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初任務
敵の正体
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「こちらから仕掛けさせてもらうよ!」
ギガントは、少し大きめの尖った岩を4つ作り出した。そして、その岩を2体の大鳥に向けて、それぞれ放つ。
だが、その攻撃を大鳥は体を回転させ、器用に避けている。
「避けて終わりじゃないよ」
岩は、ブーメランのように曲がって、大鳥のところに戻ってきた。そして、それぞれの大鳥の羽に見事刺さった。2体の大鳥は、痛みのあまり叫び声を上げた。
それでも、2体の大鳥は、なんとか翼を広げ飛んでいる。
「やるね。今までの飛んでるやつなら、落下死してたのにな」
2体は口から炎、氷の玉を作り出すと、飛ばしてきた。そして、その玉はギガントの目の前で止まった。
「何だ?」
その玉は、突如弾けだし、無数の炎と氷の針がギガントを襲った。
「少し・・痛いな。」
ギガントはとっさに岩の盾で身を包んだが、間に合わず、何本かは当たってしまった。顔に1箇所と足に2,3箇所かすっただけで済んだ。
「少し舐めてたのが、良くなかったかな。じゃあ、ここからは手加減は禁物だな。」
ギガントは「もう少しだけ力を借りますよ、天使さん」と言うと。ウリエルがその言葉に呼応したのか、一気にギガントのオーラと力を強まったように感じた。
「さーて、一分で終わらせてやるか。」
ギガントは、2体の大鳥の真横に素早く移動した。その移動に大鳥は気がついていないようだった。
「一刀両断!」
ギガントは自身の槍の先に大きな岩を貼り付け、巨大な槍を作り出した。そして、その槍を思いっきり真横に振った。
その攻撃は炎の大鳥に方には避けられてしまったが、氷の大鳥の胴体を切り刻んでいた。
「この槍は敵の体内に少しでも入れば、削れた岩が体内で破裂して、細胞ごと傷つける!その証拠に回復がし辛いだろう。」
普段なら再生するはずの変異生物の体は変わること無く、静かに息絶えたようだ。
「あと1体!」
一方で、蒼とランツェはというと・・
「誰が来るんだ?」
保管室の扉がゆっくり開いた。蒼は敵かと思い、箱の中で身構えた。
だが、入ってきたのは従業員の服を着た人だった。
「安心したら駄目だ!怪しい行動をこの目におさえるまでは・・」
従業員は、部屋の中をウロウロしている。何かを探しているようだった。
そして、ランツェの方はというと・・同じ状況下に置かれていた。
「敵・・なの?とりあえず、様子見ね」
蒼の方の従業員は、3分ほど経ったあと、一つの鉱石が入った木箱を持って部屋を出ていこうとする。それは、ランツェの方も同じだった。
「今だ!」
蒼は、勢いよく木箱から飛び出ると、その従業員に飛びついた。
「んっ!何だ!」
「何だ!、じゃないだろ。毎日、鉱石を盗んでるのはお前だな!」
従業員は、とぼけた顔をしているが、嘘をついているようには見えない。
「じゃあ、何しに来た!」
「何をって・・あれ?何だっけ・・?」
蒼は怪しいと感じつつも、どんなに従業員の顔を見ても、嘘をついているとは考えられない。
「とりあえず、ここを動くな。・・ランツェ、そっちはどうだ」
「ハズレみたいね。それに・・この従業員、記憶がないみたいだよ」
どうやら、ランツェの方もただの従業員だったようだ。それも記憶がない状態だということも同じようだ。
蒼とランツェが、次取る行動に困り果てた瞬間・・。
「二人とも大丈夫か!」
二人の通信機から同時にギガントの声が響いた。
「大丈夫です。ギガントさんの方は、大丈夫ですか?」
「こっちも想定外のことが起こったが、殆どダメージは負っていない。それで、そっちの状況は?」
「両者。記憶喪失の従業員、各1名保護中です。そして・・」
蒼の代わりにランツェがギガントに状況の全てを報告した。
「やっぱり・・、作戦変更!3名全員、鉱山から出てきてくれ。」
ギガントが3人に一斉に命令を飛ばす。
通信を切ると、蒼とランツェはそれぞれ、従業員を担ぐと、小走りで最初に集合した場所を目指した。サンダーは出番がなくて、がっかりしつつ、最速で集合場所を目指した。
「よし、集まったね。その二人は、この場で寝かせといて」
二人の従業員は何が何だか分からずに、寝てしまっていたようだ。
「何か分かったのか?いくら私が待っていても敵が通過することもなかったが・・」
「気になったのは、そこでもあるんだよね。・・だけど、少し考えた結果、合点のいく答えが出た。それを今から説明する」
ギガントが導き出した答えというのは、二人の従業員は何者かに遠隔で操られていたということだ。その根拠としては、二人には記憶がないということ。
そして、ギガントに突如襲いかかった2体の大鳥。しかも、その大鳥を調べると2体とも既に心臓部分などの急所に穴が空き、死んでいる個体だったということ。
「この想定が正しければ、術者は近くに潜んでいるということになる。」
「確かにそうですが。この辺りに隠れられる場所なんて・・」
「それがあったんだよ。ついてきて」
ギガントが案内したのは、草むらに隠れて見つけづらそうな入口が小さな洞窟だった。
「まさか、この中ですか?この小さな洞窟の中に?」
「入口がそうでも、中が広い洞窟なんて大量にある。だが、見つけづらいとなると、敵が隠れるには絶好の場所のはずだ」
「でも。誰もこんな入口、入れないですよ」
蒼が言ったことに、サンダーとランツェは最もだと思った。が、ギガントは「入れないなら、作ればいいんだよ」と余裕そうに言う。
「離れてて!」
ギガントの言葉の意味を理解するまで、3人は数秒間かかった。そして、理解を終える頃には、目の前で爆発音が響き渡り、入口が大きくなっていた。
「よし!突撃するぞ!ボーとしてる暇はないぞ、3人共」
ギガントは、少し大きめの尖った岩を4つ作り出した。そして、その岩を2体の大鳥に向けて、それぞれ放つ。
だが、その攻撃を大鳥は体を回転させ、器用に避けている。
「避けて終わりじゃないよ」
岩は、ブーメランのように曲がって、大鳥のところに戻ってきた。そして、それぞれの大鳥の羽に見事刺さった。2体の大鳥は、痛みのあまり叫び声を上げた。
それでも、2体の大鳥は、なんとか翼を広げ飛んでいる。
「やるね。今までの飛んでるやつなら、落下死してたのにな」
2体は口から炎、氷の玉を作り出すと、飛ばしてきた。そして、その玉はギガントの目の前で止まった。
「何だ?」
その玉は、突如弾けだし、無数の炎と氷の針がギガントを襲った。
「少し・・痛いな。」
ギガントはとっさに岩の盾で身を包んだが、間に合わず、何本かは当たってしまった。顔に1箇所と足に2,3箇所かすっただけで済んだ。
「少し舐めてたのが、良くなかったかな。じゃあ、ここからは手加減は禁物だな。」
ギガントは「もう少しだけ力を借りますよ、天使さん」と言うと。ウリエルがその言葉に呼応したのか、一気にギガントのオーラと力を強まったように感じた。
「さーて、一分で終わらせてやるか。」
ギガントは、2体の大鳥の真横に素早く移動した。その移動に大鳥は気がついていないようだった。
「一刀両断!」
ギガントは自身の槍の先に大きな岩を貼り付け、巨大な槍を作り出した。そして、その槍を思いっきり真横に振った。
その攻撃は炎の大鳥に方には避けられてしまったが、氷の大鳥の胴体を切り刻んでいた。
「この槍は敵の体内に少しでも入れば、削れた岩が体内で破裂して、細胞ごと傷つける!その証拠に回復がし辛いだろう。」
普段なら再生するはずの変異生物の体は変わること無く、静かに息絶えたようだ。
「あと1体!」
一方で、蒼とランツェはというと・・
「誰が来るんだ?」
保管室の扉がゆっくり開いた。蒼は敵かと思い、箱の中で身構えた。
だが、入ってきたのは従業員の服を着た人だった。
「安心したら駄目だ!怪しい行動をこの目におさえるまでは・・」
従業員は、部屋の中をウロウロしている。何かを探しているようだった。
そして、ランツェの方はというと・・同じ状況下に置かれていた。
「敵・・なの?とりあえず、様子見ね」
蒼の方の従業員は、3分ほど経ったあと、一つの鉱石が入った木箱を持って部屋を出ていこうとする。それは、ランツェの方も同じだった。
「今だ!」
蒼は、勢いよく木箱から飛び出ると、その従業員に飛びついた。
「んっ!何だ!」
「何だ!、じゃないだろ。毎日、鉱石を盗んでるのはお前だな!」
従業員は、とぼけた顔をしているが、嘘をついているようには見えない。
「じゃあ、何しに来た!」
「何をって・・あれ?何だっけ・・?」
蒼は怪しいと感じつつも、どんなに従業員の顔を見ても、嘘をついているとは考えられない。
「とりあえず、ここを動くな。・・ランツェ、そっちはどうだ」
「ハズレみたいね。それに・・この従業員、記憶がないみたいだよ」
どうやら、ランツェの方もただの従業員だったようだ。それも記憶がない状態だということも同じようだ。
蒼とランツェが、次取る行動に困り果てた瞬間・・。
「二人とも大丈夫か!」
二人の通信機から同時にギガントの声が響いた。
「大丈夫です。ギガントさんの方は、大丈夫ですか?」
「こっちも想定外のことが起こったが、殆どダメージは負っていない。それで、そっちの状況は?」
「両者。記憶喪失の従業員、各1名保護中です。そして・・」
蒼の代わりにランツェがギガントに状況の全てを報告した。
「やっぱり・・、作戦変更!3名全員、鉱山から出てきてくれ。」
ギガントが3人に一斉に命令を飛ばす。
通信を切ると、蒼とランツェはそれぞれ、従業員を担ぐと、小走りで最初に集合した場所を目指した。サンダーは出番がなくて、がっかりしつつ、最速で集合場所を目指した。
「よし、集まったね。その二人は、この場で寝かせといて」
二人の従業員は何が何だか分からずに、寝てしまっていたようだ。
「何か分かったのか?いくら私が待っていても敵が通過することもなかったが・・」
「気になったのは、そこでもあるんだよね。・・だけど、少し考えた結果、合点のいく答えが出た。それを今から説明する」
ギガントが導き出した答えというのは、二人の従業員は何者かに遠隔で操られていたということだ。その根拠としては、二人には記憶がないということ。
そして、ギガントに突如襲いかかった2体の大鳥。しかも、その大鳥を調べると2体とも既に心臓部分などの急所に穴が空き、死んでいる個体だったということ。
「この想定が正しければ、術者は近くに潜んでいるということになる。」
「確かにそうですが。この辺りに隠れられる場所なんて・・」
「それがあったんだよ。ついてきて」
ギガントが案内したのは、草むらに隠れて見つけづらそうな入口が小さな洞窟だった。
「まさか、この中ですか?この小さな洞窟の中に?」
「入口がそうでも、中が広い洞窟なんて大量にある。だが、見つけづらいとなると、敵が隠れるには絶好の場所のはずだ」
「でも。誰もこんな入口、入れないですよ」
蒼が言ったことに、サンダーとランツェは最もだと思った。が、ギガントは「入れないなら、作ればいいんだよ」と余裕そうに言う。
「離れてて!」
ギガントの言葉の意味を理解するまで、3人は数秒間かかった。そして、理解を終える頃には、目の前で爆発音が響き渡り、入口が大きくなっていた。
「よし!突撃するぞ!ボーとしてる暇はないぞ、3人共」
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