはめたりしている。
窓の外を見れば、いつの間にか建造されていた金属精錬装置が見事に破裂して、まだ黒煙を吹いている。
一見すると漫画的な光景だが、これは笑い事ではない。
「錬金術の類いは基本的に禁止と申し上げたはずですが?」
「陛下…言い訳がましいのを承知で弁解させて頂けませんか?」
足にギプスをして、松葉杖をついた若い職員が挙手をする。
イレーヌは嘆息して「どうぞ」と促す。
「今回の実験は、根拠のない錬金術ではありません。
新しい合金の精錬だったのです。
実際、後一歩で成功するところでした。
施設と機械の強度計算を間違えだけで、やり方そのものは間違っていなかったのです」
若い職員は熱弁を振るうが、イレーヌの目は冷ややかだった。
「だからって、この有様はどうなのかしら?
今回は死人が出なかったからいいようなものの。
勝手なことをされたら財務省の信用にも関わってくるのですよ」
「それは…」
職員たちは小さくなる。
必要性と許容性は別の次元の話だ。
できるかどうかとやっていいかどうかは別問題である、と言い換えてもいい。
知的好奇心に任せて勝手に実験を行ったあげく事故を起こしたなど、容認できる話ではない。
「まあまあ、陛下。
今回は彼らの熱意に免じて大目に見てさし上げて下さい。
今後は勝手なことをさせないよう、重々監督しますので」
イレーヌの湧きで話を聞いていたアレクサンダーが口を挟む。
イレーヌはアレクサンダーとズタボロの職員たちを交互に見やって、考える顔になる。
「わかりました。
今回だけは不問とします。今回だけですよ?
それと、以後は実験を行う場合、事前に財務省の許可を取ること。
いいですね?」
「は…はい!ありがたき幸せです」
地下資源局の諸君たちは安堵の表情になる。
(熱意はいいのですけどねえ)
イレーヌはこっそりため息をついていた。
地下資源の開発を推進したのは他ならぬ財務卿補佐時代の自分だ。
金銀を効率的に抽出する灰吹き法を、前世の記憶を頼りに実用化したのも同じ。
だが、灰吹き法に触れた地下資源局の職員たちが、「もっと面白いものができないか」と錬金術まがいのことに夢中になり始めたのは誤算だった。
(生兵法は怪我の元とあれほど言っておいたのに)
金属の精錬は、素人が半端な知識と設備で行ってうまくいくものではない。
特に、イレーヌが女王に即位して以来、基本的に公共の施設での錬金術は禁止としている。
が、禁止されると隠れてやりたくなるのが人情というもので、今回の様な事が起きたわけだ。
(なら、許可制として認められるものは認めるのが得策か)
イレーヌにしてみれば、金銀と銅さえ所期の量を確保できればよし。それ以上危ない橋は渡りたくないのだ。
だが、知的好奇心に突き動かされる者たちがそれでは納得しない。
しぶしぶでも、条件付きで実験を認めるほかなかったのである。
「アレクサンダー。部下の指導がなってないわよ」
「申し訳ありません。反省はしております。
なれど、彼らの知的好奇心と向上心は決して悪しき感情ではないと思っています」
財務省特別顧問兼地下資源局長補佐であるアレクサンダーは、イレーヌの叱責に恐縮した顔で応じる。
地下資源局の職員たちを返した後、イレーヌはアレクサンダーの執務室でお説教を行っていた。
まあ、自分よりはるかに長く生きている相手にどれだけ通じるかはわからない。が、今回はアレクサンダーが監督責任を追及される立場であることは間違いない。
「あなたの一族はエルフの中でも、鉱山の採掘や金属の精錬に熱心だったわね?
それ故に彼らの気持ちもわかると」
アレクサンダーは「おっしゃる通りです」と応じる。
「わたくしとて、今日より良い明日をという考えは否定しません。
知的好奇心おおいにけっこう。
ただ、危険なことは認められないと言っているの」
イレーヌの真剣な眼に、アレクサンダーもさすがに背筋が伸びる。
「陛下のお心は充分理解しております。
今後は、無許可の実験は厳罰に処します。ご容赦のほどを」
アレクサンダーは深々と頭を下げる。
(本当にわかっているのかしら?)
イレーヌは案じていた。
数日後。地下資源局出張所、産業廃棄物処理施設。
「あの、陛下。
なにも御自ら視察なさらなくとも…」
灰吹き法を行うに際してどうしても出る産業廃棄物。鉛の処理をイレーヌは自ら視察していた。
アレクサンダーの補佐としてついている若い魔道士が、心配そうに意見する。
「今日は特に急ぎの仕事もないから視察させて頂こうというのよ。
あなたがたを信用してはいるけど、なにが起きるかわからないのが産廃の処理というものです」
魔道士は「そういうことでしたら…」と引き下がる。
見られたくないものがあるのではない。
純粋に、女王になにかあってはと心配しているのだ。
(その気持ちはありがたい)
イレーヌは胸の奥で素直に感謝する。
そして、目を痛めないためのサングラスをかける。
「では、始めます」
アレクサンダーがそう言って、強力な魔法の詠唱を始める。
強力なエネルギーが収束するのがわかる。
「今です!」
太陽の光が一瞬遮られ、次いでまばゆい閃光が空から降り注ぐ。
積み上げられた鉛を吹くんだ産業廃棄物が、ものすごい勢いで化学反応を起こしていくのがわかるようだった。
(いつみてもすごい迫力)
イレーヌは思う。
周囲にオゾンのにおいが充満している。
どれだけすさまじいエネルギーが化学反応を起こしたか、わかろうというものだった。
「まだです。温度が下がって物質が安定するまでは近づかないように」
アレクサンダーが、早く作業を終わらせようと気が急いている職員たちを制止する。
この産業廃棄物処理施設は、強力な魔法を用いたものだった。
すなわち、強力な魔法による化学反応で瞬時に中性子をたたき込むことによって、有毒な鉛を比較的無毒なビスマスに変化させる。
鉛の処理に困らなくていい反面、非常に危険を伴うものだった。
アレクサンダーを中心とするエルフや魔道士たちの腕は確かだ。が、万一彼らが魔法の操作ミスをしたら、巨大な爆発が周囲に被害を及ぼす危険もある。
また、化学反応のタイミングが合わなかった場合、鉛の奮迅が周囲に拡散してしまう危険もある。
(安全第一ね)
この処理法を考案したイレーヌをして、100%の安全は期しがたいといまだに思っている。
今までこの方法で事故が起こらなかったのは、たゆまぬ努力の結果であって、決して必然ではないのだ。
「陛下、前回地下資源局から献策された錬金術の案は却下されましたが、なにとぞご再考を。
魔法を用いた錬金術の許可をお願いします!」
先ほどの若い魔道士が、視察を終えたイレーヌに直談判してくる。
「おい、女王陛下に無礼だぞ」
魔道士を追い払おうとする廃棄物処理主任を、イレーヌは「いい」と制する。
「あなた、お名前をもう一度うかがえる?」
「は、ケリー・バレンチノと申します」
魔道士ケリーは、うやうやしくこうべをたれる。
たしか、前回献策して来た書類に彼の名前が書いてあったはずだ。
「ケリー、いいですか?
容易に来るものは容易になくなる、ということわざがあります。
なにより金銀は今のやり方で充分確保できています。
土を掘って鉛を沸騰させて、金銀が手に入るまでの苦労も、また重要なのです。
簡単に金銀が手に入る方法に、必要性を感じません。
欲をかいて危ない橋を渡る必要はない、とわたくしは認識しています」
イレーヌの言葉に、ケリーは必死な顔になる。
「なれど!金銀はいくらあっても邪魔にはならないはずです。
なにとぞお考え下さい。二束三文の有毒物質が貴金属に変わるのです!
素晴らしいことではないですか!」
イレーヌは、ケリーの目が純粋で透き通っているのを見た。
(でも、それ故に危うい)
そう思える。
ケリーは欲をかいているのでもなければ、名声が欲しいわけでもない。
ただ純粋に、魔道士として錬金術を成功させたいだけだ。
だが、それ故に危険と思える。
(原爆を完成させた人たちの根っこにあったのは、悪意や欲ではない。
どちらかと言えば純粋な好奇心、あるいは善意だった)
自分が前世で生きていた世界のことを思い出す。
核兵器を最初に開発した者たちに悪意はなかったろう。
だが、彼らの純粋さが、人類に自分たちの文明を何度も滅ぼしてあまりあるだけの危険な力をもたらしてしまった。
ケリーも、その危うい境界線に立っているように思えた。
「ケリー。あなたは賢いし、その純粋さには敬服します。
しかし、あなたの献策は危険すぎます。
多くの民たちのために、なによりあなた自身のためになりません。
この国の君主として、あなたの最高の上司として、許可はできかねます」
イレーヌは、精一杯ケリーを否定しない言い回しをしたつもりだった。
だが、ケリーは無言でおじぎをしただけだった。
(説得は失敗か)
イレーヌは思う。
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