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初任務
ルイスー2
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ルイスが、生物の心臓部分に向けて、剣を刺そうとする。
だが、生物の表皮が突然燃え出した。
「なるほど!炎の精霊か何か取り憑いたな」
「ルイス!俺も手伝うぞ」
アクセルが剣を持ち、ルイスの横に進み出る。
「勝手に。ただ、メインは僕だ!」
「はいはい。わかってるよ」
ルイスが剣に風をまとわせながら、走る。その後ろで、アクセルが剣を前に構え、先端に雷の力を溜め込んでいる。
「サード・ウィンドカット」
最初に放った技の3倍の威力もあり、生物の胴にかなり深い傷を負わせることに成功する。そして、傷の中心部にアクセルが、雷の玉を撃ち込んだ。
生物の心臓辺りに大きめの風穴が空いた。
「さて、今度こそ終わりだ!」
3本の小さな槍を風の力を使い、作り出す『ブラスト・スピア』を風穴、脳天、首元の3箇所にぶつける。
生物は、3箇所の急所を同時に攻撃され、動きが止まり倒れ込んだ。
「突然変異型生物は危険と聞いていたが・・こんなものなのか」
「やっぱり強いな、ルイスは」
アクセルは、すごく感心した顔でルイスのことを見ている。
「こいつが弱かっただけだろう。それに、アクセルの援護もあったからだ」
「そう・・で、どうする?これ・・」
突然変異型生物の前に立ち、燃えた表皮をジロジロ眺めている。
「国に提出はしない。これは、僕達だけの研究サンプルとして、使わせてもらおう」
「・・ルイスがいうなら・・まっ、いいか」
そして、現在。
「そういうことで、これがあるわけだ」
「・・な、なるほど」
「何だ?チクるつもりなら、ここで眠っててもらうが・・どうする?」
ルイスが蒼を睨みつけ、剣を構える。
「そんなことしないですって。」
蒼が両手を上げ、首を横に振る。
「ならいいんだが・・で、ここに来た理由は?聞かなくても分かるがな」
「昨日言ってた研究、お願いします!」
「フッ、決心がつくのが早いな!気に入った。戻るぞ」
ルイスが横目で静かに笑ったようだった。
ルイスの家に戻ると、庭に設置されている小屋に連れて行かれた。
「少し危険な実験は、ここですることにしている。・・今更、ビビってるのか?」
ルイスは、少し上から目線な態度で腕組みをしている。
「そんな訳ないです!改めて、よろしくお願いします!」
「失敗はしないよう努力する。もし死んだら、丁寧に弔ってやるから、安心しろ」
蒼は今一番、冗談でも言われたくないこと、だと心底感じた。だが、蒼の決心はとうに決まっている。自分自身が強くなれるなら、何でも・・とは言わないが、頑張れる。
「あと、成功したとしても、その力はできる限り使うな!適応できるまで、時間がかかるからな!君達の任務後、僕がその手伝いをする」
そう言うと、実験を開始したようだった。なぜ、過去形かというと・・。蒼は、ルイスのその言葉の後から気絶してしまっていたらしい。
「おい!さっさと、起きろ!」
「うん?あれ、俺は・・?」
意識が朦朧とする中、ルイスの声が聞こえる。最初の数分は何言ってるか、あまり聞き取ることができなかったが。それも回復してきた。
「成功だ!今の君には、前とは比べ物にならない程の力が流れ込んでいる。適応が完了するまで、その腕についている制御板を外すな」
「成功したのか・・。あ、ありがとうございます」
そして、ふと壁の時計を見ると、時間は2時を指している。あと2時間ほどで、鉱山前集合の時間になる。
「俺、行ってきます。任務の準備をしなくてはいけないので・・」
蒼は、バッグを手に取り、急いで駆け出そうとする。
「そうだったな。いいか、その制御盤は、まだ外すな。外さずとも、今まで通りの力は使える」
ルイスは、強く念を押して、言った。
蒼は、その言葉をしっかりと肝に銘じた。
部屋に戻ると、二人は食事を済ませたあとだった。
「どこ行ってた!?」
「少し、町長の息子さんと話をしてただけだよ」
蒼の返答を、サンダーは「そう。ならいいが」と軽く受け流した。
「まぁ、無事で良かった。ほら、昼食は買ってきてるから、食べちゃって。ちなみに、サンダーが買ってきてくれたのよ。」
蒼は、素早く食事を済ませると、任務に向けての準備をし始める。刀の最終調整、応急処置用の医療具の確認など準備を徹底した。
準備を済ませている内に1時間が過ぎ、あと30分ぐらいで集合時間になろうとしていた。
「そろそろ、行くぞ!蒼」
ギガントから集合場所として伝えられた所は、最低でも歩いて10分くらいはかかる。ルイスがいた山の隣がそうらしい。
蒼は、必要なものを全て持ち、サンダーとランツェの後を追いかけた。
集合場所に着くと、まだギガントは来ていないようだった。まだ、集合まで20分も時間があるので、来ていないのも納得だ。
「早く来すぎたな」
「そうね」
そして、20分後。ギガントは、時間きっかりにやって来た。かなり待ったが、遅れてはいないので、責めることができない。
「早いね、ランツェ達は。それじゃあ、作戦を説明しようか」
ギガントは、地図のようなものとペンを取り出した。
だが、生物の表皮が突然燃え出した。
「なるほど!炎の精霊か何か取り憑いたな」
「ルイス!俺も手伝うぞ」
アクセルが剣を持ち、ルイスの横に進み出る。
「勝手に。ただ、メインは僕だ!」
「はいはい。わかってるよ」
ルイスが剣に風をまとわせながら、走る。その後ろで、アクセルが剣を前に構え、先端に雷の力を溜め込んでいる。
「サード・ウィンドカット」
最初に放った技の3倍の威力もあり、生物の胴にかなり深い傷を負わせることに成功する。そして、傷の中心部にアクセルが、雷の玉を撃ち込んだ。
生物の心臓辺りに大きめの風穴が空いた。
「さて、今度こそ終わりだ!」
3本の小さな槍を風の力を使い、作り出す『ブラスト・スピア』を風穴、脳天、首元の3箇所にぶつける。
生物は、3箇所の急所を同時に攻撃され、動きが止まり倒れ込んだ。
「突然変異型生物は危険と聞いていたが・・こんなものなのか」
「やっぱり強いな、ルイスは」
アクセルは、すごく感心した顔でルイスのことを見ている。
「こいつが弱かっただけだろう。それに、アクセルの援護もあったからだ」
「そう・・で、どうする?これ・・」
突然変異型生物の前に立ち、燃えた表皮をジロジロ眺めている。
「国に提出はしない。これは、僕達だけの研究サンプルとして、使わせてもらおう」
「・・ルイスがいうなら・・まっ、いいか」
そして、現在。
「そういうことで、これがあるわけだ」
「・・な、なるほど」
「何だ?チクるつもりなら、ここで眠っててもらうが・・どうする?」
ルイスが蒼を睨みつけ、剣を構える。
「そんなことしないですって。」
蒼が両手を上げ、首を横に振る。
「ならいいんだが・・で、ここに来た理由は?聞かなくても分かるがな」
「昨日言ってた研究、お願いします!」
「フッ、決心がつくのが早いな!気に入った。戻るぞ」
ルイスが横目で静かに笑ったようだった。
ルイスの家に戻ると、庭に設置されている小屋に連れて行かれた。
「少し危険な実験は、ここですることにしている。・・今更、ビビってるのか?」
ルイスは、少し上から目線な態度で腕組みをしている。
「そんな訳ないです!改めて、よろしくお願いします!」
「失敗はしないよう努力する。もし死んだら、丁寧に弔ってやるから、安心しろ」
蒼は今一番、冗談でも言われたくないこと、だと心底感じた。だが、蒼の決心はとうに決まっている。自分自身が強くなれるなら、何でも・・とは言わないが、頑張れる。
「あと、成功したとしても、その力はできる限り使うな!適応できるまで、時間がかかるからな!君達の任務後、僕がその手伝いをする」
そう言うと、実験を開始したようだった。なぜ、過去形かというと・・。蒼は、ルイスのその言葉の後から気絶してしまっていたらしい。
「おい!さっさと、起きろ!」
「うん?あれ、俺は・・?」
意識が朦朧とする中、ルイスの声が聞こえる。最初の数分は何言ってるか、あまり聞き取ることができなかったが。それも回復してきた。
「成功だ!今の君には、前とは比べ物にならない程の力が流れ込んでいる。適応が完了するまで、その腕についている制御板を外すな」
「成功したのか・・。あ、ありがとうございます」
そして、ふと壁の時計を見ると、時間は2時を指している。あと2時間ほどで、鉱山前集合の時間になる。
「俺、行ってきます。任務の準備をしなくてはいけないので・・」
蒼は、バッグを手に取り、急いで駆け出そうとする。
「そうだったな。いいか、その制御盤は、まだ外すな。外さずとも、今まで通りの力は使える」
ルイスは、強く念を押して、言った。
蒼は、その言葉をしっかりと肝に銘じた。
部屋に戻ると、二人は食事を済ませたあとだった。
「どこ行ってた!?」
「少し、町長の息子さんと話をしてただけだよ」
蒼の返答を、サンダーは「そう。ならいいが」と軽く受け流した。
「まぁ、無事で良かった。ほら、昼食は買ってきてるから、食べちゃって。ちなみに、サンダーが買ってきてくれたのよ。」
蒼は、素早く食事を済ませると、任務に向けての準備をし始める。刀の最終調整、応急処置用の医療具の確認など準備を徹底した。
準備を済ませている内に1時間が過ぎ、あと30分ぐらいで集合時間になろうとしていた。
「そろそろ、行くぞ!蒼」
ギガントから集合場所として伝えられた所は、最低でも歩いて10分くらいはかかる。ルイスがいた山の隣がそうらしい。
蒼は、必要なものを全て持ち、サンダーとランツェの後を追いかけた。
集合場所に着くと、まだギガントは来ていないようだった。まだ、集合まで20分も時間があるので、来ていないのも納得だ。
「早く来すぎたな」
「そうね」
そして、20分後。ギガントは、時間きっかりにやって来た。かなり待ったが、遅れてはいないので、責めることができない。
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